震災ごみ受け入れ一転撤回 府内5市町・事務組合

 東日本大震災で発生した災害ごみの処理問題で、環境省が今月、全国自治体に処分を打診したことに対し、当初協力の意向を示していた京都府の4市町1一部事務組合のすべてが受け入れ方針を撤回したことが24日、分かった。放射能汚染への懸念から滋賀県でも同様の事態になっている。受け入れに悩む自治体は多く、環境省は対応に迫られそうだ。

 被災地では津波で流されたがれきなど2300万トンのごみが発生し、環境省は自治体に対し、4月に協力を要請した。京都府内では京都市など4市町1事務組合が受け入れる意向を示していた。

 本格的な広域処理に入るため10月に再度意向確認したところ、「年5万トンが処理可能」と回答した京都市は、「国の安全基準が明確でなく、現段階では検討できない」と受け入れを撤回。南丹市と京丹波町の船井郡衛生管理組合も「住民理解が得られなければ処分できない」と慎重姿勢に転じ、舞鶴市、亀岡市と伊根町も「受け入れ困難」と回答した。

 国は放射能の安全基準を焼却灰は「1キロ当たり8千ベクレル以下」と定めたが、焼却時の明確な基準はなく、「安全基準が不備」との指摘が自治体から出ている。受け入れを撤回した府内市町も「安全性について住民理解は得られない」と判断した。

 滋賀県内でも4市と2一部事務組合が当初の調査で、がれきの破砕か焼却による廃棄物を受け入れる余裕があると回答していたが、再調査で受け入れを検討している自治体などはなかった。

 4月要請時には572団体が受け入れる意向を示したが、全国的にも受け入れに消極的な回答をする自治体が多く、環境省は回答期限の21日になって焼却時の目安を「1キロ当たり240~480ベクレル以下」と通知。「期限後も協力を呼び掛ける。安全基準は最大限示したはずで、復興のため自治体の協力をお願いしたい」(廃棄物対策課)とする。

 しかし、住民の不安が広がる中、自治体の受け入れがどこまで進むのか、見通しは立っていない。

【 2011年10月25日 10時15分 】

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