核燃料サイクル 発電コスト2倍に
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核燃料サイクル 発電コスト2倍に

10月26日 5時59分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

原子力発電にかかるコストを試算している国の原子力委員会は、原発の使用済み燃料からプルトニウムを回収して再利用する「核燃料サイクル」について、燃料をそのまま処分する方法に比べて、1キロワットアワー当たりの発電コストが2倍になるという試算結果を公表しました。

原子力委員会は、東京電力福島第一原発の事故を受けて、原発にかかる発電コストを試算する作業を進めていて、25日の会合では、事故が起きた場合のコストについて、1キロワットアワー当たり最大で1円程度とする初めての試算をまとめました。この会合では原発の使用済み燃料からプルトニウムを回収して燃料に再利用する核燃料サイクルのコストも試算され、1キロワットアワーあたり1.98円から2.14円でした。これに対して使用済み燃料をそのまま処分する場合は、1キロワットアワー当たり1円から1.35円で、再利用の方がおよそ2倍コストがかかる結果になりました。国が原子力政策の柱とする核燃料サイクルを巡っては、青森県六ヶ所村にある使用済み燃料の再処理工場が相次ぐトラブルで本格的な稼働に見通しがたっておらず、今回の試算結果は福島第一原発事故を受けて抜本的な見直しを迫られている今後の原子力政策の議論の行方にも影響を与えそうです。