東日本大震災の津波で児童70人が死亡し4人が行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校で23日、子供たちを慰霊する母子像の除幕式があった。遺族ら約100人が参加、包み込むようにわが子を抱く母親の像「子まもり」に黙とうをささげた。
制作した山梨県富士吉田市の彫刻家、浜田彰三さん(67)や遺族ら8人が母子像を覆った布を取ると、見守っていた遺族からすすり泣きが漏れた。近くに住んでいた孫の佐藤みずほさん(当時12歳)を亡くした祖父文志(ふみゆき)さん(76)は「慈愛に満ちた母子像で涙が出そうになった。この像とともに大川小の記憶を風化させぬよう努めていきたい」と話した。
母子像は花こう岩製、台座を含め高さ1.8メートル。大川小の被害を報道で知った浜田さんが5月に制作を始め、交流のある舛添要一、安住淳の両国会議員を通じ、遺族らの了解を得て正門付近に設置した。【平川哲也】
毎日新聞 2011年10月24日 11時05分(最終更新 10月24日 11時20分)