リビアの国民評議会は、死後4日間にわたって一般に公開してきたカダフィ大佐の遺体を、埋葬場所が将来カダフィ派の聖地となるのを防ぐために、砂漠の中の極秘の場所に埋葬しました。
カダフィ大佐の遺体は、死亡したシルトから西部の都市ミスラータの冷凍庫に移されたあと一般に公開され、独裁者の死をみずからの目で確かめたいという市民が大勢詰めかけていました。しかし、欧米諸国などから人道上問題があるという指摘があったほか、イスラム教の指導者からも早めに埋葬するべきだという意見があったことから、24日に公開が中止されました。国民評議会によりますと、その後、カダフィ大佐の遺体は車で運び出され、25日、リビア国内の砂漠の極秘の場所に埋葬されたということです。埋葬場所が秘密にされたのは、遺体が荒らされるのを防ぐとともに、遺体の埋葬場所が大佐の支持者たちの聖地となることを防ぐねらいがあるものとみられています。カダフィ大佐の死を巡っては、国際法に反して拘束後に殺害された疑いが持たれていることから、国民評議会では調査委員会を設けて真相を究明するとしており、埋葬に先立っては入念な検視が行われたということです。