八重樫は序盤から積極的なボクシング。ダウンこそ奪えなかったものの、的確にパンチをヒットさせ、試合を優勢に進めた。中盤からは疲れが出たか、王者に巻き返されたが、10回にラッシュを決め、最後はレフェリーが試合を止めた。TKO勝ちで見事に世界奪取に成功した。
新王者となった八重樫は「チャンピオンがすごくタフだったので、試合が終わるまで怖かったです。みなさん応援ありがとうございます。“もうダメだ”と思うときもあったけど、諦めなくてよかったです」と喜びを語った。
八重樫東
「1ラウンド(のアウトボクシング)を継続していくつもりだったが、そんなに甘くない。思い切り(打ち合いに)巻き込まれた。勝ったということがうれしい」
ポンサワン
「やっぱり悲しい。レフェリーが(止めたのが)早いかな。自分はまだできた。でも、相手が強かった。逃げると思ったら前に出てきた」
輪島功一氏(元世界スーパウエルター級王者)
「勝負に対する執念が出た。挑戦者ということを忘れず攻めていた。気迫、気力で相手の良さを消した」
浜田剛史氏(元世界スーパーライト級王者)
「勝因は7回に打ち勝ったこと。今までの苦しかった試合が相当な糧になっていたのだろう。八重樫はミニマム級なのにパンチ力がある。魅力のある選手だ」
内山高志(WBA世界スーパーフェザー級王者)
「あそこまで打ち合って、最後に打ち負かした。気持ちがすごく強かった。スタミナもあった。八重樫にあんなにパワーがあるとは思わなかった」
川嶋勝重氏(元世界スーパーフライ級王者)
「感動した。最近の世界戦でこんなに面白い試合はなかったのではないか。八重樫は相手が引いた時にラッシュをかけた。自分のパンチに相当な自信があったのだろう」