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国家戦略会議:成長戦略練り直し指示 初会合で野田首相

 政府は28日、経済・財政分野の「司令塔」と位置づける「国家戦略会議」(議長・野田佳彦首相)の初会合を開いた。野田首相は「時代の転換期を迎えている。極東の片隅に位置する、お年寄りの多い元気のない国に終わってしまうのか。ビジネスチャンスに満ちた元気な国を造っていけるのかという局面だ」と現状に強い危機感を示し、東日本大震災の影響を踏まえ、現在の成長戦略を大幅に練り直した「日本再生の基本戦略」を年内に取りまとめるよう指示した。

 国家戦略会議は官邸主導の政策運営を実現するため野田首相が設置に意欲を示してきた組織で、関係閣僚に加え、米倉弘昌経団連会長や古賀伸明連合会長、白川方明日銀総裁など民間・関係機関の代表6人も参加。再生戦略の策定に加え、エネルギー戦略の検討や予算の骨格作りも担う。

 ただ、政府内の調整の遅れから初会合が10月末にずれ込んだことで、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加の是非や、税・社会保障の一体改革の法制化作業など、既に検討が本格化している重要課題への関与は限定される見通し。小泉政権の司令塔役を担った経済財政諮問会議のように強い推進力を発揮できるかが課題となる。【赤間清広】

毎日新聞 2011年10月28日 11時24分(最終更新 10月28日 12時51分)

 

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