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【恩師が語る】赤松真人外野手 京都・龍谷大平安高監督原田英彦さん(50) '10/6/1

 ▽光った高い身体能力

 昨年5月にマツダスタジアムを訪れ、広い外野を駆け回る姿を見た。「動物的な勘の鋭さは相変わらず。とんでもない身体能力だよ」。長打性の打球を外飛にすり替える守備力にほれ直した。

 ▽選抜大会で好守備

 高校入学時から抜群の瞬発力と脚力があった。1999年の選抜大会に「7番・中堅」で出場し、左中間への大飛球を好捕。高いレベルへの可能性を認め、才能をより生かすプレーを求めた。「配球や風向きを考えて打球を予測しろ。点差やイニングも考え、1球ごとに足を動かせ」。本能任せのプレーはしかった。

 投手や遊撃手への転向も勧めたが、すべて断られた。「他を押しのけてでも、おれがやってやろうという子じゃない。集合の時は一番後ろで聞いていたタイプ」。貪欲(どんよく)さを欠く性格だけはプロに不向きと感じていた。

 同じ京都市内にある立命大へ進学。リーグ戦を見に行けば、1球ごとに足が動いていない。やがてユニホーム姿より、街中をバイクで走る姿を目にするようになった。「心が未熟で、遊ぶことに夢中。煙たがられても『しっかりせー』と言い続けました」。4年間、何度も自宅に招き、野球に取り組む姿勢を問いただした。

 ▽素振りの姿に感心

 マツダスタジアムの観戦では忘れられない光景がある。試合前のベンチ前でただ一人、「背番号38」が素振りをしていた。「時間にすればほんのわずか。でも、その積み重ねが大事。ようやく気付き、習慣としているのかな」と目を細める。

 高校時代から「超一流のアスリート」と認めた体に、ようやく心が追いつき始めたと感じる。「向上心が表に出てきた。心と頭を磨いていけば、ものすごい選手になれる」。素振りの姿を思い出すたびに、今季の好調な打撃が偶然ではないと確信する。(山本修)

【写真説明】<上>「身体能力を生かして、ファンや子どもたちが驚くプレーを見せてほしい」と話す原田さん
<下>高校時代から抜群の瞬発力を見せていた赤松




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