3月の巨大地震とその余震で、宮城県と福島県でエスカレーターの落下事故が相次いだことを受けて、国土交通省は、業界団体などに委ねてきた耐震対策を見直し、法令で義務づけることも視野に検討を始めることになりました。
3月11日の巨大地震と4月7日の余震によって大手スーパーの「イオン」が運営する仙台市と福島県の商業施設で、エスカレーターが下の階に落ちる事故が3件起きていたことが分かりました。地震の揺れで、建物との接合部分にあるエスカレーターの両端の金属製の板が外れたことが原因で、イオンは深刻な被害につながりかねないとして、エスカレーターと建物をワイヤーでつなぐなど独自の対策を全国各地の店舗で進めることにしています。エスカレーターの耐震対策は、これまで業界団体などが指針で定めてきましたが、事態を重く見た国土交通省は、ほかにも同様の事故がなかったか、確認を進めるとともに、耐震対策を法令で義務づけることも視野に来月にも検討を始めることになりました。どの程度の地震に耐えられるようにするかや、エスカレーターが建物から外れても落下を防ぐ方法がないかなどを検討することにしています。建築確認などの公的なチェックの対象にすることも視野に、来年3月をめどに一定の方向性を示したいとしています。