AUM7
 謎と陰謀

戦いか破滅か――現代の黙示録を解く
魔笛〜世界を操る影の存在
救世主降臨



目 次

はじめに

世紀末を目前に控えた世界は今、混迷の度を増している。

 管理的物質主義に基づく共産主義陣営の旗手として君臨してきたソビエト社会主義共和国連邦は、1991年の共産党解散に続く混乱の中、その歴史に終止符を打った。その後の経済改革も思うに任せず、民衆は日々の暮らしにも困り果てている。また、国の混乱をついてマフィアたちが暗躍を始め、ただでさえ少ない物資を闇ルートで流しているという。

 一方、放任的物質主義である資本主義陣営を代表し、『世界の警察』を豪語してきたアメリカ合衆国は、人種問題、麻薬問題、相次ぐ殺人や強盗、児童虐待など、多くの問題を抱えている。特に、国家の財政事情は崩壊寸前である。

世界は完全に行き詰まっている。

 核戦争の恐怖と自然破壊によってもたらされた地球の危機を前に、有効な選択肢も見いだせず、ただ途方に暮れている。

「近代西洋文明は驚くべき勢いで全世界を席巻してきたが、その低次元の物質的信仰のゆえに、また驚くべき速さで凋落してゆくであろう」
と、トインビーは語ったというが、まさしく西洋物質文明は今、末期的症状を呈し始めている。

 では、この世界に共通する難問を解決し、来るべき21世紀を切り開いていく新しい思想とは、文明とは、どのようなものだろうか?

 


 文明興亡の法則を研究する京都大学教授・岸根卓郎氏は次のように語る。

    「現在世界を支配する資本主義もマルクス主義も、所詮は『形』のある『物質』を中心とした西洋人の『有形的唯物文明』の所産にすぎない。

    これに対し、来るべき未来東洋文明は『形』のない『精神』を中心とした『無形的精神文明』へと進化するものとおもわれる」

    「人間の幸福度は、それを経済学的にみれば、

    と表わせよう。ゆえに、幸福度を高めるには、所得と欲望のバランス、それゆえ物と心のバランスを図る必要がある。なぜなら、いくら所得を大きくしても、それ以上に欲望を大きくすれば、幸福度は却って下がるからである。

     そのさい、一般に分子の所得を大きくして物による幸福度を高める方向が自然支配型・自然収奪型・自然破壊型の西洋物質文明の方向と考えられる。

     しかし、ここに問題は、その分子の所得の増大を目指して西洋物質文明のみを追求してゆけば、所得は確かに大きくなり物的には豊かになっても、やがては自然は必ず破壊され人間の生存までも危なくなって、幸福度は逆に必ず下がるということである。なぜなら、今日の西洋物質文明の追求は、物質生産を刺激して分子の所得を大きくはするが、それは同時に分母の欲望をも刺激(または解放)してそれ以上大きくするから、却って幸福度を下げるという自家撞着性をもつからである。

     ゆえに、幸福度を高めるには、分子の所得(物)の増大をある限度内に抑えなければならない。すなわち、西洋物質文明のみの暴走は許されないということである。

     このようにして、幸福度を高めるには、分子の所得の増大をある限度内に抑える必要があるが、一方、それと同時に、分母の欲望(心)の増大をもある限度内に抑える必要があることも分かる。そのさい、分母の欲望の増大を抑えて幸福度を高める方法が、自然随順型・自然共生型・自然親和型の東洋精神文明といえよう。(中略)

     ゆえに、これらの東洋思想への絶えざる回帰によって、はじめて、あくなき人類の欲望(物欲)は抑えられ、西洋物欲文明による自然破壊も制御され、未来永劫にわたる自然と人類との共生が可能となって、人類はつねに『高い幸福度』を維持することができるものと考えられる」

    「現在は上記のように資本家階級支配の資本主義社会であるから、この社会の価値観は金銭がすべての、いわゆる拝金主義の物質万能の物社会であるため、このような物社会からは科学面での天才は生まれても、文学、芸術、哲学、宗教などの精神面では天才は生まれにくい。

     しかし、これからの新しい日本社会は、現在の物社会をはるかに超えた、かつてこの地球上に存在したことのないほどの高い価値観をもった社会制度へと飛躍し、それによって、これまでに存在したことのない型の天才を輩出させ、さらにそれを原動力とし、これまでに存在したことない型の高度な文明を創出してゆかなければならない。そのさい、そのような『新しい社会制度』の在るべき姿は、私の予見では、対決よりは協調を、戦争よりは平和を、分裂よりは融和を、それゆえ総じて荘子のいう『差別よりは斉同を、対立よりは調和を、部分よりは全体を』をその基本的価値観とし、さらにそれに『利潤よりは福祉を、物質(金銭)よりは人間精神』をそれぞれ付加した社会制度でなければならない」

[『文明論』、岸根卓郎、東洋経済新報社]

 そう、今こそ人類は、物質よりも精神を重視する東洋文明へと回帰する時代を迎えたのではないだろうか。そして、東洋思想の真髄である原始仏教・原始ヨーガの流れこそが、行き詰まる現代世界を切り開くことができるのではないだろうか。

 物質主義、物質主義的執着、物質的思考一時的にわたしたちを幸せにしてくれるかもしれないが、死の瞬間にそれらは消えてしまう。

 つまり、物質主義は、総合的に見るならば、精神的不安定、精神的苦痛を与える。

 


現代は完全に物質主義に支配されている。

 一つは物質主義的平等を主張している管理的物質主義、すなわち共産主義

 もう一つは、「もうけたい人はもうけましょう」という放任的物質主義である自由主義

 つまり、東西の対決、あるいは左と右との対決などと言われてきたものの、実際には同じことである。ただ、それが放任主義的であるか、管理主義的であるかの違いである。

 このように物質主義が地上を汚染するようになったのは、ルネサンスあたりからである。

 例えば、ヨーロッパ的な流れを見るならば、教皇と王が存在して、その力関係が逆転してきたあたりから変化が始まった。その劇的な変化は、当時ヨーロッパに猛威をふるったペストによって引き起こされた。それ以降、人々は一気に資本主義的な思考に移り変わっている。そして、このペストは、現在全世界に影響力を持つ「彼ら」が仕掛けたものであった。そのペスト大流行以降、「彼ら」は人間の物質的欲望を巧みに利用し、莫大な利益を上げてきたのである。

 そして現在マスコミは、「物質主義的思考=人を幸福にする」という宣伝を24時間かけて行なっている。雑誌とか新聞、テレビ、あるいは漫画などを見ることによって、そのイメージが根づく。そして現象として追体験して、納得し、満足する。一方、宗教的なことは、テレビでは否定的に扱う。ただひたすら、金に関すること、物に関することを流し続ける。

 このような情報を流し続けているのが「彼ら」である。「彼ら」の情報操作により、日本人は物質的思考を植えつけられるだけでない。例えばテレビなどで、電話のシーンを多く見せつけられることによって、直接会話ができる機会はあるのに、わざわざ電話でしか話さない傾向が強まる。このように「彼ら」は、わたしたちを支配しやすくするために、わたしたちを集団として一つの力になることを抑え、分離・統治する。これが、日本の現状である。

 ところが、日本において、そのような統治をした場合、個々が分離状態にあるから、内的には統治しやすいのだが、外的に攻められた場合、大変もろい。これこそが、「彼ら」の支配下にある日本政府の目指すところである。つまり、日本人を無知化し、個々を分離することで統治しやすく弱体化した上で、「彼ら」に日本を献上しようというのである。

 マスメディアを中心とした無知化のプロセスは、日本のみならず世界的に行なわれてきた。その洗脳が終わり、反社会的な者が少なくなり、統治しやすい状況が完成した。「彼ら」が今まで演出してきた、強大な敵を設定することで自国民を統治しやすくするという東西冷戦という構図は、ここへ来てもはや必要がなくなった。ソ連が崩壊したのは、西側世界の敵役という役目を終えたからである。そして西側世界も、アメリカを中心にその行く手には翳りが見えている。

 「彼ら」、つまり、この世の中をコントロールしているグループは、相当知性が高い。しかも700年、800年と時間をかけて。

 その「彼ら」の目的は、粛清である。自分と関係のあるもの、一部だけを生き残らせ、もっともっと統治しやすい地球をつくっていきたいと考え、そのために計算されて動いている。

 では、その「彼ら」とは何者なのか。
「彼ら」の行なう粛清とは、いかなるものなのか。
 わたしたちはどうなるのか。

 それが、このホームページで明らかになる。

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(C)AUM Shinrikyo Public Relations Department, 1994-97