2011/10/4
「時近ければなり その10」
All your words are true;All your righteous laws are eternal
Psalm119:160
御言葉の頭はまことです あなたはとこしえに正しく裁かれます。
詩篇119:160
難しい話は抜きにしてここの旅人のようにチーズ食べまくりもいいですね。引退したら退職金3000万円を5%の定期預金にして夫婦で200万円の年金を受け取り年350万円あればまず普通の生活は出来るのですがね。食料品に消費税(もともとは付加価値税といって贅沢品に課税するもの)をかけるという発想が日本異質論になるのでしょうか。何も言わない庶民が不思議です。フランスなら革命的暴動発生間違いなしです。日本はバランス感覚が欠けている。左の目次にあるフリーメーソンとは何かや時近ければなり その1から読まれますと戊辰戦争以来操られた一本の線でつながっているのが分かるでしょ。もっとも天皇カンパニーのたった一人の名義人次第ではどうにもなるのですがね。高橋五郎氏は知っているのでしょうか。
木村書店立ち読みコーナー
オカルト百科には目を通しておきましょう。
小学生でも分かる世界の終わりの話
(管理人注)でもですね,もし世界の終わりが来なかったらどうするんでしょうね。毎日最後の晩餐を食べているというのに(爆)。
ここのブログの記事には教会では口が裂けても牧師が言わない(言えない)ことが網羅されています。出来るだけ拙稿は順番に読んでいってください。微妙につながっていますからね。宗教組織や組織的な活動によって真理に到達することは不可能なことで個人に降霊現象が起こるまでそれは無理というもの。マタイ2:16などで........「ヘロデ王はベツレヘムとその周辺一体にいた二歳以下の男の子を一人残らず殺させました」と。
教会でどういう説明を受けましたか?牧師では説明出来ないでしょう。というか牧師だからこそ説明出来ないのです。
拙稿:ベツレヘムの星参照
キリスト教と古代エジプト宗教は驚くほど類似点がある。ノア大洪水にせよ紀元前2600年前に書かれたギルガメシュ叙事詩(The Epic of Gilgamesh)だ。つまりシュメール神話から来ている。この物語は神によって起こされた洪水の物語で物語には方舟に助けられた動物や鳩の開放と帰省までも記述された聖書物語の一つなのですがモーゼにも適用された物語はマタイ2:16の例の幼児殺害である。モーゼの誕生においては,葦の籠に入れられ河を漂流したとされている。
イシュタルの冥界下りにはギルガメシュ叙事詩とほぼ重複する内容が多く,ギルガメシュあるいはエンキドウを描いたと推測される表現はすでにシュメール時代から見られる。
ヘロデ王による幼児殺害を避けるためだ。モーゼは王族に拾われ王子として育てられる。この揺り籠の赤子の話はアッカド民族のサーゴンの話から直接引用された。紀元前2250年ごろの物語である。揺り籠に入れられたサーゴンは幼児殺害を避けるため河ヘと流された。やがて王族の助産婦アキーに助けられ育てられた。モーゼのシナイの山での有名な話”十戒”はインドでのMANAU(マヌゥ)と類似する。クリート(Crete)ではミノス(Minos)が神ゼウスから法を授かるティクタ山を登った。ティクタ山がシナイ山に変わっただけなのである。
このような発展を主導したのは,バビロニアのカルデアン・マギとアケメネス朝西部のミトラ派のマギである。アケメネス朝西部は,ギリシャ化が進んだ地域だったのでプラトン哲学が強固に根付いていて(最初の聖書はギリシャ語)アレクサンダー大王(BC356−323)がアケメネス朝を征服したとき,この神話は広く普及していた。ミトラの化身と化した大王は時代のヘレニズム王朝時代は,ギリシャ多神教とミトラ教の時代になった。しかし大王はアケメネス朝の国境ゾロアスター教と主神アフラ=マズダー(管理人注:自動車のマツダはマズダーからとった)だけは弾圧した。マズダーの祭司も大量に処刑した。ミトラ教崇拝はアレキサンダー大王によって行われた。
過去ロク:ギルガメシュ叙事詩から二ケア信条まで 1〜5参照
過去ログ:バベルの謎 その1〜7参照
「だが塔が倒れ、人々の言葉がばらばらになったとき、死すべき者たちで全地は満ち、王たちによって分かたれた」
(『シビュラの託宣』第3巻)。バベルの塔への言及。
原始キリスト教の世界
シビュラの託宣・序
[解説]
シビュラ(Sibylla)という語源の不確かな単語は、最初に、ヘラクレイトス(DK22B92)に現れ、5世紀ころ、固有名詞として使用された(例えば、Ar. Pax. 1095, 1116)。特定の神託は、4世紀の出来事に関連して現れるが、これはエウポロスによってシビュラに帰せられている。
もともと、シビュラは、単独の女予言者であったらしいが、ポントスのヘラクレイデスのころ(fr. 130-41, Wehrli)までには、多くの場所が、シビュラの出生地であると主張した。そして、シビュラの数に関する伝説が堂々めぐりをはじめ、循環し始め、この語は固有名詞ではなくて一般名詞となった。
多くのシビュラの目録があるが、最も重要なものは、ウァローの『Res Divinae』におさめられたもので、それは10人を挙げている。 (I) ペルシア女。 (2) リビア女。 (3) デルポイの女。 (4) (イタリアの)キメリア女。 (5) エリュトライ女(名前はHerophile)。 (6) サモス女。 (7)キューメー〔クマエ〕女。 (8) ヘレスポントス女。 (9) フリギア女。(10) ティブル女。 他の情報源は、エジプト女、サルディス女、ヘブライ女、およびテッサリア女(Rzach、RE)に言及している。
異なった伝説の最も重要な議論は、シビュラの地方的なつながりを強調するが、これはパウサニアス(10, 12)によってされる。 エリュトライ出土の碑文は、理論的にHerophileの出生地を示すSibylと神聖な木立に犠牲を記録する(I. Eryth u. Klaz;. 207; 224)。地方的なシビュラを記念しているコインが、エリュトライ、キューメー〔クマエ〕、ゴルギスから出土している。
シビュラの神憑りの特質は、さまざまに報告されている。ウェルギリウスは、アポッローンの霊感のもとで神来状態となって預言するクマエのシビュラについて有名な記述を提供しているが、エリュトライの文献や、トラレスのプレゴーン、プルタルコス、そして、パウサニアスは、シビュラが自身の霊感のものとで発言していると、明確に述べている。シビュラの託宣の現存する集成によって供給されたシビュラの霊感の証拠は矛盾している(Potter, l8l)。
紀元後4世紀まで、 形式は一貫している。つまり、現存するほとんど唯一の文献はギリシア語の六歩格詩である。 ギリシア語テキストのラテン語訳、あるいは、いくつかはおそらくはもともとラテン語であった原典の年代は、紀元後4世紀、ないしそれ以降に求められるティブル人シビュラの散文の託宣である(ラテン語、アラビア語、古フランス語に訳され、l2世紀に至る)。
地中海世界でのシビュラに対する広範な関心は、たぶん、シビュラとローマとのつながりに由来し、その時期は、遅くとも前5世紀までさかのぼる(Dion. Hal. Ant. Rom. 6. 17)。伝説では、集成は、最初、タルクイニウス・プリスクスの治世にローマにもたらされた、彼はクマエのシビュラから3巻本を買い、それらを聖職者の大学の管理下に置いて、元老院の命令があるときのみ調べられることになった。元老院はまた、大学の検査の後、国家の集成に新しいを追加するよう決議することができた。この収集はカピトリヌ・ユピテルの寺院に納められたが、ここは紀元前83年のカピトル炎上の際に破壊された。この後、元老院は、様々な場所から集めるように3つの委員会を任命した。その後、アウグストゥスは、パラティノスのアポッローン神殿にこの収集を移した。
これらの本(これには時々追加がなされた)が最後に相談されたのは、西暦363年(Amm. Marc 23. 1. 7)であったが、スチリコの時代に破壊された(Rut. Namat. 2. 52)。この本は危機の時代に元老院の命令で参照された。その実際の例は、トラレスのプレゴーンによって保存されていて、神託が問題の提示を含み、様々な療法があとに続いたことを示唆している(FGrH 257)。 ローマの貴族階級の手になるラテン語のシビュラのテキストは、体裁は大いに異なるが、西暦536/7年に参照された(Procop. Goth. 1. 24)。
シビュラとローマとの親密な関係は、キリスト教徒に求めるのが自然な選択である。彼らの信仰の真実の証拠を、異教的な源泉に求めた。最初の現れは、『ヘルマスの牧人』の幻視にある。御教的な伝統の発展とともに、彼女はより多くの頻度で現れ始める(Park, 152-73)。ウェルギリウスの『牧歌』第4は、事実、クマエのシビュラに霊感を受け、キリスト教文学と芸術においていちじるしく重要な地位にシビュラを押し上げるこの関心と結びついている。
シビュラの託宣の2つの収集が、古代後期から伝存している。ひとつは紀元後5世紀末にさかのぼる。もうひとつは、7世紀、アラブ人によるエジプト征服後の時期にさかのぼる。前者は第1巻から第8巻までのテキストを含む。後者は、第11巻から14巻までの神託を含む。
これらの収集における材料は非常に多様である。あるものははっきりとキリスト教的であり、他の行文はほとんど確実にユダヤ的である。通路がほぼ確実にユダヤ人であり、さらに他の材料は異教的である。内容は都市と民族に関する悲哀のクリスチャンの主義と予測からローマ歴史と予言的な伝記まで及ぶ。
"P".1
序
ギリシア人〔異教徒〕の書を読むことにいそしむことが、その遂行者たちに多大な利益をもたらす──その実行者たちを博識にすることができるからであるが──としたら、まして神的な書──神と、魂の益をもたらすものらとについて明らかにする──には、よく知慮する者たちは常時従事するのがますますふさわしい。それによって利得は二倍──それ自体の得になるとともに読者を益することもできる──である。それゆえわたしも、別名シビュラの託宣──ばらばらに見出され、これらの読み(ajnavgnwsiV)と知識(ejpivgnwsiV)とがごちゃ混ぜになっている──を、ロゴスの連関と調和に向けて抜粋にするのがよいと思われた。そうすれば、読者にとって見やすく、少なからざる必然事や託宣を明らかにして、これから得られる益をこの人たちに伝えることができようし、この仕事をより価値あり、多彩なものにできよう。というのも、父と子と聖霊について、つまり神的にして生き物を支配する三位について、明白に説明しているからである──主と神と、わたしたちの救主イエスゥス・クリストスの肉をまとった計画(oijkonomiva)、わたしが謂うように、処女からの変わることなき誕生、死者からの3日目のよみがえり、将来起こる審きと、この生の最中に万人が行ったことへの応報。かてて加えて、モーゼの書や預言者たちの書物の中で明らかにされている事柄――世界の創造、人間の形成、楽園からの転落、そしてつくりなおしについて、はっきりと述べている。何が起こったのかについて、あるいはまた、おそらく〔何が〕将来起こるかについて、多彩に予告している。単純に云えば、読む者たちに少なからず益することができるのである。
シビュラとは、ラテン語で女預言者ないし"P".30 女占い師を意味する。ここから、女性の占い師たちは一つの名で呼ばれ、だからシビュラとは、多くの人たちが書いているように、さまざまな時代と場所に現れ、その数は十人である。一人目は、カルデア女、あるいはペルシア女で、固有名詞ではいわゆるサムベーテーで、最も浄福なノアの世代に生まれ、マケドニアのアレクサンドロス時代のことを預言したと言われる女性である。この女性に言及しているのはアレクサンドロスの伝記を書いたニカノールである。二人目はリビア女で、これの言及をしているのは、エウリピデースが『ラミア』の序の中においてである。三人目はデルポイに生まれたデルポイ女で、この女性については、クリュシッポスが『神性に関する書』の中でふれている。四人目はイタリアのキメリアのイタリア女で、彼女の"P".40 息子が、ローマにあるパーン神殿、いわゆるルペルキオンを建てたエウアンドロスであった。五人目は、トロイ戦争についても預言したエリュトライ女で、この女性についてはエリュトライのアポッロドーロスが確証している。六人目はサモス女で、固有名詞でピュトーと呼ばれた女、彼女についてはエラトステネースが書き記している。七人目はキューメー女で、アマルテイア、あるいはエロピレーとも、一部の人たちの間ではタラクサンドラとも言われる女性である。ウェリギリウスはキューメーのデーイポベーを、グラウコスの娘と呼ぶ。八番目はヘレスポントス女で、小都ゲルギティオン近郊マルメッソス村生まれ、〔この村は〕かつてソローンとキュロスの時代まで、トロイアの辺境に属していたと、ポントスのヘーラクレイデースが書いている。九番目はフルギア女。"P".50 十番目はティーブル女で名はアブゥナイアである。
言い伝えでは、キューメー女は、自分の託宣の9巻を、当時ローマの政事を王支配していたタルクイヌス・プリスコスのところに持ち込み、その代価に300ピリッポス金貨を要求した。しかしばかにされ、その内容が何かさえ問われなかったので、そのうちの3巻を火中に投じた。王の別の謁見の際に、〔残りの〕6巻をまたもや持ち込んで、同じ金額を要求した。しかし預言(lovgoV)の真価を認められなかったので、またもやさらに3巻を焼き捨てた。次いで3回目に参上して、残りの3巻を携え、同じ代価を要求し、もし受け取らないなら、これも焼き捨てると言った。"P".60 このとき、言い伝えでは、王はそれを読み、驚いて、その代価に100ピリッポス金貨を払い、これを手に入れ、自余のものらも欲しがった。しかし、彼女は告げた――焼き捨てられたものと同じものは持っていないし、神来状態になることなしに、何かこういうことを知ることはない。しかし、幾度となく、さまざまな都市、さまざまな地方の人たちは、自分にとっての必然事や有益なことを、これの中から取り出し、集めなければならず、現にそれを実行してきた。なぜなら、神から与えられたものは、真に内奥にあるように、気づかれることがないからである。しかし、シビュラたち全員の書物は、古いローマのカピトーリーヌスに保管され、〔このうち〕キューメー女によって隠されたものは、"P".70 多衆に伝えられることはなかった。イタリアに何が起こるか、個別に、あまりにあからさまに、口に出したからである。が、その他のものは、万人に知られた。とはいえ、エリュトライ女によってあらかじめ書かれたものは、その地方から彼女に添え名として与えられた名称を持っている。しかしその他のものは、どの〔預言〕がどの〔シビュラの〕ものか、書き添えられることがなく、判別できない内容にしたのである。
さて、フィルミアヌス〔ラクタンティウス〕は、驚嘆措く能わざる哲学者にして、上述のカピトーリーヌスの神官だったが、われわれの永遠の光、クリストスを見つめ、言い表しがたい思念についてシビュラたちによって述べられたことを、自分の労作の中に引き、ギリシア人〔異教徒〕の迷妄の不合理性に力強く反駁を加えた。そうして、自分の説明は"P".80 アウソニア〔ラテン〕語で強調され、他方、シビュラの詩句の方は、ギリシア語で引用された。それは信じざるべからざるものに見えるので、先に言及された人の証拠として、以下の仕方を有することをわたしは提示しよう。〔…欠損…〕。さて、われわれのもとで見出されるシビュラの〔書〕は、理性によって通じやすいものとして、ギリシア人〔異教徒〕たちによって軽蔑されている──希有なものが価値あるものと思われているから――のみならず、詩句はいずれも韻律の厳密さを保ってもおらず、それだけますます性急な信仰をもっている。しかし、その責任は、言葉の速度に合わせる速記者たち、あるいはまた教養のない速記者たちにあるのではなく、女預言者にあるのでもない。なぜなら、霊感(ejpipnoiva)と同時に、言われている事柄の記憶は消え失せるからである。このことにはプラトーンも"P".90 注目して謂っている。「自分が何を言っているのか何も知らずに、彼らは多くの大きなことどもをうまくやりとげるだろう」と〔Men. 99d〕。だから、われわれは、長老の女たちによって、ローマにもたらされたことの中から、〔……〕可能なだけを、わたしは引用しよう〔……〕ところでシビュラは、無始の神について以下のことを説いた。
神は一人、彼のみが支配したもうかたにして、巨大なるもの、不生者。──
いや、神のみが唯一者、すべてに超絶せる者、
天、太陽、星辰、あるいは月、
稔りをもたらす大地と、海洋の水の浪をつくったかた。
彼のみが、神すなわち創造者として、征服されざるかた。
みずから物言う者らの姿の型を確定し、
"P".100
みずから万物の自然を混ぜ合わせて、生き物の生みの親となられた。
いうところの意味は、〔アダムと、その脇腹の骨からつくられたエヴァとが〕結合して、父〔親〕というひとつの肉になったということ、あるいは、相反する四つの元素から上天の世界も人間をも創造なさった、ということにほかならない。
1."T1"
シビュラの託宣
1."T2"
第1巻から
1.1
物言う人間どもの最初の誕生から始めて
終末まで、ことごとく預言しよう。
過去にいかほどのことが起こり、現在どれほどが起こり、未来いかほどのことが 人間どもの不敬虔のせいで世界(kovsmoV)に起こるかを。
初めに、世界がいかに精確に生じたか、わたしが言うよう神がお命じになる。
汝、抜け目なき者、死すべき者よ、思慮深く
聞き知るがよい、わが訓戒をゆるがせにせぬよう、
全世界を創造したもうた至高の王のことを。
〔至高の王が〕「成れ」と云うと、成った。すなわち大地を基礎に据え、
1.10
タルタロスを投げかけ、甘い光をご自身で与えたもうた。
天を高くし、きらめく海を広げ、
そして天球を、火のように輝く星辰でたっぷりと冠し、
そして大地を植物で飾りたまい、海には河川が
注ぎこみ、大気に混ぜたもうたのは、息吹と
1.15
露けき雲。それから、他の種族も置き、
大洋に魚類、大空に鳥類を与えたまい、
さらにまた森には、毛むくじゃらの獣や、
<地に>這う大蛇、また、現在目にされるかぎりのあらゆるもの、
これらをご自身がロゴスで作りたまい、万物が
1.20
すみやかに、かつ、精確に生じた。というのは、この方は自生者であって、
天から見おろされているからである。その下に世界が出来上がった。
それからまさにその時、もう一度、息を吹きこまれた制作物、
ご自身の似像を複製して、新しい男、
美しく神的なものを形づくられ、まさしくこれに、不死の
楽園で暮らすようお命じになった。美しき諸作品が彼によって世話されるためである。
さらに、楽園の生い茂った園にいるのが自分ひとりなので、
話し相手を渇望し、自分が持っているような
姿をした者を授けるよう祈った。そこで神ご自身が彼の
脇腹から骨を取り出し、素晴らしきエウアをつくりたもうた。
1.30
まさにこれを正妻として、この楽園でいっしょに住むよう
授けられた。彼はこれを見て、とつぜん気性に
大いなる驚きを覚え、よろこんだ、あたかも
対応する模像を目にするかのように。しかし知恵ある物語、
おのずから流れる物語に変えられた。というのは、万事は神の配剤であるから。
というのは、放縦によって理性を覆うこともなく、羞恥を
持つこともなく、悪しき心からは遠く離れていたし、
獣のように、剥き出しの四肢で歩きまわっていた。
そしてその後、彼らには神が誡めを宣し、
樹に触れぬよう示した。しかし彼らをとても恐ろしい
1.40
狡猾な蛇が、死の運命に帰って、
善と悪の知をえるようたぶらかした。
じっさい女が最初の背信者となり、彼にも味わわせる〔ため〕、
与え、無邪気なこの男を、過ちをおかすよう説き伏せて。
すると彼は女の言葉に説き伏せられて、不死なる創造者のことを
忘れはて、はっきりした誡めも気にしなかった。
そのため、善の代わりに悪を受けたのは、彼らが実行したとおりである。
まさしくその時、甘い無花果の葉を綴って、
衣類をこしらえ、お互いにまとい、
残すところなく包みこんだ。自分たちに羞恥心が起こったからである。
1.50
しかし、不死なるかたは彼らに遺恨をいだき、不死なるものらの地から
追い出された。すなわち以下のことが成就されたのである――
死すべき地にとどまるよう、それは、不死なる大いなる神の言葉を
聞きながら、守らなかったからである。
こうして、彼らはいきなり、禾穀を実らす畑に出て行きつつ、
涙と嘆息に濡れそぼった。次いで彼らに
不死なる神みずからが、もっとやさしく云った。
「増えよ、満ちよ、技を凝らして
大地を耕せ。汗しつつ、1コルの糧食を得よ」。
こう謂われた。しかしたぶらかしの責任ある這うものの方は、
1.60
腸と脇腹を大地に押しつけて、
辛くも逃れるようになさった。そしてお互いの真ん中に、
恐ろしい敵意を送りつけられた。そうして、助かるために一方は
頭を、他方はかがとを守る。人間どもと、悪だくみする有毒なものらとの間には、
まこと死が近いからである。
まさしくその時、万能者ご自身が命じられたとおり、
種族が満ち満ち、他のものは他のものに加えて増え、
民は無限となった。すると彼らはさまざまに
屋敷を飾り立て、あるいはまた都市や市壁も、
具合も手際もよくこしらえた。そして彼らに、長命の日を
1.70
心待たれるものとして、彼らの生に認めた。というのは、彼らが死ぬのは、
災いにさいなまれてではなく、眠りに征服されてのごとくだからである。
物言う〔人間ども〕は栄え、大いなる気象の持ち主だった、彼らを
救い主、不死なる王、神は愛したもうた。しかるに、まさしく彼ら自身が
罪を犯した。無知慮に投げ倒されて。というのは、彼らは恥知らずにも
父たちや母たちを嘲笑て侮辱し、
知己を認めず、兄弟たちに対する策謀者となったのである。
それからまた穢れた者たちで、人々の血に満たされ、
戦争を引き起こした。そしてついに、彼らのうえに最後の
迷妄(a[th)がやって来た、
天上から投じられて。これは生命から
1.80
恐るべき者たちを追い出した。しかし、今度はハーデースが受け入れた。
ハーデースと呼ばれるのは、最初にアダムがやって来たからである。
死を味わって、大地が彼を匿ったからである。
だからこそ、土から生まれた者たちはみな、
ハーデースの館にゆくと呼ばれるのである。
しかしながら、この者たちがみなハーデースの〔館〕に行くとしても、
名誉を得たのは、[じつに]第1世代だからにほかならない。
だが、この者たちを〔ハーデースが〕迎え入れたので、今度は、第2の、
みまかった最も義しい人間たちとは別な、
多彩な種族を造りたもうた。この者たちが心がけた
1.90
慕わしい所業とは、美しい熱心さ、際立った羞恥心、
利口な才覚であった。じっさい彼らは、さまざまな術知を
修練した。不器用な工夫を凝らして発明して。
そして、ある者は鋤で大地を耕すすべを発明し、
他の者は建造することを、また他の者は航海することを心掛け、
他の者は天体観察することや、鳥類による夢判断を、
薬草術は他の者が、しかし魔術はさらに他の者が。
各人各様に、それぞれ心がけることを術知化し、
進取の気象に富んだグレーゴロスたちは、この添え名に
与りつつ、心胆に不眠の理性を持ち、
1.100
飽きることなき姿をしていた。大いなる形は強かった。
にもかかわらず、やはり恐ろしい奈落に下ったのは、
不壊の鎖に見張られながら、償いをするためである。
ゲヘナで、疲れを知らぬ燃えさかる猛火で。
彼らの後でまたもや、頑なな心の
第3の種族が現れた。増上慢の恐ろしい
人間どもの。彼らは自分たち同士で多くの悪事に奮闘する。
そしてこの合戦と殺戮と戦闘は、
身の程知らぬ心をもった彼らをずっと滅ぼし続ける。
その後、この者たちに遅れてやって来たのは、
1.110
非常に好戦的な別の種族、血に飢えた思慮の足りぬ、
第4世代の男たちである。彼らはおびただしい血を流す、
神を恐れることもなく、人間どもに
恥じることもなく。じっさい彼らにふりかかったのは、
気違いじみた忿怒と、痛ましい涜神であった。
そして彼らを、戦争と殺戮と戦闘が
暗黒の中へ送りこんだ。嘆かわしい連中を、
涜神的な者どもを。また残りの者たちは、憤激をもって
天なる神ご自身が、自分の世界から移しかえられた。
大地の底の大いなるタルタロスに閉じこめて。
1.120
さらにまた、その後、はるかに劣悪な別な人間どもの
種族を造りたもうた。その後これらの者どもに善きものを
不死なる神はお造りにならなかった。彼らが数多の悪事をなしたからである。
というのは、彼らははるかに暴慢な者たちであったのだ。あの
不埒にも悪口を注ぎかけた歪んだギガースたちよりも。
ただし、万人のなかにでただひとりノアだけは、最も義しく真実で、
最も信仰深く、美しい所業に心を砕いていた。
そこで彼には、神ご自身が天上からこう声をかけたもうた。
「ノアよ、おまえの身体に力をふるって、民たちみなに
悔い改めを告げよ、皆が救われるように。
1.130
それでも、恥知らずな気性をもって気にしないなら、
全種族を滅ぼしつくそう、水の大いなる氾濫によって。
おまえには、すみやかに、渇くことのない根によって脹らんだ
壊れない木造の家を調えるよう、わしは命ずる。
そこで胸に利発な理性と術知、
胸先に尺度を入れてやろう。万事はわしの気に留めるところ、
だからおまえと、おまえといっしょに住んでいる者は救われよう。
[わしは有りて有る者、おまえはおまえの心胆において思惟せよ。
わしは天を着こみ、海をまとい、
大地はわしの足台、身体のまわりに大気が
1.140
あふれ、星辰の全合唱舞踏隊がわしのまわりを旋回する。
わし〔の名前〕は9文字を有す。音節は4つ。われを思惟せよ。
最初の3音節はそれぞれ2文字を有し、
残り〔の音節〕は残り〔の3文字〕を〔有し〕、子音は5つ。
さらに、総数は、800の2倍に、
13と7とがともに3倍〔800×2+3×(13+7)=1660〕である。知れ、わしが何者か、
おまえはわしのもとなる知恵に暗き者ならず。」]
こう謂われた。これを聞くからに、彼を無数の戦慄がとらえた。
まさにその時、おのおののことを思案工夫して
民に懇願したが、次のような言葉ではじめた。
1.150
「不信心な者どもよ、大いなる激情に倒されて、
おまえたちがしたことが、神に気づかれぬことはない。すべてを知っておられるからだ、
不死なる救い主、綜覧者は。彼はわたしにお命じになった、
おまえたちに告げるようにと。おまえたちが心を忘れはてないように。
素面であれ、諸々の悪を切り捨てよ、無理強いに、
闘い合ってはならない、血に飢えた心をもって、
人の血汐で多くの大地を灌漑して。
畏れよ、はかなき者たちよ、巨大にして恐れを知らず、
天にます創造主、不滅の神を。彼は天球に住みたもう。
そこでこのかたにおまえたちはみな懇願せよ――このかたは親切なかたである――
1.160
このかたに、諸都市の生活のために、全世界の
四足動物や鳥類のために、万物に慈悲深くあられますよう〔懇願せよ〕。
なぜなら、時が来るのだ、全世界、数限りない人々が
1.163
水で亡ぼされ、おまえたちが恐ろしい歌を声高く叫びあげる時が。
そのとき、突如、大気はおまえたちにとって不安定になり、
大いなる神の憤激が天からおまえたちの上にやってこよう。
そのとき、確かになろう、人間どもに送りつけられたということは。
1.166
......................................................................
不死なる救い主は〔送りつけられるであろう〕、あなたがたが神を宥め、
今から悔い改めをもつのでないかぎりは、そして、もはや何も
難しいことや悪しきことを、各人が各人に対して不法には
1.170
行わず、神法に遵った生活を守る者となるのでないかぎりは」。
しかし人々は彼に耳を傾けたものの、めいめいが鼻に皺を寄た、
うつけと呼び、気の狂ったやつと〔呼んで〕。
そこでまたもう一度、ノアは歌を大声で叫んだ。
「おお、大いに惨めな者ども、心邪な者ども、定めなき者ども、
廉恥を置き去りにして、破廉恥を渇望する者ども、
政情不安定につけこんで過ちをおかす僭主どもや暴君ども、
不信心な嘘つき、何ら真実のない悪漢ども、
寝台盗み〔姦通者〕どもと、呪いを浴びせる冗舌家たち、
至高の神の怒りを恐れぬ者ども、
1.180
第5世代に至るまでに償いをするよう見張られている。
おまえたちが、非常な者どもよ、てんでばらばらに泣くことはなく、むしろ笑うことであろう。
すさまじく皮肉な笑いをうかべることであろう、この、
わたしが言うように、神の恐ろしい新来の洪水が到来したときに。
[レアーの穢れた種族が地をゆく時、
〔樹の〕根の渇きを知らぬものらによってうねる
根も枝も目に見えぬ浪が夜の間に生じ、
そして諸々の都市を、人もろとも、大地を揺すり大地を支えるもの〔ポセイドーン〕が、
大地の奧処に追い散らし、市壁を崩壊させるだろう。]
そしてその時、全世界は、数限りない人間どももろとも、
1.190
死滅しよう。だがわたしは、どれほど悼むことか、どれほど泣くことか、
木造の家の中で、どれほどの涙を浪に混ぜ合わすことであろう。
なぜなら、神の命によるこの洪水が襲来すれば、
大地は漂い、山々は漂い、霊気もまた漂うであろう、
あらゆるものが水となり、水によってあらゆるものが亡びよう。
しっかりしているのは、風と、第2の世であろう。
おお、フリュギアよ、おまえは最初に水の表面から浮かびあがるであろう。
しかしまた、おまえは最初に、人間どもの別の世代を養うであろう、
もう一度始まる〔世代〕を。そしてそれが万人の乳母となるだろう」。
だが、彼が無法な種族に無駄にしゃべったとき、
1.200
至高者が幻に現れ、再び声高らかに発声した。
「すでに時機は近づいた、ノアよ、それぞれのこと――
いつの日にか、おまえに請け合い、引き受けたかぎりのことを告げる時機が、
これまでの種族が実行したかぎりの無数の悪事をみなもろともに、
不従順な民のゆえに、際限なき世界で生贄にする時機が。
さあ、ただちに乗りこめ、息子たちあるいは連れ合い、
そして新婦とともに。そして命じよ、告げることをわしが勧めるものら──
四足動物の諸々の部類と這うものらと鳥類に。
これらのものの胸には、これからわしが
その生命を成就させようと思うものらに、すすんで行こうとする念を起こさせよう」。
1.210
このように謂われた。しかし乗りこんだ彼は、声高らかに発声した。
その時にはまた、妻と息子たちあるいはまた新婦も
木造の家に乗り組んだ。しかしそれから、
その他のおのおののものも乗りこんだ、神が*生贄とすること*を望んだかぎりのものらが。
だが、蓋の横木が継ぎ目としてつくられ、
磨きあげられた側壁にはすかいに嵌めこまれると、
まさにその時、天上の神の御心が実現された。
群雲を投げられた、火と燃え輝く円盤〔太陽〕を隠された、
星辰ともども月を、天の花冠を、
あらゆるものを覆い隠し、激しく雷を鳴らされた、はかなき者らに恐ろしい
1.220
稲妻を伴う旋風を送りつけながら。ありとある暴風もともども
目覚め、水の血管がみな壊れた、
天から、大きく口を開いて、滝となって下る〔水〕の、
また大地の深奥の、疲れを知らぬ底無しの深淵の
無量の水も現れ、大地は隠された、
際限なき〔大地〕がことごとく。しかし神々しき家は、
ひとりでに雨水に浮かんだ。勢い猛なおびただしい浪に
打ちつけられながら、風の吹きつけに泳がされながら
身の毛のよだつほどに翻弄された。舳先は、迸り湧きたつ水の
無数の泡を分け〔て進んだ〕。
シビュラの託宣 第一巻2/2
1.230
だが、全世界を神が豪雨で氾濫させたもうたとき、
その時にまたノアは心に〔考えを〕置いた、不死なるかたの
御心を見るという考えが。ネーレウスの〔賜物には〕うんざりしていたので。
そこで、さっそく側壁の蓋を開けた。
経験的に留め金で正面に嵌められたいたのを。
そして、際限ない水のあまりに多量なのを覗き見て、
いたるところに*ノアは名称なき運命を*目の当たりにして、
怖れをいだき、心臓を激しく震わせた。そしてその時、大気が
ほとんど巻き起こらなかったのは、多くの日々、病み衰えさせたいたからである、
世界全体を水浸しにして。その時、あまりに病み衰えて
1.240
蒼ざめ、血のような午後の空が、火と燃える円盤〔太陽〕を
示した。それでようやくノアは元気になった。
まさにその時、一羽の鳩を引き離して、
放した。心に知るために。はたして大地が
しっかりしてもう現れたかどうかを。だが〔鳩は〕羽ばたき、疲れ、
到る処飛びまわったあげく、またもどってきた。というのは水が
おさまっておらず、それどころか、それぞれのことを成就なさったからである。
しかし、彼は静かにしていたものの、数日して再び鳩をもう一度
派遣した。おびただしい水が止まったかどうか知るために。
するとそれは、飛び立ち、飛び去って、大地に降り、
1.250
しばし休息して、地上で身体を濡らし、 再びノアのところに引き返してきた。オリーブの実を
報告の大いなる徴として携えて。彼は大いに元気を出し、
大いに喜んだ。大地を目にすることに希望をつないで。
まさにその時、その後で、翼の黒い別の鳥を
すぐに*ひそかに派遣した*。するとそれは自信をもって羽ばたき、
よろこんで飛び立ったが、大地に着くと、そこにとどまった〔帰ってこなかった〕。
そこでノアも知った、大地はより近くにあるようになったと。
いや、まさに浪のさざめきがそこここに起こり、
霊妙な術知が海のうねりの上を漂流させ、
1.260
打ちつつ〔水深を測りつつ?〕、わずかな渚に固定させた。
さて、黒い陸地のフリュギアに、
嶮しい高いある山がある。アララト山と呼ばれる。
要するに、この上で全員が助けられることになったからであるが、
この〔山〕で、大いなる渇望が心に浮かんだ。
ここには、大いなる*河マルシュアース河の*血管〔源〕が生まれついていた。
箱舟はこの高い頂にとどまった。
水が引いたときに。その時にまた再び天上から
大いなる神の神々しい声が再び響き渡った。
この詞はこうである。「ノアよ、見守られた者よ、信仰心深き者よ、義しき者よ、
1.270
勇を鼓して出で来よ、息子たち、そしてまた妻、
また3人の若妻たちともどもに。そして大地をすべて満たせ、
増やし、満たし、義しいことどもを相互に
保ちつつ。種族から種族へと、人間どもの全種族が
裁きに到るまで。というのは、万人に裁きがあるだろうから」。
このように霊妙な声が謂われた。そこでノアは寝床から、
勇を鼓して地上に踏み出た。彼といっしょに息子たち
あるいは妻や若妻たち、また這うものたちも鳥類も、
四足獣の種族やその他あらゆるものたちが同時に
木造の家から一つの地に出て行った。
1.280
まさしくこの時、ノアは人間どもの中で最も義しい者、
第8代目として出て行った。201日間
水上で満たしたのは、大いなる神の御心による。
ここにまた、生の新しい世代が興った。
黄金の第1〔世代〕である。これは6代目にして、最善の〔世代〕である。
最初に創造された人が生まれてこのかたであるが。この〔世代〕の名は
天的なである。万事が神の心にかけたもう世代であろうから。
おお、第6の世代の最初の種族よ、おお、大いなる歓喜よ、
後にわたしはその〔世代に〕与った。一途な滅亡を逃れたからだ、
数々の混乱に見舞われ、*わが夫ともども*義理の兄弟、
1.290
あるいは舅、姑、姻族ともども、恐ろしい受難に遭っていたけれども。
そこで今話そう。多種多彩な花が
無花果の樹にあるだろう。ただし、クロノスが中央にあろう。王の支配、
王笏のもたらす〔支配〕をもつだろう。だが、3人の大度量の王たち、
最も義しい者たちが、分担を*しかしまたしくじるであろう*。
しかし、年数多き時代を彼らは支配するであろう。義しいことどもを
人々に保ちつつ。この人々が心するのは、労苦と慕われる仕事である。
大地もまた、自生する実りに歓喜する。
それが数多く生え、有り余るほどの穀物の穂を世代にもたらすので。
そしてこの生産者たちは、生涯の日々、不老で
1.300
あるだろう。ひどい悪寒といった病からは遠く、
死ぬであろう、眠りに負かされて。しかしアケローオス河へ、
ハーデースの館に去りゆき、かしこで
名誉を得るだろう。浄福者たちの種族、栄えある者たちで
あったので。この者たちはサバオートが優れた理性を与えたもうた者ども、
しかしまたこのような者たちと謀を常に共謀なさったのである。
いや、この者たちは、ハーデースの〔館に〕赴いても、浄福で
あろう。しかし、その時また、後になって、重装備で頑丈な
別の、第二の種族が〔生まれた〕。地から生まれた人間ども、
ティーターンたちの〔種族が〕。それぞれの〔世代の〕すべてと同じ形をしていた。
1.310
姿においても大きさにおいても、声もまたひとつに生まれついていよう。
第1世代からこれまでのように、神は〔彼らを〕胸に
1.312
置かれた。しかるに彼らみずからが身の程知らぬ心をもって、
ついに、相談しあうだろう。滅亡を急いで。
星を散りばめた天と、相対で闘い合うことを。
そしてその時、大いなるオケーアノスの流れ、荒れ狂った水の流れが、
彼らの中に起こるだろう。しかし大いなるサバオートは憤激して、
妨げて撃退なさろう。心邪な人間ども相手に、大洪水を起こすとは
今度は約束なさっていないからである。
いや、おびただしい水の際限なきうねり、
1.320
盛り上がる浪の〔うねり〕がてんでに怒りを
やめるとき、大洋の別の深みに
尺度を小さくされよう。諸々の港と荒磯によって
大地のまわりを境界づけて。高きに雷霆をとどろかす方、大いなる神が。
〔Kurfessのテキストから補った。〕
〈1.323a
若い女(damavliV)が至高の神のロゴスを
1.323b
産むが、人の妻がロゴスに名前を与えるであろう、
1.323c
そしてその時、日の出の方にひとつの星が、真日中、
1.323d
煌々と輝きながら、天上から預言するであろう。
1.323e
惨めなはかなく死すべき者たちに、御使いたちの大いなる徴を。〉
1.324
まさしく、そのとき、偉大なる神の御子が、
地にある死すべき人間どもと同じ肉をまとって来られるであろう。
彼は四つの母音を持ち、子音は彼において
2つである。そこでわたしは〔彼の名前の〕全体の数をもあなたに告げよう。
すなわち、一位は8であり、十位も同じである。これに
百位の8が加わって、それらは不信心な人間どもに
1.330
〔彼の〕名前を明らかにするであろう。しかしおまえはおまえの心の中で、
不死なる神のクリストス、至高者の子を思惟せよ。
このかたは神の律法を満たされるであろう。〔律法を〕崩されることはない。
彼は〔神に〕対応する似姿をまとって、すべてのことを教えられるであろう。
このかたのところにやって来る祭司たちが携えるのは、金、
没薬、それから乳香である。というのも、彼はこれらすべてのことをなさるであろう。
しかし、ある声が荒野の地方を通って
届き、はかなき者らに告げ、万人に向かって叫ぶであろう、
道を真っ直ぐにしよう、つまり、心の中から
悪を投げ捨て、水で人間どもの全身を〔洗って〕
1.340
光り輝かそう。新たに生まれて
もはや義の道から決して外れないように、と。
そのとき、あの野蛮な心の持ち主は、〔少女の〕踊りにとらえられて、
〔その声の主の頭を〕斬って、褒美として与えるであろう。その時、はかなき者どもに
突然一つの徴があるであろう。美しい石がしっかり守られて
エジプトから来るときに。するとこの石に
へブルの民はつまづくであろう。しかし族民たちは、彼の導きの下に
集められるであろう。というのも、高きに統べたもう神を
知るであろう。彼を通して普遍の光の中になる道を。
それは選ばれた人々に永遠の生命を
1.350
示し、律法なき者たちには、永遠の火をおつくりになるであろう。
まさしくこの時、彼は病人を癒し、傷つけられた人々――
彼に対し信仰をいだくかぎりの人々すべてのを〔癒されるであろう〕。
盲人は見、足なえたちは歩き、
聾者は聞き、唖者は語るようになろう。
彼は悪霊を追い出すであろう。そして、死人たちの復活がおころう。
彼はまた波の上を歩き、荒野で
五つのパンと一匹の水棲魚で、
五〇〇〇人を満腹させられるであろう。この人たちの残したものは
一二のかごをみたし、人々の希望となるであろう。
1.359
.....................................................................
1.359
.....................................................................
1.360
そしてその時、イスラエルは酔っていて、何一つ悟らないであろう。
また、その小さい耳は遠くなっていて、何一つ聞かないであろう。
しかし、至高者の憤激がへブル人たちに下り、
彼らから信仰を取りあげるとき、──
というのは、彼らは天なる神の子を手ひどく扱ったので──
そのときイスラエルは打擲と毒のはいった唾とを
汚れた手でこの人に向かって与えるであろう。
食物として胆汁を、飲物として水で割ってない酸っばいぶどう酒を、
彼らは悪しき情熱にその胸と心とを打たれて、
不敬虔にも(彼に)与えるであろう。しかし、彼らはその日で見ることができず、
1.370
もぐらよりも盲目であり、有毒な地を這う
動物よりもおそろしい。彼らは重い眠りにょって枷をはめられている。
しかし、彼が〔十字架上で〕その手をひろげ、万物をはかり、
茨の冠をかぶり、また彼らが棒で(彼の)脇を
刺すとき、そのことのために昼日中、
三時間にわたって、物凄い闇の夜があるであろう。
そしてソロモンの神殿はそのとき、
(つまり)彼が、死んだ人たちの復活を告げに
ハーデースの家に赴くとき、人々に大きな徴を示すであろう。
三日ののち、彼はふたたび光の中に戻り、
1.380
人々に予型を示し、またすべてのことを教えてから、
雲に乗って天の家に赴かれよう。
〔しかし〕彼は世に福音の規定を残して行かれる。
そして、大いなるかたの律法によって導かれる族民たちの中から、
三つの新しい芽がそのかたの御名によって花開こう。
しかしその後知恵ある指導者たちが登場し、
予言者たちはそのとき休みにはいるであろう。
それから、へプル人たちが悪しき夏を刈り取るとき、
また数多の金銀を劫掠するであろう、
ローマの王が。その後さらに、滅びる王たちの
1.390
他の王国が次々に続き、
はかなき者たちを悩ませるであろう。だが、その人々には大いなる倒壊が
あるだろう、彼らがその不正な高慢を始めるときに。
しかし、ソロモーンの神殿が神的な土地で、
外つ国のことばを語る男たち、青銅の胸当をつけた男たちによって投げられて、
倒されるとき、ヘプル人たちはその土地から追われるであろう、
追い立てられ、掠奪されて。しかし彼らはげに多くの雑穀を
小麦に混ぜるであろう。そして、悪しき党争がすべての人々に
あるだろう。そして諸々も都市は、それぞれのことのゆえに暴行され、
互いに泣き叫ぶであろう。悪しき所業に罪を犯し、
1.400
大いなる神の憤激を胸にうけとめて。
シビュラの託宣 第二巻
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