国際【タイ洪水】治水対策怠り 洪水被害は「人災」「政災」+(1/2ページ)(2011.10.23 17:54

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【タイ洪水】
治水対策怠り 洪水被害は「人災」「政災」

2011.10.23 17:54 (1/2ページ)
洪水の中をたらいで避難する住民=23日、バンコク(ロイター)

洪水の中をたらいで避難する住民=23日、バンコク(ロイター)

 首都バンコク中心部にまで迫った洪水は自然災害にとどまらず、「人災」でもあるとの批判が高まっている。チャオプラヤ川上流にあるダムの管理不備、老朽化した灌漑、排水システムが洪水の要因でもあり、「水のコントロール」ができていない実態が浮き彫りになっている。

 タイでは昨年、水不足が深刻化した。雨期とされる5月以降も北部、中部などで雨が降らず、国内のダムの貯水率は落ち込んだ。

 これとは正反対に、今年は断続的な豪雨。「本来は、一定のレベルに水量が達したらダムの水を放流すべきところを、乾期の水不足を恐れ水をため込んだ」(専門家)という。

 その後も少しずつ放流することなく、水量が予想を超えて増えると、慌てて北部ターク県のプミポンダムなど複数のダムで、大量の水が同時に放流された。プミポンダムだけでも貯水容量は134億トン。これは琵琶湖のおよそ2分の1で、大量の同時放流が洪水被害を拡大させた。

 さらに、気象観測レーダーなどが老朽化しており、整備の必要性が指摘されてきたにもかかわらず、放置されてきた。このため「正確な気象データを把握できず、水量の予測と放流の量、時期の判断を誤った」(同)という側面もある。

このニュースの写真

洪水の中をゴムボートで避難する住民=23日、バンコク(AP)
洪水の中を歩いて避難する住民=23日、バンコク(AP)
洪水の中を歩いて避難する住民=23日、バンコク(ロイター)
ラクラバンの工業団地近くの川で水があふれるのを防ぐため土を盛り堤防を強化する兵士ら=23日、バンコク(AP)

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