(2011年10月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
日本の光学機器メーカー、オリンパスの会長は10月25日、社員向けに配信された驚くべき酷評文で、解任された英国人前社長兼CEO(最高経営責任者)は――その他諸々に加えて――ちょっとした支配魔だと非難した*1。
菊川剛氏は、10月14日に解任されたマイケル・ウッドフォード氏は欧州法人社長だった時、文房具の購入についても直接的な権限を持とうとしたと述べた。
1円でも自分が把握していないと不安になる支配魔
菊川剛氏(右)は 「独断専横な経営」などを理由にマイケル・ウッドフォード氏を解任したと語っていた〔AFPBB News〕
「1円でも、自分が把握していないと不安になるのでしょう」。菊川氏は社内専用ウェブサイトに掲載された長いメモで、こう書いている。
「Pay Attention To The Detailの心意気や、よし。しかし、オリンパスは連結で8000億円を越す売上高のある企業です」
オリンパスの株主は言うまでもなく、菊川氏にとって問題は、ウッドフォード氏が自身の解任につながったと考えている案件には、1円どころではない大金が絡んでいることだ。
オリンパスの古参で、2月に社長に指名され、解任される2週間前にCEOに昇格していたウッドフォード氏は、菊川氏との軋轢が生じたのは、13億ドルの株主価値の毀損につながったと思われる2006~08年の企業買収を問題にした後のことだと話している。
これは、はした金ではない。だが、説明を望んでいる投資家はこれまでのところ、失望させられている。オリンパスは、ウッドフォード氏を解任した主な理由は、同氏が日本の企業文化になじめなかったことだと主張し続けている。
ウッドフォード氏の解任の事情を菊川氏が初めて詳細に説明したメモが、株主ではなく同僚宛てだったことは、多くを物語っている。
*1=この記事の原文が出た後、オリンパスは26日付で菊川剛会長兼社長が取締役に降格し、高山修一専務が社長に昇格する人事を発表した
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