2011年8月28日 2時30分 更新:8月28日 3時24分
菅直人首相の後継を決める民主党代表選(29日投開票)が27日告示され、毎日新聞は投票権を持つ党所属国会議員の動向を探った。小沢一郎元代表の支持を受けた海江田万里経済産業相(62)が先行。前原誠司前外相(49)、野田佳彦財務相(54)、鹿野道彦農相(69)の3氏が2位を争い、馬淵澄夫前国土交通相(51)が追う。ただ、過去最多の5候補乱立に伴い、どの候補も1回目の投票で当選に必要な過半数を獲得するのは難しい情勢だ。決選投票に進める2位以内に海江田氏とだれが残るかが焦点となる。
有権者は党所属の国会議員398人(衆院292人、参院106人)で、過半数は200票。党員資格停止処分を受けた小沢元代表ら9人は投票権がない。
毎日新聞の調査では、海江田氏が党内最大勢力の小沢グループを基盤に約115票を確保、決選投票に進む足場をほぼ固めた。前原氏が約55票、野田氏が約45票、鹿野氏が約40票で追い、馬淵氏は約20票と伸び悩んでいる。3割以上の議員が態度を明確にしておらず、情勢はなお流動的だ。
小沢元代表と鳩山由紀夫前首相が26日に海江田氏支持を決め、小沢、鳩山両グループの大半が海江田陣営に参加した。半面、海江田氏の「小沢色」が鮮明になったことで、中間派と主流派の支持は広がっていない。
一方、主流派は前原、野田両陣営に分かれ、決選投票での協力を念頭に2位争いを展開している。ただ、外国人献金問題を抱える前原氏は、期待したほど若手の支持が伸びていない。「野田さんと票が割れ、両方とも決選投票に残れないかもしれない」(陣営)との危機感も広がる。野田氏は岡田克也幹事長や玄葉光一郎政調会長の支援を受け、中間派への浸透を図る。
馬淵氏はどこのグループにも属さない立場を強調し、支持を訴えている。【田中成之、西田進一郎】