三菱重工業がサイバー攻撃を受けた事件で、戦闘機などの防衛装備品や原子力発電所に関する情報が流出していた疑いのあることが関係者への取材でわかった。情報が外部に送信された痕跡が残っており、何者かが盗み取った可能性が高いという。三菱重工のウイルス感染をめぐって軍事情報などの流出の疑いが浮上したのは初めて。
三菱重工へのサイバー攻撃は8月に発覚。潜水艦や護衛艦を建造する神戸造船所や長崎造船所、ミサイル関連製品を製造する名古屋誘導推進システム製作所(愛知県小牧市)など計11カ所でサーバーとパソコン計83台がウイルスに感染していた。三菱重工は「製品情報や顧客情報などの流出は確認されていない」としていた。
しかし、関係者によると、三菱重工が国内の別のサーバー数十台を追加調査したところ、一部で軍事や原発の情報を送信した痕跡が残っていたという。