「西太平洋の無人島を借りてください」
西太平洋にある米自治領、北マリアナ諸島のベニグノ・フィティアル知事は22日、中国・北京で行われた「米中地方自治団体首長フォーラム」で、無人島を借りてほしいと中国側に提案した。
北マリアナ諸島は、西太平洋に位置する米自治領で、首都はサイパン島。15の島から成るが、人が住んでいるのは4島だけで、残りは全て無人島だ。うち一つの島は米国がミサイル射撃場として使用している。
フィティアル知事は、約400人のフォーラム出席者を前に演説し「中国の投資は北マリアナ諸島の経済回復を支援し、雇用創出にもつながる。無人島を借り、観光・不動産開発、農業、教育、科学技術などの分野で投資を行うことが可能だ」とラブコールを送った。税金還付やカジノ設置容認などの優遇策も提示した。ただし、軍事的目的での使用は認めないとした。
北マリアナ諸島政府の報道官は「農業だけでなく、定年者向けの居住区、コンドミニアム、電子製品の生産基地などさまざまな用途に活用できる」と指摘した。
北マリアナ諸島が中国に無人島の賃貸を提案したのは、主要産業の衣類生産が立ちゆかなくなり、政府が深刻な財政難に直面しているからだ。支出を抑制するため、公立病院を除く政府機関で金曜日を休みにしているほどだ。
同日のフォーラムでは、雲南省、安徽省などが早速関心を示し、雲南省の李紀恒省長代行は、視察目的で現地を訪問することを決めた。