増資公表前に空売り 監視委が調査
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増資公表前に空売り 監視委が調査

10月23日 19時11分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力など大手企業3社が去年行った公募増資を巡り、多額の資金を運用する複数のヘッジファンドが、増資の公表前から3社の株を大量に空売りしていたことが関係者への取材で分かりました。空売りによって、ヘッジファンドは巨額の利益を得たとみられ、証券取引等監視委員会は、インサイダー取引に当たらないか調査に乗り出しました。

大量の空売りが行われたのは、国際石油開発帝石と日本板硝子、それに東京電力の株です。3社は、去年7月から9月にかけて資金を調達するため、新たに株を発行して公募増資を行いましたが、空売りによって株価がいずれも大きく値下がりしました。このうち国際石油開発帝石は、海外での油田開発のため5800億円余りを調達する予定でしたが、株価の下落によって調達できたのは5200億円にとどまりました。関係者によりますと、いずれも公募増資が公表される2週間ほど前から株価が下がりはじめ、多額の資金を運用する国内外の複数のヘッジファンドが空売りを仕掛けていたということです。ヘッジファンドは、増資を引き受ける形で値下がりした株を買い戻していて、一般の株主の多くが損失を抱えるなか、巨額の利益を得ていたと見られます。証券取引等監視委員会は、ヘッジファンドが公募増資を担当した大手証券会社などから事前に情報を入手した疑いがあるとみて、インサイダー取引に当たらないか専門の調査チームを作り、調査に乗り出しました。金融庁は市場への影響が大きいとして、ことし12月から、増資を引き受けるヘッジファンドなどの投資家が空売りすることは、増資の情報の公表後でも禁止することにしています。