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2011年10月24日15時21分

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プリンスホテルは? 隣の島へタクシー…小笠原に新種客

写真:ガイドと一緒でないと入れない制限区域の入り口で地元職員に指導され、靴底やズボンの裾などについた汚れをとる年配の観光客らの団体=小笠原村の東平サンクチュアリ拡大ガイドと一緒でないと入れない制限区域の入り口で地元職員に指導され、靴底やズボンの裾などについた汚れをとる年配の観光客らの団体=小笠原村の東平サンクチュアリ

写真:ガイド付き添いでないと来られない南島。客数制限で山の緑も戻ってきた=小笠原村拡大ガイド付き添いでないと来られない南島。客数制限で山の緑も戻ってきた=小笠原村

 世界自然遺産の登録からひと夏を越した小笠原諸島。今夏の来島者は昨年より5割増えた。貴重な自然を保護するため様々な制限がある島では、押し寄せる新たな客に戸惑いも広がっている。

 「飛行機はないの?」「船は1日何便?」「プリンスホテルはある?」。都心の竹芝桟橋と小笠原を約1週間に1度、片道25時間半で結ぶ定期航路を運航する小笠原海運に、こんな質問が相次ぐようになった。

 雑魚寝の2等船室に「つめこみすぎ」「プライバシーが保てない」といった不満の声も出る。「新しい客層に対応しきれていない。改善策を検討している」(同社営業担当者)

 東京都小笠原村によると、来島する観光客数は世界遺産登録直後から急増した。7〜9月は定期船で昨年の3割増の約8300人。8月に入港した2隻の大型豪華クルーズ船を入れると、ほぼ5割増しの約9400人だった。特に61歳以上の定期船乗船者数は9月、昨年同月比で2倍を超える530人にのぼった。

 スーパーや土産店が並ぶ父島の目抜き通りでは、旅行会社の名札をつけた観光客の姿が目立つ。神戸市の70代の夫婦は、テレビで小笠原が取り上げられたのを見てツアーに申し込んだ。「年をとっているから早くしないと行けなくなるかもと思った。キャンセル待ちをしてようやく空いた」

 土産店を営む菊池聰彦さん(64)は「お金のあるお客が増え、地元の塩などを買っていってくれる。売り上げは2割増しかな」。

 だが、小笠原は「エコツーリズム」を掲げる自然豊かな島。動植物の持ち込みや持ち帰りが制限されているほか、歩道をはずれて歩かないなど自然を守るためのルールが多い。

 特に小笠原随一の名所で、父島から小船で渡る南島は1日100人、ガイドが同行して滞在は最高2時間、事前に靴底の泥を洗い落とすといった厳しいルールがある。以前は下調べして来る人がほとんどだったが、登録後は父島でタクシーを呼び、「南島まで」と言う客までいるという。

続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます

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