マレーシア:日本女性に死刑判決 覚醒剤持ち込みで高裁

2011年10月25日 11時24分 更新:10月25日 12時28分

 マレーシアの首都クアラルンプール郊外にある高等裁判所は25日、覚醒剤を持ち込んだとして危険薬物不正取引の罪に問われた元看護師、竹内真理子被告(37)に死刑の判決を言い渡した。

 マレーシアで日本人が死刑判決を受けるのは初めて。共同通信の取材に、竹内被告は「死刑判決が出たら必ず上訴する」と話しており、弁護士も上訴の方針を明らかにした。同国は3審制で、この日の判決は1審段階。

 同国では一定量以上の薬物所持で有罪が確定した場合の法定刑は死刑。覚醒剤の一種アンフェタミンでは50グラム以上が対象となる。

 判決理由で裁判官は、被告が事件当時、ビジネスクラスを利用してマレーシアに複数回にわたって入国したことなどを挙げ「事情を知らずに荷物を運んだだけ」とする被告の証言は信用できないと指摘した。

 通訳を通じて判決を聞いた竹内被告がこらえ切れずに、椅子に座り込んで泣きだす場面も。判決後は報道各社のカメラに囲まれながら言葉少なに法廷を後にした。

 判決によると、竹内被告は09年10月30日、アラブ首長国連邦ドバイからクアラルンプール国際空港に到着した際、スーツケースに覚醒剤約3.5キロを隠し持っていた。当初、同被告の薬物所持量は4.6キロとされたが、鑑定後に修正された。

 竹内被告は知人の依頼でドバイを訪れた際、中東系の男性にスーツケースをマレーシアに運ぶよう指示されたと説明。中身は知らなかったとして無罪を主張していた。

 検察側は竹内被告がクアラルンプール-ドバイ間を複数回往復し、大量の覚醒剤を持ち込んだことから国際的薬物取引に関与していた疑いがあるとして追及していた。(共同)

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