先進国の富裕層は、金融危機以前の水準にまで回復。さらに、中国やインドが急成長を遂げている。
第二の金融危機が起こる---。ギリシャ財政破綻によるEU経済への悪影響、米国経済の長期低迷などから悲観的な予測をする経済専門家も多い。だが、それはあくまで一般人の住む世界の話。お金持ちが住む世界は、いま黄金期を迎えているようだ。
「億万長者」を定義した経済用語がある。"high net worth individuals(=HNWIs)"という言葉だ。自宅の不動産を除いても100万ドル(約8000万円)以上の純資産を持つ人々を指す。この富裕層の総人口は2010年の統計で、なんと世界に約1090万人。その総資産は約42兆7000億ドルにも達し、これは日本の2010年度国家予算(92兆2992億円)の約37倍だ。この記録は過去最高だった2007年の水準を上回ったことを示す。
富裕層が最も多いのは米国(約310万人)。次が日本(約174万人)。3番目がドイツ(約92万人)。この上位3ヵ国に、世界全体の富裕層の半数強が集まっている。ただ、より広い視点でみると、中国(富裕層が約12%増)インド(約21%増)を抱えるアジア・オセアニア地域の成長が著しい。この地域の資産は07年比で約14%も増えており、金融危機以前の水準にやっと戻りつつある北米やヨーロッパとは対照的だ。
さらに、「億万長者」よりももっと豊かな「超億万長者」も増えている。同じ統計によると、世界には3000万ドル以上もの純資産を持つ超富裕層が約10万人いて、前年比で10%増えたという。その資産はしめて約15兆ドル。これは富裕層全体の1%にも満たない人々が、その総資産の約35%をも占めている計算になる。
格差社会の波は、世界の富裕層にまで押し寄せている、といったところだろうか。
COURRiER Japon
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