社長交代だけでは収束しない乱脈経営ーー膨大な内部資料が明かすオリンパスの「懲りない隠蔽体質」スクープしたジャーナリストが緊急寄稿第2弾

2011年10月27日(木) 山口義正

山口義正経済の死角

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 すでに菊川前社長件会長以下、現経営陣に対して「すでにオリンパス社員の心は離反し始めている」(オリンパス関係者)という(←トル)。オリンパスがカメラ事業を続けることが適切かどうかは別としても、現状ではウッドフォード氏がカメラ事業売却を否定していることは、社内の結束を再度強めるうえで有効かもしれない。

 ウッドフォード氏が本格的に経営に復帰するには、臨時株主総会を開くなどの手順を踏まなければならず、時間がかかるのは間違いない。しかもそこには日本の捜査当局がどのタイミングで動くのかと言う要素も絡んでくるだろう。

 ウッドフォード氏が社長に復帰できるかどうか、復帰できるとしても混乱している社内をまとめ上げつつ取引金融機関の協調を引き出せるかどうか、そしてそれがオリンパスの再出発に間に合うかどうか。すでに財務的な傷みの激しいオリンパスが存続の可否は、時間との戦いになり始めていると言っていい。

 

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