精密機器大手オリンパスの経営が、株式市場の厳しい批判にさらされている。前社長の不透明な解任劇があった今月14日から昨日までに、株価は56%下がった。
日本の企業統治(コーポレートガバナンス)への国際的な評価にも影響しかねない問題だ。オリンパスは弁護士などからなる第三者委員会を設立すると発表したが、早急に調査を進め、問題の真相を株主に説明してほしい。
同社は前社長を解任した理由を「独断専行的な経営判断で組織間の連携を損なった」などと説明している。これに対し前社長は、経緯などのはっきりしない過去の買収事例の問題を指摘したことが解任につながったと訴えている。
問題表面化の発端となった社長解任理由についても、両者の言い分は一致していない。これでは株主が同社の経営を懸念するのも無理はない。まず社長解任の本当の理由が明らかにされるべきだ。
企業買収をめぐる不透明さも、徹底的な検証が必要だ。
オリンパスは2008年の英医療機器製造会社ジャイラスの買収に伴い、助言会社に総額6億8700万ドルを支払った。ここにはジャイラスが助言会社に発行した優先株を後にオリンパスが買い取るために支払った費用も含まれる。
助言会社は中立の立場で買収価格の算定などをするのが主な役割のはずだ。買収・被買収企業の間に割って入って株や債券の売却益を上げるのは、一般的な助言とはかけ離れている。助言会社の詳細や選定の理由、さらには支払われたお金の流れなど、株主の立場から知りたい点は多い。
この買収とは別に、オリンパスは、06~08年に資源リサイクル会社など3社を総額734億円で買収した。だが、リーマン・ショックなどの影響で企業価値が下がったとして09年3月期に総額557億円を減損処理している。
内視鏡などの本業と関連が薄い分野に投資した目的や買収額は妥当だったのか。そうした点でも十分な検証と説明が要る。
オリンパス、コーポレートガバナンス
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