|
|
ホッとニュース 【10月24日00時58分更新】
古テレビどこへ 富山県内、無料回収業者が増加
「テレビは販売価格が1台50円ぐらい。薄利多売でやってるけど、あまりもうからん ね」。こう話すのは「HIT貿易産業」(富山市)の代表で地元出身の平野義彦さん(4 5)だ。テレビの後ろに並んでいる洗濯機やオーディオなどの「家電雑品」は1キロ15 円ほど。元手はただとはいえ、何とも地味な商売である。 平野さんのもとにはこれまで、アフリカのケニアやガーナからバイヤーがテレビを買い 付けに来たという。テレビは人件費の安い現地で修理され、再使用されているらしい。金 沢市の買い取り業者を通じて、中国やブラジルに転売されるケースもあるそうだ。 県によると、家電リサイクル法では、不要家電を「価値のないもの」とみなせば、消費 者が処理費用を負担しなければならない。この場合、家電店などが回収するには自治体の 許可が必要になる。 しかし、平野さんのように、不要家電を「価値のあるもの」とみなして無料で回収、転 売する場合は許可がいらない。ただ、県によると、無料とうたいながら、「運搬費」の名 目で回収費を徴収するケースでは、業者を指導している。 今年7月の地デジ化に伴い、昨年からテレビの買い替えが進み、全国的に家電の無料回 収業者が増えている。県内でも8月末時点で44社を数え、回収場所は76カ所に上って いる。 富山市環境政策課を訪ねると、市内では八尾、婦中、大沢野地域の農村部から業者がじ わじわと増えたという。廃棄物対策班長の黒田和幸さん(51)は「県外業者が、家電だ けでなく農機具を狙い、岐阜県から北上してきたようだ」と話す。 別の回収場所があると聞き、富山市堀川小泉町の空き地にも足を運んだが、「売地」の 看板があるだけで家電はなかった。黒田班長によると、県外業者は空き地を賃借した1〜 2カ月の間に狙った地区の家電をほぼ回収し、別の場所に移動していくか、廃業してしま うらしい。 県や富山市は、原則として家電リサイクル法に基づいた家電処理を勧める。我が家にあ る2台のアナログテレビは、同法に基づいて処理すれば約5千円の費用がかかる。さて、 どこに持っていこうか。映らないブラウン管をのぞき込んで思案した。 家電リサイクル法 テレビ(ブラウン管、液晶、プラズマ)、エアコン、洗濯機、冷蔵 ・冷凍庫、衣類乾燥機の5品目が対象。これらの使用済み家電は小売店が回収し、メーカ ーは引き取って再資源化する義務を負う。処理費用は消費者が負担する。テレビの場合、 おおむね15型以下で1785円、16型以上で2835円。不法投棄した場合、5年以 下の懲役または1千万円(法人には1億円まで加重ができる)以下の罰金となる。
その他のホッとニュース |