東日本大震災で漁船を失った被災地の漁業者を支援しようと、三重県内の水産関係団体でつくる「三重水産協議会」が中古の小型漁船を送ることになり、28日、第1陣として7隻を載せたトラックが同県鈴鹿市から宮城県石巻市の県漁協石巻湾支所に向け出発した。
県内の漁業者に漁船の提供を呼び掛けた。第1陣の7隻は鈴鹿市漁協が集め、長さ5~9メートルの強化プラスチック製。船体に「絆(宮城・三重)」の文字を入れた。後日、船外機も届け、カキの養殖や刺し網漁などに使ってもらう。
協議会長の永富洋一・三重県漁連会長は「被災地の漁師から『何もかも失ったが、多くの恵みをもらってきた海を恨んでいない』と聞き、感動した。これまでに約100隻の提供申し出があり、今後も届けたい」と話した。出発式に駆け付けた同県の鈴木英敬知事は「県内でも約40億円の被害があったが、もっと苦しい仲間を救おうという心意気に感動している。県も宮城との絆づくりを支援していきたい」と述べた。【井上章】
毎日新聞 2011年5月28日 14時05分(最終更新 5月28日 14時26分)