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元オリンピックアスリートが、ブランドとして「認知」された瞬間。

イタリアで、ミッソーニっていうブランドを、聞いたことある人はいますか?
緑や赤の結構派手なニットを使ったブランドで、世界中に多くの愛好者がいます。 
ミッソーニっていうのは、それを作った人の名前です。この人は、オリンピックの陸上選手で、400m障害で銀メダルとった人です。それが、27歳の時までに3回目のオリンピックに出場して、入賞から洩れてしまい、限界ということで、諦めて引退することになる。
それでどうしたか、というと、貰ったお金でミシンを2台買うんです。30年くらい前の話です。
 27歳のスポーツ選手が、最初から独学をして37歳くらいにかけて世界的なブランドをつくり上げていく。それまでは編んだこともないし、ミシンの使い方もろくに知らなかった。ずうっと陸上バカで、ニットどころかTシャツと短パンがあれば良かったみたいな生活から、サラリーマンは嫌だから、自分のものは自分で縫おうということになった。それから、「私のものも作ってください」って頼まれるようになって、世界的にたくさんの店舗を持つようなブランドになったんです。


では、ミッソーニが、いつブランドになったのか?
ミッソーニ自身は、ミラノに第1号店を持てた時に「デビューした」という言い方をしています。陸上をやめて5年目くらいです。デパートの一角で売られるようになり、だんだん3店舗、4店舗となって、初めてミラノにお店が持てた時にブランドとして成立したと、ご本人は考えているようです。


ここで改めて「ブランドの成立」について、ミッソーニの定義から厳密に言えば、@まず流通する、お金になる、Aそれから名前が付いている、ということ。そして、B消費者に選ばれる、認知される、ということ。少なくとも、ブランドの商品を買うということは、たまたま見ていてこの商品が良いから買う、ということではありません。ミッソーニだと思って買う、というような行為のことです。
例えば、自分もデザイナーになってみたいと思った時に、自分の服を作る。学校やメーカー主催のファッションショーに、何かを出す。また、兄弟姉妹や知り合いから、「あんまりお金無いけど5000円くらいで何か作ってくれないか?」と言われて、作る。
さっき話した人たちも、みんな同じです。ココ・シャネルも、ティファニーやグッチも、その成り立ちは、自分の好きなものを1つずつ作った、というのが、全部出発点になっています。


だから、あなた(学生17さん)のように自分で布を考えて、デザインして完成させ、そこにタグを付けた。これが売れて、「すごく着心地が良い」、「もう1個作って」、「何かあの子が作ったのはすごく良いらしいよ」と認知する人が2人、3人、4人、100人って出てきた時に、ブランドとして成立していく、ということです。
つまり、まず売る側がブランドを宣言したっていうだけでは、まだブランドではありません。買う人たちから、まだ見たことも無い人たちから、「あれは良い」という評価を受けた時にブランドとして成立する、ということになりますね。

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