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トルコの地震 死者260人超

10月24日 22時36分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

トルコ東部で起きた地震の犠牲者は、これまでに260人を超え、一夜明けた現地では、倒壊した建物の中に閉じ込められている人を救出しようと、懸命の救助活動が続けられています。

トルコ東部で23日午後、イランとの国境に近いワン県を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、ワン県の広い範囲で建物が倒壊するなど大きな被害が出ています。トルコのシャーヒン内相によりますと、この地震でこれまでに264人が死亡し、およそ1300人がけがをしたということです。地震の発生から一夜明けた現地では、200回以上の余震が続くなか、トルコ全土から駆けつけたおよそ1200人の救助隊や、軍の部隊が、建物の倒壊した現場で重機などを使って懸命な救助活動を続けています。また被災者のためにテントも設置され、支援団体がパンやスープなどの食料の配給を始めています。しかし郊外の村の中には通信が途絶えたままの所があり、死傷者の数はさらに増えるおそれがあります。地震のあったトルコ東部は、山間部のうえ開発が遅れている地域で、地震が多いにもかかわらず、建物の耐震補強が進んでいないことが問題だと指摘されていました。首都アンカラにある日本大使館によりますと、これまでのところ、今回の地震による日本人の死者やけが人の情報は入っていないということです。

今回の地震で多くの死者やけが人が出ている原因について、建築の専門家は、トルコ特有の建築方法が影響していると指摘しています。12年前のトルコの大地震で現地調査や技術者への指導を行ってきた芝浦工業大学工学部の林正司准教授は「トルコの建物は外観は日本と同じ鉄筋コンクリートとのように見えるが、壁はほとんどがレンガで造られ、柱も細いため揺れに弱い。強い揺れに襲われるとパンケーキのようにいっぺんにつぶれてしまう。今回の映像をみても12年前の地震の被害とほぼ同じ状況だ」と指摘しています。そのうえで林准教授は「都市部では新しい建築基準で造られた地震に強い建物もあるが、一般には安全のために余裕を持たせて設計をするという考えがなかなか受け入れられず、未だに揺れに弱い危険な建物が建設されている。さらに今回地震のあったトルコ東部は政情が不安定で、古い建物の建て替えはほとんど進んでいない」と話しています。