'11/10/26
鞆の工法、4案軸 知事強調
福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画をめぐり、広島県の湯崎英彦知事は25日の記者会見で、県が賛成、反対両派の住民が参加する協議会に示したバイパスの工法4案が計画の是非を最終判断する際の軸になるとの認識を示した。最終判断の時期は「住民にある程度、話し合いを尽くしたと感じてもらえる時だ。議論は大詰めを迎えている」と述べたものの、明言しなかった。
県は23日の鞆地区地域振興住民協議会で、鞆町中心部の交通混雑を解消するバイパスの四つの工法案を「技術的に比較する材料」として示した。4案のうち2案は鞆港の一部を埋め立てた上で、橋を架ける現行計画と海底トンネルを通す案。残り2案は町中心部を迂回(うかい)する山側のトンネルで、出入り口の位置が異なる。
湯崎知事は「道路をつける場合、町の真ん中を通せないのは明らか。どんな案に決めるにしても架橋か海にトンネルを通すか、町の後ろを通す(山側トンネル)かの方法に収束する」と強調した。
協議会の議論について「大詰めを迎えているが、住民はもう少し議論を希望している。真剣に議論していただいており(結論を得るのに)それほど長くはかからない」との見方を示した。
【写真説明】鞆港埋め立て・架橋計画をめぐる推進、反対両派の住民協議について「議論は大詰めを迎えている」と述べる湯崎知事