自宅に突然押しかけた業者が、強引に貴金属を買いたたく。いわゆる「押し買い」の被害が急増するなか、消費者庁は、買い取り契約を結んだ後8日間は、クーリングオフ(解約)ができるよう規制する方針を決めた。特定商取引法の改正案を、来年の通常国会に提出する。
訪問販売の「押し売り」は同法で規制されているのに対し、「押し買い」には消費者保護の法律がない。金価格が高騰するなかでトラブルが相次いでいる。
全国の消費生活センターに寄せられた相談は、2009年度に138件だったが10年度は17倍を超える2420件。11年度は9月29日までに1857件の相談が登録され、昨年同日の231件を大きく上回る。「見せた指輪などをあっという間に買い取られ業者の名前も分からない」「解約を申し出たが拒否された」などの訴えが多い。