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焼き肉店集団食中毒:5人目死者 富山の中2 入院半年、意識戻らず

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し入院していた富山県小矢部市の中学2年の少年(14)が死亡したことが23日、分かった。一連の食中毒事件での死者は5人となった。

 富山県などによると、少年は4月22日、同県砺波市の砺波店で家族3人とユッケなどを食べ、5日後に入院。人工呼吸器を着けていたが、今月22日夜に亡くなった。

 少年の父親(49)は「地獄のような半年だった。帰ってきてくれると信じていたのに」と言葉を詰まらせた。少年の母親は入院直後、脳症を心配してベッド横に付きっ切りとなった。少年は当初少し会話ができ、母親がしりとりをしたり、「あなたの名前は?」などと声をかけたりしていた。しかし徐々に反応が鈍くなり、入院翌日に名前を呼ぶとにこりと笑ったが、翌朝から意識が戻らなくなったという。

 少年が通っていた学校の教頭によると、少年はサッカー部に所属。「友だちを楽しませるような明るい性格」で、入院後、同級生や部員らが度々、病院へ見舞いに行っていたという。【衛藤達生、岩嶋悟、大森治幸】

毎日新聞 2011年10月24日 東京朝刊

 

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