来月、北朝鮮で行われるサッカー日本代表のワールドカップ予選を巡り、政府は、日本人サポーターの北朝鮮への渡航について、世界的なスポーツ大会という特殊な事情にも配慮し、制裁措置の一環として行っている渡航の自粛要請を限定的に解除する方針を固めました。
北朝鮮への渡航について、政府は、拉致問題や核問題を踏まえた制裁措置の一環として、目的を問わず自粛するよう要請しています。しかし、サッカー日本代表が来月15日にワールドカップ・ブラジル大会のアジア3次予選で、22年ぶりにピョンヤンで北朝鮮と対戦することを受けて、一部の旅行代理店が中国経由で北朝鮮に入って試合を観戦するツアーを計画しており、すでに多数の日本人サポーターが申し込んでいるということです。このため、政府は「『日本代表を応援したい』というサポーターの思いは、理解できる」として、世界的なスポーツ大会という特殊な事情にも配慮し、今回、北朝鮮への渡航の自粛要請を限定的に解除する方針を固めました。政府は、外務省や法務省などで調整を進めたうえで、近く正式に決定することにしていますが、北朝鮮には、日本の大使館などが置かれていないため、今後、サポーターの安全をどのように確保するかなどについて慎重に対応を検討することにしています。