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【社会】

中日本高速社員を逮捕 9020万円脱税の疑い

2011年10月26日 16時09分

脱税容疑で任意同行を求められる中日本高速道路社員の山田真己容疑者(右)=26日午前7時14分、三重県桑名市で(伊藤遼撮影)

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 新東名高速道路の用地買収をめぐり、中日本高速道路(名古屋市)の社員が買収先の業者側から巨額の資金を受け取り脱税したとされる事件で、2億円余の個人所得を隠し9千万円を脱税したとして、名古屋地検特捜部は26日、所得税法違反(脱税)の疑いで、社員の山田真己(まさき)容疑者(42)=三重県桑名市=を逮捕し、名古屋国税局と合同で中日本高速本社などの関係先の家宅捜索を始めた。特捜部は、巨額の資金提供の趣旨や使途などの全容解明を目指す。

 山田容疑者は、買収先の採石会社「音羽開発」(愛知県豊川市)に4億2千万円を提供させ、このうち3億4千万円前後を受け取ったとの疑惑が持たれていた。逮捕容疑は2009年までの2年間で2億4千万円の個人所得を税務申告せず、9020万円を脱税したとされる。

 特捜部によると、山田容疑者は中日本高速道路で用地買収などを担当。音羽開発が測量業務を発注したように装い、音羽開発に対し、測量会社の口座に資金を入金させた後、測量会社の口座から複数回にわたって山田容疑者名義の口座に入金させた。

 山田容疑者は容疑を大筋で認めている。大半を競艇に使ったとみられる。特捜部は、取り調べ過程の全面録音録画(可視化)も実施する見通し。

 関係者によると、中日本高速は05年12月、豊川市内の新東名高速道路の建設ルート上にあった音羽開発の所有地や採石権を持つ土地計14万平方メートルを70億円(移転補償費含む)で買収した。山田容疑者はこの交渉をまとめたとされる。資金提供は、昨年11月までの5年間にわたって続いたという。

 音羽開発社長(64)は、売却額として希望した120億円と実際の額70億円との開きがあり、差額分と採石場移転に伴う損失を補償するとの「確認書」を中日本高速側と交わしたと主張。資金提供はこの補償を実現するためだったと説明している。

 名古屋国税局は昨年12月、中日本高速本社などを同容疑で強制調査(査察)。山田容疑者は今年1月、名古屋支社総務企画部付となり、自宅待機処分となっていた。

  【中日本高速道路(NEXCO中日本)】 旧日本道路公団の分割・民営化に伴い2005年10月に設立された株式会社。1都11県で東名高速や中央道など24路線、1774キロ(今年3月末時点)の高速道路を管轄する。建設中の新東名高速道路の愛知県域(浜松いなさ−豊田東ジャンクション間、55キロ)は14年度完成の予定。取締役6人のうち2人は国土交通省出身。国がすべての株式を保有。社員は2100人。資本金は650億円。11年3月期の連結決算は、売上高にあたる営業収益が6592億円、税引き後利益が65億円の増収増益だった。

(中日新聞)

 

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