＜フィギュア＞鈴木明子、新たな気持ちでＧＰに

　フィギュアスケートのグランプリ（ＧＰ）シリーズ第２戦、スケートカナダが２８日、トロント近郊で開幕する。

　昨季後半は不振だった２６歳のベテラン鈴木明子（邦和スポーツランド）が、気持ちを新たにＧＰシリーズ初戦に臨む。「『スケートが好きだ』という気持ちを取り戻した。今は充実感がある」と表情も明るい。

　初出場のバンクーバー五輪では８位入賞。大舞台を終えたことで「練習で前向きになれなかった。怒られてばかりで面白くもないし、日々がつらくなっていた」と打ち明ける。演技でもジャンプが不調になった。昨シーズンはＧＰファイナルこそ４位に入ったが、世界選手権の出場を逃したことで「常にがむしゃらにやっていかないと取り残されてしまうと感じた」。前を向くための転機となった。

　今季のプログラムはＳＰが力強さ、フリーは明るくて華やかな内容に取り組んでいる。オフに練習を重ねたことでジャンプも安定し、プログラムの密度を濃くすることに意識が集中できている。

　これまでのフリーは情熱的な雰囲気だったが「陽気な部分は素顔の自分に近い。やっていて新鮮」と鈴木。昨シーズンより仕上がりの手ごたえはいい。【小坂大】

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