事件・事故・裁判

文字サイズ変更

掌紋識別:プログラムミスで10万件誤登録 警察庁

 警察庁は27日、事件現場から採取した掌紋の自動識別システムにプログラムのミスがあり、不正確なデータが10万2000件登録されていたことを明らかにした。過去の逮捕者の掌紋と照会し、容疑者の割り出しや余罪の発見に利用するシステムのため、同庁は修正後のプログラムで再照会を進めている。システムを納入したNECが07年の更新時にプログラムを取り違えたことが原因だという。

 同庁によると、再照会は既に殺人など重大事件約1000件について終了し、捜査に影響したケースはないという。また、掌紋が一致するかの最終判定は必ず目視で行う。このため同庁は「不具合による誤認逮捕はありえない」としている。

 自動識別システムで照会すると、事件現場で見つかった掌紋と類似性の高い順に過去の掌紋のデータがリストアップされる。システム更新時、一部に指紋用のプログラムを使ったため、現場で見つかった掌紋を正確に登録できず、類似性の順位に狂いが出やすい状態になっていた。

 今年5月、担当者の研修中に問題が見つかり、NECに調査を求めていた。NECは「このようなことが二度と起こらないよう再発防止に努めます」とのコメントを出した。【鮎川耕史】

毎日新聞 2011年10月27日 12時24分(最終更新 10月27日 12時41分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

東海大学:サイエンスマスター育成

広い視野をもった理系の人材育成が目標