ここから本文エリア 「漁協食堂」待望の復活 北茨城2011年10月24日
東日本大震災で津波の被害を受けて休業を余儀なくされた大津漁協直営市場食堂(北茨城市)が23日、約7カ月ぶりに営業を再開した。県内外から約300人が訪れ、地元の大津漁港や平潟漁港で水揚げされたヒラメやカレイなどを使ったメニューを味わった。 市場食堂は2007年7月のオープン以来、生シラス丼やアンコウのどぶ汁など地魚を使った料理が人気で、震災が起きるまでは約20万人の客が利用。週末を中心に多いときは1日約500人が訪れていた。 3月11日は津波に襲われ、床上約50センチの高さまで浸水。食堂内の柱が折れたり、浄化槽や調理場の電気系統などが故障したりして休業に追い込まれた。 ひたちなか市の村山行江さん(66)は、この日の営業再開を事前に聞きつけ、昼食をとるために訪れた。「私が利用する日曜日はいつも、お客さんでいっぱいだった。震災前の光景に戻ってよかった」と話した。 大津漁協の村山譲・専務理事(70)によると、大津漁協所属の船で9月に行ったサンプリング調査で、シラスから検出された放射性セシウムは国の基準(1キロあたり500ベクレル)を下回る7ベクレル。24日のサンプリングで5ベクレル以下なら、近日中に生シラス丼を再びメニューにのせる予定だ。 村山専務理事は「再開初日に多くの人が来てくれてほっとした。以前と同じく今後も地元の魚を使っていきたい。風評被害を払拭(ふっ・しょく)する挑戦の第一歩が始まった」と話した。
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