日本振興銀:木村元会長、起訴内容認める 検査忌避

2011年10月25日 20時27分 更新:10月25日 23時25分

弁護士らと入廷する木村剛被告=東京都千代田区霞が関の東京地裁で2011年10月25日午後1時7分、岩下幸一郎撮影
弁護士らと入廷する木村剛被告=東京都千代田区霞が関の東京地裁で2011年10月25日午後1時7分、岩下幸一郎撮影

 昨年9月に経営破綻した日本振興銀行(民事再生手続き中)の検査妨害事件で、銀行法違反(検査忌避)に問われた同行元会長、木村剛被告(49)は25日、東京地裁(登石郁朗裁判長)の初公判で起訴内容を認め、「関係者に多大な迷惑をかけ、経営者として申し訳ない」と謝罪した。一方で「何らかの悪事を隠そうとした事件ではない。本来なら振興銀は破綻する必然性はなかった」と訴えた。

 検察側は冒頭陳述で、経営破綻した商工ローン大手「SFCG」からの多額の債権買い取りや、振興銀の融資先でつくる「中小企業振興ネットワーク」参加企業への大口融資を金融庁に把握され行政処分を受けることを回避するため、木村元会長が振興銀幹部らに関連メールの削除を指示した、と指摘。検査官にメールが欠落している点を尋ねられたという幹部らに「人的ミスと説明してください」と指示した経緯も明らかにした。

 一方、弁護側は冒頭陳述で「元会長がメール削除に言及したのは1度だけ」などと積極的な関与を否定した。

 起訴状によると、木村元会長は元役員らと共謀し検査を受けていた09年6月と8月、検査官の閲覧用サーバーから計723通のメールを削除。9月に検査官に欠落を指摘され「データ抽出の操作を誤った」とうその回答をし、検査を妨害したとされる。他に起訴された元社長ら3人は今年2月、有罪判決を言い渡され、確定した。【和田武士】

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