国際基督教大学雪面滑走競技部のしおり

①　そもそも競技スキーとは・・・

ICU Racing Ski Team
（国際基督教大学雪面滑走競技部）は競技（アルペン）スキーを通じてスキー技術を磨き、スキーをよりいっそう楽しむための学校公認団体です。競技スキーと言っ ても決して難しく考えることはありません。赤と青のポールによって規制されたコースをいかに早く（短時間で）くぐり抜け、ゴールするかを競うスポーツで す。基礎スキーなど他人によって判断されるようなスキーとは違い、計測されたタイムが全てを語ります。その人のスキーコントロールテクニック、コース上で どの様なラインを滑るか、コースセッティングと雪面状況に対する判断能力、スキー板やブーツなどのマテリアルとの相性・・・様々な能力がタイムに反映され ます。つまりルールも基準が明快だが、それゆえに奥が深く、上に行けば行くほどちょっとした条件が結果に結びつくシビアなスポーツとなるのです。

F1ド ライバーに運転が下手な人がいないようにアルペンスキーの選手にもスキー技術の低い選手はいません。級別テスト（検定）に代表される基礎スキーヤーの頂点 であるデモンストレーターのほとんどが競技出身者であることからもそれがわかるでしょう。だから初心者の人はもちろん、中・上級者の皆さんも更なる上達に も競技はぴったりなのです。何回かポールをくぐってもらえればわかると思いますが、自分では結構イケてるつもりでも自由にリズムをコントロールしてスキー を操るのはなかなか大変です。何とかコースを滑れたとしても、タイムを出すためにはちゃんとスキーを走らせなくては（いいかえれば、板に乗れなくては）な りません（これが次のステップ）。逆に言えば１本ポールを滑って得る技術はフリーで何本滑ってもなかなか得難いものなのです。入学時にはスキーの履き方や リフトののり方さえ知らなかった人が2、3、4年になってほかのメンバーに少しも劣らない上級者になった例だっていくつもあるのです。４年生にもなると何もない（いわゆる普通のゲレンデ）のがかえって物足りなく感じるという人ですら出たりします。

つ まりこの部はもっとスキーを楽しみたいと思っている人、あるいはこれからスキーをしてみたい、うまくなりたいと思っている人が競技と言う他ではちょっと体験出来ない世界に触れ、上達することでスキーヤーとしての幅を広げ、これまでよりいっそうスキーを身近に感じられるようになれるところなのです。

補足：もちろんその他のお楽しみもいっぱいです。１年間通じて思いっきり楽しむ哲学がうちの部にあります。スキー部が面白すぎてつい・・・なんてことないようにね。

（1998年4月版　『ICUスキー部入部者の方へ』より抜擢）

②　トレーニング

年 間を通じて部員のスキー上達、パフォーマンス向上を目的とした陸上トレーニングを行います。運動の経験が乏しい初心者でも、雪上で怪我せずに練習について いけるように、また上級生、経験者は自分の足りないところを補い、強いところをさらに延ばしてそれぞれ次シーズンへの目標に向かいます。体力向上のための 陸上トレーニングに加え、オフシーズンには海や山に出かけてBBQしたり、ローラーブレードや球技などの遊びも柔軟に取り入れたトレーニングで12月のシーズンインに備えます。

ゲ レンデでの指導はチーム専属のコーチがつきポールレッスン、フリーレッスンを通じて部員一人一人の滑りをチェック、指導してもらいます。たまにありがちな 上手で早い人だけ熱中指導、なんていうパターンは絶対にありません。シーズンを通していくつかの大会に出場し、５月や１２月に板の履き方を知らなかった新 人も３月には一人前の競技スキーヤーとして大会に出場できるようになります。

また３月合宿ではOB戦（OB/G・現役対抗戦）も行い、この部の偉大な先輩方（本当にすごい人達ばかり！）といろんな意味での交流が楽しめます。しかも３月合宿でお世話になるフォレストプラザと言う宿の経営者、平沢さん一家はOBの平沢亮さんの両親が営むロッジで、亮さんの弟平沢岳さんは元・オリンピック選手です。

（1998年4月版　『ICUスキー部入部者の方へ』より抜擢）

③　部の一年間の流れ

普段（学期中）　火曜日　1:00PMに本館108号室でミーティング

水曜日4:30PM から陸トレ（体育館）

土曜日11:00AM　から陸トレ（屋外）

春と秋に新宿にてOB会

４月　志賀高原にて新歓合宿

夏休み　８月末　軽井沢または那須キャンパスで夏合宿　テニス、トレッキング、花火等

秋休み　11月末～12月頭　頭合宿（シーズンイン合宿）　スキーの基本的な動きなどを習う

冬休み　12月中～下旬　山梨天元台合宿　ポールに入って、本格的なアルペン練習開始

２月　２月合宿＠戸狩　大会：　全国学生岩岳スキー大会村長杯兼男子本戦予選会

春休み　３月合宿＠北志賀高原夜間瀬　大会：　現役対OB/G戦、岩岳、夜間瀬学生チャンピオンシップ大会（通称よまチャン）

＊シーズン中は草大会や学生大会が多々あるので、上記のほかにも個々の希望で色々参加

④　新歓合宿について

新 入部員を歓迎するために、志賀高原熊の湯スキー場に行き新歓合宿を行います。スキー部の雰囲気を知るためや雪の上で練習を体験するにも、この部をちゃんと 理解するのにもいい機会だと重います。まだ迷っているひとも、多少腕に自信のある人も今シーズンの締めくくりとして是非参加して下さい。もちろん初心者も ちゃんとサポート。道具の無い人もOB/Gや他の先輩方のスキーがいくつかあるのでサイズが合えば貸し出します。

⇒　新歓迎合宿で貸し出し可能なもの

（平たく言えば、スキーに必要なものほぼ全て貸し出し可。自分で持っているものがあれば大歓迎。）

スキー板

スキーブーツ

ストック

ウェア

グローブ

帽子

ゴーグル・サングラス

さらにさらに、

１）　新歓迎後、新入部員（スキー部一年目）に貸し出し可能なもの

スキー板

ヘルメット

ストック

ワンピース（レーシングスーツ）

チューン道具*（ナイロンブラシ、ブロンズブラシ）

２）　入部を決めたら、新入部員（スキー部一年目）でも最低限そろえなければならないもの

スキーブーツ

ウェア（下はブーツ・板を履いたままでも脱げるサイドオープン式）

グローブ

ゴーグル

スキーケース（２台用）

スキー板（新入生の人数によって）

チューン道具*（ワックス、スクレーパー、出来ればブラシも）

３）　上級生になったら上記に各自そろえなければならないもの

ワンピース（レーシングスーツ）

スキー板（２本；　大回転用の長い板と回転用の短い板）

ストック

ヘルメット

プロテクター（回転用にパンチガードとレガース）

注）上級生でも一つ下の新入部員が少ない場合、前年使用した部の道具を引き続き使える。

*チューン道具とは、板の手入れをするための道具。雪質や温度によって使うワックスも代わり、最低でも２－３種類のワックスが必要。それに、スクレイパー、ワックスペーパー、ブラシなどの道具が最低限でも必要。

⑤　部を運営する幹部（２年の１月～３年の１２月まで）

部長、渉外、会計、部物、合宿、陸トレ隊長、OB/G係、大会手配、IT、クラブオリエンテーション

１年生の係は、ICU祭のスキー部ブース計画・実行担当
with
上級生のサポート。

⑥　で、卒業したらどうなっちゃうの？

卒業しても、自分から離れない限り、あなたは永遠にスキー部の一員です。

スキー部はOB/OGを大事にしています。そのためにOB戦やOB会など、OBOG向けのイベントも開催しています。ただ、卒業時に一万円、OB口座への預金を頂戴します。あしからず。

現役の飲み会に参加するのもありで、もちろん合宿にも自由に参加できます。持っていたウェアや板の処分に困ったら、部室に送れば後輩が喜んで使います。もちろん個別にコンタクトを取って売る、というのも手です。

とにかく、卒業してもスキー部との絆は自分から切らない限り続きます。（笑）

⑦　余談

競 技スキーは確かにそろえる道具が多くて、お金もかかります。また、合宿費用も５～１５万円と馬鹿になりません。それだけに、合宿や大会に参加しない・できない部員もいます。別にスキーいけないからスキー部じゃない、ということは一切ありません。部員として出来る限りの部活動に参加する（陸トレやミーティン グ）、という部の最低限のルールやマナーを守っていれば、それだけでスキー部員なのです。だからこそ、スキー部はとても柔軟で、器が大きいです。

人脈作るためや飲み会仲間を作るための入部もアリ、部室でゲームするために入部というのもアリ、とにかく合宿に参加して技術向上を狙うのもアリ、大会に出るだけに入部も問題なし。何でもアリです。スキー部では、「楽しむ」以外の使命は特にありません。

そんな中でも、一度合宿に参加したらスキーが大好きになってしまい、財布や銀行口座とやりくりしながら競技スキー中毒になって抜け出せない人も数多くいます。それくらいスキー部は楽しくて
addicting
なのです。