宮内庁の羽毛田信吾長官は27日の定例会見で、女性皇族が結婚で皇室を離れることなどを定めた皇室典範について、「皇位の安定的継承という意味で課題を残している」と指摘し、「内閣にも私どもなりの課題と考えているところは申し上げてきた。今後も折をとらえて申し上げていく」と述べた。
英国の王位継承を巡り、男子優先から長子優先へ改正する動きがあることについて感想を聞かれて答えた。羽毛田長官は、これまでも皇室典範について課題があるとの考えを示しており、天皇陛下が08年に体調を崩した際には、心労の背景として「皇統(皇位継承)の問題」も挙げた。この日は、女性皇族について「ご結婚年齢に近い年齢にどんどんなっていらっしゃる。ある種の緊急性が高まっている」と語った。
皇室典範改正論議は、小泉政権で発足した有識者会議が「女性・女系天皇」を認める報告書を05年11月に提出したが、06年9月に秋篠宮ご夫妻に長男悠仁さまが誕生し、政治課題としては、論議が立ち消えとなった。【真鍋光之】
毎日新聞 2011年10月27日 20時08分
10月27日 | 皇室典範改正:宮内庁長官「内閣に申し上げる」 |