メールを書くときにはここに注意 


◎学生からのメールとしてはかなりよくできているメールの例2つ:

送信者:Taichiro Yamada
日時:2010年X月X日 20:45
宛先:Kazumi Matsuoka
件名:英語の勉強法について(質問)


松岡先生 ←宛名。必ず書く。

「英語セミナー(レベル2)」を履修している、経済学部1年X組の山田太一郎です。
8月中旬のTOEICの準備をしているのですが、特に文法が弱いような気がしています。自分で何か本を買って勉強したいのですが、本屋に行ってもいろいろありすぎてよくわかりません。本や勉強法について、何かアドバイスをいただけないでしょうか。お手数をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

山田 太一郎 ←署名。必ず書く



送信者:
Taichiro Yamada
日時:2010年X月X日 20:45
宛先:Kazumi Matsuoka
件名:「XX学概論」レポート課題(山田太一郎)


松岡先生

「XX学概論」を受講している、文学部3年X組の山田太一郎です。今学期の期末レポートの件ですが、いま考えているトピックや内容について、少しご相談できればと思います。

 先生のご都合のよい時間をお聞きして、研究室の方にうかがいたいと思いますが、よろしいでしょうか。お忙しいところお手数をおかけして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

山田 太一郎


×よくあるパターンだけど、ぜひやめてほしいメールの例:

送信者:dream-lovegogo
日時:2010年X月X日 20:45
宛先:Kazumi Matsuoka
件名:X組の山田太一郎です。

ライティングの勉強したいんですが、何したらいいんですかね?先生が暇なときに相談していいですか?何かいい本あったら教えてください!!早目のお返事お待ちしています♪



その1:メールには「本文の最初」に、必ず学部・学年・履修クラス・氏名を書く。相手が何時に読むかわからないので「こんにちは」などの挨拶は不要。
氏名はフルネームで書いて下さい。よほどの珍名さんでない限り、同じ苗字の学生がいくらでもいるのです。友達同士の携帯メールと違って、大人の世界では氏名を明記しないメールはものすごく非常識です。複数のやりとりがある場合でも、毎回氏名を明記すること。


その2:メールの最初は「宛名」、最後は「署名」。

携帯メールの影響か、これを省略する学生さんが相変わらず多いですが「宛名」はみなさんが思っているより重要な情報です。グループメールと違って特定の人宛てに書いたということが明らかになりますし、違うバージョンのメールをいくつも作って違う人に送る場合には自分の確認にも使えます。間違いメールも一瞬にして判別できます。

最後の「署名」本文に名前を書いているから省略できるというわけではありません。メール本文が完結したということを明確にするという機能もあります。


その3:件名欄にはメールの内容が容易に推測できる件名を書く
「『XX演習』宿題について(質問)」「XX留学プログラム推薦状(お願い)」というように。教員に指定されない限り、件名欄に学年や氏名を書くのはやめましょう。

ただし、使用ソフトその他の事情で「送信者」に本名が出ない場合には「『XX演習』宿題について(山田太一郎)」というように、件名の最後に氏名を書き加えると、もらった教員は安心してメールを開くことができます。


その4:質問やお願いのメールの場合は「ご多忙中」「お忙しいところ」「申し訳ありません」「恐縮ですが」などの表現を使うこと
自分の都合で質問・問い合わせ・頼みごとをするときには、一回目のメールに「ご多忙中のところ申し訳ありません」「お忙しいところ誠に恐縮ですが」などのフレーズを必ず入れてください。こういうフレーズはすぐ出せるように登録した方がよいでしょう。メールの最後は用件が何であってもたいてい「よろしくお願いします」となります。


その5:相手に「指図」をしない
「早めの返信お待ちしております」などと締めくくる学生さんがいますが、このように、相手に(「早く返信しろ」と)指図をするような表現は、目上に対して大変失礼です。

同じような例に「このメールへの返信は必要ありません」というのがあります。返信するかしないかはメールをもらった相手(教員)が決めることです。

人を敬うという態度の基本は「自分のことより相手の都合を先に考える」「物事はなるべく相手に決めてもらえるように配慮する。自分は合わせる」という発想です。こういう余計なひと言で読み手に悪印象を与えないよう気をつけましょう。


その6:質問やお願いのメールで「〜してください」は厳禁
「〜してください」は命令形です。敬語を使う場面では避けること。「〜していただけないでしょうか」「〜していただけましたら幸いです」を使いましょう。詳しいことは敬語の使い方のページを参照してください。


その7:一度で話が通じるように(丁寧な日本語で)説明する。「暇」という表現は使わない
1〜2行のメールではまず話は通じないです。何が聞きたいかわからず何度もやりとりするのは本当に時間の無駄。「何のために情報を集めているのか」「どこまで自分で調べたのか」など、ちょっとでも説明してくれると全然違います。話し言葉と書き言葉は違うので、普段教員に直接話しているときより、日本語ももうちょとだけ丁寧にしてください。

「暇があったら」「暇な時間」という表現が使えるのは、「あそびの相談の時だけ」と考えてください。「お時間がありましたら」「ご都合のよい時間」と書きましょう。

その8:教員から情報が無事届いたことを確認する御礼のメールを送る
自分の問題が解決したら、ぷっつりと連絡がそこで終わってしまうというタイプの学生さんがよくいますが、大変失礼な態度だと思います。

まれではありますが、メールが何かの事故で届かないということは21世紀でも起こり得ることです。メールが届いたことを確認してもらう意味でも、最後のお礼は必ず書きましょう。

◎最低このぐらいは書いてほしいという例:
(問い合わせメールのへの返信に対するお礼)


送信者:Taichiro Yamada
日時:2004年X月X日 20:45
宛先:Kazumi Matsuoka
件名:ありがとうございました

松岡先生

返信ありがとうございました。参考にしたいと思います。

山田 太一郎


(世の中の社会人のみなさんへの注:「参考にさせていただきます」と本当は書いてほしいのですが、大学1年生ぐらいだと無理があるかもなあ、と思ってこういう文例にしました)

まあこれで、みんなも大人への階段をひとつ上がったということで。以上の点を守ってメールしてもらえるよう、すべての大学教員を代表してお願いします!