23日にトルコ東部で起きたマグにニュード7.2の大地震では、死者・行方不明者が1000人を超えた。人口15万人の都市、エルジシュだけでアパート25棟が倒壊した。コンクリート造りの建物が崩壊した現場では、重機がないため、住民が棒で建物の残がいを除去し、行方不明者を捜索しているのが実情だ。
タイも3カ月にわたる大雨により、過去50年で最悪の洪水が起き、まるで孤島にでもなったようだ。これまでに死者が350人を超え、被害拡大が懸念される。
韓国政府はタイに70万ドル(約5300万円)相当の救援物資を既に送り、移動式浄水器も近く送る予定だ。トルコには救助隊員、救援物資を送ることを打診したが、トルコ側が支援を辞退している状況だ。
トルコは韓国戦争(朝鮮戦争)に1万5000人の兵力を送り、うち741人が戦死し、163人が行方不明となった。タイも6300人の兵力を派遣し、134人が死亡するか行方不明となった。1950年に韓国戦争が起きた際、トルコとタイの国民で韓国という国の存在を知る人はほとんどいなかったはずだ。両国の若者はどんな国かも分からない国の自由を守るために命をささげた。それを思えば、両国を襲った災害に対する韓国と韓国国民の態度は、世界のどの国とも異なって当然だ。
韓国戦争当時は、両国の方が豊かだったが、現在はわれわれが経済的に恵まれている。韓国政府は両国に出来得る限りの支援を速やかに行い、韓国が過去の恩を忘れない国だということを示すべきだ。昨年1月のハイチ大地震のように、各方面との調整に手間取り、支援を行っても感謝されなかった失敗を繰り返してはならない。
韓国の対外支援額が増えたとはいえ、まだ国内総生産(GDP)の0.12%(昨年は11億7000万ドル)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均(0.3%)に満たない。韓国も施す心の大切さとともに、支援のやり方に対する研究が求められている。