洪水の被害が広がるタイの首都バンコクで、中心部を走る地下鉄の浸水が懸念されていることから、日本の国際緊急援助隊として現地入りしている東京の地下鉄の技術担当者が駅の入り口などを調査しました。
タイ・バンコクでは、中心部の王宮に隣接する寺院が水につかるなど被害が広がっていて、今後、浸水地域が広がれば、市民の足になっている地下鉄にも被害が及ぶことが懸念されています。このため、日本の国際緊急援助隊として派遣された東京メトロの技術担当者2人が、27日から被害のおそれがないか調査を始め、駅を見て回りながら地下鉄運営会社の責任者から説明を受けました。バンコクの地下鉄は7年前に開業した際、水害を避けるために、駅は道路から階段を数段上がったところに入り口が設けられたほか、水が近づいてきた場合には防水壁を閉じられるようになっています。担当者たちは、防水壁の高さなどを聞き取るなどして調査を進めていました。東京メトロの大月喜雄さんは「駅の構造上、浸水被害の可能性は低いが、もし地下の電気設備などがひとたび水につかれば、長期間運転ができなくなるため、万全の対策をとるようアドバイスした」と話していました。大月さんらは今後、1週間から2週間かけて駅や車両基地などを詳しく調査し、助言をすることにしています。