253系1000番代誕生。
▲東武相直カラーを継承しつつ、東照宮等の社寺の「赤」、紅葉・日光キスゲの「黄」をまとった253系1000番代。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
4月16日より営業運転を開始する日光・鬼怒川ダイレクトアクセス特急用の253系1000番代が、1月21日に報道公開されました。
公開されたのはOM-N02編成で、改造種車は253系200番代です。東武日光・鬼怒川温泉方から1号車・2号車となり、新宿方が6号車となります。編成は1号車からクモハ252-1002(M'c)+モハ253-1002(M)+モハ252-1002(M')+モハ253-1102(M)+サハ253-1002(T)+クハ253-1002(Tc)の4M2Tで、全車普通車とされています。
▲新宿方先頭車クハ253-1002を正面から見る。貫通扉を撤去し、窓ガラスと愛称表示器を設置したのが特徴的。なお助士側に表記されている編成番号は、東急車輛出場時は「OM-N2」だったが、「OM-N02」に変わっている。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
車輌カラーは、現行の485系・189系の東武相直カラーを継承しつつも、現地を代表する観光素材カラー(東照宮等の社寺の「赤」、紅葉・日光キスゲの「黄」、レンゲツツジ・紅葉の「橙」、鬼怒川渓流・中禅寺湖の「青」)を配色しています。
▲前面の愛称表示器は4カ国語で表示される。特急「日光」では、日本語+英語、日本語+韓国語、中国語の3パターン。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
外観上では、先頭車の前面は貫通扉が廃止され、その部分に大型窓とLED式の愛称表示器が取り付けられたのが特徴で、愛称表示器は4カ国語(英・中・韓・日)で表示されます。なお、自動車内放送は4カ国語で放送されますが、車内LED装置と側面行先表示器は2カ国語表記となっています。しかし、こちらも今後は4カ国語表記となる予定です。
▲モハ253-1000番代、モハ253-1100番代に搭載されているVVVF制御装置。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
システム面では、制御装置が界磁添加励磁方式からVVVFインバータ制御方式に変更され、モハ253-1000番代、モハ253-1100番代の床下に搭載(主制御器はSC96)、主電動機はMT74A(120kW)、補助電源装置はSC97となっています。台車は種車と変更なく、動力台車がDT69、付随台車がTR254となっています。また、ATSはATS-P、ATS-SN、東武ATSが搭載されています。
▲クモハ252-1002の乗務員室を見る。収納式ホロ枠がなくなったため、開放感が増している。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
一方、客室内ですが、腰掛は奇数号車が「橙」、偶数号車が「青」の回転クロスシートとされ、シートピッチは従来の1,020mmから現行485系と同じ1,100mmに拡大。また、向かい合わせにしたときに通路側席の人もテーブルが使えるように、肘掛収納式のテーブルが備えられています。
このほか車椅子対応座席、多目的室、車椅子対応の大型トイレ、AEDが2号車に、パウダーコーナーが3・4・5号車に、日光・鬼怒川のパンフレットなどを置くインフォメーションコーナーが1・4・6号車に、大型荷物置き場が1~6号車の各車に設置されています。
▲「橙」のカラーの腰掛が備わる奇数号車(写真は5号車)の客室内。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
▲こちらは「青」のカラーの腰掛が備わる偶数号車(写真は4号車)の客室内。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
▲腰掛は肘掛収納テーブル付きで、背面テーブルも付く(左)。2号車(モハ253-1000番代)の新宿方には車椅子対応座席が2席と、その先に多目的室が備わる(右)。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
また、6号車のクハ253-1000番代はクロ253から改造していますが、気になるグリーン個室部分は業務用室となっていました。但し、今回は業務用室内は公開されませんでした。
▲多目的室(左)には折りたたみ式腰掛やおむつ交換台が設置されている。3・4・5号車の設けられたパウダーコーナー(右)。女性だけでなく男性も身だしなみに使用することができる。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
253系1000番代は2月12日(土)にJR品川駅、2月20日(日)に東武日光駅でそれぞれ車輌展示会が予定されています。その後、4月16日の特急「日光1号」と「はちおうじ日光号」でデビューすることになります。
さらに、春の増発列車では品川、千葉、大船始発の臨時列車にも使用され、かつての「成田エクスプレス」を思わせる多彩な運用で活躍することになります。
※JR東日本発表の春の増発列車は→こちら(PDF形式)を参照
▲2号車新宿方のデッキには車椅子対応大型トイレ、洗面所等が備わる。'11.1.21 小山車両センター P:RM(伊藤真悟)
クリックするとポップアップします。
また、今回の253系1000番代の投入により、189系"彩野"は廃車、485系は他区へ転用予定となっています。
この253系1000番代については本誌次号で詳しくご紹介いたします。