長崎県松浦市の鷹島沖海底で原形をとどめた状態で見つかった元寇(げんこう)船の画像を琉球大などの研究チームが24日、公開した。13世紀の元寇船の構造がわかるかたちで船体が確認されたのは初めて。
鷹島沖は、文永の役(1274年)に続く弘安の役(1281年)で、約4400隻の元寇船団の大半が暴風雨で沈没した海域とされる。長崎県庁で記者会見した琉球大の池田栄史(よしふみ)教授(考古学)によると、発見現場は島の南約150メートルの陸地近くだった。
水深20〜25メートルの海底で厚さ1メートルの泥を取り除いたところ、船の背骨にあたる長さ12メートル、太さ約50センチの竜骨(キール)が現れた。キールには白灰色の塗料が塗られ、両側に厚さ10センチ程度、幅15〜25センチ、長さ1〜6メートルの外板が並び、釘で留めた跡も確認できたという。全長20メートル超と推定される。
鷹島は潮流の穏やかな伊万里湾内にある。元寇船は沈没後、泥の層に覆われて保護されたため、潮の流れによる解体や腐食、劣化を抑えられたと池田教授はみている。