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仮設住宅で12人が死亡

震災から7か月あまりがすぎ、宮城県内の仮設住宅で亡くなった被災者が、これまでにふた桁にのぼったことが、NHKの取材でわかりました。高齢者の孤独死に加えて、深い喪失感や不安から酒を飲む量が増えた人や自殺した人もいて、被災者の精神的な支援が一層、求められています。
仮設住宅で暮らす被災者は、今月11日現在、およそ5万1000人にのぼっています。名取市と塩釜市の仮設住宅では、ことし6月、独り暮らしの高齢者の孤独死が明らかになりましたが、その後も、亡くなる人が相次ぎ、これまでに少なくとも12人にのぼったことがNHKの取材でわかりました。先月1日には、気仙沼市の仮設住宅で、50歳の女性が布団の上に倒れて亡くなっているのを家族が見つけました。死因は脳内出血とみられています。家族によりますと、女性は震災のあと、寝ていてうなされることが多くなり、酒を飲む量が増えたということです。女性の手記には、「生きたいが、あの日の出来事につぶされそうになる」と苦しい胸の内がつづられていました。
同じ仮設住宅に住む男性は「午後になると酒が入っていることわかった。すごいストレスがあって、酒の量が増えたのではないか」と話しています。
一方、先月11日には、石巻市の仮設住宅で、独り暮らしの60歳の男性が胸や腹から血を流して亡くなっているのを訪ねてきた親族が見つけました。
警察は、現場の状況から自殺とみています。
男性は、震災のあと不眠を訴えるようになり、亡くなる少し前には、思い詰めた様子で「自分なんていなくなればいいんだ」と周囲に話していたということです。
震災から7か月以上がたち、仮設住宅で暮らす被災者の中には、
家族や自宅を失い、仕事も見つからず、深い喪失感や不安にさいなまれている人が少なくありません。東松島市では、精神科の医師や保健師が、仮設住宅で健康相談会を開き、被災者の支援にあたっています。なかには津波のことが突然、記憶によみがえる「フラッシュバック」の症状を訴える人もいて、継続的な支援が必要と判断された人は60人にのぼっています。
保健師の櫻井宏美さんは「眠れないという訴えや何もやる気が起きないという相談が多い。これから寒くなるにつれて、人との交流が減ったり、気持ちが落ち込んだりする人が増えると思われるので、引き続き支援を続けたい」と話しています。
被災地は、これから寒さが厳しい冬に向かいます。
被災者の孤独死やアルコール依存症、自殺を防ぐ精神的な支援が一層求められています。

10月24日 20時07分

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