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オリンパス:新社長が会見、改めて「買収は適正」

過去の買収案件に関して記者会見するオリンパスの高山修一社長(右)=東京都内のホテルで2011年10月27日午前11時23分、小林努撮影
過去の買収案件に関して記者会見するオリンパスの高山修一社長(右)=東京都内のホテルで2011年10月27日午前11時23分、小林努撮影

 10月に入って社長が2度交代し、経営が混乱しているオリンパスは27日、前日に就任した高山修一社長らが記者会見し、08年の英医療機器メーカー「ジャイラス」や国内3社の買収の経緯を公表した。また、英ジャイラスの買収に伴う約660億円の支払先の投資助言会社が、日本の証券会社出身者が代表を務めていた「Axes」社だったことも明らかにした。

 660億円のうち約590億円は、Axesが保有するジャイラスの優先株の買い取り料として支払われ、支払総額が膨らんでいた。

 高山社長は、当初目指していたジャイラスの再上場を断念した結果、Axesから買い取りを要求された経緯を明らかにし、「報酬は不当に高額とは考えていない」と述べた。投資助言会社を公表した理由については「個人情報の関係でこれまで開示していなかったが、臆測による市場への影響を考慮し開示した」と説明した。

 計約730億円を投じた電子レンジ専用容器製造会社など国内3社の買収についても、高山社長は「買収額は外部の算定を経ており、違法や不正はなかった」と改めて強調。森久志副社長は「ファンドの運営者を通じて買い取りを実施したため、株主の名前や振込先しか分かっていない」と説明した。

 今月14日に解任されたマイケル・ウッドフォード元社長は「国内3社の査定を実施した証拠がなく、買収額が不当に高い」と批判している。

 27日の東京株式市場では、菊川剛前会長兼社長の辞任などを好感して、オリンパス株は午後の取引で一時、前日終値比で200円以上高い1300円台をつけた。【竹地広憲、浜中慎哉】

毎日新聞 2011年10月27日 12時11分(最終更新 10月27日 13時29分)

 

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