2011/10/4
「時近ければなり その11」
人はなぜ、ジグソーパズルをするのだろう?
数多くのヒントを基に全体像を想像し、構築する。
完成した・・そのときの歓喜が人々を魅了するのだ。
思考とはそうしたもので、誰が誉めてくれるわけでもない。
このとき誰かに正解を教わったら・・・こんなにくだらないことはない。
正解を求める力こそ・・求道心にも似た・・真理を求める心なのだ。
簡単に正解を与えられて満足する、一般人にはならないほうがいい。
真実は・・・どんな答えであれ・・・あなたの出した答えこそが・・・正解なのだから。真実は言語では表せないのですからね。
原始キリスト教世界
シビュラの託宣
第3巻(1/4)
3."T1"
第3巻
3."T2"
神について
3.1
高みに雷霆とどろかし、浄福にして、天にいますかた、ケルビムをもって
座となすかたよ、わたしは願います、まったき真理を語ったわたしを、
しばし休ませてください。わたしのうちで心が疲れてしまったからです。
それなのに、なぜにわたしの気性と思いはなお震え、
笞に打たれて、内側から強いられるのか、
3.6
すべての人にお告げを伝えるようにと。そこで再びすべてのことを語ろう、
神がわたしに、人々に対して語るようにとうながされることを。
人間どもは似像のなかに神に作られた型を持っていながら、
なぜに愚かしくもさ迷い、真直な道を
3.10
歩まないのか、不死なる創造者を絶えず覚えて。
ひとりの神が唯一の支配者、言い表しがたき者、霊圏に住み、
みずから生じ、見られることなく、みずからは万物をご覧になるのである。
石工の手はこのかたを作らず、また金からも、
象牙からも、人間の術による形はこのかたを示さない。
かえって、彼、永遠者みずからが、みずからを示されたのである。
在るものとして、かつて在ったものとして、そしてさらにまた在り、その後も在るものとして。
ぜなら、死ぬべき者でありながら誰が両眼で神を見ることができようか?
あるいは誰が、名だけでも聞くことに耐えられようか、
世界を支配する天の大いなる神の〔名だけでも〕?
3.20
彼は言葉によって万物を創造なさったかた、すなわち天、海、
疲れることのない太陽、満ちた月、
輝く星、強い母テーテュス、
泉、河、不滅の火、日、夜を。
またまことに彼は神ご自身であって、四文字のアダムを作られたかたである。
〔このアダムは〕作られた最初の人であり、名前において
東西南北を満たす者である。
彼〔神〕みずから、声を分けて語る者ら〔人間〕の姿の型を定め、
獣と這うものと鳥とを造られたのである。
あなたがたは神を崇拝せず、畏れもせず、むなしくさ迷っている。
3.30
蛇を礼拝し、猫や、
物言わぬ像や人の石像に犠牲を献げている。
また神なき神殿の扉の前に座って、
万物を守ってくださる実在の神を*見守り*、
石の災禍を喜び、
天地を創造された、不死なる救い主の審きを忘れている。
ああ、血を好み、欺きにたけた、悪しき族民よ、不敬虔であり、
虚偽に満ち、二枚舌を用い、悪意に満ちた者、
結婚の床を盗む者、偶像に仕える者、欺きを思い計る者の族民よ、
彼らはその胸の内に悪があり、気の狂ったウシアブがおり、
3.40
自分のために奪い取り、恥知らずな気性を抱いている。
というのは、富んでいながら、また持てる者でありながら、誰も他の人に分かち与えることもなく、
すべての人の間に恐ろしい悪があり、
人々はまったく信仰を持たず、やもめ女たちは、
秘かにほかの男たちを、多くのものは利得のために、愛するだろう。
彼女らは男は手に入れるけれども、人生の綱は握っていない。
しかし、今なおためらっているローマがエジプトをも支配する時、
その時こそ不死なる王の大いなる国が
人々の上に現れるだろう。
そして聖い王が全地に、王笏を揮わんとやってくる。
3.50
迫りくる時の全時代にわたって〔王笏を揮わんと〕。
その時にはラテン人への鎮めがたい怒りがある。
三人の人が悲しむべき運命をもってロ−マを犯す。
すべての人間どもが自分の〔家の〕尾根の下で滅びるだろう、
天から火の洪水が下る時に。
悲しいかな、みじめな女よ、いつおとずれるのだろうか、その日は、
そして不死なる神、大いなる王の審きは。
今になってもなお、諸々の都市よ、おまえたちは建てられ、すべての〔都市〕が、
神殿や競技場や市場や、
金、銀、石の像によって飾られている。苦い日に到るために。
3.60
なぜなら、その日は、硫黄の香りが
すべての人々に広がる時におとずれるからである。しかしわたしは、個々のことがらを語り告げよう。
どれほど多くの町々で人々が災禍をこうむるかを。
3.62
* *
3.62
*
その後、セバステの輩からベリアルがやって来る。
彼は山々の高みを据え、海を据え。
大きな、火の燃える太陽や、輝く月、
死人を据え、多くのしるしを人間どもの間で行うだろう。
しかし、それらは彼にあって実りなきものとなり、
かえって声をわけて語る〔人間ども〕を、多くの者ら、
すなわち信仰ある者や選ばれたへブル人や不法な者や、他の人々
3.70
つまりまだ神のことばを聞いていない者らを迷わせるだろう。
しかし、大いなる神の脅威が迫り、
大浪によって火勢が地をおとずれる時、
〔その火勢は〕ペリアルも、増上慢の人間ども
彼に信を置くすべての人々も焼くだろう。
すると世界はひとりの女の掌のもとに
服し、すべてにつけて聞き従うであろう。
さてひとりのやもめが全世界を支配し、
金も銀も、高貴な海に、
またはかなき人間どもの銅も鉄も、
3.80
〔海に〕投げ込む時には、すべての元素は
秩序を失うだろう。それは霊圏に住む神が、
物を巻くように天を巻く時である。
そして全天蓋がさまざまな形をとって高貴な地に、
また海の中に落ちるだろう。荒れ狂う火の疲れなき滝が
地を焼き、海を焼き、
天蓋と日と被造物自身とを
ひとつにとかし、より分けて清いものにするだろう。
もはや、輝く星のきらめく星座もなく、
夜も曙も、思い煩いのための多くの日々もなく、
3.90
春なく、夏なく、冬なく、秋もないだろう。
まさにその時、大いなる神の審きが
大いなる時間の中央にやって来るだろう。これらすべてが起こる時に。
3.92
* *
3.92
*
おお、おお、〔嘆かわしきかな〕船の通う海とすべての陸地よ。
ふたたび沈むことのない太陽が昇る時、
人々はふたたび全世界の上に昇るものに従うだろう。
このゆえに、彼は第一の者として己が力をも認知した。
3.96
* *
3.96
*
しかし、大いなる神の脅威が極みに達する時、
彼はかつてこれをもってはかなきらを脅迫したが、それは塔を作った時、
アッシリアの地であらゆるひとが一つのことばであって、
3.100
星の輝く天に昇りたいと思った時である。
そこでただちに不死なるおかたは、風によって大きな力を
加えられた。するとたちまち風が大きな塔を頭から
投げ倒し、死ぬべき者ら相互に争いを引き起こした。
このゆえにこそ、はかなき者らはその都市にバビロンという名をつけたのである。
その後、塔が倒れ、人々のことばは
あらゆる言語に分かれたので、やがて全
地ははかなき者たちの分かれ立つ王国で満ちた。
まさしく当時は、声を分けて語る者らの第十代目の時代であった。
まさに洪水が最初の代の人々を襲った時からして。
3.110
そして、クロノスとティーターンとイーアペトス、
すなわちガイアとウーラノスのもっともすぐれた子らが王支配した。
人間どもがガイアとウーラノスとその名をつけた所以は、
彼らが言葉を分かって語る人間どもの最初の者たちだからである。
それぞれのくじ引きに従って地の三つの部分があった。
おのおのはその部分を所有して王支配し、彼らは戦うこともしなかった。
なぜなら父の前での誓いがあって、分割は義しかったからである。
そうするうちに、年老いた父の最後の時が来て
そういう次第で死んだ。すると子供たちは誓いに対するはなはだしい違反を
犯したので、互いの争いを引き起こし、
3.120
誰がすべての死すべき者らに対して王としての誉れを得て支配するかにつき、
クロノスとティーターンは互いに戦った。
そこでレアーとガイアと、花冠も愛らしいアフロディーテーと、
デーメーテールと、ヘスティアと、結髪もみごとなディオーネーとは
彼らを友情へと導びき、
すべての王たちを兄弟また同族として一つに集め、
同じ血統、同じ親からの他の人々も集めた。
そしてクロノスがすべての者の王として治めるように定めた。
なぜなら、彼は一番年長で、姿が最善だったからである。
しかし、他方、ティーターンはクロノスに対したいへんな誓いを課した。
3.130
それは男の子のやからを育ててはならないということであった。みずからが
王となるために。老いと定めの時がクロノスをおとずれる時に。
そこで、ティーターンたちはレアーが子を生む時、彼女の側に座っていて、
男の子はすべて切り殺し、
女の子は母のもとで育てられるために生かしておいた。
しかし、女神レアーが三代目〔の子〕を生んだ時、
まずへーラを生んだ。眼で女の子であることを
見たので、粗野な男たちのティーターンらは家に帰った。
するとそのあとでレアーは男の子を生んだので、
その子を速やかに、秘かに人知れず育てられるためにプリュギアに送った。
3.140
忠誠を誓った三人のクレタ人を選りすぐって。
そこで彼らは〔その子を〕ゼウスと名づけた。なぜなら彼は送り出された(diepevmfqh)からである。
さてまた同じようにして彼女はポセイドーンを秘かに送り出した。
三番目に、いとも神々しいレアーはプルゥトーンを生んだ。
それは彼女がドードーナを越えた時のこと。そこからはエウロボス川の水路が走り、
水はペーネイオスと交わって流れていた。人々はそれをステュクスの流れと呼んでいる。
さてティーターンたちが、クロノスと奥方レアーの生んだ子らが秘かに〔生きて〕いると聞いた時、
ティーターンは七〇人もの子らを集め、
3.150
クロノスと奥方レアーを捕縛し、
地の中に隠し、*枷*のうちに拘留した。
3.152
すると力強きクロノスの息子らはこれを聞き、
彼のために大いなる戦いと喊声とを引き起こした。
これがすべての生ける者の間の戦いの初めである。
[これが死すべき者らの戦争の端緒だからである]
そのとき神はティーターンたちに悪を与えられた。
ティーターンたちとクロノスのすべての族が
死に果てた。それから時が廻って、
エジプトの王国が起こった。それからペルシア、
3.160
メーディア、エチオピア、またアッシリア、バビロン、
それからマケドニア、ふたたびエジプト、そしてローマ。
さて大いなる神のお告げがわたしの胸のうちに
生じ、全地について予言をするように、
また王たちの心の中に来たらんとすることを置くように命じた。
そして神はわたしの思いに次のことを示された。
すなわちどれほど多くの国々が集められるかを。
すなわちまず第一にソロモンの家が支配し、
アジアと他の島々の制圧者なるフェニキア人、
パンフリア人、ペルシア人、フリュギア人の族
3.170
またカリア人、ムシア人、金に富むリュディア人の族もそうする。
それから増上慢のけがれたギリシア人、
〔それからまたギリシアとは〕別のマケドニアの雑多な種族が支配するだろう。
彼らは恐ろしい戦争の乱雲として人々におとずれる。
しかし、天の神はそれを根こそぎ劫掠されるだろう。
そののち別の王国の支配があるだろう。
それは西の海から〔生じ〕、白い多頭のものである。
それは多くの地を支配し、多くの者をぐらつかせ、
のちには多くの王たちに恐ろしいことをなすであろう。
また多大の金銀を多くの町々から、劫掠するだろう。
3.180再び、高貴な地中には、
金とそれから銀も飾り物も〔隠されて〕あるだろう。
また彼らは人々を苦しめるだろう。しかし大いなる災いがかの者らに臨むだろう。
彼らが思い上がった不義に手を着ける時に。
たちまち彼らの内には不敬虔の衝動が生じ、
男が男と交わり、子供を恥ずべき
大窓に立たせるだろう。その日には
人々の間に大いなる患難があり、それがすべてのものを混乱させ、
すべてのものを疲憊させ、すべてのものを悪で満たすだろう。
すなわち恥ずべき金欲とよこしまに得た富とにより、
3.190多くの地で。しかし特にマケドニアで。
それ〔患難〕は憎悪を引き起こし、人々の間にはあらゆる謀があるだろう。
〔それは第七の支配に至り、その王がエジプトに君臨する
時までである。彼はギリシア人の出である。〕
するとその時、大いなる神の種族がふたたび力を得るであろう。
彼らはすべての人々にとって生活の道案内となるだろう。
しかし、なぜ神はわたしの心にこのことも置き、語らせられるのか?
すなわち何が人々に対する最初の悪であり、何がその次であり、
何が最後であるかを。またこれらのことの始まりが何であるかを。
まず神はティタンたちに悪を授けるだろう。
3.200
というのは彼らはクロノスの力強き息子らに報い(divkh)を償うからである。
ぜなら彼らはクロノスと誉れ高きその母を禁縛してしまったから。
それから第二にギリシア人は暴君と増上慢の
王たちとを載くであろう。彼らは思い上がりで汚れており、
姦淫を求め、すべてにつけて悪しき者である。だからもう死ぬべき者にとって、
戦争からの休息は無いだろう。〔その日には〕恐るべきフリュギア人が
全滅し、悪がトロイアをおとずれるだろう。
するとペルシア人にもアッシリア人にも、
全エジプト、リビア、エチオピア人、
カリア人、パンフリア人にも悪がやって来る。それは〈動かしえざる〉悪であって、
3.210すべての人におとずれる。まったくどのようにしてわたしは一つ一つ語りえようか。
第3巻(2/4)
第一のことが終わるや否や
第二のことが人々を襲うだろう。わたしは何よりも先に叫ぼう。
敬虔な人々に悪がやってくると。それはソロモンの壮大な
神殿の回りに住む人々、また義しい者らの
末なる人々である。この人々の部族とともに
父祖の子孫についてもすべての者の民についても、
すべてのことを注意深く叫ぼう。さまざまの謀りをなす、欺き心の人よ。
カルデア人のウルの地に下ると〔 〕という町があり、
その出身の類稀なる義人の族がいる。
3.220
いつも彼らは善なる意志と良き業をこととしている。
というのも彼らは太陽や月の円運動や
地下の怪物や、
きらめくオケアノスの海の深さや、
くさめの徴や鳥占師の鳥や、
占い師や魔法使いや幻術者や、
腹話術師の馬鹿げた話の騙しごとに煩わされていず、
カルデアの星の予言を学ばず、
星を眺めはしないからである。と言うのもすべての迷いを産んだのは、
思慮なき人々が日ごとに探し求めているものである。
3.230
彼らは益なきことに魂を消耗している。
実に、彼らは惨めな人間たちに迷いを教えたのだ。
そこから多くの悪が地にある人間に生じ、
その結果彼らは善き道と義しい業から迷い出たのである。
しかし彼らは義と徳とに心を用い、
財欲には心を用いない。死ぬべき人間にありとある悪、
すなわち戦争と果てしない飢饉とを生み出すのはこれである。
しかし彼らは村ごとに町ごとに義しい量りを有し、
互いに夜盗を働くこともなく、
牛、羊、山羊の群れを追わず、
3.240
隣人同士その地境を除くこともなく、
はなはだ富んでいても、人が弱者を悩ませることもなく、
寡婦を圧迫せず、かえって逆に、いつも
穀物と酒と油を与えて〔これを〕助けるのである。
民の中の栄えある者はいつも、持たざる者、
貧しき者に夏の酬いを送り与え、
大いなる神のことば、律法にかなった歌〔の務め〕を果たすのである。
なぜなら天にいますかたはすべての者に平等の地を作り終えられたからである。
さて十二部族の民が神から遣わされた指導者たちによって
エジプトを去り、道を進み、
3.250
夜は火の柱によって、過ぎ行き、
*暁が日を導く時には*雲の柱によって進む時、
神はこの民に指導者、偉大なる人、
モーセをお立てになるだろう。王女は葦陰に彼を見つけ、連れ帰って
育て、わが子と呼んだのである。さて、彼が
民を率いてやって来た時、──これは神がエジプトから
シナイの山に導かれたのであるが──神は
いっさいの義なることを二枚の板に書いて、天から律法を与え、
〔これを〕行なうように命じられた。そしてもしも〔これを〕犯す人がいるなら、
律法あるいは人間の手によって報いを受けるか、
3.260死ぬべき者の眼をのがれても神の審きによって滅ぼされるか、である。
3.260
ξξξξξξξξξξξξξξξξξξ
3.263
彼らのためにだけ実り豊かな大地は百倍もの
実りをもたらす。神の量りが生じたのである。
しかしやはり彼らにも悪がおとずれ、疫病を
のがれはしないだろう。そしておまえは必ず、いともうるわしい聖所を棄て、
のがれて行くだろう。聖なる地を棄てることがおまえの定めなのだから。
おまえはアッシリア人の所に引いて行かれ、いとけない子供や、
妻らが、敵意をいだく人々のもとで奴隷となるのを見るだろう。
3.270
生活道具も富もことごとく壊されるだろう。
また地も海も至る所おまえで満たされるだろう。
そしてすべての人がおまえの習慣に立腹するだろう。
(こうしてユダヤの)全地におまえの姿は見えなくなり、囚われた祭壇、
大いなる神の神殿、偉大な城壁は
みな地に崩れるだろう。なぜならおまえは心の中で
不死なる神の聖い律法に従わず、心迷って
見苦しい偶像に仕え、恐れることなく、
すべての神々と人々との父、不死なるかたを
うやまおうともせず、死ぬべき者らの偶像をうやまったからである。
3.280
このゆえに、七〇年間、地は実りをもたらすことがない。
3.261
「天にいます方」が、万人に共通の大地を終わらせ、
信仰も最善の想いも、胸の内に〔終わらせたもうたからである〕。
3.281
至る所おまえの姿はなく、眼を見はるばかりの聖所にも〔おまえの姿はないだろう〕。
しかし善のきわみと、大いなる栄光とがおまえを待っている。
それは不死なる神が〔かつて〕おまえに果たされたように、である。しかしおまえは待つがよい。
大いなる神の聖なる律法を信じつつ。
彼がおまえの疲れた膝をまっすぐに引き起こし、光に向かわせてくださる時を。
その時こそ天にいます神は王を遣わされるだろう。
彼は血と火の輝きとによってひとりひとりを審くであろう。
〔ここに〕一つの王の種族がある。その末は、
つまずくことがないだろう。この種族は廻る年月
3.290
支配し、新しい神の聖所を建て始めるだろう。
そしてペルシアのすべての王が
金と銅と鍛えあげた鉄とを寄進するだろう。
なぜなら神みずからが夜の聖なる夢を(王たちに)与えられるだろうからである。
その時にはかつてあったようにふたたび神殿があるだろう。
3.294
* *
3.294
*
わたしの気性が神の霊感を受けた歌を終え、
大いなる父に、圧迫から休めるように請い願った時、
しかしふたたびわたしの胸のうちに大いなる神のお告げが
3.298
生じ、全地について予言し、
王たちの思いに、来たらんとすることを置くようにわたしに命じた。
3.300
そしてまずこれを語るようにわたしの思いのうちに置かれた。
すなわち不死なるかたがどれほどの深い悲しみをバビロンに対して計っておられるかを。
なぜなら彼らは大いなる神殿を劫掠したからである。
ああ、ああ、バビロンとアッシリアの人種、おまえは禍いだ。
いつの日か罪人らの呻き声が全地に至り、
声を分けて語る者どもの叫び声が、全地方を滅ぼすだろう。
そして大いなる神、讃歌の指導者なるかたの打擲が。
というのもバビロンよ、上天にある者がいつの日か、上からおまえに到来するだろう。
〔しかも天の聖なる場所からそれはおまえに下るのだ〕。
すなわち永遠の絶滅が気性の子らに(到来するだろう)。
3.310
その時おまえは、かつてあったように、また生まれていなかったようになるだろう。
その時おまえは血で満たされるだろう。ちょうど、かつておまえ自身が
善い人々と義しい人々の血を流したように。
彼らの血は今もなお遥かなる天に向かって叫んでいる。
エジプトよ、激しい打擲がおまえの家に来襲する。
それはいまだかつて自分に至るとは思ってみもしなかったような恐ろしさである。
なぜなら剣がおまえの中をへ廻り
離散と死と飢饉とが猛威を振るうだろうからである。
それは王たちの第七代に達し、そのとき終わるであろう。
おまえは禍いだ、エチオピアの川の中央にある書ゴグとマゴグの地方よ。
3.320
おまえはどれはど多くの血の注ぎを受けることか。
おまえは人々の間で審きの住む所と呼ばれるだろう。
またおまえの湿地がどす黒い血を飲むだろう。
おまえは禍いだ、リビアよ。海も地も禍いだ。
西方の娘らよ、おまえたちはどんなに苦い日へと進んで行くことか。
しかも辛い闘争に追われていくだろう。
恐ろしくつらい(闘争によって)。恐ろしい審きがふたたびあるだろう。
そして必ずやひとり残らず滅びに至るだろう。
それはおまえたちが不死なるかたの大いなる家を破り裂き、
鉄の歯で激しく噛み砕いた報いである。
3.330
このゆえにおまえはおまえの地が死人で満ちるのを見るだろう。
あるいは戦争と悪鬼のもろもろの促しによる、
あるいは飢饉と疫病による、あるいは野蛮な敵の手による死人を。
全地におまえの姿はなく、町々は憤然と立っているだろう。
西に星が輝くだろう。人々はそれを慧星とか
人間に対する剣と飢饉と死の徴とか
指導者や偉大な有力者の死滅とかと呼ぶだろう。
さて、ふたたび人々に著しい徴があるだろう。
というのも、深きうねりのタナイスはマイオティスの
海を去り、実りをもたらす水路の溝が深い流れを下って引かれ、
3.340
巨大な流れが首に達するからである。
湾はロを広げているだろう。すると多くの町々が
人もろともに崩壊するだろう。アジアではイアッソス、
ケプレン、ハンドニア、コロフォン、エペソ、ニカイア、
アンチィオケ、タナグラ、シノペ、スミュルナ、マロス、
栄えあるガザ、ヒエラポリス、アスチュパライア、
またヨーロッパでは(聞えも高い〉キュアグラ、王のメロペイア、
アンティゴネ、マグネシア、神々しいミュケナイ。
その時エジプトの破壊の族は滅びに近いと知れ。
またその時アレクサンドリアの人々にとって過ぎ去った年が善いものとなるだろう。
3.350
貢を納めるアジアからロ−マの受けた財宝の
三倍を逆にアジアがローマから受け、
ローマに対して破壊の荒びを報いるだろう。
またイタリア人の家で奴隷として仕えたアジアの人間の
二〇倍のイタリア人がアジアにおいて貧窮の身で仕え、
一万倍ものことを身に招くだろう。
おお、華麗にして黄金に富むものよ、ラティウムの後裔、ローマよ、
処女よ、幾度となくおまえの忘れ難い結婚によって、
酔いしれていたが、女奴隷として化粧もせずに寝所へ引かれて行くだろう。
また、しばしばおまえの優美な髪を女主人が切り詰め、
3.360
復酬を計って(おまえを)天から地に
投げ、また逆に地から天に吊り上げるのだ。
それは人々が思慮のない、不義の生活をいとおしんだからである。
サモス(SavmoV)も砂地(a[mmoV)となり、デロス(Dh:loV)は消え失せ(a[dhloV)、
ローマ(+Rwvmh)は通り路(rJuvmh)になるだろう。この託宣はことごとく成就するだろう。
しかし、スミルナの滅亡については〔語るべき〕ことばがない。それは無法の者となるだろう。
しかし、邪悪な計略と指導者たちの悪事とによって
3.366......................................................................
おだかな平和がアジアの地におとずれるだろう。
その時ヨーロッパは幸いであり、実り豊かな気候は
多くの年月続き、力強く、嵐がなく、荒天もなく、
3.370
あらゆるもの、鳥も地に這う獣ももたらすだろう。
おお、このうえなく浄福なる者よ、男であれ、女であれ、かの時に至る者は。
彼は浄福である、*野山に暮らす伝説の牧者のように*。
というのはまったき善法が、そして公正が、星の輝く天から
人間どもののもとに来るからである。そして公正とともに、
はかなき者らにとって何よりもすぐれているもの、同心、慎み、
滋愛、信頼、寄留者と同市民とからの友愛〔が来るからである〕。
*そして悪法と中傷と妬みと怒りと無思慮と
貧困とは人々の間から逃げ去るだろう。また暴力と*、
殺人と破滅に至る争いと痛ましい反目と、
3.380
夜盗とあらゆる悪とがその日には逃げ去るだろう。
しかし、マケドニアがはなはだしい災禍をアジアに産み、
ヨーロッパには、最大の苦痛が芽生えるだろう、
クロノスの子らの裔と庶子と奴隷の家系から。
それはバビロンの都市をも城塞として建てるであろう。
太陽が照す限りの全地の
女主人と呼ばれながら、悪しき迷妄によって滅びるだろう。
諸方を放浪する後裔に名をとどめる〔ばかり〕で。
いつの日かアジアの栄えある地に(突然)ひとりの人が来るだろう。
彼は肩に紫の布を掛け、
3.390
粗野で、異なった正義を掲げ、炎のようである。というのは雷鳴が
彼の前に光をたたせていたからである。全アジアは悪しき軛を負うだろう。
そして雨に濡れた地が多量の血を飲むだろう。
しかしそれにもかかわらずハデスはまったく秘かにすべての者を癒すだろう。
まことにその末を彼が滅ぼそうと思っていた者たち
の末によって、彼自らの族が滅ぼされるだろう。
すると彼は一つの枝を見捨てる、──それは滅ぼす者が打つだろう──
一〇本の角から。そして彼は*そのかたわらに別の木を植え*、
紫の種族の父なる戦士を打つだろう。
そしてみずからは〈アレスの定まった心により〉子たちの手にかかって
3.400
滅びるだろう。すると並んで育った角が支配するだろう。
第3巻(3/4)
さて命を産み出すフリュギアにもたちまち終極がおとずれる。
それは、渇くことのない根によっていつまでも続く波が
地に脹れ上がり、レアの血に汚れた族が
夜の間に根こそぎ見えなくなる時、そしてこのことが
地を震わす地震の神の町の中、人の中に起きる時である。
いつの日か人々はこの町を事にちなんでドリュライオス、
古い、暗い、涙の多いフリュギアの、と呼ぶだろう。
その日は確かに来るだろう。そしてあだ名で地を震わすと言われる者が
地のくぼみを壊し、城壁を打ち倒すだろう。
3.410
善いことのしるしではなく悪いことの始まりが生ずるだろう。
そして同族の血が、あらゆる民族の(参加する)戦いにも通じた王たち、
すなわち(土着の、計略にすぐれた)アイネイアスの子らを支えるだろう。
しかし、その後おまえは恋人たちのことで捕虜となるのだ。
イリオンよ、わたしはおまえを憐れむ。なぜならエリニュスが、
アジアとヨーロッパの広大な波面をあとにして、スパルタに
はなはだ美しく、永遠に名をとどめるほどのすぐれた芽生えを育てるからである。
そして特に涙と苦しみと叩きとをおまえに持ち来たり、
課すであろう。(おまえの)うわさはやがて来る世代においても古びることがない。
さて、ある偽りを書く老人がやって来るだろう。
3.420
彼はまた自分の故国を偽っている。彼の限の光は沈むだろう。
彼はすぐれた心と思いのままに韻律を付したことばとを持っているだろう。
そのことばは二つの名と結びつけられている。彼はキオスと
みずからを呼び、イリオンに関することを正確にではなく、
巧みに描くだろう。というのは彼がわたしのことばも韻律もしのぐであろうからである。
すなわちまず彼はわたしの書いた物を手で開き、
それからはなはだしく戦士たちを飾りたてるだろう、
プリアモスの子ヘクトールやベレウスの子アキレウスや
その他軍の業に心を繋ぐ者らを。
しかも彼は神々さえこうした人間どものかたわらに立たせるだろう、
3.430
あらゆる仕方で頭の空な人間たちを偽り描くことによって。
そしてイリオンで死ぬことはむしろ彼らにとって広汎な名声となるだろう。
しかし彼みずからが酬いの業を受け取るだろう。
そしてリュキアにはロクロスの族が多くの悪を生み出すだろう。
狭い海峡を(くじで)得たカルケドンよ、
アイトロスの子が来ておまえをも略奪するであろう。
キュジコスよ、海がおまえの重い財貨をかき裂くだろう。ビザンティウムよ、おまえもいつの日かアレスを、(その盾を見るだろう)。
おまえはとりわけ叩きと量り知れない血とを受け取るだろう。
またクラゴス、リユキアの聾え立つ山よ。
3.440
岩岩が裂けて、割れ目が山の頂から水を泡立たせ、
ついにはパタラの託宣と兆しとを止めるだろう。
キュジコス、酒にまつわるプロポンティスの住民よ。リュンダコスのうねだった波がおまえの周囲に押し寄せるだろう。
また汝、ロドスよ、おまえは長い間奴隷の髄をまぬがれるだろう。
3.445
太陽の娘よ、おまえはのちに多大の富を得るだろう。
また海においては他の者たちよりもすぐれた力を得るだろう。
しかしその後、美しさも富もそのままに愛人たちの
虜となるだろう。そして恐ろしい軛を首にかけられるのだ。
さてまたリュディアの地震がペルシアの繁栄を荒廃させ、
3.450
ヨーロッパとアジアの(知っている)もっとも恐ろしい痛みを成し遂げるであろう。
シドン人の滅びの王とその他(海を渡る着たち)の雄叫びが
サモス人に対する滅びの中の滅びを(意味するだろう)。
滅びゆく人々の、〈平地から〉〔流れる〕〈血が〉どくどくと海の中へと流れ出るであろう。
他方妻たちは着飾った娘らとともに
異常な、惨めな荒びごとを叫ぶだろう。
ある者は〈親のゆえに〉、またある者は滅びゆく子のゆえに。
これがキプロスの徴である。地震が峡谷を打ち崩し、
ハデスが多くの魂をいっしょに受け取るだろう。
さてエペソの隣人であるトラレスは、地震によって、
3.460
巧みな造りの城壁と頑迷な心の民とを損失するだろう。
あるいは地が熱湯を噴き出し、あるいほ押えられていた地が、
(自分の中へと)飲むであろう。そして硫黄の臭いが(するであろう)。
サモスもその時には(異国の)王のための邸宅を建てるであろう。
イタリアよ、おまえの所に見知らぬ国のアレスはやって来ない。
しかし同じ血族が、多くの嘆きを受け、弱くはなく、
悪名高く、恥知らずなおまえを斌するだろう。
そしておまえは熱い灰の中に倒れ伏し、
自分の心で先を見ることのない身を滅ぼすのだ。
おまえは善き者の母ではなく、獣の乳母となるだろう。
3.470
しかしイタリアから滅ぼす者が現われる時、
その時、ラオデキアよ、
リュコスの神々しい水流に沿った美しいカリア人の町よ、おまえはまっさかさまに倒れ、
傲慢な父祖を思って嘆いたのち沈黙するのだ。
トラキアのクロビュゾス人がハイモス山の至る所に登るだろう。
カンパニア人は実り多き飢饉のために(歯を)カタカタと鳴らすだろう。
多くの年月父祖を思って嘆いたのちに。
キュルノスとサルディニアは冬の強い嵐と、
聖なる神の打擲とによって海の底へと、
海の子らもろともに波の下に沈むだろう。
3.480
ハデスがめとる処女らはわざわいだ。
海底のかしずく、葬りも受けなかった若者たちも、
海に漂う幼な児も重い財宝弛わざわいだ。
ムーサたちの祝福された地が突然王の族を
産み出すだろう。しかし本当は、永くは
カルケドンも続くまい。そしてガラチア人は深い嘆きの涙を流すだろう。
またテネドスにも悪しき終わり、しかももっとも重大な終わりがおとずれるだろう。
そして銅で知られるシキュオンは、コリントよ、唸り声を立て、
すべての者に加えておまえのことをも誇るだろう。しかし(予言者の)笛もまた同じように鳴り響くだろう。
3.488
*
さて、わたしの気性が霊感を受けた歌をやめた時、
3.490
ふたたび大いなる神からわたしの胸のうちにことばが
臨み、わたしが全地について予言するようにと命じた。
わざわいなるかな、フェニキアの男たちと女たちとの民、
また海沿いのすべての町。あなたがたのうちのだれも
普遍の光を浴びつつ、太陽の光へと至ることがない。
それだけでなく、もう命の日数も部族もなくなる。
不義の舌と無礼と汚れとの生活の酬いとして。
すべての者は、汚れたロを開いてそのような生活を過し、
また恐ろしい、偽りと不義のことばをならべたて、
大いなる王、神にさからって立ち、
3.500
偽って憎むべき口を開いたからである。このゆえに神は彼らを、
全地に手痛く打ち伏せ、
彼らに苦い定めを遣わす。
神は町々を地底から焼き、多くの基を〔焦がされる〕。
おお汝、痛み多きクレタよ、おまえの所に
打擲が及び、永遠の恐れがはなはだしく劫掠する。
全地はふたたびおまえが煙るのを見る。
また永遠に火はおまえを去ることなく燃やし続けるだろう。
おお汝、トラキアよ、おまえが奴隷の軛に至るとは。
ガラチア人らがダルダノスの子らと一つになって
3.510
手痛くギリシアを荒す時、悪しきことがおまえに至るだろう。
おまえは他の地(の国)に〔 〕を与えるが、何も得ることはない。
おお汝、ゴグとマゴグよ、そしてマルソス人とアゴス人のすべての町のおのおのよ、
運命がどれほど悪しきことをおまえにもたらすことか。
そしてリュキア人とムシア人とフリュギア人の子らにも〔ひどいことを〕(運命がもたらす)。
多くの民が倒れる。パンフリア人とリニアィア人と
マウロス人とエチオピア人と異国のことばを語る着たち、
カバドキアとアラビアの民らが。いったいなぜ、わたしはおのおののことを運命に従って
歌うのか。地に住む限りのすべての民に、
至高者が恐るべき打擲を遣わされるからである。
3.520
多くの異国の民がギリシアに来ると、
選り抜きの男たちの首を数多く撃ち落とす。
人間の数多くの肥えた羊や、
馬やらばや大声に鳴く牛の群れを彼らは八つ裂きにする。
よい作りの家は無残にも火で焼き尽くす。
彼らは多くの者たち、子供、帯深き女たちを奴隷としてむりやり異郷の土地へ引いて行く。
肌柔らかな女たちは奥室から出され、か弱い足で前へと転んで行く。
異国の言語を話す敵の軛のもとに、女たちが
あらゆるはなはだしい倣慢なふるまいを受けるのを人々は見る。しかも彼らには 戦いを少しでも助ける者はなく、命の救い手もいない。
3.530
彼らは自分たちの持ち物とあらゆる富とを
散が略奪するのを見る。膝の間には震えが来る。
一〇〇人の兵が逃げると、ひとりの兵が彼らをことごとく滅す。
五人の兵が重装備の(部隊)を動かす。人々は敵に面して
恐ろしい鬨の声のゆえにうろたえ惑い、
敵に歓喜をもたらす。しかしギリシア人には悲嘆である。
実に全ギリシアに奴隷の軛がある。
すべての人間を戦いと疫病が襲う。
神は上なる大きな天を銅にし、
3.540
全地には干ばつをもたらされ、大地は鉄にされる。
その後すべての人間は不毛と荒廃を激しく嘆く。
そして、天と地を据えたかたが地に大きな火の柱を下す。
するとまたすべての人間にとっての第三の定めがやってくる。
まことにギリシアよ、おまえはなぜ死ぬべき人間にすぎない指導者たちに従ったのか?
彼らは死の終極をのがれることのできない着ではないか?
なんのためにおまえは、空しい献げ物を死んだ偶像のもとに運び、
供えるのか?だれがおまえの心の中に迷いを置いて、
大いなる神の顔を捨て、これらのことをなさせるのか?
3.550
万物の父なるかたの名を恐れよ、決して忘れてはならない。
ギリシア人の倣岸な王たちが治めた時から、一〇〇〇年がたち、さらに五〇〇年がたつ。
彼らは最初に人々の間に悪をもたらした。
すなわち、朽ちて死ぬべき多くの神々の偶像をである。
そのために、おまえたちは空しいことを考えるように教えられた。
しかし、大いなる神の憤激がおまえたちに臨む時、
その時こそおまえたちは大いなる神の顔を知る。
すべての人の魂はいたく嘆いて、
みずからの手を広い天に向かって差し伸べ、
助け主である、大いなる王を呼び始め、
だれか来ぬかと、大いなる憤激からの救い主を求め始める。
しかし、来て、このことを学びおまえの心にとめるがよい。
三年のめぐる間、どれほどの悩みがやって来るかを。
ギリシアは牛と大声で鳴く雄牛の中から犠牲を献げた。
大いなる神の神殿に向かって全繙祭を供えて。
(ギリシアは)いやなひびきの戦争と恐怖、
また疫病から逃げ出し、ふたたび奴隷の軛からのがれるだろう。
定められた日がこのように終わるときまで、この時まで、不敬虔な者らのやからがある。
3.570
なぜならあなたがたは、すべてのことが起こるまでは決して神に犠牲を献げないから。
ただひとりの神が意図されることは必ず成る。
すべてが成し遂げられるために、強い必然の力が加えられる。
敬虔な人々の聖なるやからもまた生じる。
彼らは至高者の意志と考えとにつながっている者たち、
彼らは大いなる神の神殿を深くうやまう。
灌祭と香りとまた聖なる犠牲、
すなわち肥えた雄牛、全き羊、初子の羊の献げ物によって、また肥えた羊の群れを
大きな祭壇の上に聖い仕方で全烙祭として献げることによって。
彼らはその義のゆえに至高者の律法にあずかり、
栄えある者として町々と肥えた野に住む。
彼らは不死なるかたによって高くされた予言者たちであり、
すべての人間に大きな喜びをもたらす。
なぜなら大いなる神は、ただ彼らの胸にのみ恵み深い思いはかりと、
信仰とすぐれた思いとを与えられたからである。
これらの者は空しい欺きごとによって、人間の
金や銅の作品、また銀のわざ、象牙のわざ、
木や石の、赤く土を塗った死んだ神像、また画像を、
3.590
これらは人々が空しい望みにょってうやまうものだが──うやまわない。
かえって彼らは天に向かって聖い手を差し伸べ、
3.592
いつも床から早く起きて水で身を聖め、
ひたすら不死なる永遠の支配者を、
そして次に両親をうやまう。彼らはすべての人よりはるかにまさって
床を聖く守ることを肝に銘じている。
また彼らは少年と汚らわしく交わったりしない。
フェニキア人やエジプト人またラテン人、
広いギリシアや他のペルシア人、ガラチア人、全アジアの多くの民々が、
3.600
不死なる神の(与えられた)聖い掟を破ったようには。
これらの者たちに対し、不死なるかたはすべての者らの中に
迷いと飢饉と苦しみと呻きと
戦争と疫病とそして涙多き痛みを置く。
なぜなら、彼らはすべての人間の不死なる父を
聖い思いで尊ぶことを欲せず、かえって偶像を重んじ、
手で作ったものを畏れたからである。しかし、
エジプトの若い王、すなわち、マケドニアの偉大な男たちが行なった
ギリシアの支配から数えて七代目の王が自分の国土を治める時、
人々みずからがこれらの偶像を恥のゆえに隠そうとして、岩の裂け目の中に投げ捨てるのである。アジアから大いなる王が出る。彼は繹猛な鷲である。
彼は全地を歩兵と騎兵で覆い、
すべてのものを疲億させ、すべてのものを悪で満たす。
彼はエジプトの国を投げうつ。そしてすべての財宝を
奪って、広い海面へと運び出す。
そしてその時こそ、人々は多くのものを養う大地の上に白い膝を折り、
大いなる神、不死なる主に祈るであろう。
またすべての、手で作られた業は火の炎にょって倒れる。
そしてその時こそ、神は人々に大きな喜びを与えられるだろう。
3.620
というのは大地と果樹と羊の無数の群れが、空一人々のために本当の実りを与えるからである。
それはぶどう酒と甘い蜜と白い乳と穀物の実りであり、
人間にとってすべてのもののなかで最良のものである。
第3巻(4/4)
しかし、さまざまに思い計る人よ。汝はなそうとしてためらうことなく、
身を翻えして神と和解するがよい。
数百匹の雄牛と初子の羊と山羊とを季節が廻るごとに神に献げるがよい。
彼を宥めよ、不死なる神駕彼が憐れんでくださるように。
なぜなら彼だけが神であって、ほかにはいないからである。
3.630
また義を重んじ、決してだれをも圧迫してはならない。
なぜならこれを、神は哀れな人間に命じられるからである。
またこのような時、汝は大いなる神の忿怒を防げ。
すなわちすべての人に疫病のきわみが来、
彼らは打ちひしがれて恐るべきかたの酬いを受け、
王が王を掃え、また領土を奪い、
民が民を荒し、支配者が部族を荒し、
すべての将軍たちは他の地へのがれ、
人々の土地は変じ、異国人の支配が、
全ギリシアを荒廃させ、また肥えた土地から
富を流し尽くし、人々が金と銀のために、お互いに争い合うに至るとき、
金銭欲がやって来て、町々の中に悪を養うだろう。
異国の地で、すべての者が葬られぬままであり、
その間を禿鷹と地に住む野獣が食い荒すだろう。
さて、これらのことが終わると、
広い大地が死からまぬがれた者たちを滅ぼす。
また全地はまくことも耕すこともなく、
みじめにも、すべての人々の嫌うことを告げる。
年が廻り、長い時間が(たつ間)、
盾、長盾、投槍、さまざまな武具を。
また火をともすために森から木を切り出すこともなくなる。
その時に、神は東からひとりの王を遣わす。
彼はある者たちを殺し、ある者たちに忠実な誓いを果たすことによって全地に悪しき戦争をやめさせる。
また彼は自分の意志でこれらすべてのことを行なうのではなく、
大いなる神の善き教えに従う。
大いなる神の神殿は、はなはだ美しい財宝と、
金と銀と紫の飾りで溢れ、
実りをもたらす大地と海とは、
3.660
善き事で満ちる。すると王たちは
互いに*気性に悪を助長し妬み*始める。
妬みは哀れな人間たちにとって善きことではない。
それなのに民の王らはふたたびこの地をねらい、群れをなし、押し寄せ、
みずからに死を招くのである。
というのは、彼らは大いなる神の聖所ともっとも高貴な人々を滅ばそうとするからである。
この地に到着したときに。
荒々しい王らは町のまわりに、それぞれ自分の王座を立て、不従順な民を所有する。
そこで神はすべての無知な、空しい思いの民に向かって大声で語られる。
3.670
そして大いなる神から彼らのもとに審きが来、
すべての者が不死なるかたの手によって滅びる。
天からは燃える火の剣が全地に降る。
炬火が、大きな光が輝きながら人々の中にやって来る。
またその日にはすべてのものの母なる大地が不死なるかたの手によって震え、海に住む魚と、
地のすべての獣、鳥の無数の種類、
すべての人々の魂、すべての海が、
不死なるかたの顔によって戦慄し、恐れがやって来る。
3.680
彼は巨大な山のけわしい嶺や丘を
裂き、もやもやとした闇がすべての人の前に現われる。
そびえ立つ山では高い所にある裂け目が
死体でいっぱいになる。岩が
血といっしょに流れ、山からの流れの一つ一つが野に溢れる。
敵意をいだく者ども良く作られた城壁もすべて地に崩れる。
なぜなら彼らは大いなる神の律法も、
審きも知らず、おまえたちは愚かな気性によって
皆騒ぎ立ち、聖なるかたに向かって槍を取ったからである。
神はすべての者を戦争と剣と
3.690
火と洗い流す豪雨とによって審かれる。そして、
天から硫黄が降り、そのうえ、石と嵐がやって来る。
それは長く、またつらい嵐である。また死が四足の獣を打つ。
その時人々は、これらの審きを下される、不死なる神を知るだろう。
滅ぶべき人間の嘆きと叫びが広い大地に起こり、
すべて聖くない者は血で洗われ、大地そのものさえが
殺された人々の血を飲み、獣は肉に飽くであろう。
大いなる、また永遠なる神ご自身が、これらすべてのことを
わたしに予言するように言われた。これらのことは成就されずにはおかない。
3.700
また神が心に置きさえなされば、それが完遂されぬことはない。
なぜなら神の霊は全世界で偽ることがないからである。
他方、大いなる神の子らは皆、神殿のまわりに
静かに生活し、創造者、正しい審き手、君主なるかたの与えてくださることによって喜ぶのである。
なぜなら彼だけが護ってくださり、強い力をもってかたわらに立ってくださるからである。
それはあたかも彼が周囲に燃える火の壁を持っておられるかのようである。
そして、町でも地方でも戦争がない。
なぜなら、悪しき戦争の手は決して彼らの中にはなく、かえって
彼こそ人々のための不死なる勇士、聖なるかたの手なるかただからである。
その時こそすべての島々町々は言うだろう、
不死なるかたはどれほどあの人々をいとおしんでいらっしゃることかと。
なぜなら、すべてのことが彼らのために同情し、協力するからである。
天も神によって動かされている太陽も月も。
そしてすべてのものの母なる大地はそれらの日に震われる。
また彼らは詩によって、口かち甘いことばを出す。
「さあ、われわれは皆地に伏して、
不死なる王、大いなる永遠の神に祈ろう。
神殿に向かって進もう、彼だけが力あるかたなのだから。
またわれわれは皆、いと高き神の律法を考えよう、
彼は全地のあらゆるものの中でもっとも義しいのだから。
しかるにわれわれは不死なるかたの道から迷っていたし、
また愚かな心のゆえに手で作ったものや、
滅ぶべき人間が彫ったものを拝んだ」。
忠実な人々の魂はこれらのことを泣き叫ぶ。
「さあ、神の民ごとに地にロをつけ、
家ごとに詩によって父なる神を喜ばせよう。
全地で敵の鎧を身につけ、
行き交う年の七廻りの間、
小盾、長盾、兜、さまざまな武具、
不義なる者らの弓矢の束をおびただしく帯びて。
というのも、火をともすために、森から木を切り出すこともないからである」。
けれども、みじめなギリシアよ、高ぶった思いをやめよ。
大いなる心の不死なるかたに祈り、みずからを守れ。
おまえの思慮なき民をこの町へと遣わしてはならない。
その民は大いなるかたの堅い地から出たのではないから。
カマリナを騒ぎ立たせてはならない。騒ぎ立たぬほうが良いから。
それは洞穴から出た豹だ。悪と出会わぬようにせよ、
かえってそこから手を引け。高ぶった、倣慢な心を胸に抱いてはならない、
激しい戦いへと(心を)はやらせて。
また大いなる神に仕えよ、これらのことにあずかるために。
定められた日がこの終極に達すると、
人々に不死なる神の審きがおとずれる。
大いなる審きと支配が人々の中にやって来るのである。
なぜならすべてのものを産む大地は、人間に最良の実り、
すなわち、無尽蔵の穀物と酒とオリーブ油を与え、
また天からは、甘い蜜の甘い飲み物、果樹、果実、肥えた羊、
牛、羊の子、山羊の子を与えられるからである。
また(大地は)白い乳の甘い泉を噴き出すのである。
他方、町町は善いことで満ち、田畑は肥える。
地上には剣も騒乱も無くなる。
また大地は重苦しく呻いて揺れ動くこともない。
戦争はなく、また地上にもはや干ばつもない。
収穫の飢饉も災いをなすひょうもない。
それどころか、全地に豊かな平和があり、
王は王に対し時の果てまで睦ぶであろう。
また不死なるかたは星の輝く天にいまして、哀れな人間の間で行なわれていることに関しては、全地に共通の律法を人間のために全うされる。
なぜなら彼だけが神であって、はかにはいないからである。
彼はまた、火によってかたくなな人々のやからを焼き尽くす。
だから、胸のうちに己の心を励まし立て、
律法にかなわぬ礼拝を避け、生けるかたに仕えよ。
姦淫と、男との見定めのない床とから身を守れ。
自分の子孫である子供たちを育て、殺してはならない。
なぜなら、これらのことを犯す者に対しては、だれであろうと不死なるかたは怒りたもうからである。
その時こそ彼は人々の上に、永遠に国を建てられる。彼は敬虔な者に、かつて聖なる律法を与え、彼らすべてに地と善祝福された者たちの世界と門とまたあらゆる喜びと、
不死なる理性と、永遠の楽しみとを開くと約束されたのである。
すると全地から人々は、乳香と贈り物を大いなる神の家へと携えて来るだろう。
そして、人々の間で、また生まれくる者たちの間で、他の家を尋ねることもない。
その家は神が、忠実な人々に、贈り物にょってご自分をたたえるようにと与えたものだからである。
すなわち人々はそれを大いなる神の(家と)呼ぶのである。
野のすべての道も、ごつごつとした丘も、
高い山も、海の荒波も
それらの日には通りやすく、また航海しやすくなる。
なぜなら、全面的な平和が善なる者たちの地におとずれるからである。
また大いなる神の予言者が剣を奪い去る。
なぜなら彼らこそ人々の審き手、義なる王、だからである。
プルトスさえ、人々の中で義しい者となる。
なぜなら、これが大いなる神の審きであり、支配でもあるから。
娘よ、喜び喜べ。おまえには永遠者の喜びが与えられたのだから。
彼は天と地を造られた。
また彼はあなたのうちに住み、あなたのための不滅のかたとなるだろう。
狼と小芋とは山の中でともに交わり、草を食い、
豹と小山羊とはいっしょに食らう。
うろつき歩く熊は子牛とともに伏し、
肉を食うライオンは槽のかたわらで、牛のようにわらを喰む。
本当に小さい小供でも彼らを縛って引いて行く。
なぜなら神は地上の獣たちを不自由にされるから。
龍が赤子と蝮とともに寝て、
赤子が害を受けることがない。なぜなら神の手がそのうえにあるから。
それとわかるほどにきわめて判然とした徴を、汝に語ろう、
すべての終末がいつ地に起こるのかという。
星の輝く空に、夜の剣〔星〕が、夕暮れと夜明け近く見える時、
3.800
ただちに塵雲も天から地へと押し寄せ、
日の中ごろ、*天からの太陽の光をまったく隠し*、月の
光線が現われ、ふたたび地上に射し込む。
血と岩から出る水滴によって徴が生ずる。
またあなたがたは雲の中に歩兵や騎兵の戦いを見るだろう、
獣の狩りのような、霧のような〔戦い〕を。
天にいます神は、この戦争の終わりをもたらされる。
しかし、万人は大いなる王に供儀しなければならない。
以上をおまえに、はるかなアッシリアのバビロンの城壁を
3.810
気が狂ったように離れ、ギリシアに遣わされた火として
神の忿怒の原因を、すべての死ぬべき者たちに予言する。
3.811
.............................................................
かくして、はかなき者らに神的な謎を予言するためである。
はかなき者らはわたしをギリシアにおいて他国の女と呼び、
エリュトライ生まれの恥知らずな女と〔呼ぶ〕。また彼らは、わたしをキルケーを
母とし、グノーストスを父とするシビュュラであり、
気の狂ったうそつき女であると謂うだろう。しかしすべてのことが起こる時、
その時、あなたがたはわたしを思い起こし、もはや誰一人として、
大いなる神の予言者であるわたしのことを、狂った女とは謂わないだろう。
なぜなら神は、かつてわたしの親たちに〔明された〕ことをわたしに明されたのではないのだから。
3.820
最初に起こったことすべてを、*神は*わたしに語り尽くし、
またのちに起こるすべてを、神は心のうちに置かれた。
それはわたしが、やがてあること、かつてあったことを、
死ぬべき者たちに予言し、語るためである。というのは、世界が洪水で洗われた時、
ただひとりの者だけが、よしとされ、木を切って作った家の中に残され、
世界がまた満たされるために、獣や鳥といっしょに水の上を漂っていたからである。
わたしは彼の子の嫁であり、彼の血から作られた。
その彼に最初のことは起こったのである。そして今、すべて終末のことは示された。
そこで、これらすべての真実がわたしのロから語られおわったとせよ。
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