花がひらくとき(改)
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【0】

 吹き抜ける春の風に、そろそろ衣替えかなと思い始めた頃のことだった。
 ベランダに、小さな鉢植えが来た。
 ちょっとオシャレな素焼きの鉢植えの中には、葉を細い茎から交互に伸ばした植物が植えられている。
 細い茎が上に伸びていて、その先には小さな蕾をいくつかつけている。濃い緑色の葉はしっとりと艶を感じさせ、細く先のとがった形は気品に溢れている。
 値段札を見ると「ミヤコワスレ」とプリントされた文字で書かれていた。その横に桜型のマークがつけられているのは、これが花だということだろう。名前だけはどこかで聞いた様な気もする。
「ミヤコワスレだって」
 それをベランダの奥においてから、振り返って言うと、
「ふぅん」
 と彼は言った。買った当人のくせに名札さえ確認していなかったらしい。何のために買ってきたのか、まったく不明だ。
 春の風がやけに心地いいベランダで、私はミヤコワスレを眺めた。天気は快晴。一年中こんな日が続けばよいと思うほどののどかさが、逆に自分がどれほど毎日を喧騒に生きているかを教えてくれるみたいだ。大人になったら勉強なんてしなくて良くてもう少し楽なんじゃないか、なんて考えていた高校のころが懐かしい。
 ベランダの一角を陣取りながらも、ミヤコワスレは花を咲かせる様子もない。蕾はついていても、しっかりと閉じられている。
「これ、いつ花が咲くのかな?」
 知るわけもない彼に聞いてみると、案の定、さぁ? と返ってきた。
「今咲いてないんだから、夏なんじゃねぇの」
 ぼそっとつぶやく。
 明らかに手の抜かれた答えに、思わず笑ってしまった。何で笑うんだよ、と彼がちょっと不満そうに言う。
「おもしろいから、かな」
「なにが?」
 君が、と言いかけて止めた。にっこりと笑って答える。
「――ミヤコワスレが」
 彼がため息をついた。
 お互い様だ。意味がわからないのは。
 そんな私の態度に呆れたのか、後ろに手をついて、彼は空を見上げた。つられて私も見上げる。春の空は少しまぶしくて、わたあめじゃないけど、ふわふわとした雲が二三個のんきに浮いていた。
 春休み前のたまの休日。こんなにのんびりと過ごせるのは、彼が隣にいるからだろうか。それとも、今が単純に春だからだろうか。そんな答えの分かりきっている疑問を空に向けて問い掛けても、返ってくるのは春風ばかり。
「なんで、これ買ったの?」
 目を細めて空を見上げながら、聞いた。彼が何かを持ってくるのは初めてだったから。
「カンだね」
 彼はさらりとそう答えた。 
 春風が吹いて、緑の葉を揺らしたのが視界の隅に映った。それが、やけに鮮明に私の記憶へと刻み込まれるのが分かる。彼といると、外と切り離されているような気がするのだ。まるで、私たちのいるベランダと、外とが完全に別の世界――画面を隔てて二つに分かれてしまったように。時間の流れが違う。もっと、濃いのだ。一つ一つの出来事が、手にとるように思い出せてしまうほどに。
 それがどうしてかなんて、私は知らない。
 ただそれが心地よくて、彼の足に頭をのせて目を瞑るだけだ。

【1】

 冷たい春雨のしとしとと降る、そんな日のカフェ。
 駅前なのに、なぜか訪れる人は少なく、私のような貧乏学生が幅を利かせている。
「よし、次に期待!」
 手元の不採用通知を破り捨てて、そう呟いた。こうするのも、もう何枚目だろう。最初のころは、豪快に破いて笑っていたものだけど、そろそろそんな余裕もなくなってくる。ここまで駄目なのはもしかしてこのカフェの所為じゃないのかと、恩知らずな考えが頭に浮かんだ。
「なわけないよね……」
 はあ、とため息が口をついて出る。
 いくら、全ての不採用通知をここで破っているからと言って、そんなことはありえない。でも、なら何が問題なんだろう。
 今年で短大も卒業。友達はもうほとんど内定が決まったし、決まらない人もそれぞれこれからのことを決めている。「あんたも今年中に何かやることを見つけなかったら、お見合いさせるからね」そう言うお母さんの言葉が、だんだんと身近に迫ってきていた。
 結婚は恋愛でするって決めていると言っても、「自分のやりたいことも見つけれない人が、どうしてそんな人を見つけられますか」と取り付く島もない。なら、絶対に就職してやると意気込んで始めたのに、返ってくるのは不採用通知ばかりで、私はもうどうしてよいか分からなくなっていた。
「なんで、就職なんてしなきゃいけないんだろう」
 そんな言葉が、思わず口に漏れてしまった。自立しなきゃいけないからだって、それは分かってる。それに、自分でお見合いさせられない為にする、という目標というか意地みたいなものもあった。けれど、返って来る不採用通知を見るたびに、自分の中でどんどんと働くことへのモチベーションが下がっていく。そんな私に、採用なんて手紙が来るわけがない。
 どんどんと鬱な方向へ思考が走り始めて、どうしようもなくなっていた時。
 ――トン。
 木と陶器の立てる軽い音が、不意に私を現実へと連れ戻した。
「へ?」
 思わず間抜けな声を出してしまった。
 見ると、目の前に湯気の立つコーヒーカップが置かれている。淹れたてのミルクコーヒーだ。その視線を上げると、そこには黒いパーカーを着た、大学生くらいの青年が、立ってこちらを見下ろしていた。その手にも、また湯気の立つコーヒーカップが握られている。
「あの……」
 このコーヒーは、と続けようとした言葉は、彼の放った一言に封じられた。
「――就職浪人」
 ぼそりとそう言うと、彼は向かいの席に腰を下ろした。低い、でもやけにはっきりと聞こえる声だった。 
 頭の中に、その言葉が入ってくる。
 心に触れる。
 そして、
「違うから!」
 思わず反論していた。言ってから、初対面の人に対する言葉づかいじゃなかったな、と思った。でも、お互い様だ。初対面の相手に「就職浪人」なんて声をかける人、聞いたことがない。
 どんどんと湧き上がってくる悪口雑言を飲み込みように、手元のコーヒーを啜った。
 ――トン。
 彼が、手に持ったコーヒーカップを机に下ろした。
 中身は、ブラック。なんだか格の違いの違いを見せ付けられているようで、腹がたった。どうせ、舌がお子様レベルですよ。
「何の用?」 
「……就職したいか?」
 彼が、ボソリと言った言葉の意味を理解するのに、しばらく時間がかかった。そして理解すると、今度は疑念が生じた。
 この人……なに? 
 なにかコネを持っているの?
「そ、そりゃあしたいけど……したいだけで就職できたら苦労も何もないわよ」 
 とりあえずは、そういう風に答える。
 彼は、それに対してはなにも言わずに、ずっと私の目を見つめていた。真っ黒な瞳。吸い込まれそうというよりは、沈み込んでしまいそうな、そんな感じの色合いだ。
 彼は、なにも言わない。何も言わずに、やはり私を見つめ続けている。
 自分から来ておいて、話を振っておいて、なにも喋らないなんてどういう非常識なヤツだろう。イライラしてその目を睨み返すと、不意に瞳が揺らいだ。
「……就職したいか?」
 彼は、同じ言葉を繰り返した。
 途端、彼の言いたいことが分かった。
「別に――したくない」
 口が自然とそう動いていた。
 それからは湧き上がるように、言葉が続いた。止める気すら起きなかった。
「私、まだ働きたくない。働かないといけないことは分かってる。親にこれ以上迷惑かけてもいけないし、こんな歳にもなって自立してないのは駄目だって……でも、就職しなきゃいけない時期だからって、無理やり就職するのは嫌なのよ! 私、周りの人が何でそんな事を自然と受け入れられるのか分からない。こんな惨めなことをしてまで、自分の未来を縛るのかが分からない。だって、まだまだ可能性があるはずじゃない」
 ぽとり、と雨漏れのような音がして、それがテーブルに落ちた自分の涙が立てた音だと気付いた。何で泣いているんだろう、私。
 言葉はとめどなく続く。
「でも分かってる。うちは、私を短大に入れるのが精一杯で、これ以上私が何もせずにふらふらしていたら迷惑がかかるって。それに、就職しなかったからといって、私はほかにやりたいことがあるわけじゃないから……、だからそんなわがままを言ってられないんだって。でも――でも、嫌なのよ! なんだか知らないけど、嫌!」
 言い切って、荒く息をついた。
 すぐに気付いて、
「あ、……ごめん」
 そう彼を改めてみると、何も変わらない状態で、話を聞いていた。
 コーヒーカップの中身は、減ってすらいない。
「別に、いい」
 彼がボソリと呟いて、めんどくさそうに私の前のコーヒーカップを指差した。
 これを飲んで落ち着けと言うことなのだろうか。
 荒い息とともに、香ばしい、少し冷め気味のミルクコーヒーを胃の中に流し込んだ。それを見て、彼も一気に自分のコーヒーを飲みほす。コーヒーの生暖かい温度とともに、心の中に熱い何かが広がっていった。それが、新たに目から溢れ出す。テーブルにいくつもの水滴が弾ける。
 心のなかにあった、もやもやが、少し晴れたような気がした。
 そうか、私は聞いてほしかったんだ。
 この想いを。
『――トン』
 コーヒーカップを置いたのは、同じタイミングだった。重なって予想以上に軽快になった音を聞いて、私は自分が泣いているのも忘れて、笑ってしまった。
 空になったカップとカップ。中はほんのり茶色と黒。
 向かい合う私たちの間には、不思議な空気が漂っていた。なんだか優しいような、険しいような――どこか、安心できるような。
 これだけは、言わなければいけない。
「ありがとう――、これからもめげずに頑張る。聞いてくれて、ありがと」
 ちゃんと伝えられているか不安だったから、二回言った。
 ありがとう、と。
 彼は、おそらくこのカフェの常連だったのだろう。そして、私がよく不採用通知を破り捨てているのをみて、ちょっと慰めに訪れたのだ。外見は大学生のようでも、それ以上に歳を取っていることは十分にありえる。
 ――と、その時。
 ドン、とテーブルの上に置かれた物があった。大量の紙束を、彼がどこからか取り出したのだ。
「働かなくてはいけない。それでも、ただ働くことに意義を見出せない。なら、色々と働いてみればいい。そして並行していろんな事をやってみればいい」
 彼が初めて長く喋って、一枚を紙束の中から取り出した。
『アルバイト大募集』そう書かれていた。
「アルバイト……?」
「もし、働いてみて、その仕事が好きになったら。死に物狂いで働いてみれば、もしかしたらそのまま採用されるかもしれない」
 よく見ると、アルバイト大募集の下に『社員登用あり』そう書かれている。
「これは、貸すから」
 彼は、紙束を指さしながらそう言った。
 そして、がたりとそのまま立ち上がり、背を向ける。
「――あ、まっ……」
 引き止めようとして声をかけたのに、なぜかきちんとした言葉が出なかった。のどの奥でつっかえたように出てこなかったのだ。
 彼はそのまま素早く支払いを済ませ、雨の降る中へと傘も差さずに歩き出してゆく。その背中をただ私は見つめていた。
 目の前の紙束を、手にとって見る。アルバイトや研修、そんなもののチラシばっかりだ。これだけ集めるのに、どれくらいの苦労があったのか、想像もつかない。
 彼と話しているうちに心の中に生まれた熱いものは、まだしっかりとそこに居座っていた。
 やりたいことは、まだない。
 けれどただの就職もしたくない。
 なら――やりたいことを探す。アルバイトをしながらでも、アルバイトの中からでも探してやる。
「よし! 徹底的に探してやる」 
 そう呟いて、こぶしを握る。
 ふと、彼が『貸す』と言っていたことを思い出した。聞き流していたけれど、思い返せば確かにそう言った。なら――
「また、会えるんだよね……」
 声に出して呟いてみると、意外に恥ずかしかった。
 そういえば、名前も聞いていない。
 なぜ私に、こんな事をしてくれたのかも聞いていない。
 けれど、彼はお人よしに違いない。
 そう思った。
 
【2】

 彼と出会ったあの日から、私が続けていることがある。
 一つは、コーヒーをブラックで飲むこと。いつまで経っても慣れなくて、飲み終わるのに時間が掛かってしまう。でも、なぜだか止められない。
 そしてもう一つは、雨の日に傘を差さないこと。
 だから雨の日は、よほどのことがない限りぶらぶらと濡れて帰る。職場が家に近いからこそできることだ。もし電車を使っていたら、できるわけがない。
 あの時も確か、こんな雨が降っていたと思い出した。ちょうど、三年前の今頃だ。
 私は今、町角にある小さな和菓子屋で働いている。最近は、すこしずつ作る方も教えてもらえるようになってきた。彼にもらったチラシの中にあった一つだ。でも結局、彼とはまったく会えていない。アルバイトから認めてもらって就職した時には、もしかしたら現われるんじゃないかって期待したりもした。けれど、彼はまったく姿を見せず、一週間カフェに通いつめた私は、まったくの無駄足を喰らった。最近どこかで彼の面影を探している自分に、いろんなところで会う。駅の雑踏の中だったり、チラシのモデルの中だったり。そんな所にいるわけもないのに、ふと気付けば彼の姿を探して、ため息をついていた。
 職場帰りの雨は、体から疲れを洗い流してくれているようだった。
 早春なので、さすがに七時を過ぎればあたりも暗くなっている。家までは後もう少し。目の前の通りを右に曲がればすぐそこだ。こんな日はシャワーを浴びたら、その後にコーヒーを一杯飲むのが一番だと思う。最近ようやく慣れてきたブラックコーヒーの味を思い浮かべると、うずうずした。
 早く家に帰りたい。
 そう思って駆け出した。
 ――その時だった。
 両側に立ち並ぶ家の軒先で、なにやら見覚えのある姿を見たような気がして、私は急ブレーキをかけた。もし私の目が正常なら、それは私が三年間待っていた人だった。
 体が勝手に動く。
 人影の方へと足を動かす。
 それは見紛う事なき、あの時の彼だった。
「……就職浪人?」
 その声を聞いたとき、彼だと重ねて確信する。
 急に目元に浮かんできた熱いものを必死で押し堪えながら、私はとりあえず言わなければいけないことを言うことにした。
「もう――違うわよ」
 それだけ言うのが精一杯だった。
 無性に嬉しくて、気付けば彼の手を掴んで家へと走っていた。
 彼は最初は驚いたように引きずられていたけれど、やがて自分で走り出す。どこに行こうとしているのか説明しようとしたけれど、うまく声が出なかった。でも、彼がついてきてくれているのが、嬉しかった。
 ああ、でも。
 変な人だと思われたのは確実だな。

          *
 
 かくして、私は彼と三年ぶりに再会した。
 たまたまなのか、彼が会いに来てくれたのか。そんなことはいつしか頭から消し飛んでいた。
 私はずっとよく分からないことを喋っていた。たぶん、今の職場の事だと思う。楽しいこととか、つまらないこととか。どうでもいいこと。でも、突然三年前に一回会っただけの人の家に押し込まれたと言うのに、彼は文句一つ言わずに相槌を打ってくれていた。聞いてくれていた。そして、私の出したコーヒーを、なにも言わずに啜っていた。
 時計が九時を回る。安物の電池で動く振子時計は、それでもちゃんと九回鳴って、私を現実へと連れ戻した。その途端に申し訳なくなる。もう二時間も、彼にとってはまったく興味のないだろう話を聞かされているのだ。外は、完全に真っ暗に違いない。
「三年間会わなかったけど、何やってたの?」
 これを最後にしようと思って、これならいいだろうと言う質問をした。彼は、少し困った顔をして、
「旅」 
 とだけ答えた。
「これからは、どうするの?」
 思いつきでそう聞くと、
「そのうち」
 そう答えた。
 私はそれを、そのうちまた旅にでることだと勝手に解釈して、それ以上何も聞かなかった。でも、それは彼がしばらくはここにいると言うことだ。
 なら――、という思いが弾ける。
 自然に口が動く。
「ねぇ、お礼の代わりと言ったら何なんだけど、暇だったら、これからも――またコーヒー出すからさ。日曜日の夜七時以降と、月曜日は一日中家にいるからさ――」
 また――来て、と。
 答えはしばらく返ってこなかった。
 もしかしたら困っているんじゃないかと、不安になる。突然言われても困るに違いない。
 だから、
「じゃぁ、月曜日の朝、九時に」
 そう答えが返って来た時、躍り上がるほど嬉しかった。
 なぜ嬉しいのかは、よく分からないけど。

【3】

 それから彼は、毎週約束どおりの時間に、ふらりと玄関の前に現われた。どこから来たのかなんて想像もつかない。
 なんだかんだで始まった変な座談会――ほとんど一方的に私が喋る――は、なぜかベランダで行なわれるようになっている。ベランダにコーヒーセットを持ち込み、毎回蒸れる。
 なぜベランダになったのかは、単純だ。
 再開したあの日から、初めての月曜日のこと。ドキドキしながら待っていた私に「ベランダが広いっていいな」と開口一番に告げた彼の所為だ。そのまま会話が続かないので、「行く?」と聞くと、少し嬉しそうに頷いた。なんだ、結局ベランダに行きたかっただけかと思ったのは秘密だ。
 それから、不思議と月曜日に天気が悪くなることはほとんどなかった。神様なんて信じていない私だけど、それでもちょっと気を利かせてくれたのかな、なんて思ったりした。
 彼は朝の九時きっかりにやって来て、コーヒーを一杯飲んで――お代りはしない――三時くらいに帰っていく。その間に、私と彼がすることは、ぼーっとベランダに座って空を見上げる、寝る、町を見る、ぼそぼそと喋る、くらいのものだ。
 何をしたいのかと言われると、即座に答えることは出来ないけど、でも心地よいのは確かだった。月曜日に彼が家にいると、ここが私の帰ってくる場所だと思える。安心する。そしてこれからまた一週間、頑張っていこうと思えるのだ。彼の足に頭をおいて目を瞑り、髪の上にぎこちなくのせられた手を感じている時は、本当に幸せな気持ちになる。
 そんな日々が一ヶ月ほど続いて、まさに春真っ盛りな、ある月曜日のことだった。
 彼が手に小さな素焼きの鉢植えを抱えて、やってきたのは。

          *

「もう少ししたら、行く」
 頭にのせられた彼の手が、急にこわばったような気がして目を開けた。
 初夏の空は驚くほど眩しくて、思わず目を細める。
 言った内容は分かっていた。別に驚かない。
 彼なら、いついなくなってもおかしくない。それくらいは、覚悟していたから。いつ、こんなことを彼が言ってもおかしくないって。そう思っていたから。
 それがただ、再会してからちょうど三ヶ月経った、今日だっただけで。
「そう」 
 短くだけ答えた。
 覚悟していたはずなのに、心の底で感情が暴れまわっている。
 ――ダメだ。
 これ以上彼に迷惑はかけられない。
 誰か知らない。名前も知らない。でも、大切な彼だからこそ、これ以上の迷惑はかけたくない。
 でも、なぜ彼は――『もう行く』と言わずに『もう少ししたら行く』といった?
「なら、この花がひらいたら……」
 ミヤコワスレが咲くまでは――行かないで欲しい。
 誰にも彼を止めることなどできないのに、するべきではないのに、ちょっとした我儘だった。もしかしたらという期待だった。今までの関係が、私の我儘だったにもかかわらず――
「了解」
 なのに彼は頷いた。花が咲いたらな、そう言って珍しくしっかりと私の顔を見た。笑っていた。ポンと私の頭をたたいて立ち上がる。
 そして、
「帰る」
 そう言って、手を上げてベランダを出て行った。私はじゃぁと言って、そのままミヤコワスレを眺めていた。止める気には全くならなかった。
 なぜだろう、いつまでと決めないうちは自分で納得していたのに、決めたとたん怖くなった。月曜日に愚痴を聞いてくれる名前も知らない人がいなくなるだけだけれど。今まで三年間いなかった人が、またいなくなるだけだけれど。
 開花の時期なんて調べられるわけが無かった。

【4】

 自然が私に対して優しくないことなんて、とっくに知っていた。今まで月曜日に雨が降らなかったのも、どうせたまたまに違いない。私は今まで自然に対して愛なんて注いでこなかったし、注ごうと思ったことすらほとんどない。
 でも――。
 これだけは許して欲しかった。
 もうミヤコワスレの蕾から紫色の花弁が零れ落ちているなんて、そんなことは知りたくなかったのに。
 彼が「去る」宣言をした次の日の早朝、私は神様を呪った。
 そんな事をしてもしょうがないなんて、分かっているけれど。
 呪わずにはいられなかった。
 私は三年待ったんだ。それに対する報いがこれ? 
 いっそのこと、ミヤコワスレをどこか遠くに捨ててきてやろうかと思った。代りに良く似たやつを買ってきて同じ場所において。そうすれば、彼が行くのをある程度は、止められるかもしれない。
 そんな事を一日中考え続けた。
 きっと、ひどい顔をしていたに違いない。

 その日の晩、なかなか寝付けなかった私は、キッチンのテーブルに突っ伏して彼のことを考えていた。そして、いつの間にか寝てしまっていたらしい。
 少し前の――夢を見た。

 月曜日。めずらしく雨が降っていた。なかなか激しい。朝から窓の外を眺めて、ベランダには出られないだろうなぁと思った。そして、雨に濡れて体温が下がっているだろうから少し熱めのコーヒーを入れて、もしもの時のために風呂場を整理しておこう、そんな事を考えていた。
 家の片付けがだいたい終わった頃、振子時計が安い音を九回響かせた。
 九時だ。外の雨は一向に弱まる様子がない。
 玄関へと走って、ドアを押し開ける。けれど、彼はそこにいなかった。半身をだして少し遠くまで眺めても、彼らしく姿は見えない。
 いつも違う方向から来る彼だけど、後れてきたことなんかは一度もないのだ。だから、不安になった。
 クロックスを足に引っ掛けて、外へと飛び出す。激しい雨が体にあたって、音が体を包み込む。嫌いじゃない。この感じ。でも、それ以上に彼がこないことが嫌だ。彼だって、取り敢えずは人間だ。だから遅れる事だってあるはず。それくらいは分かっていた。でも私は、彼が誰か知らない。名前も特に教えてもらってない。(あまり呼ばないけど、呼ぶ時は「浪人君」と呼んでいる。外見がまったく変わらないから)それに、どこから来ているのか、何がしたいのかも知らない。
 今この瞬間に、彼が他の所で時間を費やしているのかもしれないと思うと、自分でも驚くほど黒い感情が、胸の中に湧き上がってくる。こんなの知らない。でも、否定しようとは思わない。
 結局、家の前に立って彼を待つことにした。
 雨がどんどんと、体にしみこんでいく。今の気分に合っていると思った。彼がこない時間が長くなればなるほど、心の中に冷たいものが広がっていく。それに似ている。
 彼を待ちながら、私はそれをずっと感じていた。

「……おい」
 そう声をかけられて、はっと目を開けた。目に入る水を拭うのが面倒くさくて目を瞑っていたからか、まぶたから小さな水滴が飛んだのが分かる。
 彼だ。
 声で分かった。次に目でも確認する。彼の顔が間近にあった。
 胸が一気に熱くなる。心臓が踊りだす。嬉しさと、怒りが同時に心の中に存在して、激しくぶつかり合った。
「…………」
 答えられない。今、声を出したら、きっと泣いてしまう。だから、喋るわけにはいかないのだ。
 彼は、私の心中を察したのかしなかったのか、急に私の手を掴んで家の方へと走り出した。引きずられるように後に続く。
 彼がドアを押し開け、私を家の中に引っ張り込んだ。途端、体に悪寒が走った。
「風呂入れ」 
 彼が怖いほど真剣な目で、私を見て言う。
 そしてすぐに視線をそらす。
「浪人君こそ、濡れてるから、先に入ったら? 私は着替えれるから」
「先に入れって、俺はいいから」
「でも――」
「いいったら、いいんだよ! 早く入って来いって」
 彼はそう言って私の体を押した。
 それに従って風呂場に向かいながら、そういえば彼がこんなに喋ったのは初めてかも、と場違いながら思う。
「――視……ないか……さ」
 後ろで彼が何か呟いたのが聞こえたけど、何を言っているのかは分からなかった。
 風呂場に滑り込んで、シャワーを浴びていると、体がどれだけ冷えていたのかが分かった。温めのお湯のはずが、熱湯のように感じる。
 不意に嗚咽がこみ上げてきた。
 シャワーの強さを最大にして、小さく泣いた。頭からシャワーを浴びると、自分が涙を流しているのかも分からなかった。
 着替えて、急いで彼を探す。狭くてくらい家の中で、キッチンだけが明かりが点いているから、きっとそこだろう。彼に渡すためのバスタオルを持って、そちらへ向かうと、香ばしいマメの香りが漂ってきた。
 もしかして――
 思わず走ってしまう。
 キッチンに飛び込むと、予想通り。湯気のたつコーヒーカップが二つ、机の上に置かれていた。
 私が来たのを見ると、彼は手を止めて、机上のカップを一つ手に取る。そして、取っ手を持って私に差し出してきた。交換にバスタオルを差し出し、立ったまま、両手で包むようにそれを受け取る。中を覗き込むと、久しぶりに見る茶色の液体が、甘い香りを放っていた。
「あ、これ――」
「買ってきた」
 彼がバスタオルを頭からかぶりながら、台所に置かれている小さなビンを指さす。
 ああ、それを入れたのかと納得する。
「ジャージー牛乳。だから、無理するな」
「別に無理してなんか……」
「止めとけ。それに、それ美味しいから」
 今日は、彼が良く喋る日だと思った。シャワーが心から冷たいものを全て洗い流して、彼の入れてくれたミルクコーヒーが、心から怒りを吹き飛ばしてくれている。
「もう……遅れないでね」
 そう言うと、
「ああ」
 彼が憮然と答えた。
「でも、雨の中でも待ってるのはダメだ」
 同じ口調で付け加える。
 彼が心配してくれているのだと思うと、自然に頷いていた。
 そして、三年間飲まなかったミルクコーヒーを、飲む前に、彼に机の上のもう一つを勧める。
 椅子に座って向かい合った。
「いただきます」
 そう言うと、彼が頷いた。
 カップを傾けて、中身を口に含む。
 その味は――

 そこで目が覚めた。
 舌の上には、あの時のミルクコーヒーの味が蘇っていて、体の芯がじんと熱くなった。
 思い返せば、彼とベランダ以外の所で過ごしたのは、あの日だけだったように思う。それ以外の日は、全部晴れていて、いつものようにベランダに上がって過ごしていたから。  
 寝ぼけ眼で見た壁にかけられた振子時計は、夜中の三時を示している。
 ちゃんと横になって寝ようと、立ち上がった。少し頭がくらりとする。変な体勢で寝ていたから仕方がない。
 階段を上りながら、眠りに就く前に何を考えていたのか、思い出す。次々と浮かび上がってくることは、我ながら恐ろしい。でも、今はなぜだか心が落ち着いていた。ささくれだった心が鉋をかけたように滑らかになっている。
 彼なら、ただいなくなって帰って来ないという事はないだろう。
 そう思えた。
 なぜなら、彼は三年経ってもちゃんと帰ってきたのだ。
 今までずっとそう考えれなかったのが、いつのまにかそう信じられるようになっていた。
 心の中に、彼の優しさの様なものが満ちている。心の中でそれをずっと感じていると、彼が傍にいるような気がした。そして、ただ安心して、私は穏やかな眠りについた。夢は見なかった。

【5】
 
 一週間たって、月曜日が訪れた。
 天気は、やっぱり快晴。でも、入道雲が青い空に沸き立っていた。今年は遅めらしい梅雨が、もうすぐそこにまで見えている。
 玄関には、綺麗に花開いたミヤコワスレが飾ってある。昨日の内にそこに移動させたのだ。ベランダに上がらなくてもいいように。 
 黄色い雌しべの周りを取り囲むように、円上の細い花弁が開いている。紫に加えて、青や、赤紫もある。シンプルで、すっきりしたコントラスト。何株か一緒に植えられているので、涼やかな緑の葉を背景にして、細い茎から花開いたミヤコワスレがよく映えている。
 眺めていると、自分の背筋まで伸びてしまうような凛々しい花だった。
 彼は、こうなることを知って買ったのだろうか。
 ふとそんな事を考えたりする。
 ミヤコワスレを見ていると、そのたびに今日が彼のいなくなる日だということを実感した。 
 それでも、何回でも目が行ってしまう。
 彼が来るまでに、私は何回この花を眺めることができるだろうか。
 そして、彼がいなくなった後、私はこの花をまた見ることができるだろうか。
 私には未だ、彼がいなくなったあとの生活が想像できなかった。いなくなった後の生活と言っても、彼と過ごしたのは一週間に一回、数時間のものだ。合計しても一週間にも程遠い。でも、私の生活の中で、彼とすごす月曜日は本当に大切なものだった。
 よく、大切なものは失ってからその真価に気付くというけれど、失わないとその価値が分からないようなものはいらない。今でも十分に幸せだから、失ってまでその価値を知ろうとなんか思わない。だから、これが神様の与えた試練だというなら、私は断固として拒否してみせる。そんなもの、絶対にいらないから。
 けれど、これは彼が言ったことだ。
 私は彼を信じる。彼なら、言わなくても絶対に帰ってきてくれる。たとえそれが何年先であっても。そう、信じる。だって、これは私の我儘だけど、何の根拠もない自信だけど、私が彼にあげられる最初で最後のものだから。
 
 ミヤコワスレの傍にしゃがみこんで、ずっと眺めていると、家の中で時計が九回鳴るのが聞こえた。それと同時に、耳が足音を捕らえる。それは少しずつ大きくなり、やがて家の前で止まった。ゆっくりとミヤコワスレの鉢を持って、振り返る。そこには、予想したとおりの彼の顔。汗を少し額に浮かべて、眩しそうに眉をしかめている。
 そんな彼に向かって、咲き誇るミヤコワスレを掲げて、私は笑った。別れるときは絶対に笑っていられないから、せめて今だけは笑っていようって。そう思ったから。
 彼が、少し驚いた顔をした。
 そして一瞬、僅かに口元をほころばせた。
 彼の元へと歩いていく。手に鉢を持って。結構重いけど、落とすわけに行かない。
「はい」 
 そう言って手渡し、
「咲いたよ」
 そう付け加える。
「ああ」
 彼が、無愛想に答える。手に持ったミヤコワスレを見下ろし、不意に懐かしそうな表情をする。
「咲いたから――」
 ずっと決めていた続きの言葉を告げた。
「行こう。初めて会った時のカフェに。いい?」
 もし駄目だと言っても行くつもりだけど、一応確認を取る。
 彼は答えずに小さく頷いた。
「じゃあ、取ってくるものがあるから、少し待ってて」
 そう言って中に引っ込んだ。
 すぐ取れる場所に準備してあるのは、あの時、彼にもらった書類が入ったクリアファイル。彼と再会するまでは、返したいと思い続けていたのに、いざ再会してみると、返すと言い出せない自分がいた。けれど、今日が最後。なら、もらった場所で、出会った場所でそれを返したい。そう思っていた。
 クリアファイルを小さな手持ちのバッグの中に押し込み、玄関を開けると、彼がミヤコワスレを持ったまま開けたところに立っていた。壁についた小さな郵便受けに、少しもたれかかっている。
「それ、置かないの?」
 と聞くと、首を横に振った。
 カフェまでそれを持っていくつもりらしい。重くないのだろうか。
 それ以上は聞かないことにして、歩き出した。
 梅雨が近いからか、少し空気がじめっとしている。横を歩く彼の腕も少し汗ばんでいた。並んで道を歩くと、彼の背の高さを実感する。私が丁度目線を下げたところに彼の手があって、ミヤコワスレを抱えている。
 これが、初めて彼と一緒に歩いた道なのだと思うと、特別なものに思えた。
 次に彼とこうやって歩けるのは、いつの事になるだろう。
「ねぇ、この町好き?」
 聞いてみる。
「……ああ」
 彼は、一瞬迷ってから、そう答えた。
 何に迷ったのかが気になる。肯定したその理由も気になる。けれど、私は聞かなかった。いろいろと聞くことをためておく、そして次に会った時に、まとめて聞く。ちょっとした願掛け。これくらいは許されると思う。
 少し汗ばむ空気の中、二人並んでてくてく歩く。彼の一歩は大きくて、それに合わせて私の足がてててと三歩くらい動く。
 同じ道でも、私の人生の道は先が見えないのに、今歩いているこの道は何も考えずに歩いていても、目的地についてしまう。ただ足を前に動かすだけで、目的地はどんどんと近付いてきて、何も考えてなくても、今日の終わりは着々と近付いてくる。変わらないのは、一歩も踏み出せないのは私自身だけ。
 ――君の歩いていった先には何があるの? その先できっと、また会えるよね?
 隣の彼を見上げて、声には出さずに聞いてみた。
 彼の歩みには迷いがない。
 この先には未来が待っているんだと言うことを、信じきってるみたいに。
 その未来のどこかに、私はいるかな?
 すぐ傍でなくてもいいから、一週間に一度、いや一ヶ月に一度でも、ちょっとしたついでにコーヒーを飲んで喋ってくような、そんな関係でいいから、私は彼の未来の中に居たい。
 私のベランダにあった、ミヤコワスレみたいにでいいから。
 そう思っていることに、君は気付いてる?
 ねぇ――

          *

 カフェは相変わらず何も変わっていなかった。
 寂れた雰囲気と無愛想なマスターは健在で、しばらく行っていなかったからかどっと懐かしさがこみ上げてきた。
 マスターにコーヒーを二人分頼んだ。彼はブラック。私はミルクだ。最後でもそれだけは変わらない。受け取ってから窓際の二人席を選ぶ。あの時と同じ場所だ。そして、あの頃の私のお気に入りの場所でもあった。
 向かい合う。
 彼は相変わらずミヤコワスレを手に持ったままで、
「それ、いい加減に置いたらどう?」
 呆れて言うと、彼は無言で首を横に振る。
「そう」  
 それ以上は聞かないことにして、それだけ言った。
 彼は突然やって来て、未だになぜ私のことを知っていたのかも不明だ。それに、どんな人かも分からない。
 でも、そんなことは知らなくても良いんじゃないかって、そう思うようになった。
 どんな理由であったとしても、私のところに来てくれた彼は彼だ。それはどうやっても変わらないし、それが一番重要なことだ。
 彼の顔を見つめる。
 彼が目をぱちくりとさせた。
 それがきっかけとなる。
「はい、これ」
 私は、バッグの中からクリアファイルを取り出し、彼に手渡した。彼がミヤコワスレをついにテーブルの上において、受け取る。彼は一瞬、それが何かわかっていないように見えた。でも、中身を取り出すと、すぐに何かを察したらしく、視線をはずして私の方に向き直る。
「――今まで、本当にありがとう」
 たくさん考えた言葉だけど、結局はシンプルに行くことにした。その中には、これまでの三年間も全てが詰まっている。だから、口から言葉が出ていったとき、寂しさが胸の中に沸き起こった。
「どういたしまして」
 あの時と同じ言葉が返ってきた。 
 しっかりと。
 今度は、その言葉が私の心を満たしていく。寂しさが、どんどんと暖められていく。まるで――心の一部を交換したような、そんな気分。心の中の温かいものが、胸を伝って顔まで登り、目から溢れ出してきた。
「はい」 
 彼の声がして、ぼやけた視界の中で、彼が私に何か差し出しているのが見えた。
 慌てて目を拭うと、見慣れたものが目の前にある。
「……?」
 少し疑問に思いながらも、ミヤコワスレの鉢を、私は受け取った。
 それを見ると、彼は満足そうに頷く。
 そしておもむろに立ち上がった。
 ――行くつもりだ。 
 直感的にそう悟った。
 立ち上がりたい。どんな手を使ってでも、彼を止めたい。事前にあれだけ硬く決心したはずなのに、それはたやすく打ち破られた。
 でも私は立ち上がらなかった。立ち上がれなかった。
 彼に渡されたミヤコワスレが、不意に重くなったように私をそこへと留まらせていた。
 彼がこちらを見下ろしてかがんだ。頭の上にぽん、と大きな手が乗せられる。そして、離れるまでは、ほんとうに永遠の時のように感じられた。
 手が離れる。
 彼がくるりと背を向ける。
 歩き出し、いつの間にか手に持ったコーヒーカップをマスターに渡し、ドアを押し開ける。
 私は後ろからそれを見つめる。
 あの時と何も変わらなかった。
 ただ、私の手の中にあるのが、書類からミヤコワスレに変わっているだけで。
 ――そして、彼は雑踏の中に消えていった。
 私は膝に置いた手とミヤコワスレの重さを感じながら、ずっと彼が消えたそこを見つめ続けていた。

          *

 いつの間にか、窓から見える景色はオレンジ色染まっていた。
 目の前に置かれた、冷めたミルクコーヒーを見つける。他人の入れたコーヒーなど飲むのは久しぶりだ。
 口に含む。ミルクの甘い香りとコーヒーのコクが混ざり合ってまろやかになる。この味が昔は好きだった。いや訂正。今も好きだ。
 でも、
「また合うときまでは――絶対にブラックで飲み続けるから!」
 そう、聞こえるはずもない彼に宣言した。
「それに、冬だって雨の日に傘を差さずに歩いてやる! 帰ってこないと、ほんとにやるから」
 ついでに宣言。
 そういえば、どこかで彼が聞いているような気がして。急に牛乳を持って台所に現われたり、傘を持って走ってきたり、そんなことをしてくれるような気がして。
「それに――」
 まだ宣言は続ける。
「帰ってこなかったら、私のコーヒー飲ませてあげないし、ベランダにも上げてあげない!」
 もはや意味がわからなくなってきた。
 でもいいのだ。
 これは、私の一つの決心なのだから。
 いつまでも、いつまでだって彼を待ち続けるという。
 ――あと。
 心の中で、もうひとつ付け加える。
 これが一番重要だ。
 三年間の中での一番の発見だから。初めていま、当てはまる言葉を見つけたのだから。

『帰ってこないと――……』

 この先は、彼が帰ってきたときに、真っ先に口だそう。
 それまでは心の中にとっておこう、そう決めた。

【6】
 
 ミヤコワスレを手に家に帰り着いたのは、夜の七時くらいだった。
 家に入る前に、習慣として郵便受けを探る。
「あれ?」
 大きくて硬いものが入った封筒が押し込まれていた。
 取り出しては見たものの、中身が本であること以外、暗くて分からない。
 中に入ってしっかり見ようと、脇に挟んだ。
 成行きで持ち込んでしまったミヤコワスレを、キッチンのテーブルの上に置く。そして、その横で封筒を開けて中身を取り出す。
 暗い蛍光灯の明かりに照らされたその本の表紙には、花の写真が幾つも並べられている。
 タイトルには大きく『花図鑑』と書かれていた。
 ――これは彼からのものだ。
 そうに違いない。直感でそう悟った。
 一ページ目を捲ると、目次が並んでいる。そのままパラパラとページを捲ると、色鮮やかな花の写真が、幾つも目の前を通り過ぎていった。
 私は何を求めて、この図鑑をめくってるんだろう。 
 何を求めて――……、私は馬鹿だ。
 なぜ気付かなかったんだろう。答えは、このテーブルの上に載っているのに。
 急いでそのページを求めてページをめくると、何度も行き過ぎた。一度手を止め、大きく深呼吸する。きっと図鑑を睨みつける。そして、ゆっくりとページをめくり始めると、ようやく目当てのページに辿りついた。
『ミヤコワスレ(都忘れ)』
 と大きく左上に書かれ、その下に青から紫まで、様々な種類のミヤコワスレが咲き乱れている写真が載っている。そしてその横から、ミヤコワスレの名前の由来などがびっしりと書き連ねてある。
 少し肩透かしを食らったような気がした。
 ここにくれば、メモか何かが挟まれているような期待をしていたのだ。
「そんな甲斐性ないか……」
 そう呟いては見るものの、なにか頭に引っかかりを覚える。
 彼が、わざわざミヤコワスレをカフェに持って行ってまで、私に渡そうと思った理由。彼の、多くを語らない性格。違う言い方をすれば照れ屋なだけ。
 なにかあると思って、もう一度そのページに目を落とした。
 そして、見つけた。
 とても薄い鉛筆で下に線が引かれた、一文を。

『ミヤコワスレ花言葉』
 ――望郷、しばしの別れ

 それが意味するところは、すぐには頭に入り込んでこなかった。
 でも次の瞬間、銃で打ち込まれでもしたように、唐突に流れ込んできた。
 胸の中に、熱いものが溢れかえる。
 声は出なかった。
 代りに涙が溢れた。
 いくども、いくども。感情が溢れてゆく。
 ――その先できっと、また会えるよね……
 そう心の中で聞いた答えが、ここにあった。流れる涙が、私の感情をどんどんと精製していって、ひとつのものへと作り上げてゆく。
「ありがとう――」
 今度は自然に声が出た。

 ――大好きだよ

 ぼやけた視界の隅に、裏返した封筒に書かれた名前が映った。
 私は、それを口の中で呟いた。




 完
grass horse a.TkuxTCe.
ackyto001236.adsl.ppp.infoweb.ne.jp

2011年08月06日(土)21時47分 公開
■この作品の著作権はgrass horseさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めましての方は、初めまして。
お久しぶりの方は、お久しぶりです。
grass horseと申します。
これで短編の間には二作目の投稿となりますが、前作の改稿版となります。
前作に感想をくださった十四名の皆様、本当にありがとうございました! たくさんの助言をいただき、このように改稿して表に出すことが可能となりました。
感想で偉そうなことを言っているけれど、これが自分の現在の実力だぜ! と自信を持って宣言致します。現在持てる最高の技術を詰め込みました。
まだまだ拙い文章ではありますが、なにか読んだ人へ届けられるような、そんな作品を目指しています。

目を通していただければ、幸いです。

2011/8/7 ひながたはずみ様、入江ミト様のご指摘を受け、一部修正いたしました。

2011/8/7 二十兎 流助様、mi-co様、多加枝鋏見様のご指摘を受け、誤字の訂正ほか、小さな加筆を行いました。

2011/8/23 鍵入り様のご指摘を受け、誤字の訂正を行いました。

※感想/ご指摘を頂いたみなさま。本当にありがとうございました!!


この作品の感想をお寄せください。

2011年09月23日(金)13時37分 grass horse  作者レス ackyto002014.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ハイさま。

>再訪しました。ハイです。
>しばらく見ないうちにすごい人数と点数ですねw
>あ、ちょっとだけ弁明みたいなものと言うか、補足をしておきます。

再訪ありがとうございます!!
この人数。
自分でもなにが起こっているのかよくわかりません……。
ただただ感謝するばかりです。

>なぜ、改稿前よりも点数が低くなったのかというと、まず単純に私は一度読んだ作品はあんまり面白く感じないからと言うのが一つ。

ふむふむ。
それは良く分かります。
余程の作品でないと、二回目に読んで面白いと思うことはないですよね。

>それともう一つは、冒頭で叫んでないからかな、と。
>前回の感想とは矛盾してしまいますが、今回のは全体に整っている反面、冒頭で叫んでないから起伏が単調になって、いわゆる引き込みが弱くなっている……そういう側面もあるのでは? 

なるほど!!
たしかにそうですね。
冒頭の引込み感……、一に散々指摘しておきながら、よく自分のを見てみればナイに等しいです。
強いて言うなら、この空気を好ましいと感じたひとだけが入ってこれるような……つまりストーリー面での引きがないですね。
完全に意識が飛んでいた部分でした……。
ご指摘ありがとうございます。

>と自分なりに点数を下げてしまった理由を分析します。まあ、単純にライトなノリの方が好きなんでしょうね。私が。
>……と言いつつ、乙一の「失われる物語」とかも好きですけどw

人間はいつでの矛盾した気持ちを抱えているものなのですよ……。

>ということで、一応説明責任は果たしたかな?

ありがとうございます!!
これだけ多くの方に感想をいただいても、気づくことは限り無く合ってすごく勉強になります。
次回以降全てを反映させていくことはさすがに無理だとは思いますが、一歩ずつ克服していけたらと思います。

ちなみに、ハイさまの作者レスをみて、やっぱり自分の作家としての意識はまだまだ低いなぁと痛感しました。
もっとひとつの作品にこだわりを押し込めるようになりたいです。

>それではこのへんで失礼します。では。

改めまして、再訪本当にありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!
ハイさまも頑張ってください!!


pass
2011年09月23日(金)07時09分 ハイ  +10点 softbank126107009054.bbtec.net
再訪しました。ハイです。
しばらく見ないうちにすごい人数と点数ですねw
あ、ちょっとだけ弁明みたいなものと言うか、補足をしておきます。

なぜ、改稿前よりも点数が低くなったのかというと、まず単純に私は一度読んだ作品はあんまり面白く感じないからと言うのが一つ。
それともう一つは、冒頭で叫んでないからかな、と。
前回の感想とは矛盾してしまいますが、今回のは全体に整っている反面、冒頭で叫んでないから起伏が単調になって、いわゆる引き込みが弱くなっている……そういう側面もあるのでは? と自分なりに点数を下げてしまった理由を分析します。まあ、単純にライトなノリの方が好きなんでしょうね。私が。
……と言いつつ、乙一の「失われる物語」とかも好きですけどw

ということで、一応説明責任は果たしたかな?
それではこのへんで失礼します。では。
6

pass
2011年09月19日(月)13時44分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto002014.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ほしみさま。

>先日はご感想いただきありがとうございました。実は、私もこちらは拝読いたしておりましたが、感想がかけないでおりました。

こちらこそ、大変勉強させていただきました。
昔から、皆様の作品に感想を残すたびに、書いているときの意識の高さに驚いていましたが、ほしみさまの作品と感想を読んで、改めて自分との差を思い知りました。
ほとんど雰囲気といった漠然としたもので作品を書いてしまうもので、ぜひ見習っていきたいと思います。

>今回も、やはり点数をつけるという行為がしがたく、点数評価なしといたしましたが、これは、作品がダメで評価に値しないということではなく、私自身が評価者として点数をつけるに値しない気がする、ということで、起因は私のほうにあります。ご了承くださいませ。

了解いたしました。
たしかに、点数をつけるというのは難しいですよね。
自分自身、確かにある程度の基準はあるのですが、実際本当に客観的な点数をつけられているのかと言われれば、自信がない状態です。

>さて。
>これから、思うことを書かせていただきますが、的確なアドバイスなのかはわかりません。でも、私としては正しいと思うことを書きますので、ご参考までにどうぞ。

自分にしては正しいと思うこと、というものがまだ自分にはないので、大変参考になります。
ありがとうございます。

>一人称で書く場合、主人公がどの「時間」にいて語っているのか、というのは重要なことですよね。
>このお話は短編ながらも、かなり多くの「時間」を持っていますね。
>三年前の出来事を、思い出しながら語るのと、その三年前の自分がリアルタイムに語るのとでは文章が違ってくるとかは、改めて私にいわれなくてもおわかりかと存じます。

お分かりではありませんでした……。
ほとんど意識せずに書いていました。今回。
ほかの方から頂いた「時系列が分かりにくい」というご指摘には、そういった意味も含まれているのかもしれません。
いままで考えたこともない部分でした。

>また、回想することによって、主人公に変化があるのか(思い出しているという形の回想)、それとも、単に状況説明のためで主人公には影響を与えないのか(物語の都合による過去シーンの挿入)なのかでも、過去シーンのもつ意味合いが違ってきますよね。
>この過去のシーン入れることによって、何をしたいのか。
>「いつ」の主人公がどういう風に語りその主人公に影響を与えたいのか、与える必要は無いのか。
>そんなことを意識しつつ書くと、もっとよいものになるのではないかしら? と思いました。

まるで意識していなかった部分で、こういったところを締めているかどうかで、物語の完成度が変わってくるのだろうな、と思いました。
たくさんの感想をいただいて、目の前に課題が山積みな状態ではありますが、一つ一つ乗り越えていく課題の一つに、しっかりと加えさせていただきます。

>では。とてもよい物語に出会ったと、心地よく拝読いたしております。

ありがとうございます。
心地よく読んでいただいたのであれば、こんなにうれしいことはありません。

>よろしくお願いいたします。それでは、一個人の一感想まで。

大変参考になる感想をありがとうございました!
これまで二十六人の方に感想をいただきましたが、そのたびに新たな気付きがあり、自分の至らない部分がしっかりと見えてきています。

では、ほしみさまもこれからもがんばってください!


pass
2011年09月18日(日)09時16分 ほしみ  ntchba017022.chba.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp
先日はご感想いただきありがとうございました。実は、私もこちらは拝読いたしておりましたが、感想がかけないでおりました。
今回も、やはり点数をつけるという行為がしがたく、点数評価なしといたしましたが、これは、作品がダメで評価に値しないということではなく、私自身が評価者として点数をつけるに値しない気がする、ということで、起因は私のほうにあります。ご了承くださいませ。

さて。
これから、思うことを書かせていただきますが、的確なアドバイスなのかはわかりません。でも、私としては正しいと思うことを書きますので、ご参考までにどうぞ。


一人称で書く場合、主人公がどの「時間」にいて語っているのか、というのは重要なことですよね。
このお話は短編ながらも、かなり多くの「時間」を持っていますね。
三年前の出来事を、思い出しながら語るのと、その三年前の自分がリアルタイムに語るのとでは文章が違ってくるとかは、改めて私にいわれなくてもおわかりかと存じます。

また、回想することによって、主人公に変化があるのか(思い出しているという形の回想)、それとも、単に状況説明のためで主人公には影響を与えないのか(物語の都合による過去シーンの挿入)なのかでも、過去シーンのもつ意味合いが違ってきますよね。

この過去のシーン入れることによって、何をしたいのか。
「いつ」の主人公がどういう風に語りその主人公に影響を与えたいのか、与える必要は無いのか。

そんなことを意識しつつ書くと、もっとよいものになるのではないかしら? と思いました。

では。とてもよい物語に出会ったと、心地よく拝読いたしております。
よろしくお願いいたします。それでは、一個人の一感想まで。
7

pass
2011年09月15日(木)17時10分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001051.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ゆーぢ様。

>おはこんばんちは。ゆーぢが感想に伺いました。

こんにちは……?
訪問ありがとうございます。先日は企画で失礼致しました。

>全体を通して読んで、最初から最後まで一貫して思ったことは文章がとんでもなくさらりするりと上手いなあってことです。
>美味しくてのど越しが良いので三輪そうめんといった感じです。

ありがとうございます。
ものに例えられたのは初めてなので、なんだか嬉しいです。
書き直しにあたりいろいろと(本当に文章のみにこだわって)書きなおしたこともあったので、それが多少は活きたのかなと思っています。

>さて、内容についての感想ですが、二十歳前後の、子供から大人へのちょうど過渡期を扱った作品でしたね。

そうですね。
丁度、自分がこれから迎えるであろう時期です。
それに先立ち、書かせて頂きました。

>序盤、前半でその葛藤がまさに的確なせりふで語られています。
>人間、なかなか一人で自立の道を歩むことはできなくて、何らかの後押しみたいなものを心から欲しているように思いますが、一人で大人になれるかなれないか、なったとしても一人で歩けるか歩けないかのギリギリのバランスを保っているところが、とてもよく表現されていると思いました。

もったいないほどのお言葉をありがとうございます。
想像はしていても、実際に経験していない自分が書く、ということで、実際にどこまでちゃんと表現できるのか、心配しておりました。
なんとかなったようで、よかったです。

>全体的にセリフやアクションが少ないこの作品ですが、チートにも思える描写筆致の確かさによって、先を読む勢いが全く衰えなかったのは脱帽としか言えません。

途中で読むのが滞らなかったのであれば、幸いです。
最後まで退屈させずに読ませる、ということは大きな目標の一つでしたので、ここは遠慮せずにちいさなガッツポーズを決めさせていただきたいと思います。

>この作品で何かしらの難点を挙げるなら、仕事探しということで主人公と彼は出会って、その結果、主人公はなんとか社会人としての自己実現を歩みだし
彼はバイトのチラシをたくさん抱えていた割には、よくわからない漂泊的な素性のままでいたわけで、その謎が魅力になっているのは確かですけど、何か一つくらい、具体的な仕事や社会活動などを通じて、主人公と彼の間に強固な共通の思い出なり、アイテムなりを出し、共有させてなんらかの絆のあかしとする、ということがあってもいいのではないかなと思いました。

確かに、二人の絆が見えにくかったのは、そうかも知れません。
これらは、おそらく二人の過ごした数カ月間の中に含まれているもので、これを物語の中で描けなかった、自分の大きな失敗と言えます。
いえ、失敗どころか、そもそも自分はそういった部分を最初から書くつもりはなかったので、みなさまから感想をいただき、書かなければいけなかったことを悟った次第ではありますが。
アイテムとしてある「ミヤコワスレ」や「コーヒー」も、つとむュー様にも指摘されたとおり、まだまだ使い方が甘く、鍵となる小道具垂れていませんでした。

>その想いは花や珈琲に託されたわけですが、キーアイテムとしての「仕事」や「バイトのチラシ」があまり働いていなかったのが、個人的には残念だったところです。

その他、ご指摘を受けたとおり、「小道具の使い方」がまだまだ甘いということを思い知りました。

>ただ、それを抜きにしてもこの柔らかく優しい文章で十分に楽しめてしまったので何とも難しいところですね。

以上の要素をしっかりとカバーしていれば、更に面白い作品が作れたのかと思うと、やはり自分はまだまだなのだと再認識させられます。
しかし、文書を楽しんでいただけたとのことで、それだけでも、現在の自分にとっては、前回からの大きな進歩として受け取れるものであるかと思います。

>感想は以上になりますが、指摘できるようなこともなく中身のないものになってしまいました。
>お役に立てず申し訳ありません。

とんでもありません。
大変参考になることばかりでした。
今回たくさん頂いた感想により、自分は次に進むべき方向性を、少し認識できたような気がしています。

>以上、ゆーぢからでした。素敵な作品をありがとうございました。

こちらこそ、感想を本当にありがとうございました!
いろいろと大変でしょうが、ゆーぢ様もがんばってください!

pass
2011年09月15日(木)07時06分 ゆーぢ  +30点 FL1-119-238-108-78.aic.mesh.ad.jp
おはこんばんちは。ゆーぢが感想に伺いました。

全体を通して読んで、最初から最後まで一貫して思ったことは
文章がとんでもなくさらりするりと上手いなあってことです。
美味しくてのど越しが良いので三輪そうめんといった感じです。

さて、内容についての感想ですが、二十歳前後の、子供から大人への
ちょうど過渡期を扱った作品でしたね。
序盤、前半でその葛藤がまさに的確なせりふで語られています。
人間、なかなか一人で自立の道を歩むことはできなくて、
何らかの後押しみたいなものを心から欲しているように思いますが
一人で大人になれるかなれないか、なったとしても一人で歩けるか歩けないかの
ギリギリのバランスを保っているところが、とてもよく表現されていると思いました。

全体的にセリフやアクションが少ないこの作品ですが、
チートにも思える描写筆致の確かさによって
先を読む勢いが全く衰えなかったのは脱帽としか言えません。

この作品で何かしらの難点を挙げるなら、
仕事探しということで主人公と彼は出会って
その結果、主人公はなんとか社会人としての自己実現を歩みだし
彼はバイトのチラシをたくさん抱えていた割には
よくわからない漂泊的な素性のままでいたわけで、
その謎が魅力になっているのは確かですけど
何か一つくらい、具体的な仕事や社会活動などを通じて
主人公と彼の間に強固な共通の思い出なり
アイテムなりを出し、共有させてなんらかの
絆のあかしとする、ということがあってもいいのではないかなと思いました。
その想いは花や珈琲に託されたわけですが、
キーアイテムとしての「仕事」や「バイトのチラシ」が
あまり働いていなかったのが、個人的には残念だったところです。

ただ、それを抜きにしてもこの柔らかく優しい文章で
十分に楽しめてしまったので何とも難しいところですね。

感想は以上になりますが、指摘できるようなこともなく
中身のないものになってしまいました。
お役に立てず申し訳ありません。

以上、ゆーぢからでした。素敵な作品をありがとうございました。
7

pass
2011年09月13日(火)21時01分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001051.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
つとむュー様。

>夏祭りでは拙作『エコ魔少女が見たあの日』に感想をいただき、ありがとうございます。
作品を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

こちらこそ、その節は大変勉強させていただきました。
感想を残していただき、本当にありがとうございます!

>まず、この作品はライトノベルというよりは文学作品に近いのではと感じました。
>奇抜な展開等はありませんでしたが、叙情的に物語が進行していくのは好印象でした。
>ただ、それならば、もっと文学的な表現を増やした方がいいのではないかと感じました。

実際どちらを意識して書き始めたわけではなかったのですが……確かに中途半端な気もします。
目指しているところというと、有川氏のような軽い一般文芸のようなところ(自分としてはライトノベルと一般文芸の境目のようなイメージです)です。
しかし、いざ振り返ってみると……たしかに微妙でした。

>例えば、次のシーン。
>(中略)これはあまりにも直接的な表現に感じます。
>なにかもっと、この作品に合った描写があるのではないかと思いました。(後略)

確かに……。
これは、いくらなんでも手抜きですね。
いえ、手を抜いたつもりはなかったのですが、苦手分野なのかもしれません。
素晴らしい例をありがとうございます。
これから、勉強していきたいと思います。

>その他にも、「ミヤコワスレ」や「雨」といった素敵なアイテムを核として用いていますので、その他の場所でもそれらを使って色彩豊かな表現を増やしてみると、この作品はさらに良くなるのではないかと思います。

やはり、まだ小道具の使い方が甘いですね。
まだといっても、それほど書いてきたわけではありませんが、表現の幅を増やす方法としての小道具。
覚えておきます。

>あと、せっかくコーヒーを使っているのに、その香りに触れられていないのは個人的にはなにかもったいないように感じました。
>コーヒーの香りが上手く使えれば、この作品はもっと芳しい作品になるのではないかと、勝手に思っています。

そういえば、触れていなかったような……。
実際自分はコーヒーを飲めない人間ですので(淹れるのも香りも好きですが)、半分想像で描いた部分はあるのですが、しかし、それでも分かる「香り」を逃していたのは、明らかな手落ちですね。
いえ、手落ちというか、自分では気づかない部分なのかもしれません。
一番いろんな人が共感できるものを、描写の中に入れ込む、ということをもう少し吟味してみたいと思います。

>ここからは僕の妄想で恐縮ですが、(中略)そんな風にいろいろとストーリーにアクセントが付くような気もします。

いいですね〜。
一度自分の中では終わっていた話でしたが、どんどんとアイデアが膨らんできました。
これも、小道具を活かすという分野の一つなのかもしれません。
そこから、こんなにもストーリーが広がるとは思ってもみませんでした。

>細かい点としては、
>【0】が【1】よりも後の出来事だというのが分かりづらかったです。
>これは、もう少し工夫が欲しいところだと思いました。

【1】の冒頭に、数年前、のような一文を入れておいたほうがよかったのかもしれません。
それとも、もはや【?】の横にタイトルのような形で、「〜年前」のような文字を入れるとか……。
時系列の問題は、もはや指摘されまくっている部分で、自分としてはいくら反省しても足りないくらいです。
いろいろな工夫を考えていきたいと思います。

>ということで、大変申し訳ありませんが今後の期待を込めて低めの点にさせていただきました。

ありがたく頂戴いたします。
こんな不肖ものに期待を寄せていただき、本当にありがとうございます。

>この作品は、読者に「ああ、コーヒーが飲みたいな」と思わせたら勝ちだと思います(僕は飲みたくなりました)。

ということは、少なくともつとむュー様には勝ったのでしょうか……?

>さらに「大切な人と一緒にコーヒーが飲みたいな」と思わせたら大成功でしょう。
>そういう作品になるまで、あと一歩なんじゃないかと感じました。

そうですね。
そのように思わせられる作品を作ることは、一つの目標です。
その「一歩」にどれほどの時間がかかるか想像もつきませんが、それでも、それを踏み出すために精一杯頑張ってゆこうと思います。

>拙い感想で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

自分では全く思いもよらなかった部分のご指摘が多く、大変勉強になりました。
本当にありがとうございます!
つとむュー様も、頑張ってください!



pass
2011年09月13日(火)00時14分 つとむュー  +10点 l206182.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp
夏祭りでは拙作『エコ魔少女が見たあの日』に感想をいただき、ありがとうございます。
作品を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

まず、この作品はライトノベルというよりは文学作品に近いのではと感じました。
奇抜な展開等はありませんでしたが、叙情的に物語が進行していくのは好印象でした。
ただ、それならば、もっと文学的な表現を増やした方がいいのではないかと感じました。

例えば、次のシーン。

> 頭の中に、その言葉が入ってくる。
> 心に触れる。

これはあまりにも直接的な表現に感じます。
なにかもっと、この作品に合った描写があるのではないかと思いました。
例えば、せっかくコーヒーを重要なアイテムとして使っているのだから、それを用いて心情表現をしてみるという手も一つではないかと思います。
拙い例で恐縮ですが、
 目の前のミルクコーヒーがその言葉に反応して小さく波立った。
 それはさざ波となって私の心に押し寄せ、
「違うから!」
 思わず反論していた。
という感じにアレンジする手もあるかもしれません。

その他にも、「ミヤコワスレ」や「雨」といった素敵なアイテムを核として用いていますので、その他の場所でもそれらを使って色彩豊かな表現を増やしてみると、この作品はさらに良くなるのではないかと思います。

あと、せっかくコーヒーを使っているのに、その香りに触れられていないのは個人的にはなにかもったいないように感じました。
コーヒーの香りが上手く使えれば、この作品はもっと芳しい作品になるのではないかと、勝手に思っています。
ここからは僕の妄想で恐縮ですが、
彼がブラックが好きなのは香りを楽しみたいから、とか、
彼の好きなコーヒーの銘柄を、主人公が香りを頼りに探し回るエピソードとか、
彼の飲むコーヒーがすごくいい香りがするのは、彼の服の香りと合わさっていたからとか、
そのことに初めて気付くのは、最後に彼から手紙をもらったのがきっかけだったとか、
その香りをかぐと、彼との日々を思い出すとか……
そんな風にいろいろとストーリーにアクセントが付くような気もします。


細かい点としては、
【0】が【1】よりも後の出来事だというのが分かりづらかったです。
これは、もう少し工夫が欲しいところだと思いました。

ということで、大変申し訳ありませんが今後の期待を込めて低めの点にさせていただきました。
この作品は、読者に「ああ、コーヒーが飲みたいな」と思わせたら勝ちだと思います(僕は飲みたくなりました)。
さらに「大切な人と一緒にコーヒーが飲みたいな」と思わせたら大成功でしょう。
そういう作品になるまで、あと一歩なんじゃないかと感じました。

拙い感想で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
7

pass
2011年08月23日(火)21時24分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001236.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
兵藤晴佳さま。

>感想返しに参りました。兵藤です。

遠いところまで、本当に有難うございます。
その節は、大変勉強させて頂きました。

>大人の恋ですね。

実際おとなの恋どころかまともな恋すらしたことのない作者ではありますが、恋に恋する身としてがんばって書かせて頂きました。
そう言っていただけたのであれば、少しは成功したのでしょうか。

>センチメンタルな主人公がちょっと幼く感じられますが、それもまた可愛らしい。「彼」がちょっと理想化されすぎていますが、「やってきて、行ってしまう」だけの人なので、まあそれは許せるかなという気がします。

許せる範囲だったということで、よかったです。
「彼」の理想化については、作者の頭の中の問題かもしれません。
自分の頭の中では「彼」は完璧だったので……、現実は甘くありませんね。

>淡々と時間が流れていく話なので、活劇やコメディを求める人には、結構きつい話かとも思います。しかし、無為に流れていくのが日常というものなのですから、その気だるさは充分に表現されていたと思います。

たしかにきついと思います。いえ、自分にとってもきついかな……?
やはり、結局こいつらはなにをしたんだ? と言われると詰まってしまいますから。
気だるさが表現されていた、と言う部分については意図して狙った部分ではないのですが、もしかしたら日頃時間を無駄にしていることに定評のある自分としては、意外な得意分野だったのかもしれません。
ただ、狙って書くとさらに堕落しそうな気もします……。

>「待つ」のも行動のうち。それはそれでいいのではないでしょうか。

実は前作ではあとを追わせたのです。
しかし、それじゃ花言葉と矛盾するじゃねぇか、とおもいっきり指摘されまして……。
それで、今回は待つラスト、となっています。
好意的に受け取っていただき、たいへん嬉しく思います。なんだか、改稿した部分が報われた気分です。

>欲を言うなら、生活感。
 
主人公の私生活に関しては、全くと言っていいほど描写がなく、もっと入れておけばよかったと反省しております。
それが原因で、物語の根本を支える設定や世界観などが見えにくくなっていたのかもしれません。先ほど言っていただけた「日常」の部分も薄れてしまいますし……。

>たとえば、なかなか就職が決まらなかったモラトリアム主人公がやっと腰をおちつけて住む部屋って、どんな部屋でしょう?

簡単なイメージとしては、ふる〜い民家です。土壁で障子っていう、まさに典型的な古い家。それを安く借りています。ちなみに二階の部屋が彼女の部屋です。
……って、ただのイメージですけども。

>たぶん、そんなに居心地のいい部屋ではないと思います。そんな部屋に彼がやってきたら、主人公はどんな気持ちになるか?

おそらく彼女は部屋に入れていないはずです。
玄関から入ってそのままベランダへとスルー。トイレとかにはいったと思いますけれども。そして、それ以外の場所に行ったのは夢のときのキッチンのみ。とりあえずそういう設定になっていました。
でも、そもそも部屋以前に家の問題ですね。
それに対する彼女の感情は、何一つ考えていませんでした。ご指摘ありがとうございます。言われなければ、一生気づかなかった分野だと思います。

>春の雨降る学生時代の下宿を思い出しながら、楽しませていただきました。ありがとうございました。

感想をいただき、本当にありがとうございました。
いろいろと新しく気づくことがあって、物語というものは奥ぶかいんだなぁ、と改めて思いました。
楽しんでいただけたのであれば、大変嬉しいです。
本当に有難うございました!!



pass
2011年08月23日(火)20時37分 兵藤晴佳  +30点 CMU1-118-111-245-137.aic.mesh.ad.jp
感想返しに参りました。兵藤です。

 大人の恋ですね。センチメンタルな主人公がちょっと幼く感じられますが、それもまた可愛らしい。「彼」がちょっと理想化されすぎていますが、「やってきて、行ってしまう」だけの人なので、まあそれは許せるかなという気がします。

 淡々と時間が流れていく話なので、活劇やコメディを求める人には、結構きつい話かとも思います。しかし、無為に流れていくのが日常というものなのですから、その気だるさは充分に表現されていたと思います。
 「待つ」のも行動のうち。それはそれでいいのではないでしょうか。

 欲を言うなら、生活感。
 たとえば、なかなか就職が決まらなかったモラトリアム主人公がやっと腰をおちつけて住む部屋って、どんな部屋でしょう?
 たぶん、そんなに居心地のいい部屋ではないと思います。そんな部屋に彼がやってきたら、主人公はどんな気持ちになるか?
 あまりリアルに書いてしまうと、ファンタジックな「彼」もリアルに描かざるを得なくなるので、ほんの少しだけ。

 春の雨降る学生時代の下宿を思い出しながら、楽しませていただきました。ありがとうございました。

 
8

pass
2011年08月18日(木)21時39分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001236.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
★野さま。

>どうも、あまりにも遅すぎるムシケラで定評のあるわたくしです。すいませんが★野です。拝読させてもらったので、感想を残させていただきます。

お久しぶりです!!
長らくお目にかかっておりませんでしたね。
感想を残していただけるような状態になれたことに、勝手に感激しています。おい、もっと頑張れよ……と言われそうですが。
すみません。

>面白かったですね。前作を踏襲(?)した形になるのでしょうか。

はい、そうですね。
登場人物と、キーワード、大まかなストーリーだけ残して、大幅に改稿は致しましたが、その根本にあるものは変わらないです。

>職業浪人さんと彼。何だか読んでいて有川 浩さんの作品『植物図鑑』を思い浮かべました。

いつぞやお話ししましたが、前作は植物図鑑を参考にして書いています。
その上で、より自分自身の作品へと近づけ(れていたらいいですが)たのが、この作品のつもりです。
花言葉を使うというアイデアは、やはりそこからのものですし、急に現れる正体不明の彼というのも、そうです。
ただ、有川さんのほうでは、その正体が開かされているのに対して、今回は明かされていないのですが。

>柔らかく、和やかな雰囲気とゆっくり進んでいく時間。いやはや、ほわほわしますね。読んでいて。こういった作品自体好きですけど、『じゃあ★野も書いてよ』って言われると、全力で土下座したくなるくらい書けない私にはとても羨ましいです、はい。

人には向き不向きがありますよ。
自分には到底★野さんのような作品は書けませんから。
でも、書ける小説の種類のバリエーションは増やしたいですよね。その方向一線で行くというのもいいとは思うのですが、いろいろと書けた方が楽しいですから。

>ただ、んー何と言うのでしょう、これを聞くのはヤブなのですが、私としてはやっぱり彼の存在がどうにも引っかかります。ご都合主義の主人公自体は問題なのですが、そうなるともう少し物語りに厚みを含んでほしかったです。

今回、彼の存在に引っかかれた方が大変多かったようで、自分はまだまだだなぁと思っております。
余韻を残すとか、そん浅はかな考えで書かなかった部分ではありますが、「いや、書けよ」という……。
物語に厚みがない。
これは、物語自体がほとんどアクションもなく、出会って別れた。みたいなところからきているのだと思います。やはり、物語として完成させるためのパーツがまだまだかけているのかな、と反省しています。

>それと時間軸。一方通行に進んでいるのですが、それがぶつ切り状態であり、若干『ここで時間として斬る意味はあるのかしら』と思いました。まあ、それは一章、二章と区切るようなものなのですが、私はあまり小説を区切りにして書いている性質ではないので、どうにも違和感を覚えました。
>もう少しスムーズに、あるいは自然体で時間の切り替わりというモノを描ければ、なお良いと思います。

時間軸に関しても、今回の大きな反省点の一つです。
本当にいろいろな方にご指摘を受けました。前回の反省点でもあるのに、また指摘されるという……自分の中でも凄く意識しなければいけない部分なのだと痛感しています。
実際、雰囲気だけで過去に戻してしまったりした部分があると自覚しています。いえ、後で自覚したのですけれでも。
次回以降はこんなことがないようにしていきたいです。

>さて、では短いながらこのへんで。次回作は、是非とも新作をお読みしたいものです^^頑張ってください。

そうですね。
ぜひ、新しい作品が投降できたらと思います。
何時になるかは分かりませんが、それまで厳しい目で見守っていただけると幸いです。
改めまして、感想をいただき本当にありがとうございました!!
★野さんも、これからもがんばってください!

pass
2011年08月18日(木)21時26分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001236.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ざく様。

>はじめまして、ざくと申します。

初めまして、grass horseと申します。以後よろしくお願いいたします。

>拝読しましたので感想を残させていただきます。

読んでいただいたばかりか、感想まで残していただき、本当にありがとうございます!!

>しっとりとした雰囲気で進んでいく物語。
>ミヤコワスレやコーヒーが物語にうまく絡まっていていい味も出ています。

>現状での作品自体は完成されていて、特に直すことはありません。凄いです。

もったいないお言葉、ありがとうございます。
そういった小道具を使うことが苦手だったこともあり、そういっていただけると、嬉しいです。
ちょっとしたアイデアから出たものですけれども。

>ただ、なぜか物足りなさも感じます。
>物語自体が淡々として起伏がわかり辛かったからかもしれません。

時系列が混乱しかけていたこともあり、起承転結が整理されていなかったのかもしれません。
それ以前に、物語のクライマックスに関する意識がまだまだ足りなかったようで、今後に活かしていこうと思います。

>何かできることがあるとすれば、『男性視点』でどう見えていたかを盛り込むぐらいでしょうか。でもそれをすると違った問題が出そうな気がするので作者様のご判断ですね。

いれるかどうかで迷った部分でした。
いれたら、確実に物語の謎は解決される……はずです。
はい。
しかし、それを書ききる自信がなかったこと、そして物語として余韻のないただ長いだけの物語になるのではないか、そういった考えから書いていませんでした。
とはいえ、それについては挑戦するべきだったのかもしれません。

>とにもかくにも「いいものを読んだなぁ」という気分でした。

そう感じていただけたのであれば、幸いです。
まだまだ未熟ではありますが、これからも精進していく所存でございます。

>これからもがんばってください。

改めまして、感想を本当にありがとうございました!!
以後の参考にさせていただきます。
ざく様もこれからもがんばってください!

pass
2011年08月18日(木)10時48分 ★野 RTk.ch61hE +20点 p47077-adsau12honb6-acca.tokyo.ocn.ne.jp
どうも、あまりにも遅すぎるムシケラで定評のあるわたくしです。すいませんが★野です。拝読させてもらったので、感想を残させていただきます。

面白かったですね。前作を踏襲(?)した形になるのでしょうか。
職業浪人さんと彼。何だか読んでいて有川 浩さんの作品『植物図鑑』を思い浮かべました。柔らかく、和やかな雰囲気とゆっくり進んでいく時間。いやはや、ほわほわしますね。読んでいて。こういった作品自体好きですけど、『じゃあ★野も書いてよ』って言われると、全力で土下座したくなるくらい書けない私にはとても羨ましいです、はい。

ただ、んー何と言うのでしょう、これを聞くのはヤブなのですが、私としてはやっぱり彼の存在がどうにも引っかかります。ご都合主義の主人公自体は問題なのですが、そうなるともう少し物語りに厚みを含んでほしかったです。

それと時間軸。一方通行に進んでいるのですが、それがぶつ切り状態であり、若干『ここで時間として斬る意味はあるのかしら』と思いました。まあ、それは一章、二章と区切るようなものなのですが、私はあまり小説を区切りにして書いている性質ではないので、どうにも違和感を覚えました。
もう少しスムーズに、あるいは自然体で時間の切り替わりというモノを描ければ、なお良いと思います。

さて、では短いながらこのへんで。次回作は、是非とも新作をお読みしたいものです^^頑張ってください。
7

pass
2011年08月10日(水)16時10分 ざく  +20点 110-133-32-23.rev.home.ne.jp
はじめまして、ざくと申します。
拝読しましたので感想を残させていただきます。

しっとりとした雰囲気で進んでいく物語。
ミヤコワスレやコーヒーが物語にうまく絡まっていていい味も出ています。

現状での作品自体は完成されていて、特に直すことはありません。凄いです。


ただ、なぜか物足りなさも感じます。
物語自体が淡々として起伏がわかり辛かったからかもしれません。
何かできることがあるとすれば、『男性視点』でどう見えていたかを盛り込むぐらいでしょうか。でもそれをすると違った問題が出そうな気がするので作者様のご判断ですね。


とにもかくにも「いいものを読んだなぁ」という気分でした。
これからもがんばってください。
15

pass
2011年08月09日(火)13時34分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
たまりしょうゆA1さま。

>先日は私の所に丁寧な感想を頂き大変ありがとうございました。
>成長する為の糧を頂いた気持ちで感謝しております。

その節は、こちらこそ大変勉強させて頂きました。

>さて、作品を拝見させて頂きました。
>コメントの数と熱量に「うっ! こ……これは気合を入れて読まなければ」と姿勢を正し読ませて頂きました。

こんな作品に目を通していただき、本当に有難うございます。
この感想の量は、作者自身またく予期していなかったもので、感謝する他にしようがありません。
みなさんのお名前を拝見するたびに、背筋が伸びてしまいます。

>私も感想めいた事を書かせて頂きます。

更に感想まで残していただき、本当に有難うございます!!
心して読ませて頂きます。

>まず、読後感がいいです。青春小説です。花言葉が綺麗でとても切ないです。

そう言っていただけると、本当に嬉しいです。

>特筆すべきは揺れ動く心理描写が優しい視点で描かれており好感が持てます。
>これは文芸作品の領域です。 

もったいないほどのお言葉をいただき、光栄です。
とはいえ、自分ではまだまだ課題を感じており、これからも精進していくつもりです。
好感が持てたとのこと。
ほっとしております。

>どうしてこういう具合に書けるでしょうか? どう捻っても自分には難しいです。
>おそらく心象風景をテキストとして書き出すそのあたりがセンスや力量なんでしょうね。

自分の中でのリズムとでもいいましょうか。
それが文章に表れてきた感じかな、と思っております。
つまり、自分は結構昔の不思議な少女漫画や、初期の松本零士などの不思議な雰囲気のする静かな漫画というものが好きだったりします。そういった雰囲気が今回自分の中で渦巻いており、それにのって文章を連ねると、このようになりました。
とはいえ、このやり方では、どうしても構成やストーリー、キャラクターに粗がでてしまうということを痛感し、これからは変えていこうかと思っています。

>自分では気持ちを口に出せない。だけどそれをミヤコワスレに託して伝える、という
>一連のやり取りが繊細で濃密です。助長かとも思える描写もありますが、脳に描き出される
>解像度が細かくなるという点でいいと思いました。

ありがとうございます。
そして、助長に感じる描写があったというところ。
まさに、先ほど書きました「自分のリズムに乗ってかいた文章」のなかで出てきてしまった悪い部分かな、と思います。
そういった点をどれだけなくして行けるか。
これからも意識していきたいです。

>あと、随所に描かれるコーヒーの描写がいいですね。
>コーヒーの香りは誰でも想像しやすいのでその世界とリンクするツールと感じました。

思わぬところを褒められ、驚いています。
しかし、たしかにそうですよね。
共感できないものをたとえ見たいもので入れても、なんら意味が無いですから。
新たな発見です。
ありがとうございます。

>余談ですが
>ミヤコワスレは大好きな花です。うちの庭にもあります。
>しかし、昔は紫しか無かったのですが
>いつのころからかピンク色のミヤコワスレが徐々に勢力を拡大し 
>切なく可憐な和風乙女から、今風のキャピッとした娘になってしまいました。
>いや、すみません作品とは関係ありませんのでw

実は、ミヤコワスレはこの作品を書いていて初めて出会いました。
そのため、実際にミヤコワスレを植えていられる方々とどうしても描写の齟齬が出てしまうのではないか、と思っていたのです。
そこに関しては、触れておられませんが、どうなのでしょう。
ちょっと気になったりもします。
それにしてもピンクもあったんですね……。奥深い花です。

>以上
>あまり参考にならなくてすみません。
>今後も頑張ってください!

大変参考になる感想を有難う御座いました!
まだまだ未熟ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
お互いに頑張ってゆきましょう!!


pass
2011年08月09日(火)12時31分 たまりしょうゆA1  +30点 gw800462.tocn.ne.jp
たまりしょうゆA1と申します。
先日は私の所に丁寧な感想を頂き大変ありがとうございました。
成長する為の糧を頂いた気持ちで感謝しております。

さて、作品を拝見させて頂きました。
コメントの数と熱量に「うっ! こ……これは気合を入れて読まなければ」と姿勢を正し読ませて頂きました。
私も感想めいた事を書かせて頂きます。

 まず、読後感がいいです。青春小説です。花言葉が綺麗でとても切ないです。
 特筆すべきは揺れ動く心理描写が優しい視点で描かれており好感が持てます。
 これは文芸作品の領域です。 
 どうしてこういう具合に書けるでしょうか? どう捻っても自分には難しいです。
 おそらく心象風景をテキストとして書き出すそのあたりがセンスや力量なんでしょうね。

 自分では気持ちを口に出せない。だけどそれをミヤコワスレに託して伝える、という
一連のやり取りが繊細で濃密です。助長かとも思える描写もありますが、脳に描き出される
解像度が細かくなるという点でいいと思いました。

 あと、随所に描かれるコーヒーの描写がいいですね。
コーヒーの香りは誰でも想像しやすいのでその世界とリンクするツールと感じました。

 余談ですが
 ミヤコワスレは大好きな花です。うちの庭にもあります。
 しかし、昔は紫しか無かったのですが
 いつのころからかピンク色のミヤコワスレが徐々に勢力を拡大し 
 切なく可憐な和風乙女から、今風のキャピッとした娘になってしまいました。
 いや、すみません作品とは関係ありませんのでw

以上
あまり参考にならなくてすみません。
今後も頑張ってください!


11

pass
2011年08月09日(火)00時12分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
あまくさ様。

>こんばんは。拝読しましたので、感想を書かせて頂きます。

こんばんは。
目を通していただいたばかりか、感想まで残していただき、本当にありがとうございます!!

>文章はきれいに整っていて、巧いと思いました(略)。

文章をほめていただき、ありがとうございます。
いろいろと問題だらけの作品の中で、唯一ましだったのかな、と思える部分でしたので、これがだめだといわれると、立ち直るのに半年かかります。はい、嘘です。
とはいえ、やっぱりうれしいですね。
どのようなところであれ、人に褒められるということは。

>一方やや難点なのかなと思ったのは、作品が弱いと言うのでしょうか、読後感は良いのですが、それでいて何となく印象に残る部分が乏しいような気はしました。

作者の頭の中で膨れ上がった、雰囲気で最後まで押し切ってしまったところに問題があったのだと思います。ほかの方々にもいろいろとご指摘を受け、いかに、自分が自分の文章のみに酔ってこの作品を書き上げたのかということが分かりました。
印象に残るところがない。まさに致命的です。
ラ研と称される場所に投稿しておきながら、これではいけませんね。

>以下、ストーリーの流れを追いながら見ていこうと思います。

細かいところを、ありがとうございます。

>まず【1】ですが、主人公が彼を好きになった理由がもう一つ分かりませんでした。何かそのへんのエピソードを増やした方がよいような気がします。

反省点の一つですね。
ほとんど明確なアクションがない、という。
まさに「雰囲気」だけでごり押ししてしまったところから、書くべきところが欠けていないという、事態に陥ったのだと思います。

>ただ個人的に、このストーリーはシリアスよりラブコメ風味の方がマッチするような気がしたのですが。

実は、前作。そして、これより以前の改稿の時点では、もう少しコメディータッチでした。
しかし、最終的にこの投稿へと至る間に、むしろ全体の雰囲気が落ち着きすぎて、平坦な方へと言ってしまったのかもしれません。
手を加えすぎるのも、悪い部分があるということを思い知りました。

>彼については(中略)要するに顔が見えないんです。

実際のところ、ほとんど彼に対する感情は描かれていても、描写はないんですよね。そこから、彼を魅力的ととらえた方もいらっしゃれば、全くの謎と受け取った方もいらっしゃるのだと思います。
最初の方にあまくさ様が指摘されていますが、実際に何もしていない、というところがそのような印象を抱かせる、原因の一つかと思います。改善ポイントですね。いえ、次回に向けての意識するポイントですか。

>主人公は彼が好きで好きでしかたなく(中略)とうとう属性を与えなかったんじゃないか。とさえ思ってしまいました。
 ↑ たぶん私の妄想です(汗)。スルーしてください。

なんだか、ちょっと自分の心の中を見透かされたような気持ちです。
実はあまくさ様の本職は、そっち系なのでは? と一瞬疑います。
さて、書き手が主人公に共感しすぎている、というところが、たくさんの感想をいただいたうえで、思ったことです。共感しすぎているために、逆に盲目になってしまったのだと。
そこから「好きという感情」が先行し「好きになる理由」の方が追い付いていなかっただなぁ、と改めて思いました。
本来は逆であるはずなのに、先に「私は彼が好き」である、という明確な感情のイメージが作者の中でできてしまったために、そのようなことになったのかと。
なんだか、自分で分析、って少しむなしいですね。

>涙の落ちる音ってするのかなと思いました。大したことではありませんが、ふとそう思ったので一応。

経験としてあるのですが、感情が高ぶっているときって、結構そんな音が聞こえるような気がします。
ということで感情が高ぶっているということを表現しようとしたところなのですが、そのような印象を抱かせてしまうのであれば、特に意味がないですね。検討ます。

>>「ありがとう――、これからもめげずに頑張る。聞いてくれて、ありがと」
>初対面の「謎の男」につい思いのたけをぶちまけてしまったという状況です。(中略)このへん、少し強引にフラグを立ててしまった印象です。

言われるとまさにそうですね。
いくらなんでも、強引のような気がします。
ちょっと言い訳話をしますと、実はここに至るまでの間に、ものすんごく長い心理描写がありました。
私、がいろいろな悩みから一歩を踏み出そうと思えるそんなところまでそれはもう長々とありまして、彼も結構多くしゃべっていました。
しかし、そこは「長すぎるだろう」ということで、カットしました。
それが、すべて裏目に出ていますね。
確かに、その通りです。

>>あの時も確か、こんな雨が降っていたと思い出した。ちょうど、三年前の今頃だ。
>作中の時間が細かく前後しており、やや戸惑いました。(中略)内容のつながりから時間のつながりもだいたいわかり、文章が自然なためあまり違和感を感じさせないからだと思います。

時間移動に関する負担感も、人それぞれあるようですね。
参考になります。
そして、冒頭の分に関しては、ちょっと強引に入れ込んだ感があり、反省のポイントです。もっと、自然に入れ込めたのではないかと。

>だったら夢にしないで、単に回想シーンでよいのでは。(後略)

彼女が最後の日へと向かうための場面だったのですが、言われてみるとそうですね。
夢にする必要ないじゃん。
ただ「私は、ふと数週間前の月曜日のことを思い出していた〜」くらいでそのまま回想へ飛べば……。
まだまだアイデアの吟味が足りませんでした。
何も考えずに夢として書いてしまった自分が憎いです。
そして、羽目を外すチャンス、といいいますか、そのほか、彼や私の性格。私の私生活。その他いろいろと見せることのできるチャンスだったのに、あっさりと逃してしまっていますね。
なにをやってんでしょう。
自分。

>「君と出会った町だから」でしょうか?

そうですね。
といより、この会話自体にそこまで意味はありませんでした。
強いて言うのであれば、「この町に留まる気はないか」という思いが無意識のうちにあふれ出したとでも言いましょうか。
「私が住む町」であり「彼と会える街」であり。

>ここは、とても気に入りました。

ありがとうございます。
気に入っていただけて光栄です。

>ただやはり、「花言葉」は使い古された感がなくもないのでは? 

ありまくりですね。
もっと違うツールに置き換えるということも考えました。
しかし、ここは勝手なこだわりと言いますか、どうしてもミヤコワスレが、そして花言葉が使いたかった、というのがあります。
話しの雰囲気として、花言葉から連想してイメージというものが多く含まれているからです。
最初に大まかなストーリー考え、そのうちの一つとしてしらべてみたミヤコワスレの花言葉から、どんどんとこの物語は広がっていきました。
その点。
この物語と花言葉は、あまり切り離せないものなのかな、と思います。
まぁ、もう大丈夫なのかもしれませんけれども。

>>それは良いとしても。だいたい彼、最初は花の名前も知らなかったじゃん、とも。

うっ……。
そこは、単なる彼の照れ隠し、というつもりでした。
つまり、彼は行かなければいけないことを随分と前に決め、花言葉を意識してわざわざミヤコワスレを買ってきた……というつもりだったのですが、随分と間が空いていますし、そもそも彼が旅立つ理由が不鮮明ですし。
仕込んだ伏線が全く活きていない。
悔しいです。

>一つには、磨きすぎて必要以上にアクが落ちてしまったのかもしれません。

それは、感想を読ませていただきながら、自作を思い返し、納得しました。
手を入れすぎて、まさに「雰囲気だけのもの」になっていったのだと思います。

>もう一つ。内容面ですが、結局この二人何をやったんだ? という疑問が無きにしも非ず。

それを言われると……、「出会って別れました」としかお答えできないのが、なんとも悔しいです。もっとあんなことも、こんなことも! と言いたくても、書いてないですしね。

>先に書いた事と少し重なりますが、主人公は彼が好きで好きで、悪く言えば恋にのぼせあがっている感じです。
>たとえば。
>《でれでれ、その1》
>《でれでれ、その2》
>凄いと言いたくなるほど巧い描写ですが、彼の魅力がどこにあり、どこに主人公が惹かれたのか。それをエピソードとして描くべきなのではないかと。そういう部分が乏しいため、彼は魅力的らしいという雰囲気だけ残るものの、そのわりに印象が薄いのではないかと思いました。

ご指摘、ありがとうございます。
エピソードを書く。
そのような部分が、この作品には大きく欠如していたようです。

>それでは。執筆お疲れ様でした。

改めまして、懇切丁寧な感想。
本当にありがとうございました!!
まだまだ未熟ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。
お互いに頑張ってゆきましょう!

pass
2011年08月08日(月)23時19分 あまくさ p0gWDiCn8k +20点 FL1-111-168-40-191.kng.mesh.ad.jp
こんばんは。拝読しましたので、感想を書かせて頂きます。

 文章はきれいに整っていて、巧いと思いました。単に巧みなだけではなく、息づかいのようなものが感じられて良かったと思います。また、緻密な心理描写、作品全体をつつむ静謐な雰囲気。それらが本作の美点なのだろうと思います。

 一方やや難点なのかなと思ったのは、作品が弱いと言うのでしょうか、読後感は良いのですが、それでいて何となく印象に残る部分が乏しいような気はしました。

 以下、ストーリーの流れを追いながら見ていこうと思います。

 まず【1】ですが、主人公が彼を好きになった理由がもう一つ分かりませんでした。何かそのへんのエピソードを増やした方がよいような気がします。
 彼が主人公に惹かれた(らしい)理由の方は、何となく分かるんです。こちらも作中で明示はされていないのですが、他の方の指摘にもあるように不採用通知を破っている彼女の姿を見て何か感じるものがあったのだろうなと。
 余談ですが、私の場合そのあたりの主人公の表情が、豊かで可笑しみのある「百面相」になっているシーンを想像してしまいましたw それだとラブコメになってしまい、本作の雰囲気にはそぐわないかもしれませんね。ただ個人的に、このストーリーはシリアスよりラブコメ風味の方がマッチするような気がしたのですが。
 まあ、彼よりも主人公の方がややキャラが立っているのではないかと。
 彼については、謎の人物だけれど魅力的という感想が多いようですが、私にとっては単に「謎の人」でした。ただ、何となく「影絵」を見ているような奇妙な印象はあったのですが。要するに顔が見えないんです。
 それと、彼に惚れこんでしまっている女性の視点から描かれているため当然ではありますが、ちょっと「理想化」されすぎているようにも感じました。
 主人公は彼が好きで好きでしかたなく、さらに書き手までもがやや同じ気持ちを共有してしまっているような。彼が「謎の人物」である本当の理由は、どんな属性を与えても満足できないため、とうとう属性を与えなかったんじゃないか。とさえ思ってしまいました。
 ↑ たぶん私の妄想です(汗)。スルーしてください。

>ぽとり、と雨漏れのような音がして、それがテーブルに落ちた自分の涙が立てた音だと気付いた。

 涙の落ちる音ってするのかなと思いました。大したことではありませんが、ふとそう思ったので一応。

>「ありがとう――、これからもめげずに頑張る。聞いてくれて、ありがと」

 初対面の「謎の男」につい思いのたけをぶちまけてしまったという状況です。かなり不安定な心理状況になっていると思われるこの時点で。コーヒー云々のワンクッションがあるとは言え、上のような素直なセリフが言えるものかなと思いました。
 と言いますか、初対面の相手になれなれしすぎ。このへん、少し強引にフラグを立ててしまった印象です。

>あの時も確か、こんな雨が降っていたと思い出した。ちょうど、三年前の今頃だ。

 作中の時間が細かく前後しており、やや戸惑いました。ただし、上の文章のあたりでちょっと考えてしまったという程度で、全体として案外わかりにくくはありませんでした。これだけ時系列を揺らしてもそれほど分かりにくくならないのは、逆に巧いということなのかもしれません。内容のつながりから時間のつながりもだいたいわかり、文章が自然なためあまり違和感を感じさせないからだと思います。

【4】の冒頭。これは、以前に実際にあったことを夢で正確になぞっているのですか? そんな夢ってあるのかなとも思いましたが、それはまあ、いいです。
 ただそれはそれとして。
 だったら夢にしないで、単に回想シーンでよいのでは。また、夢にするのならもう少し脚色しても面白いかなと。ここは、多少ハメをはずすチャンスだったのではないでしょうか?

>「ねぇ、この町好き?」
>聞いてみる。
>「……ああ」
>彼は、一瞬迷ってから、そう答えた。
>何に迷ったのかが気になる。肯定したその理由も気になる。

「君と出会った町だから」でしょうか?

>――君の歩いていった先には何があるの? その先できっと、また会えるよね?
(中略)
>そう思っていることに、君は気付いてる?
>ねぇ――

 ここは、とても気に入りました。

 ラストについて。
 きれいに纏めてはいらっしゃいますが。
 ただやはり、「花言葉」は使い古された感がなくもないのでは? それは良いとしても。だいたい彼、最初は花の名前も知らなかったじゃん、とも。

 本作を読ませていただいて、優れていると思いつつ何となく印象が薄い気がするのはどうしてかなと、いろいろ考えてみました。
 一つには、磨きすぎて必要以上にアクが落ちてしまったのかもしれません。
 もう一つ。内容面ですが、結局この二人何をやったんだ? という疑問が無きにしも非ず。
 先に書いた事と少し重なりますが、主人公は彼が好きで好きで、悪く言えば恋にのぼせあがっている感じです。
 たとえば。

《でれでれ、その1》
>春風が吹いて、緑の葉を揺らしたのが視界の隅に映った。それが、やけに鮮明に私の記憶へと刻み込まれるのが分かる。彼といると、外と切り離されているような気がするのだ。まるで、私たちのいるベランダと、外とが完全に別の世界――画面を隔てて二つに分かれてしまったように。時間の流れが違う。もっと、濃いのだ。一つ一つの出来事が、手にとるように思い出せてしまうほどに。
>それがどうしてかなんて、私は知らない。
>ただそれが心地よくて、彼の足に頭をのせて目を瞑るだけだ。

《でれでれ、その2》
>何をしたいのかと言われると、即座に答えることは出来ないけど、でも心地よいのは確かだった。月曜日に彼が家にいると、ここが私の帰ってくる場所だと思える。安心する。そしてこれからまた一週間、頑張っていこうと思えるのだ。彼の足に頭をおいて目を瞑り、髪の上にぎこちなくのせられた手を感じている時は、本当に幸せな気持ちになる。

 凄いと言いたくなるほど巧い描写ですが、彼の魅力がどこにあり、どこに主人公が惹かれたのか。それをエピソードとして描くべきなのではないかと。そういう部分が乏しいため、彼は魅力的らしいという雰囲気だけ残るものの、そのわりに印象が薄いのではないかと思いました。


 それでは。執筆お疲れ様でした。
12

pass
2011年08月08日(月)21時29分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
六十七子さま。
初めに突然失礼いたしますが、自分はこの感想をいただき、本当に感銘を受けました。素晴らし感想、いえ、指摘をありがとうございます。必ずや参考にさせていただきます。

>むとうななこでございます。度々お世話になっております。感想を失礼しますのでお気軽にどうぞ。

して、いつお会いしましたっけ?
すみません。
幾人かの名前が頭の中で混ざり合い、混乱しております。
しかし、なんであろうとも、これも一つの縁ということで、これからもよろしくお願いいたします。
――と、思い出しました。
掌編の間の、不思議な雰囲気のお話でお会いしましたね(間違っていたらすみません)。
その節は、大変勉強させていただきました。

>作者様はこの作品で何が言いたかったのか。これが、迫ってこなかったので……

それが伝わらなければ、どうしようもありませぬ。
ただ、自分の実力不足と、意識の低さを呪います。
たびたび人にそれを指摘しておきながら、「この作品のテーマは何か」と聞かれて、一瞬つまる自分がいます。

>恋愛ってなんだろう? いや、彼女が彼を求める最大のポイントはなんでしょう? 何に惹かれた? 恩義……くらいしか思いつかないです。その恩義も非常にパンチが弱い。バイトを紹介しただけ。考えをクリアにさせてあげただけなんですよね。

恋愛の始まりとして、もっとも重要なポイントをぼかしてしまっていたということですよね。まだまだ恋愛について甘いですね。作品においても、現実においても。
……冗談です。
「彼女が彼にひかれたポイント」ですか。
おぼろげではありますが、自分の中のイメージとしては彼と一緒にいるときの安心感。何気ない優しさ。そういったものを意識していたのですが……こう語ってみると、「ほとんどかいてねえじゃんっ!!」と自分に突っ込み、そのまま穴の中に潜り込んでウランの半減期くらい眠りにつきたくなりました。
本当に、書くべきところが書けていないのだということを、実感します。

>加えて、彼もスナフキンのように現れ、スナフキンのように消えるので、彼がムーミン村を愛する動機がなんなのか? 度々帰る宿り場としてムーミン村を選ぶ根拠はなんなのか? それが分からない。

これに関しては、今回意図して(その意図が問題だったことが、明らかになったわけですが)抜いた部分ではあります。
しかし、恋愛ものとして致命的ですね。
お互いの気持ちが読者にはっきりと伝わらないまま、急にエンディングを迎えてしまう話って、つまりノロケ話を聞いているのと同じですから……。
なんだか、今冷静に分析している自分が憎いです。
これが、事前にできて改善できるようになれば、もっと良い作品をあげられるようになるのでしょう。

>設定として上記を料理する材料がちらほら散見されるだけに、文章の密度も意味ありげに見えるほどではなく、欲しい表現(例えば主人公が考える、納得する、昇華するプロセス)が出てこない。状況の説明は流麗ですが、作品で現されている根本にアプローチしてないものが多いです。

三つの基本。
勝手に演劇に重ねますが、受け取って、考えて、行動する、というものと同じですね。
やはり、書くべきことを書かずに、無駄なことを多く書き込んでいるんだな、と改めて思いました。
文章を書く身として、そこはもっと意識しなくてはいけない点でした。
これから、意識していきたいです。いえ、意識していきます。

>小難しきことを言って申し訳ありませんが、概ねmi-coさんの仰っておられることと一緒のことだ、とお伝えします(他人様の意見をお借りして申し訳ありません)

>設定が生かされていない、というよりむしろ人物のリアリティに問題があるのでは? という観点から見ている意見であります。

人物のリアリティー。
彼に関しては、謎すぎて、描写が少なすぎて、それでリアリティーがなくなってしまったのだと思います。
また、私に関しては、先ほども書いていただいた「考えて納得してから昇華する」というプロセスをないがしろにしていたことから、そうなってしまったのかな、と思います。
ご指摘ありがとうございました。

>人物が諸問題に真摯に取り組む様、その取り組みに「あなたのようなパートナーがいるんです。わたしだけでは出来ません」という願いが見えないと恋愛ものとして、中身が見えなくなるでしょう(少女系は軽くにしろ重くにしろ絶対この点を外さないです)。
本当に何の飾りも味付けもせずに申し上げますと、「ロジックしか見えない」という(じゃお前はどうなんだよ)ばりの失礼な言い分をお許し下さい。

恋愛ものとしての、大きな基本を外してしまっていたということがわかりました。
相手を求めることの必然性が、作品の中で十分に表現されていなかったことが、そのような印象を与えてしまった、原因の一つかと思います。
ご指摘を受け止め、次回以降につなげさせていただきます。

>もう少し時間を頂いて、文章に違和感があったこともお伝えします。

逆に、そのような時間をいただき、本当にありがとうございます。

>冒頭で、
>> 吹き抜ける春の風に、そろそろ衣替えかなと思い始めた頃のことだった。
>とあるのですが、直感的に不自然さを感じます。イメージがヴィジョンに現せないのです。(略)ここも「時間軸の観念の欠如」じゃなかろうか、と感じます。

冒頭の文章に関する意識の低さがあらわれてしまいましたね。
後半に、力を入れ込んだ分、冒頭に対して、まだまだ意識がいきわたっていませんでした。
現在の自分の中で、おそらく一番マシであろう文章技術を、ここで使わずしてどこで使うのか、と、投稿する前の自分にしかりつけたくなります。

>「吹き抜ける春の風」は感じるものであり、感じるのは「頃」なのか?
>衣替えの季節は、つまるところ、三寒四温を感じたのち、つまり寒い日もあれば暑い日もあり、その温度差が無くなってきた頃でありましょう。長いスパンが考えられます。それが果たして一発の春の風で表現できるか、と言ったら答えはノーであろう、と考えます。

考えが甘かったです。
無意識のうちに、手を抜いてしまっていたのだと思います。
もっと効果的で、的確な冒頭を考えられただろうな、と思いました。
それは、自分が指摘を受けるまでもなくやらなければいけなかった部分なので、大変恥ずかしいです。

>作者様が吹き抜ける一瞬の春を重視するか、長いスパンを重視するかで改稿は変わってくるかと思われますが、現状況だと、「冒頭として」少し怖いです。

ご指摘ありがとうございます。
「冒頭」さらに意識を高めて、適切な文章作り出せるように、精進して参ります。

>長々と駄文を失礼しました。加えて、わたしの稚拙かつ偉そうで領分を顧みない発言をお許し下さい。では失礼します。

いえ、まさに自分の心の緩みをつくような、的確な感想をいただき、感激しております。そして自分の意識の低さが悔しいです。
こんなにもたくさんの方に感想をいただけたことを、次回以降につなげて、もっと良い作品を紡ぎだせるように、切磋琢磨していこうと思います。
大変ためになる感想を、ありがとうございました!
まだまだ未熟ではございますが、これからもよろしくお願いいたします。
お互いに頑張ってゆきましょう!!



pass
2011年08月08日(月)20時16分 六十 七子 8FlJGIEHBU +20点 61-24-236-211.rev.home.ne.jp
むとうななこでございます。度々お世話になっております。感想を失礼しますのでお気軽にどうぞ。


作者様はこの作品で何が言いたかったのか。これが、迫ってこなかったので……(とここまで書いて、GW企画のときに自分も全くおなじこと言われてたことに気づいて恥ずかしくなりました。)
ととと……ごほん。
自分を棚にあげて言うのであれば、そういう感想になるのですが、もう以上です。と言いたいところですが、あえてもう少し突っ込みます。すいませんすいませんすいません。
恋愛ってなんだろう? いや、彼女が彼を求める最大のポイントはなんでしょう? 何に惹かれた? 恩義……くらいしか思いつかないです。その恩義も非常にパンチが弱い。バイトを紹介しただけ。考えをクリアにさせてあげただけなんですよね。加えて、彼もスナフキンのように現れ、スナフキンのように消えるので、彼がムーミン村を愛する動機がなんなのか? 度々帰る宿り場としてムーミン村を選ぶ根拠はなんなのか? それが分からない。
設定として上記を料理する材料がちらほら散見されるだけに、文章の密度も意味ありげに見えるほどではなく、欲しい表現(例えば主人公が考える、納得する、昇華するプロセス)が出てこない。状況の説明は流麗ですが、作品で現されている根本にアプローチしてないものが多いです。彼を求めている表現は十分にされているので、やはり、その一歩先を見てしまいます。
小難しきことを言って申し訳ありませんが、概ねmi-coさんの仰っておられることと一緒のことだ、とお伝えします(他人様の意見をお借りして申し訳ありません)。しかし、設定が生かされていない、というよりむしろ人物のリアリティに問題があるのでは? という観点から見ている意見であります。
人物が諸問題に真摯に取り組む様、その取り組みに「あなたのようなパートナーがいるんです。わたしだけでは出来ません」という願いが見えないと恋愛ものとして、中身が見えなくなるでしょう(少女系は軽くにしろ重くにしろ絶対この点を外さないです)。
本当に何の飾りも味付けもせずに申し上げますと、「ロジックしか見えない」という(じゃお前はどうなんだよ)ばりの失礼な言い分をお許し下さい。


もう少し時間を頂いて、文章に違和感があったこともお伝えします。
冒頭で、

> 吹き抜ける春の風に、そろそろ衣替えかなと思い始めた頃のことだった。

とあるのですが、直感的に不自然さを感じます。イメージがヴィジョンに現せないのです。
主観的な表現と、客観的事実が入り乱れてるように思います。度々皆々様ご意見がございまして甚だ「またかよ」的な指摘ですが、ここも「時間軸の観念の欠如」じゃなかろうか、と感じます。
「吹き抜ける春の風」は感じるものであり、感じるのは「頃」なのか?
衣替えの季節は、つまるところ、三寒四温を感じたのち、つまり寒い日もあれば暑い日もあり、その温度差が無くなってきた頃でありましょう。長いスパンが考えられます。それが果たして一発の春の風で表現できるか、と言ったら答えはノーであろう、と考えます。
作者様が吹き抜ける一瞬の春を重視するか、長いスパンを重視するかで改稿は変わってくるかと思われますが、現状況だと、「冒頭として」少し怖いです。これが、作中にコロンって置かれていたらスルーする箇所なのですが、冒頭で読者に入り込ませるところでの、この物足りなさは非常に目立っちゃう……てこんな指摘をしているのは私だけなので、非常に説得力はございません(笑)

長々と駄文を失礼しました。加えて、わたしの稚拙かつ偉そうで領分を顧みない発言をお許し下さい。では失礼します。
14

pass
2011年08月08日(月)18時52分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
鍵入さま。
お久しぶりでございます。
感想を残していただき、ありがとうございます。

>あれ、投稿からまだ二日……? 感想人数が…… 若干気圧されつつ、鍵入です。

正直、作者自身ビビッております。
拙い作品に、感想を寄せていただいた方がこんなに多いとは、ほんとうに感謝するしかありません。

>感想欄のやり取りはざっと見た程度ですので、指摘が被るかと思いますが了承ください。

了承しました。
あれ、間違ってますか、この反応。
すみません。
「邪魔するでぇ」といわれると「邪魔するならかえってぇ」と答えたくなる性分なもので。


>「欠点らしい欠点はないのだけど、そこまで好きになれない話」

グサっと心に刺さりました。
正直な感想、ありがとうございます。

>ちょっと考えてみましたが、これが初読の感想に一番近いかな、と思います。文章は十分だし雰囲気も良い、人物の魅力もそこそこ、けど読み終えてみて好きかといわれたら迷ってしまうような。うーん……うまくまとまらないので、場面ごとに書いてみます。

初読の感想、重要ですよね。
そんな微妙な感想を抱かせてしまったのは、悔しいです。せめて一か所でも「ここは良かった」と言わせられる部分があればよかったのですが。
精進します。
場面に分けての感想。わざわざ、本当にありがとうございます。

>【0】
>冒頭。他の場面と比べると彼の態度がやや素っ気無いような。ちょっと違和感があります。そのせいで読みながら【1】で出会った彼と【0】での彼が同一人物であるという確信をなかなか抱けませんでした。嘘っぽいですがほんと。

彼の描写に、ぶれが出ていたのですね。
口数が少ないうえに、アクションもない。それならば、もっと統一したなにかを持たせる工夫が必要でしたね。
全体を通して、キャラクターをしっかりとぶれなく統一するということを、心がけていきたいです。
たしかにちょっと「照れ屋」というよりは「めんどくさがり屋」のほうが強いように読めてしまうかもしれません。

>【1】
>読み終えてから見ると、この出会いにおける彼が、やや都合の良い動かされ方をしている気がします。別にご都合主義だって構わないのですけど、それをやるからには相応のインパクトがほしいです。もちろん本作はインパクトを狙った作品ではないでしょうから、結果として、この行動が浮いているかな、と。照れ屋……というか、彼が不器用な人物であればすんなりと入ってくるのですけど、読み終えてみても彼が照れ屋だとも不器用だとも思えなかったので。

ご都合主義。
こういった作品においては「いかに自然か」ということを意識しなければいけないはずなのに、そこは致命的でした。
ほかの方にも指摘されたのですが、全体を通して、キャラの動きが「その場に合わせた」ようなものが多い、ということらしいです。自分でも納得しました。
照れ屋や不器用といったことをもっと伝えるには、あまりにも描写や実際の行動が少なかったのかもしれません。

>【2】
>どう考えても変な人ですありがとうござ(ry
>初読時は【1】を読んで彼について「不思議な人」という印象を持ったので、意外と普通でちょっと戸惑い。就職浪人さんは乙女心全開な上に行動力抜群とあって読んでいて小気味よかったです。

うわぁ……なんだか、「彼」のブレ具合が半端ないですね。
まさに、キャラクターの描写が足りなかったということなのでしょう。
自分の中でも、完全なキャラクター像、というものをもっと明確に持たなければいけないと思いました。
行動力抜群。
ちょっと強引のような気もしていましたが、そのように受け取られる方もいるのだと思って一安心です。もったいないお言葉をいただき、光栄です。

>【3】
>話がゆったりと進んでいる中で、「三年ぶりに出会えたと思ったら彼はまたすぐに旅に出るらしい」と、性急に運んでしまったかと思います。というか冒頭に出てきたミヤコワスレは平穏の象徴みたいなものかと思っていたのでまさかのギャップでした。いっそのこと、【0】をここに持ってきてもよかったかと思いました。時系列的に沿ってるので違和感もないでしょうし、その後のつながりもより自然になるかなと。

間にワンクッションおく。
それについては、今まであまり考えてきませんでした。しかし、物語上「出会いから別れ」を描くのであれば、その過程、一番の日常パートがしっかりと魅力的に描かれていなければ、最初も最後も役目を失いますね。
あとからこのように解説とか分析と化している自分が歯がゆいです。なぜ、これを書く前にしなかったのか……。いえ、できなかったからですけども。
【0】をもう少し膨らませて、間に入れ込むのも、アリかもしれません。
さらに改稿するときに、考えてみます。

>>誰にも彼を止めることなどできないのに
>:考えてみれば、彼の交友関係?について触れられてませんよね。語り部さん、彼には既に彼女がいるんじゃないかとか、考えたことはなかったのでしょうか。見落としてたらすいません。

すみません。
全く考えませんでした。恋愛ものの基本にもかかわらず。
「彼に彼女がいる可能性」
それを絡ませれば、中盤をうまく盛り立てることができそうな気がします。
彼が謎、ということもあるのですが、そもそも私は彼のどこを信頼したんだ? という謎が新たに生まれますし……、だんだんと自分の頭の中で物語が崩壊し始めました。

>【4】
>ここまでの時系列。個人的には特に意識せず読めました。夢の場面では目が覚めたところで「あ、そういやこれ夢だったっけ」と思いましたけど。時系列が移る場面では、それぞれ導入が自然だったので、混乱することもないと思うのですが……。
>内容については特になし。心情の変化を上手く書いていたと思います。

ありがとうございます。
その部分に関しては、違和感を持たれた方もいらっしゃれば、もたれな方もいらっしゃるのだと思います。
しかし、もたれた方の違和感をなくし、さらにもたれなかった方はそのままもたれないように、というところを目指していきたいです。
もちろん、すべての方が同じ感性を持っているわけではないと思うのですが、それでも、そこを目指してゆきたいというのが、自分の現在の思いです。

>【5】【6】
>クライマックスなので一緒くたに。
>お互いが互いのことを思いやっているのが伝わってくるのはよかったですが、いかんせん上手すぎて、二人だけの世界になってしまったように感じました。それを遠巻きに見て「お熱いねぇ」とするほどにはイチャイチャしているわけでもなく、感情移入して切なさを感じるでもなく。この辺りの感じ方はそれぞれなのでしょうが。

中途半端になってしまったようですね。
二人きりすぎて、読んでいる方にまで、それが伝わってこない。これは、言い換えると、作者の頭の中だけで話が完結していて、表に出てこない、ということだと思います。全体を通して、それは反省点の一つですね。
ちょっと思ったのですが、この場面がこの後に向けての伏線をいくつか持っていて、そこが大きく出てしまったのが良くなかったのかなと。
つまり、ミヤコワスレを持っていくのも、そのほかもその次につながっているのですが、そもそもここがクライマックスであるはずが、次があるよ〜という感じになってしまったのではないか、と思います。

ここを、クライマックスとして、物語の締めとして盛り上げ、終わったと思ったところでさらに次のところが来たら、そのような中途半端感を抱かせずに済んだのかもしれません。

>彼が去ってしまった後の場面は好きです。なんだかんだいっても、やっぱり強がりなんですよね。また、締め方も、花言葉を利用するのは安直といえば安直ですが、ラスト二文の余韻が引き出されていたので良かったです。最後まで名前を出さなかったのも。

花言葉の利用。
それと最後の二文。
悩んだところだけに、そういっていただけると、大変うれしいです。

>場面ごとに書いてみたはずなのに自分でもよく分からないことに……。

いえ、大変わかりやすかったです。
ありがとうございました。
全く関係ないですが、この場面に分けるというやり方、いいですね。
感想を書くときに、参考にさせていただきます。

>こうしてみると、前半での彼がブレたように感じたみたいです。中盤以降はそんなこともなかったですが、こういう落ち着いた話ですし、早めに印象を定めてほしかったです。

彼のキャラクターをしっかりと出せなかったこと。特に前半でぶれてしまっていること。
反省として胸に刻んでおきます。

>不満点を中心に書きましたが、どのパートにおいても描写と雰囲気の良さはかなりのものであったことは付け加えておきます。

ありがとうございますっ!!
今回、雰囲気に頼りすぎたというところが一つの反省点かな、と思っているのですが、それでも雰囲気だけは良かったということで、救われた気持ちです。
これで、雰囲気すらだめだったら、自分は二度と立ち上がれないでしょう(嘘です)。

>誤字の指摘を一応。

細かいところをありがとうございます。
さっそく修正させていただきます。

>こんなところで。それでは、失礼しました。

改めまして、丁寧な感想、本当にありがとうございました!
まだまだ未熟ではありますが、これからも見守っていただけると幸いです。
お互いに頑張りましょう!

pass
2011年08月08日(月)17時02分 鍵入 2yWbatnbuc +20点 server122.janis.or.jp
あれ、投稿からまだ二日……? 感想人数が…… 若干気圧されつつ、鍵入です。感想欄のやり取りはざっと見た程度ですので、指摘が被るかと思いますが了承ください。

「欠点らしい欠点はないのだけど、そこまで好きになれない話」
ちょっと考えてみましたが、これが初読の感想に一番近いかな、と思います。文章は十分だし雰囲気も良い、人物の魅力もそこそこ、けど読み終えてみて好きかといわれたら迷ってしまうような。うーん……うまくまとまらないので、場面ごとに書いてみます。

【0】
冒頭。他の場面と比べると彼の態度がやや素っ気無いような。ちょっと違和感があります。そのせいで読みながら【1】で出会った彼と【0】での彼が同一人物であるという確信をなかなか抱けませんでした。嘘っぽいですがほんと。

【1】
読み終えてから見ると、この出会いにおける彼が、やや都合の良い動かされ方をしている気がします。別にご都合主義だって構わないのですけど、それをやるからには相応のインパクトがほしいです。もちろん本作はインパクトを狙った作品ではないでしょうから、結果として、この行動が浮いているかな、と。照れ屋……というか、彼が不器用な人物であればすんなりと入ってくるのですけど、読み終えてみても彼が照れ屋だとも不器用だとも思えなかったので。

【2】
どう考えても変な人ですありがとうござ(ry
初読時は【1】を読んで彼について「不思議な人」という印象を持ったので、意外と普通でちょっと戸惑い。就職浪人さんは乙女心全開な上に行動力抜群とあって読んでいて小気味よかったです。

【3】
話がゆったりと進んでいる中で、「三年ぶりに出会えたと思ったら彼はまたすぐに旅に出るらしい」と、性急に運んでしまったかと思います。というか冒頭に出てきたミヤコワスレは平穏の象徴みたいなものかと思っていたのでまさかのギャップでした。いっそのこと、【0】をここに持ってきてもよかったかと思いました。時系列的に沿ってるので違和感もないでしょうし、その後のつながりもより自然になるかなと。

>誰にも彼を止めることなどできないのに
:考えてみれば、彼の交友関係?について触れられてませんよね。語り部さん、彼には既に彼女がいるんじゃないかとか、考えたことはなかったのでしょうか。見落としてたらすいません。

【4】
ここまでの時系列。個人的には特に意識せず読めました。夢の場面では目が覚めたところで「あ、そういやこれ夢だったっけ」と思いましたけど。時系列が移る場面では、それぞれ導入が自然だったので、混乱することもないと思うのですが……。
内容については特になし。心情の変化を上手く書いていたと思います。

【5】【6】
クライマックスなので一緒くたに。
お互いが互いのことを思いやっているのが伝わってくるのはよかったですが、いかんせん上手すぎて、二人だけの世界になってしまったように感じました。それを遠巻きに見て「お熱いねぇ」とするほどにはイチャイチャしているわけでもなく、感情移入して切なさを感じるでもなく。この辺りの感じ方はそれぞれなのでしょうが。
彼が去ってしまった後の場面は好きです。なんだかんだいっても、やっぱり強がりなんですよね。また、締め方も、花言葉を利用するのは安直といえば安直ですが、ラスト二文の余韻が引き出されていたので良かったです。最後まで名前を出さなかったのも。


場面ごとに書いてみたはずなのに自分でもよく分からないことに……。
こうしてみると、前半での彼がブレたように感じたみたいです。中盤以降はそんなこともなかったですが、こういう落ち着いた話ですし、早めに印象を定めてほしかったです。不満点を中心に書きましたが、どのパートにおいても描写と雰囲気の良さはかなりのものであったことは付け加えておきます。

誤字の指摘を一応。

>コーヒーアップの中身は、減ってすらいない。→コーヒーカップ
>半身をだして少し遠くまで眺めても、彼らしく姿は見えない。→彼らしい姿

こんなところで。それでは、失礼しました。
8

pass
2011年08月08日(月)12時57分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
タカテンさま。
いつのまにか、作品よりも感想レスのほうが長くなっていることに共学としています。grass horseです。

>ご無沙汰しております。タカテンです。
>いつぞやは自分の2作品に感想をありがとうございました。

その節は、大変勉強させていただきました。

>水守さんの作品への感想で、この夏に作品投稿を伺っておりましたので、ひそかに楽しみにしていました。

ななんですとっ!
まさか、自分の作品なんかを楽しみにしてくれている人がいるとは、露も思いませんでした。
「いろいろとうざい感想を書いてくる奴の作品かぁ。どうせ感想を返さなきゃ、裏でいろいろというんだろーな、ああ、ダリィ」と思っていませんか。実は。
……思っていませんよね。
自虐はこれで終わりにします。

>さて、今作。自分は好きです。

好きと言っていただけることが、最上の喜びです。
自分の作品を好きと言ってくださる方が増えるほど、なんだか自分が肯定されているような気がしますよね。いえ、切り離さなければいけないのはわかっているのですが。

>心が通じ合っているのだけれど、それを言葉や態度にしない。
>ただ一緒にいるだけで心が安らぐという関係を、すごく丁寧に描かれていると思います。
>好きだと言ったり、ちゅっちゅしたりするのではない恋愛のカタチ、いいですよね。
>本当は行って欲しくない、本当は咲いてなんか欲しくない、でも、そんな自分の気持ちを押し隠して「ほら、咲いたよ」とミヤコワスレの鉢植えを差し出す主人公の姿に切なさ爆発です。
>また、無口で何を考えているのか分からない彼の心も、ミヤコワスレの花言葉で伝わってきて、これまた切なさゲージが振り切れます。
>放浪癖のある彼、一体旅に出る理由は何なのでしょうね?
>それを想像させられるのもまた、今作の良いところではないかないと思います。

もったいないほどのお言葉、本当にありがとうございます。
自分の切なさゲージが、今大空へと飛び立っていかれました。
振り切れるものが違うという突っ込みはしないでください。

>逆に気になったのは、やはり多くの方がご指摘されているように時間軸の問題でしょうか。確かに「あれ?」と思う事が初読ではありました。

時間軸に関して、まだまだ認識が甘かったなぁ、と反省しています。
前作で反省して、それを今回改善したつもりだったのですが、全然変わってねぇよ、と。
一連の流れの中で、「必然性のある時間移動」以外を、雰囲気で押し切ると、そのように混乱させるもととなってしまったようです。
自分のなかで、わかったことの一つですが「雰囲気がいいから」という理由でどんどんと話の攻勢を無茶苦茶にしていく癖があるようなのです。
改善ポイント。改善ポイント。

>また、主人公が和菓子屋でアルバイトから社員になるほどまで勤めあげてきたのは分かるのですが、それに打ち込んでいるほどの情熱を抱いているようにも思えず、彼の「いろいろやってみるといい」「死に物狂いで働いたら」という言葉が生かされていないように思うんですよね。

mi-coさまにもご指摘いただきました。
設定が何も機能せず遊んでいる、ところですね。
前半に彼のつたえたはずのテーマの一つが、後半で消え去っている。大きな問題です。社会人のタカテンさまとしては、本当に気になったことと思います。

>ここを再開で職場の話をしたと思うぐらいで終わらせるのは勿体無いなぁと感じました。

遊んでいるところを、どうやって物語のなかでつなげて、濃い凝縮された物語へと昇華できるのか。
今後の課題です。
職場の問題を、彼に相談するくらいは、具体的にエピソードとして入れてもよいかと、振り返ってみて思いました。

>これは自分の勝手な想像ですが、彼が放浪しているのは生き甲斐を探しているからのように思えます。主人公に色々やってみるといいとアドバイスしたように、彼も色々な所を旅して、それぞれの場所で様々な仕事をして、自分の居場所を探しているように思えます。
>そのような彼に生き甲斐を見つけた彼女の姿を見せる事は、何かの変化を生みそうで大事なような気がします。
>まぁ、あくまで自分の感性的な話なんですけどね。

すみません。
ちょっと感動しています。
何かといいますと、自分がここに書いていないながら、考えていたもの、そのものだからです。
彼も、まだいろいろと探している途中です。そして彼の旅立ち、というのは彼にとって、私からうけた力を持って、自分の居場所を探しに行く。そのような裏がある(つもりです)。
つまり、そのような裏があるから、彼はへたれなのであり。

まさか、そこを想像していただけるとは思いませんでした。
しかし、これをほかの方にも伝わるようにできなかったのは、ひとえに自分の実力ゆえです。
精進して、もっと一つの物語から幅広い想像の翼が広がるように、頑張っていきたいと思います。

>それでは自分からは以上となります。
>心地よい作品をありがとうございました。

こちらこそ、感想を本当にありがとうございました!!
なにか、タカテンさまに伝わるものがあったのであれば、幸いです。
まだまだ未熟ですが、これからもよろしくお願いいたします。
お互いにがんばりましょう!!


pass
2011年08月08日(月)12時30分 タカテン ZNLlZe1lFk +20点 pw126162128182.62.tik.panda-world.ne.jp
ご無沙汰しております。タカテンです。
いつぞやは自分の2作品に感想をありがとうございました。
水守さんの作品への感想で、この夏に作品投稿を伺っておりましたので、ひそかに楽しみにしていました。

さて、今作。自分は好きです。
心が通じ合っているのだけれど、それを言葉や態度にしない。
ただ一緒にいるだけで心が安らぐという関係を、すごく丁寧に描かれていると思います。
好きだと言ったり、ちゅっちゅしたりするのではない恋愛のカタチ、いいですよね。
本当は行って欲しくない、本当は咲いてなんか欲しくない、でも、そんな自分の気持ちを押し隠して「ほら、咲いたよ」とミヤコワスレの鉢植えを差し出す主人公の姿に切なさ爆発です。
また、無口で何を考えているのか分からない彼の心も、ミヤコワスレの花言葉で伝わってきて、これまた切なさゲージが振り切れます。
放浪癖のある彼、一体旅に出る理由は何なのでしょうね?
それを想像させられるのもまた、今作の良いところではないかないと思います。

逆に気になったのは、やはり多くの方がご指摘されているように時間軸の問題でしょうか。
確かに「あれ?」と思う事が初読ではありました。
また、主人公が和菓子屋でアルバイトから社員になるほどまで勤めあげてきたのは分かるのですが、それに打ち込んでいるほどの情熱を抱いているようにも思えず、彼の「いろいろやってみるといい」「死に物狂いで働いたら」という言葉が生かされていないように思うんですよね。
ここを再開で職場の話をしたと思うぐらいで終わらせるのは勿体無いなぁと感じました。
これは自分の勝手な想像ですが、彼が放浪しているのは生き甲斐を探しているからのように思えます。主人公に色々やってみるといいとアドバイスしたように、彼も色々な所を旅して、それぞれの場所で様々な仕事をして、自分の居場所を探しているように思えます。
そのような彼に生き甲斐を見つけた彼女の姿を見せる事は、何かの変化を生みそうで大事なような気がします。
まぁ、あくまで自分の感性的な話なんですけどね。

それでは自分からは以上となります。
心地よい作品をありがとうございました。
9

pass
2011年08月08日(月)11時34分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
mi-coさま。

まさかの再訪。
感激のあまり、画面が見えないほどです。
ありがとうございます。

>丁寧に返信していただいたので、自重して書かなかった部分を書いてみます。予想通りウザい内容になってしまいましたがごめんなさい。

わざわざ本当にありがとうございます!
ウザいわけなんてありますか。
本当に、自分でも気づけないような部分や、知りえなかったようなところ。参考になるものばかりです。

>後半、クライマックスですね。(中略)今回はミヤコスミレとコーヒーが一役買っていたとは思いますが、個人的に、その二つだけでは弱いと感じました。

モノだけでなく、具体的にもっとアクションを起こしたほうがよかったのかもしれません。
って、さっきから同じことばをいろんな感想で使いまわしていますね。

ちょっと考えてみると。

後半、いなくなる、と彼がつぶやくところで、「私」が取り乱して喧嘩になる。
喧嘩のなかで、ちょっと彼の素顔が見える。
私がその勢いで「好き」と言ってしまう。
彼は、それを聞いて、帰ってしまう。
次の月曜日、彼は来ない。私はいろいろと思い悩む。その間にミヤコワスレがさく。
彼、こっそりと家の前を通って、咲いたのを確認している。
さらに次の月曜日、早朝に彼は手紙だけ家の前において、行こうとする。
それを、何か天啓でもうけて家を出てきた私と出会う。

いやいや、微妙か……。
でも、後半の盛り上がりとしては、ましなのかもしれません。まぁ、終わった作品の、改善案をここに書いてもどうしようもないのですけれども。見苦しいことをしました。

>話は変わりますが、彼女は彼とお別れして、その後どういう生活を歩んでいくのか――それを具体的にイメージできる方は少ないと思います。和菓子屋で働いていることはわかるけど、それだけです。一人暮らしをしているのは分かるけれど、それだけです。彼以外の人間に対してどういう接し方をしているのかはわからない。

それが、作品の余韻につながってくるのですね!
う〜ん。
そこまでは考えていませんでした。確かに、この後私がどのように進んでいくのかを連想できるような要素があれば、そこから物語はどんどんと広がっていくことができます。
彼に関しても同じで、正体が明かされなかったとしても、それを読んでいただいた方の頭の中で、広がらせていくことが……いえ、そこまでは難しいかもしれませんが。
参考にさせていただきます。

>例えば気弱な主人公が何かをキッカケにして自信を持つ。そうすると、対人関係や社会生活において何か変化が起こるであろうことは想像しやすいですよね。つまり彼の内面が変わることにより、外面での環境の変化が起こるわけです。その具体的なイメージを持たせるのが、お話の中で明かされる彼の私生活になります。それが出来ていないということは、読者にキャラクターのイメージが上手く伝わっていないということになります。
>私はこの作品の主人公である彼女のその後が全くイメージ出来ませんでした。彼と出会って別れて、それで終しまい――という感じです。余韻がないんですよね。申し訳ないのですけれど。

キャラクターのイメージがうまく伝わっていない。
それは、私生活の描写ができていないから。
了解いたしました。物語を広げすぎないようにと完全に二人きり(厳密にいうとお母さんや友達が出てきますが)だけに留めていたのが、裏目に出たようです。
いえ、裏目に出たといえるほどの、実力もまだないのですが。
 
>有川浩さんの作品に『植物図鑑』の番外編が有りましたよね。私はそちらしか読んでいないのですが、短編でありながら、キャラクターが生き生きとしていた印象があります。リアルに給料のお話も出ていましたし、食費のお話も出ていました。いかにしてお金を切り詰めて生活するのかが語られていました。まぁ、あれは話の主旨が全く違うので、この作品と比べるのも烏滸がましいのですが、生活感は上手く表現されていたと思います。

有川さんの作品の魅力の一つは、私生活の描写だと思っています。
何気ない、いたって普通のことを主人公の考えを混ぜ込みながら書くことで、主人公を紹介しながら読者の共感を得る。
と偉そうに書いておいて、なるほど。それが自分に必要なことなのだと、気づきました。
確かに、私生活は、もっともそのキャラクターの個性が出る場(このような作品においては)ですね。
大変参考になりました。
ありがとうございます。

>ただ、全てを語ればいいというものでもないですから、物語に必要なものを選び、少ない描写で読者に上手く想像させるのが必要なんじゃないかな、とは思います。

うまく取捨選択をする、つまり「構成/演出」の技術ですね。
「キャラクター造形」「ストーリー」「構成/演出」と、今回の作品で明確に自分の欠点が出てきました。
今までもわかりきっていたことと言えばそうなのですが、mi-coさまをはじめ、いろいろな方に指摘を受け、改めて思い知ることができました。
お言葉、しっかりと吟味して、次回作につなげたいと思います。

>和菓子でしたらワラビ餅とかいいと思うんですけどね。

話が急に飛びますが、家出わらび餅を作るのがけっこう好きです。
何も関係ないのですが。

>ワラビ餅にはワラビを使ったものと使っていない物があるんです。ワラビを使ったワラビ餅は黒ずんでいて、食感も違います。私が食べたのは直前で切り分けるタイプでした。そうしないと何かがダメになるとか言われたんですけど忘れてしまいました。値段は一般的に売られているワラビ餅よりも遥かに高いです。

すみません。
全く知りませんでした。
といいますか、わらび餅が和菓子だという認識が、あまりなく……、一時期茶道をやっていたことがあったもので落雁とかしか思いつきませんでした……。
はい、いまので調べていないということが丸わかりですね。
調べなければ何も始まらない。
手を抜いてしまったことが恥ずかしいです。

>でも、そういうお店にはこだわりを感じますよね。そういうお店で働くと、何か意識的に変化が起こるかもしれませんよね。和菓子の本を買ってきて勉強したり、他のお店に食べに行ったり、消費者の傾向が気になったり。
 仕事に対してやり甲斐が生まれると、私生活にも少なからず変化が生まれると思うんですよね。そういう垣間が覗くような描写が少しでもあれば、読者も想像し易くなるんじゃないかな、と思います。

わざわざ「和菓子屋で働き始めた」ということを情報として入れるのであれば、それを利用しないというのは作品の中でまさに遊んでいるようなものですね。
意識の変化のテーマとして、まさに具体的な「モノ」ですから、使うにはもってこいかと思います。

>以上です。
>では、失礼しますね。

前回に引き続き、懇切丁寧な感想。参考にして、次回作につなげたいと思います。
本当にありがとうございました!!
まだまだ未熟ですが、きびしい目で見守っていただけると、幸いです。


pass
2011年08月08日(月)11時07分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
りりんさま。
拙作に目を通していただき、さらには感想まで残していただき本当にありがとございます!!

>いやー文章が素晴らしい。
>冒頭からその文章の魅力で引き込まれて、最後まで読んでしまったと思います。他の方も仰っていますが、「繊細で洗練された」とは良く言ったものですね。非常に時間をかけて練られたという感じを受けました。

ありがとうございます。
もったいないほどの褒め言葉です。しばらく踊り暮らそうかと思います。
ええ、冗談です。

いろいろな感想をいただき、今回の作品で「文章」は自分のなかで一つ、少しは洗練されているものなのだろうか、と考えるようになりました。それに対して、ほかの分野があまりにも追いついていないことが問題なのですけれども。

>しかし、勢い良く読めたのですが内容という点に関しては些か不満があります。
>彼が謎な人過ぎて、そんな彼に恋心を抱いてしまう彼女へ感情移入しにくいのだと思います。

キャラクターの、描写不足。
それは、今回の大きな反省点の一つでもあります。
主人公のひとり語りでどんどんと話が進んでゆき、ほとんどアクションがない。それが、キャラクターを全くの謎に陥れた下人の一つかな、と思っています。実際、アクションを持たせても、謎のキャラは謎であれるはずですから。
まさに、自分の実力不足です。

>よって文章はスラスラ頭に入ってくるのですが、途中から先を読みたくなるようなスリルというものがあまり無かったのです。展開があまり面白くないというのもあるのだろうと思います。でも無口な彼との絡みなんてなかなか難しいですよね。

上でも言った、アクションの不足ですよね。
展開の面白くなさ。
ありがたく頂戴いたします。今後の課題として、持っていきます。

>ラストの図鑑のオチは微妙です。口で言えよとか、手紙で良いじゃんって思ってしまいました。図鑑をポストには少しやりすぎかなと。

作者の「捻ったぜ」というおごりが、作品のなかに表れてしまった例なのだと思います。
あまりにも、最後までに至るところでの盛り上げ、や作品の流れ、というものが足らず、最後だけ浮いてしまったような、そんな感じになったのかな、と思いました。
正直な感想ありがとうございます。


改めまして、このような作品に感想を残していただき、本当にありがとうございました!!
りりんさまも、これからも頑張ってください!!


pass
2011年08月08日(月)06時54分 mi-co  +10点 p18177-ipngn100201kyoto.kyoto.ocn.ne.jp
mi-coです。

 丁寧に返信していただいたので、自重して書かなかった部分を書いてみます。予想通りウザい内容になってしまいましたがごめんなさい。

 後半、クライマックスですね。彼とのお別れのシーンです。一番盛り上がらなくてはいけない部分です。お別れがあるということは作品の半分くらいの段階で告げられていました。なので、読者もある程度は予測しています。
 このお話は予想を裏切るような展開を求められてはいないと思いますから、お別れを予測されていた上で盛り上げなくてはいけません。結構ハードルが高いです。今回はミヤコスミレとコーヒーが一役買っていたとは思いますが、個人的に、その二つだけでは弱いと感じました。

 話は変わりますが、彼女は彼とお別れして、その後どういう生活を歩んでいくのか――それを具体的にイメージできる方は少ないと思います。和菓子屋で働いていることはわかるけど、それだけです。一人暮らしをしているのは分かるけれど、それだけです。彼以外の人間に対してどういう接し方をしているのかはわからない。わからないことはそれだけではありません。

 例えば気弱な主人公が何かをキッカケにして自信を持つ。そうすると、対人関係や社会生活において何か変化が起こるであろうことは想像しやすいですよね。つまり彼の内面が変わることにより、外面での環境の変化が起こるわけです。その具体的なイメージを持たせるのが、お話の中で明かされる彼の私生活になります。それが出来ていないということは、読者にキャラクターのイメージが上手く伝わっていないということになります。
 私はこの作品の主人公である彼女のその後が全くイメージ出来ませんでした。彼と出会って別れて、それで終しまい――という感じです。余韻がないんですよね。申し訳ないのですけれど。
 
 有川浩さんの作品に『植物図鑑』の番外編が有りましたよね。私はそちらしか読んでいないのですが、短編でありながら、キャラクターが生き生きとしていた印象があります。リアルに給料のお話も出ていましたし、食費のお話も出ていました。いかにしてお金を切り詰めて生活するのかが語られていました。まぁ、あれは話の主旨が全く違うので、この作品と比べるのも烏滸がましいのですが、生活感は上手く表現されていたと思います。
 ただ、全てを語ればいいというものでもないですから、物語に必要なものを選び、少ない描写で読者に上手く想像させるのが必要なんじゃないかな、とは思います。
 
 和菓子でしたらワラビ餅とかいいと思うんですけどね。
 ワラビ餅にはワラビを使ったものと使っていない物があるんです。ワラビを使ったワラビ餅は黒ずんでいて、食感も違います。私が食べたのは直前で切り分けるタイプでした。そうしないと何かがダメになるとか言われたんですけど忘れてしまいました。値段は一般的に売られているワラビ餅よりも遥かに高いです。でも、そういうお店にはこだわりを感じますよね。そういうお店で働くと、何か意識的に変化が起こるかもしれませんよね。和菓子の本を買ってきて勉強したり、他のお店に食べに行ったり、消費者の傾向が気になったり。
 仕事に対してやり甲斐が生まれると、私生活にも少なからず変化が生まれると思うんですよね。そういう垣間が覗くような描写が少しでもあれば、読者も想像し易くなるんじゃないかな、と思います。

以上です。
では、失礼しますね。
7

pass
2011年08月08日(月)03時14分 りりん  +10点 pc6317a.osaknt01.ap.so-net.ne.jp
りりんです。
いやー文章が素晴らしい。
冒頭からその文章の魅力で引き込まれて、最後まで読んでしまったと思います。他の方も仰っていますが、「繊細で洗練された」とは良く言ったものですね。非常に時間をかけて練られたという感じを受けました。
しかし、勢い良く読めたのですが内容という点に関しては些か不満があります。
彼が謎な人過ぎて、そんな彼に恋心を抱いてしまう彼女へ感情移入しにくいのだと思います。
よって文章はスラスラ頭に入ってくるのですが、途中から先を読みたくなるようなスリルというものがあまり無かったのです。展開があまり面白くないというのもあるのだろうと思います。でも無口な彼との絡みなんてなかなか難しいですよね。ラストの図鑑のオチは微妙です。口で言えよとか、手紙で良いじゃんって思ってしまいました。図鑑をポストには少しやりすぎかなと。


8

pass
2011年08月07日(日)22時29分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ななななさま。

>。お久しぶり……でも、ないですかね。お世話になっております、ななななです。
>拝読しましたので、感想を書かせていただきます。

そうですね。そこまでお久しぶりでもない気が致します。
感想をいただき、本当に有難うございました。

>【展開】
>(略)緩やかな話なのにあまり退屈を感じずに読み進めることが出来ました。

退屈せずに読み進められた、とのことで、胸をなでおろしております。
「こんな作品最後まで読んでられっかよ!!」とあっさりブラウザバックされる光景が、頭の中でリピートされていたもので。

>(略)結局一般人だったので旅に出なければいけないという理由付けが弱いように思いました。

妖精オチは、まったく考えていませんでした。ちょっと、面白そうですね。書いてみようかな……。
さて、理由付けに関しては他の方にも指摘を頂いたとおり、細かく書き込めなかった自分の実力ゆえです。「旅」というキーワードも、どうしようかと考えた部分ではあるのですが、なしくずしに残っていました。このまとめ方をするのであれば、違う別れ方でも良かったですね。

>時系列の問題。特に前半から中盤ではあっちこっちに時間が飛ぶので少々わかりづらかったです。もう少し減らしたほうが良いかなと思います。

うう。
すみません。
もはや、指摘されまくりで、頭の中をグルグルと回っています。
やはり、気になりますよね。

>あと、最後のカフェの場面。
>(略)クライマックスなのにまごついている印象が強く盛り上がりに水を差していました。

あとから考えなおしてみると、なんだか自分でその演出にのぼせていた感じがありますね。恥ずかしい……。
何の必然性もなく、突然カフェに向かう二人。行動に無駄が多いとの指摘、しっかりと胸に刻んでおきます。

>(略)各場面の末尾付近の文章から、指摘に近いかなと思うものを集めてみました(略)。似たような、っつーか、こじつけかも……。ただ、性急さは普通に読んでいて感じた部分でもあるので、変えたほうが良いと思います。

自分が文章のリズムに浸りがながら書いていると、出てきてしまう癖なのかな、と思います。自分の頭の中で糧に完結して、ちょうどいいスパイスのつもりで付け加えておいて、それが全てをぶち壊しているという。
文章を書く上で、気を付けていきたいと思います。

>【人物】
>二人とも、言葉足らずに過ぎます。

バッサリとまとまりましたね。
なにをっ! と思って読み進め……なるほど、そうですよね。と納得しました。投了です。

>彼。ミヤコワスレと図鑑を渡した辺り、(略)

「照れ屋」という言葉を逃げ口にして、確かに彼の行動がぶれていたように思います。
照れ屋なら何でも許されるわけじゃないぜ!! とのこと。そのとおりです。もっと、彼のキャラを練りこまなくては、いけないと思い知りました。

>一方の彼女は、好きなら好きとさっさと言えばいいのに、(略)

ふふん。そこが少女漫画なのさっ!!
と、開き直っても虚しいだけですね。
アクションの少なさ。これは、今回恋愛ものということで大きく影響したようです。すみません、ヘタレで。キャラクターも作者も。前回ハイさんにも、同じようなことを言われました。

>……なんか否定的なことを言っていますが、それは私がツッコマーだからです。

いえ、わかります。
自分もこの作品が自分の書いたものでなければ、ツッコミ倒していた可能性がありますから。

>いや、でも特に意味もなくするべきことをしない人、というのは、端から見ているとちょっと苛々するかもしれません。

これこそ、本当にヘタレですみませんでした。
小説の中なのに、なに書きしぶっとんじゃ、コラァ!! と怒られても、しかたがありません。

>恋愛物なので、彼らは恋のために全力を懸けるべきで(略)

言わなくても分かる、くらいの深まりをもたせたつもりでした。
けれど、いかんせん彼と過ごした時間がごっそり抜けてますますから……。モヤモヤさせて申し訳ありませんでした。これから、作者も盛大にモヤモヤします。
ちくしょー、これからは恋愛に全てを捧げるぜ!!
モテないのは、辛いですね。

キャラクター作りの甘さ、理由付けの甘さ、ともにプロットの甘さから来ているものだと思います。改めて、その重要さを思い知りました。細かい指摘、本当に有難うございます。

>【設定】
>(略)特に花言葉はありがちで、そのくせ「お洒落でしょ?」と思っているであろう作者側の思惑が透けて見える(気がする)ので注意が必要です。

自分の作った設定に、過剰な自信を持たないこと。
たしかに、それは全て物語の中に現れてきますね。
ななななさまがそのように感じられたということは、自分の中に、どこかおごっていた部分があったからだと思います。

>(略)だったら、あんなに字数を使わずに出会いだけをさらりと描写する方法があるように思うのです。

mi-co様にも指摘を受け、やはり前半の就職関連が、遊んでしまっているということを認識致しました。前作から、惰性のように残ってしまった設定であり、それはあの程度の調べで書けると思った。そして、それを中途半端にもかかわらず、入れ込んだまま投稿してしまった、自分のおごりが原因ですね。
こうして、色々な方から感想をいただくと、いかに自分の作品に対する態度がまだまだであったかを思い知らされます。
それが、直接作品の中に現れ、読んでいただいた方にも伝わってしまうのでしょう。
けっして妥協しない物語作り。肝に銘じて、これからもやっていきたいと思います。

>【文体】
>全体的に読みやすく、読んでいて楽しい……うーん? 楽しいというのとはちょっと違うのですが、何でしょう? 安心する? みたいな文章でした。一歩引いた、落ち着いた雰囲気が彼女の人柄にも合っています。……やっぱりメモを取ると文章に対する理解が深まりますね。

『ザ・一人称』ことななななさまにそう言っていただけると、自分の文章もこの世に存在していいんだ、と幸せになります。
いえ、これで満足はしません。そんなことをすれば、さっき書いたことにしょっぱな反していることになります。

>文章がこなれているせいで、細かいミスが目立ってしまうのが欠点といえば欠点でしょうか。たまによくわからない文章がありました。

文章に現れた、自分のおごりですね。
よくわからない文章、というのは、波に乗って雰囲気だけで付け加えたものが多いです。

>いくつか、細かい指摘を。

>冒頭の春推し。春、春、とちょっと連呼しすぎかなと思いました。

同じ単語の連続に関しては、見落としていました。
ご指摘ありがとうございます。これからのチェックポイントに付け加えようと思います。

>よくわからない文章。
>「私はミルクコーヒーで、彼はブラック」と言いたいのはわかるのですが、ミルクコーヒーを置いたのも彼なので、この時点で「それは私のもの」と思っている理由がよくわかりませんでした。

しまったぁぁあっ!
やってしまいました。改稿したときに、その矛盾を直していなかった部分です。完全な見落とし。大変失礼いたしました。

>論旨がぶれている文章。
>ここは「失ってまで知りたくない」ではなく、「失わなくても知っている」ではないかなと思いました。

ここは「これ以上の幸せはいらない」。つまり、いや、そういうつもりだったのです。失ってまで素人重ないほど、今十分に幸せだ、という。しかし、わかりにくい事この上ないですね。
次回以降、このような文章が内容気を付けていきたいです。

>細かいミス。そのいち。
「無駄足を喰らう」、喰らう(食う)じゃなくて「無駄足を踏む」だと思うのです。でもググってみたら「食う」のほうがいっぱい出てきました。どっちだろう……。

どっちなんでしょうね。
当然無駄足を食らうだと思っていたのですが……、たかが学生レベルの語彙なので、信ぴょう性のかけらもないのですが。

>おも‐かげ【面影/× 俤】

細かい指摘ありがとうございます!

>【欠点】
>言えよ! と思うこと。

先程も書きましたが、ヘタレで申し訳ありません!!

>もうひとつには、時系列がわかりづらいこと。

>時系列移動を複数回使われると、そういう書き方の話なのだという認識になり、場面転換のたびに「ひょっとして、時間が移動しているかも?」と想定しながら読み進めてしまうので、ちょっと負担が増えます。

色々と考えてみたのですが、自分ではいたらない考えでした。
確かに、そのような書き方だと認識すると、後で混乱が起きますね。人から、自分ではまったく気づかなかった部分を教えてもらう、ということを、今回も実感しまくっています。

>。ここは特に夢でなければいけない理由はないように思うのです。「そういう書き方」の雰囲気を出したいのであれば話は別ですが。

色々と検討してみます。

>【美点】
>雰囲気。(略)

ありがとうございます。
色々な方から感想をいただき、本当にこの作品は雰囲気で突っ走ったんだなぁ、と思いました。
自分の中のワンステップとして、「そのいち 雰囲気」としておくことにします。
次は設定だー、キャラだ―、といろいろと待ち受けていますが、この作品としてそこがある程度達成できなのであれば、ようやく次の段階に進んでいけるような気がします。

物語だけでなく、作者レスが一番わかりにくいよ! 
と言われてもしかたのないくらい、変な返答となってしまいました。

>以上です。
>執筆お疲れ様でした。

改めまして、長い感想を寄せていただき、本当にありがとうございました!!
ななななさまも、これからも頑張ってください!


pass
2011年08月07日(日)21時25分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
墨汁さま。

>こんばんは。墨汁と申します。
>先日は感想ありがとうございました。というわけで早速お礼参り(違)に参りました。

こんばんは。
その節は、大変勉強させて頂きました。
お礼参りに来ていただいた(!?)とのことで、感激しております。

>拙い文章でまことに恐縮ですが、感想を書きたいと思います。

目を通していただいたばかりか、感想まで。本当に有難うございます。

>いやぁ、最後良かったです。
>花言葉にかかるオチであろうとは予測してはいたものの、ミヤコワスレが咲き始めてからの展開と描写はとてもよかったと思います。

褒めていただき光栄です。
最後になにか墨汁さまへと届くものがあったのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

>前半から中盤にかけてのゆったりとした雰囲気と描写とが非常にマッチしていて個人的にもツボに嵌り非常に楽しく拝読させて頂きました。
>こういう切ないの、弱いんですよねぇ、個人的に。

自分としても、こういった感じ(もちろん、今回の作品ではなく、目指している作品を指すのであって、ええと、すみません混乱しました。聞き流してください)は大好きなので、手始めに、と書いている次第です。
好みが合いますね。(⇐ほんとか?)
とにかく、楽しんでいただけたのであれば、幸いです。

>あぁ。自分も綺麗に書き上げられる文章力が欲しい(涙
>読み終えた余韻も素晴らしかったです。

ありがとうございます。
ただただ、お礼を言うだけにとどめておきます。
これ以上何かをいうと、ちょっとウザくなってしまいそうなので。

>まず、あそこは寧ろ覗きたい!(違

覗かせませんよっ!!
作者として、規制致します。
その特権は、作者のみが……。
何か勘違いをしていたらすみません。

>という冗談はさておきまして、敢えて指摘を上げるのであれば、彼と彼女の最初の出会いでしょうか。
>。他の方も指摘されておりましたが、彼の性格からして、突然「就職浪人?」と話しかけるのはちょっとイメージが着きませんでした。

ですよね。
説明不足、第一号の場面です。
彼が謎すぎる――、という。
ここでくどくどと説明するのは省かせて頂きますが、とりあえず理由はあるんです!!
はい。
それを入れ込めなかったと言う所が、現在の自分の実力を象徴していると思います。

>それと結構時間が移り変わるんですよね。最後の盛り上がりで吹き飛んではしまうんですが、読んでいる最中には、お、飛ぶのか。という気分にはなりました。

時間移動に関しても、もはやザ・反省ポイントですね。
実力不足ゆえ、混乱させてしまったことと思います。
申し訳ありません。

>とまぁ的外れかも知れない指摘を並べてしまいましたが、とても楽しかったです。

大変、参考になる感想でした。
わざわざ記してくださったことに感謝致します。

>私自身未熟者でありながら色々書いてしまい申し訳ありません。
>もしご不快な思いをされましたらその際にはスルーしてください。

いえいえ。
感想までいただけたということだけで、本当に嬉しいです。
有難う御座いました!!

>次作も楽しみにしております。
>頑張って下さい。

いつになるかは分かりませんが、その節は宜しくお願いいたします。
墨汁さまも、これからも頑張ってください!!

pass
2011年08月07日(日)21時09分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
水守中也さま。

>こんばんは。水守中也です。作品拝読しました。

読んでいただいたばかりか、感想までいただき、本当に有難うございます!!
棚上げ感想の、もっとも大きな被害を受けたと思われる方が、いらっしゃり、戦慄としております。

>。以前書かれた作品を改稿されたということですが、本当に読者から頂いた感想を真摯に受け止め、丁寧に作られた作品だと感じました。

以前から、すでに半年以上たち、それまでの間に投稿できるような作品は、前回の改稿作しかなかったという、非常に悲しい事態です。
それだけに、この半年は、この作品の改稿に力を注ぎまくっていたとも言えますので、そう言われると、この半年間の苦労が吹き飛ぶような気がします。
余談ですが、夏の間に投稿できて、ほっとしております。
「投稿する」のボタンをおすとき、どれほど指先が触れたことか……。
どうでもいいですね。
はい。

>それと何度か頂いた感想から想像はしておりましたが、本当に文章がお上手ですね。正直圧倒されました。

先程から、文章に関してだけはみなさまに褒めていただき、ちょっと自信を持ってもいいのかな、と思っています。
自分の中で、この物語の原点とも言える部分ですので、たいへん嬉しく受け取らせて頂きます。

>作品の内容ですが、彼と彼女の距離感が絶妙でしたね。個人的には主人公が彼のことをあれこれ聞かなかったのはアリだと思います。柔らかな雰囲気の作品にマッチしていました。

アリ、ですか。
結構違和感を抱くという意見が多かったもので、そのように受け取ってくださる方もいるんだな、と改めて思いました。
雰囲気を壊していなかったようで、幸いです。

>ですので謎のまま旅立った浪人君の描き方にも特に不満はありませんでした。むしろ好みでした。最初に登場したとき主人公の「ヒモ」だと思ったことは秘密です(大して変わらないかもしれませんが)。

ヒモっ!!
まさかの展開でした。
確かに……ヒモと言えなくはないような気もします。
いえ、りっぱにヒモをしているような気がちょっとしてきました。
無言で彼に睨まれそうな気がしたので、これ以上の憶測はやめておきます。

>>「――視……ないか……さ」
>この発言はなんて言ったのか想像力を書きたてますね。答えはけっこうですです。こっちで勝手に想像させていただきます(笑)

あれ、いいんですか。
来たら答えてやろう、とうずうずして待っていたのですが……。
狙いがあたったようで、うれしいです。

>気になった点は、皆様からも指摘があるようですが、時系列が分かりにくかったことです。

前作から引き続き、反省すべき点です。
プロットをしっかり立てれば回避できるのかな、と思っています。

>というのも、0章の「春休み前のたまの休日」という文を読んで主人公がまだ学生だと勘違いしてしまったためです。社会人に、春休みなどというものは存在しないのです……と愚痴っておきます。

申し訳ありません。
社会時の辛さを知りもしない学生が、こんな悟ったことを書いて。
実は、この作品をあげるとき、水守さんのお気に触るのではないかと、危惧しておりました。
「何甘ったれたこと書いてんじゃこのやろ! 世の中そんな甘くないんだよ、現実を見ろ!」と、正直なところ言われるのではないかと。
しかし、今のところそこまでの意見はなく(胸の内で留めておられるからかもしれませんが)ほっと胸をなでおろしています。

>>そしてもう一つは、雨の日に傘を差さないこと。
>彼を真似たのでしょうか? ちょっと分かんなかったです。理解力不足で申し訳ございません。

はい。
彼を真似しています。
彼を意識していることに自覚を持ち始めた……と言った感じのことを、表現しようとしていれた部分ですが、よく考えれば、最初の彼が傘をささずにという部分が弱い上に、そこに関しては心情描写が薄かったようにも思います。
ここが伝わりにくかったということ。
了解致しました。

>ストーリーについては、やや平坦な印象を受けました。下手に事件を描くよりはずっと良いのですが、もう少し山場があっても良かったかなと感じました。ちょっとした喧嘩とか。喧嘩させることで逆に二人の甘い関係も引き立つかもしれません。

他の方にも言われていますが、文章に対してストーリーの盛り上がりのなさが、この作品の大きな問題のようです。
具体的なアクションが殆ど無い、ところもその原因の一つでしょう。
と、偉そうに分析しますが、ここまでに至る十一人の方の感想から、ようやく気づくことができた部分です。
重ねて水守さんにも指摘を受け、ダメの押しのように心のなかへと刻み込まれました。

>オチについては、最初花言葉は安易かなと感じました。私は知りませんでしたが、もし「ミヤコワスレ」の花言葉を知っている人が読んだらどうなるだろうと思ったのです。けれどオチを知って読み直して見ても作品が色あせることはなかったので、全く問題ないと思います。

わざわざ検証まで、本当に有難うございます。
つまり、それはこの長さの作品を読みかえしていただけたということですよね。
感激しています。
自分自身、余程のことがないと作品を読み返すということをしないため……あれ? しないのは自分だけでしょうか。

>それでは。力作に対し、ばらばらとした拙い感想で恥ずかしいですが失礼します。>執筆お疲れ様でした。

大変ためになる感想を、本当にありがとうございました!!
水守さんも、近くに控えている夏企画に向け、執筆されていることだろうと思います。頑張ってください!!

pass
2011年08月07日(日)21時07分 なななな aTPIyFleM. +10点 111-90-80-155.nkno.j-cnet.jp
 お久しぶり……でも、ないですかね。お世話になっております、ななななです。
 拝読しましたので、感想を書かせていただきます。

【展開】
 恋バナですね。こう書くとさりげなく花ともかかって「うまいこと言った」感に浸れます。勘違いですね、そうですね。春めいたほわほわした雰囲気は心地よく、緩やかな話なのにあまり退屈を感じずに読み進めることが出来ました。

 どうやら放浪癖のあるらしい彼との恋愛で、私は最後まで「実は春の妖精だった」みたいなオチを予想していたのですが、結局一般人だったので旅に出なければいけないという理由付けが弱いように思いました。

 時系列の問題。特に前半から中盤ではあっちこっちに時間が飛ぶので少々わかりづらかったです。もう少し減らしたほうが良いかなと思います。

 あと、最後のカフェの場面。
 出会った場所がカフェだから別れも、という演出なのだろうと察せられますが、クリアファイルを用意したり持ち出した鉢植えを持ち帰ったり、なんか行動に無駄が多いので素直にベランダのほうが良いと思います。クライマックスなのにまごついている印象が強く盛り上がりに水を差していました。

(付け足し)
 エフェドリンさんの影響を受けているのですが、私も似たようなことを思ったので書き添えておきます。

>「また、会えるんだよね……」
>無性に嬉しくて、気付けば彼の手を掴んで家へと走っていた。
>なぜ嬉しいのかは、よく分からないけど。

 各場面の末尾付近の文章から、指摘に近いかなと思うものを集めてみました。
 それぞれ、場面に比して性急な描写です。
 方向性はわかるので彼女が好意を抱くのはわかるのですが、最初の場面では「もう一度会いたい」と強く思うほど惹かれているようには感じられず、例示の台詞がしっくり来ませんでした。
 そして、そのまま三年が経過しているので、「無性に嬉しい」はまだわかるにしても、「彼の手を掴んで家へと走っていた」は変質者レベルです。二回会っただけで家に招くのは、さすがに。
 三番目。「なぜ嬉しいのか〜」、上記二つは前に進みすぎている印象ですが、こちらは無駄に下がった印象です。そこで下がるんだったら進まないほうが良かったと思います。
 性急な描写のせいで、せっかくの雰囲気が壊れてしまっています。末尾の文章というのは場面の総括というか、印象を決定する部分なので、ここでそれまでの雰囲気が壊れてしまうと、「あれ? これってどういう場面だったの?」という気分になってしまい、そのせいで各場面のつながりが薄い印象になっているのかなと思いました。
 似たような、っつーか、こじつけかも……。ただ、性急さは普通に読んでいて感じた部分でもあるので、変えたほうが良いと思います。

【人物】
 二人とも、言葉足らずに過ぎます。
 彼。ミヤコワスレと図鑑を渡した辺り、伝える意思はあるようなのですから、口で言えよと思いました。照れ屋ということであっさり片付けられていますが、照れ屋ならこんな迂遠かつロマンティックな手段こそ敬遠しそうな気もします。気障すぎる。しかも買った理由、「カンだね」とかはぐらかしてるわけですよ。恥ずかしー。後で思い出して布団の中でばたばたしろよと思うのですが、それにしては少々薹が立っています。そういうのは若者の特権でしょうよ。
 一方の彼女は、好きなら好きとさっさと言えばいいのに、「気づいてる?」とか独白して乙女心に浸っています。気づくか、んなもん。そのくせ本人は「なぜ嬉しいのかは、よく分からないけど」とカマトトぶっているし。
 ……なんか否定的なことを言っていますが、それは私がツッコマーだからです。

 いや、でも特に意味もなくするべきことをしない人、というのは、端から見ているとちょっと苛々するかもしれません。恋愛物なので、彼らは恋のために全力を懸けるべきで、それが出来ないのであれば理由付けするべきだと思うのです。今作では「好き」の一言もなく、また「言わなくてもわかる」というほどの関係の深まりもなく結末を迎えてしまうため、何だかモヤっとしました。
 微妙に展開の話をしているのは、展開の項で書いたことを「あれ? これって、人物の項に移したほうが……」ということで移したからです。

【設定】
 ……せ、ってい……? いつものことですが、困ります。特にこういう話は。
 ミヤコワスレは出てきた時点で何か重要な働きをするのだろうことは察せられるので、もうちょい捻ったほうが良いかもしれません。特に花言葉はありがちで、そのくせ「お洒落でしょ?」と思っているであろう作者側の思惑が透けて見える(気がする)ので注意が必要です。そんな風に思うのは私が昔、「お洒落でしょ?」と思いながら使おうとしたからかもしれませんが。

 主人公が就活で失敗して結局アルバイトを始め、やりたいことを見つけて今は和菓子屋の社員、という設定が彼との出会い以外に活かされていない点が少々残念でした。だったら、あんなに字数を使わずに出会いだけをさらりと描写する方法があるように思うのです。
 作中に漂う雰囲気からして、恋愛を主軸に描きながら主人公の生活もちょいちょい描写して、それらが相関しながら物語を紡いでいく……みたいな形になるのかなと思っていたので、和菓子屋で働くようになった、というエピソードが後に活かされていないのが残念でした。
 長いこと彼を待つ、コーヒー、とかと絡めて、個人経営の飲食店(カフェだとアルバイトしかいないイメージなので)で働いている、みたいな展開にすれば良いのではと思います。あ、適当発言なのでスルーしてください。
『ランチの女王』のせいで、飲食店って「いつまでも待っていてくれる場所」みたいなイメージが染みついているのです。

 意外と長々書けましたね……。

【文体】
 全体的に読みやすく、読んでいて楽しい……うーん? 楽しいというのとはちょっと違うのですが、何でしょう? 安心する? みたいな文章でした。一歩引いた、落ち着いた雰囲気が彼女の人柄にも合っています。……やっぱりメモを取ると文章に対する理解が深まりますね。
 文章がこなれているせいで、細かいミスが目立ってしまうのが欠点といえば欠点でしょうか。たまによくわからない文章がありました。
 いくつか、細かい指摘を。

>吹き抜ける春の風に、そろそろ衣替えかなと思い始めた頃のことだった。
>春の風がやけに心地いいベランダで、私はミヤコワスレを眺めた。
>春休み前のたまの休日。こんなにのんびりと過ごせるのは、彼が隣にいるからだろうか。それとも、今が単純に春だからだろうか。そんな答えの分かりきっている疑問を空に向けて問い掛けても、返ってくるのは春風ばかり。

 冒頭の春推し。春、春、とちょっと連呼しすぎかなと思いました。

>中身は、ブラック。なんだか格の違いの違いを見せ付けられているようで、腹がたった。どうせ、舌がお子様レベルですよ。

 よくわからない文章。
「私はミルクコーヒーで、彼はブラック」と言いたいのはわかるのですが、ミルクコーヒーを置いたのも彼なので、この時点で「それは私のもの」と思っている理由がよくわかりませんでした。

>よく、大切なものは失ってからその真価に気付くというけれど、失わないとその価値が分からないようなものはいらない。今でも十分に幸せだから、失ってまでその価値を知ろうとなんか思わない。だから、これが神様の与えた試練だというなら、私は断固として拒否してみせる。そんなもの、絶対にいらないから。

 論旨がぶれている文章。
 ここは「失ってまで知りたくない」ではなく、「失わなくても知っている」ではないかなと思いました。

>けれど、彼はまったく姿を見せず、一週間カフェに通いつめた私は、まったくの無駄足を喰らった。

 細かいミス。そのいち。
「無駄足を喰らう」、喰らう(食う)じゃなくて「無駄足を踏む」だと思うのです。でもググってみたら「食う」のほうがいっぱい出てきました。どっちだろう……。

>最近どこかで彼の面影を探している自分に、いろんなところで会う。

 細かいミス。そのに。

おも‐かげ【面影/× 俤】
1 記憶によって心に思い浮かべる顔や姿。「亡き人の―をしのぶ」
2 あるものを思い起こさせる顔つき・ようす。「目もとに父親の―がある」「古都の―は今やない」
3 実際には存在しないのに見えるように思えるもの。まぼろし。幻影。
(Yahoo!辞書)
(まったく関係ないように思える記述を省略しています)

 なので、「面影」→「姿」とかのほうが良いかなと思います。

【欠点】
 言えよ! と思うこと。
 旅立つ彼を引き留めろ、とは言いません。でも明らかに好意があるのに、相手には「気づいてる?」とか(独白で)言っちゃうのに、自分は言わない、という態度はどうかなと思うのです。「好き」って言ったら彼を引き留めることになってしまうから、言わない、みたいな展開であれば納得できるのですが。

 もうひとつには、時系列がわかりづらいこと。
 夢を見た、と言っている場面は普通に描写したほうが良いと思います。時系列移動を複数回使われると、そういう書き方の話なのだという認識になり、場面転換のたびに「ひょっとして、時間が移動しているかも?」と想定しながら読み進めてしまうので、ちょっと負担が増えます。ここは特に夢でなければいけない理由はないように思うのです。「そういう書き方」の雰囲気を出したいのであれば話は別ですが。
 時間移動多めの一人称って雰囲気がふんわりするので、今作には合っているかもしれません。

【美点】
 雰囲気。そんなもん褒められてもわかんねーよ、という話かもしれませんが、文章から感じられる春めいた雰囲気は好きでした。展開が緩いのに読みやすいというのも素敵です。

 以上です。
 執筆お疲れ様でした。
8

pass
2011年08月07日(日)20時15分 墨汁 EsOD70aqlQ +30点 p03793b.kngwnt01.ap.so-net.ne.jp
こんばんは。墨汁と申します。
先日は感想ありがとうございました。というわけで早速お礼参り(違)に参りました。
拙い文章でまことに恐縮ですが、感想を書きたいと思います。

いやぁ、最後良かったです。
花言葉にかかるオチであろうとは予測してはいたものの、ミヤコワスレが咲き始めてからの展開と描写はとてもよかったと思います。

前半から中盤にかけてのゆったりとした雰囲気と描写とが非常にマッチしていて個人的にもツボに嵌り非常に楽しく拝読させて頂きました。
こういう切ないの、弱いんですよねぇ、個人的に。
あぁ。自分も綺麗に書き上げられる文章力が欲しい(涙
読み終えた余韻も素晴らしかったです。

というわけで、個人的には大満足でした。


と、個人的にはとてもおなか一杯にさせて頂いたのですが、何とか頑張って指摘をさせて頂きたいと思います。

まず、あそこは寧ろ覗きたい!(違

という冗談はさておきまして、敢えて指摘を上げるのであれば、彼と彼女の最初の出会いでしょうか。
他の方も指摘されておりましたが、彼の性格からして、突然「就職浪人?」と話しかけるのはちょっとイメージが着きませんでした。
言葉少なく朴訥な印象を受けているんですが、何を思って最初話しかけたのかな、と。まぁ彼としても彼女が気になっていたからちょっと助け舟を出してみたくなったとかそんな感じなのでしょうか。

それと結構時間が移り変わるんですよね。最後の盛り上がりで吹き飛んではしまうんですが、読んでいる最中には、お、飛ぶのか。という気分にはなりました。

とまぁ的外れかも知れない指摘を並べてしまいましたが、とても楽しかったです。

私自身未熟者でありながら色々書いてしまい申し訳ありません。
もしご不快な思いをされましたらその際にはスルーしてください。

次作も楽しみにしております。
頑張って下さい。
4

pass
2011年08月07日(日)19時47分 水守中也 WqqU5hdvk2 +30点 p5051-ipad409hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
こんばんは。水守中也です。作品拝読しました。
以前書かれた作品を改稿されたということですが、本当に読者から頂いた感想を真摯に受け止め、丁寧に作られた作品だと感じました。
それと何度か頂いた感想から想像はしておりましたが、本当に文章がお上手ですね。正直圧倒されました。
作品の内容ですが、彼と彼女の距離感が絶妙でしたね。個人的には主人公が彼のことをあれこれ聞かなかったのはアリだと思います。柔らかな雰囲気の作品にマッチしていました。
ですので謎のまま旅立った浪人君の描き方にも特に不満はありませんでした。むしろ好みでした。最初に登場したとき主人公の「ヒモ」だと思ったことは秘密です(大して変わらないかもしれませんが)。

>「――視……ないか……さ」
この発言はなんて言ったのか想像力を書きたてますね。答えはけっこうですです。こっちで勝手に想像させていただきます(笑)

>とても薄い鉛筆で下に線が引かれた、一文を。
これはツボでした。彼の性格からすると図鑑を置いていくだけだと思うんですよね。それなのにあえて線を引く。主人公に自分の想いを伝えようとする精いっぱいの主張のように思えました。

気になった点は、皆様からも指摘があるようですが、時系列が分かりにくかったことです。というのも、0章の「春休み前のたまの休日」という文を読んで主人公がまだ学生だと勘違いしてしまったためです。社会人に、春休みなどというものは存在しないのです……と愚痴っておきます。

>そしてもう一つは、雨の日に傘を差さないこと。
彼を真似たのでしょうか? ちょっと分かんなかったです。理解力不足で申し訳ございません。

ストーリーについては、やや平坦な印象を受けました。下手に事件を描くよりはずっと良いのですが、もう少し山場があっても良かったかなと感じました。ちょっとした喧嘩とか。喧嘩させることで逆に二人の甘い関係も引き立つかもしれません。
オチについては、最初花言葉は安易かなと感じました。私は知りませんでしたが、もし「ミヤコワスレ」の花言葉を知っている人が読んだらどうなるだろうと思ったのです。けれどオチを知って読み直して見ても作品が色あせることはなかったので、全く問題ないと思います。

それでは。力作に対し、ばらばらとした拙い感想で恥ずかしいですが失礼します。執筆お疲れ様でした。

8

pass
2011年08月07日(日)17時26分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
エフェドリン様。
ここのサイトを初めて訪れ、初めて作品を投稿した時。もう、一年と少し前になりますけれども。
掌編のまでお名前を見たのを覚えております。
お店の話で、二人の女の店員さんと、店長さんのコメディーだったような記憶があります。(間違っていたらすみません)
そのころから、エフェドリン様は、自分にとって尊敬すべき先輩であり、このように感想をいただけるような事態に、混乱するほどです。
感想、本当にありがとうございました。

>・物語が全体的に浮ついている印象でした。その場の雰囲気を繋ぎ合わせた小説という感じです。

いろいろな方に、指摘されていますが、物語の基盤となる部分が弱い、ということが現在のところ、自分の課題のようです。

>なんでそう思ったのかと説明するのは難しいのですが、全体を読み通して理解した・感じたというものが薄かったからかなと思います。
>各シーン毎ではそれらはある程度感じ入ることができるのですが、それらが連なったときに指数関数的に感動が増幅されていく、ということがなく。シーンが有機的に繋がっていない、ということなのでしょうか。
 
雰囲気をつなぎ合わせているだけに、それが有機的な物語として、読んでいる方に届きえていないのかもしれません。

>なんとなくプロットが無く書かれたお話のような気がします。プロットと言っても川上稔氏の世界観を網羅するようなレベルのものほどではなくて、ストーリーを起承転結に纏めることやお話の核となる要素の整理、登場人物のストーリー上での立ち位置や核となる要素についての見解などのもの。

そこが、一番、自分にとっての大きな課題です。
プロットを作るということを、どうしてもできないのです。
しかし、それも、これからどんどんと修正していかなくてはいけない部分で、もはや先延ばしにできないということを悟りました。

今まで自分にとっての物語作り「文章の中からストーリー」が生まれるものだったのです。まず、なんでもいいからたくさん文章を書いてみる。その中から、インスピレーションを得て、話を発展させる。ずいぶんと書きあがっていても、文章からどんどんとアイデアが生じ、広がっていきます。
そんな書き方でした。

しかし、その書き方では、今回の作品にて皆様が苦言を呈された「話がぼやける」「全体がつながらない」「場面の転換が多い」といったことにつながってしまう。
はっきりと、それと向き合わなけれなばいけないということがわかりました。
本当にありがとうございます。
そして、このような作品を最後まで読んでいただいたばかりか、感想まで残していただき、本当にありがとうございました。

>小説を書くに辺りプロット作成は絶対だとは言えませんが、しかし短編以上の枚数で面白いお話を書くにはプロットはどうしても必要なのかなと。実際のところどうなのかはわかりませんが、そのあたりが曖昧すぎている印象をもちました。

まさに、ご指摘の通りです。
これからの自分の明確な課題として、挑戦してゆきます。

>・他の方も仰っていましたが、シーンが多すぎるような気がします。
>これに関してはお話をぼやけさせてしまっているかなと。シーンの移り変わりに意識を持っていかれ、一瞬ですがそのときに抱いていた気持ちやら考えをリセットさせられてしまいます。これが比較的短いお話の中で頻発することで気持ちが途切れ途切れになり、結果としてお話に乗り切ることができなかったかなと。これについては作者様がお話を纏めきれていない故にだったのかなと考えます。

最後までしっかりと描き切れず、むりやり短い枚数にまとめた故に、場面転換の多いものとなってしまったようです。
前作を書いた時の反省として「書けるところまで書く」ということがありました。それは、書かずにあいまいにしていた部分が多かったからで、そのことから今回は一度書き込みすぎ、というほど書き込みました。削る前は、この二倍には至りませんが、それほどの枚数はありました。
しかし、それを削ったときに、どうしてもプロットがないことのデメリットが大きく出てしまったのかな、と思います。

>シーン数はもう少し減らし、ワンシーンの中にお話で重要なことをもっと密に詰めることが良いかなと自分は思います。

検討いたします。
ご指摘ありがとうございました。

>・文章については読みやすく、状況や心情が感じやすかったです。これについては短編の間に投稿されている他作品と比べ際立っていたかと思います。すこし濃いめと感じる部分もありましたが、全体的には過不足無い描写だったのかなと。
 
文章に関しまして、新庄が感じやすかったのこと。
本当にうれしいです。
自分の作品の中で、一部でもエフェドリンさまが良いと感じるようなところがあったのであれば、幸いです。
ちょっとは自信を持っていいのでしょうか。

>とにかくお伝えしたかったのは、文章や描写表現にストーリーが追いついていない気がしたこと。

先ほども長々と書きましたが、まさに現在の自分の課題であるかと思います。
一度、文章についてはおいて、プロットづくりの勉強に励もうと思います。

>おそらく一度か二度改名なされた方だと思いますので以前はどんなお話を書いていたのか失念してしまいましたが、ライトノベル作法研究所で文章表現については見違えるほどの上達をしたのだと思います。

いえ、今まで一度も改名したことはありません。
昨年の五月、初めて家にパソコンというものが訪れ、そこからこのサイトにたどり着いたのもちょうど同時期でした。
あの頃は殿智さまなども掌編のまで活躍されていたと思います。
それ以来、掌編の間に連続で三作投稿。
何かに焦っていたらしく、ひどいものでした。
そこから反省して、短編の間にこれで二作目。合わせて五作となります。
その中で、文章は多少は上達、いえ、結構上達したのではないかと自負しています。

>しかしお話を一から形作る・面白くなるように構成するという部分についてはその限りではない気がしました。単純に文章の腕が早すぎるくらいに上達したのか、物語創作については少しおざなりにしていたのかは分かりませんが、次はそちらを特に意識してお話作りをするべきだと未熟ながらにお伝えしたいです。

単純に目を背けていただけです。
おっしゃる通り、特にそちらを意識して物語を作ってゆこうかと思います。

>正直に言えば今回のお話も、文章表現で心地よい雰囲気を形作ったあまりおもしろくないストーリーというものでした。点数もそのような読後感からつけさせていただきました。

正直な感想ありがとうございます。
まさに、雰囲気だけ、という作品の見本となりそうです。
一つの自分の段階として、保存しておこうと思います。

>まったく自分が言える立場でないのは重々承知です。あまりに作者様のお考えと見当違いな意見であったら容赦なく切り捨て願います。

いえ。いろいろと、気づかされることばかりでした。

>下手な意見ですが、今後の参考になれば幸いです。

ためになる感想を、本当にありがとうございました!!
自分の大きな課題が見えてきたように思います。
これからも、お互いに頑張っていきましょう!


pass
2011年08月07日(日)16時00分 エフェドリン  +10点 119-173-250-87.rev.home.ne.jp
 こんにちはエフェドリンです。

 以下、箇条書きな感想になります。申し訳ありません。


・物語が全体的に浮ついている印象でした。その場の雰囲気を繋ぎ合わせた小説という感じです。
 なんでそう思ったのかと説明するのは難しいのですが、全体を読み通して理解した・感じたというものが薄かったからかなと思います。各シーン毎ではそれらはある程度感じ入ることができるのですが、それらが連なったときに指数関数的に感動が増幅されていく、ということがなく。シーンが有機的に繋がっていない、ということなのでしょうか。
 なんとなくプロットが無く書かれたお話のような気がします。プロットと言っても川上稔氏の世界観を網羅するようなレベルのものほどではなくて、ストーリーを起承転結に纏めることやお話の核となる要素の整理、登場人物のストーリー上での立ち位置や核となる要素についての見解などのもの。小説を書くに辺りプロット作成は絶対だとは言えませんが、しかし短編以上の枚数で面白いお話を書くにはプロットはどうしても必要なのかなと。実際のところどうなのかはわかりませんが、そのあたりが曖昧すぎている印象をもちました。

・他の方も仰っていましたが、シーンが多すぎるような気がします。
 これに関してはお話をぼやけさせてしまっているかなと。シーンの移り変わりに意識を持っていかれ、一瞬ですがそのときに抱いていた気持ちやら考えをリセットさせられてしまいます。これが比較的短いお話の中で頻発することで気持ちが途切れ途切れになり、結果としてお話に乗り切ることができなかったかなと。これについては作者様がお話を纏めきれていない故にだったのかなと考えます。
 シーン数はもう少し減らし、ワンシーンの中にお話で重要なことをもっと密に詰めることが良いかなと自分は思います。

・文章については読みやすく、状況や心情が感じやすかったです。これについては短編の間に投稿されている他作品と比べ際立っていたかと思います。すこし濃いめと感じる部分もありましたが、全体的には過不足無い描写だったのかなと。
 

 とにかくお伝えしたかったのは、文章や描写表現にストーリーが追いついていない気がしたこと。おそらく一度か二度改名なされた方だと思いますので以前はどんなお話を書いていたのか失念してしまいましたが、ライトノベル作法研究所で文章表現については見違えるほどの上達をしたのだと思います。しかしお話を一から形作る・面白くなるように構成するという部分についてはその限りではない気がしました。単純に文章の腕が早すぎるくらいに上達したのか、物語創作については少しおざなりにしていたのかは分かりませんが、次はそちらを特に意識してお話作りをするべきだと未熟ながらにお伝えしたいです。正直に言えば今回のお話も、文章表現で心地よい雰囲気を形作ったあまりおもしろくないストーリーというものでした。点数もそのような読後感からつけさせていただきました。
 まったく自分が言える立場でないのは重々承知です。あまりに作者様のお考えと見当違いな意見であったら容赦なく切り捨て願います。


 下手な意見ですが、今後の参考になれば幸いです。
8

pass
2011年08月07日(日)13時46分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
キトp様。

>こんにちは、キトPです。
>御作品を読ませていただいたので、感想を残したいと思います。

読んでいただいたばかりか、感想まで残していただき、本当に有難うございます!!

>改稿する前の作品を読んだことがなく、今回が初めてだったのですが、なかなかに丁寧で、完成度の高い作品なのではないかと思いました。文体も読みにくいところは無く、スムーズに話を読むことができてよかったです。花言葉のくだりは良かったですね。予想はしていましたが……。

文章には、気を使い過ぎるほど使いましたので、「丁寧」で収まってほっとしています。
「グダグダ長いんだよこのやろう!」と言われるかも、と怯えておりました。
花言葉のくだり、は予想できたということで……。
この作品は、トリックとか展開が読めない、とかそういった系ではないつもりなので、予想されていた、というのもありかと思いました。

>不器用な彼の優しさも、読んでいて伝わってくるように思えました。

正直、無口すぎて謎すぎて、読んでいただいたみなさまを置いていってしまうのではないか、と不安に思っていた部分でした。
彼の優しさ、のようなものが伝わったのであれば、うれしいです。

>あとは単調になりがちなストーリーの盛り上げがもう少しあれば、というところでしょうか。

一人称の独白が多いので、やっぱり盛り上がりにかけますよね。
もっと、明確なアクションを入れれば良かったなぁ、と反省しています。

>最後に細かいところだけ、何点か。

>>そして、三年間飲まなかったミルクコーヒーを、飲む前に、彼に机の上のもう一つを進める。

>「進める」ではなく「勧める」ですね。

誤字です。
すみません。訂正させて頂きます。

>>でも、私の生活の中で、彼とすごす日曜日は本当に大切なものだった。

>えっと、月曜日でしたよね?

他の方にも指摘されましたが、はい。月曜日です。
修正が遅れて申し訳ありません。
まだまだ推敲が甘いということを思い知りました。
さっそく訂正させて頂きます。

>くらいですかね。それしか突っ込めないところが残念なのですが、それだけ高い完成度を持った作品だと思いました。

身に余るお言葉、ありがとうございます。
少しでも、キトp様を楽しませることが出来なのであれば、幸いです。

>以上、また、次作が上がるのを楽しみにしております。
>それでは失礼します。

いつになるかは分かりませんが、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
改めまして、感想を寄せていただき、本当にありがとうございました!!
これからも、お互いにがんばりましょう。

pass
2011年08月07日(日)13時36分 キトP mwqT/x61OM +30点 dae63233.tcat.ne.jp
こんにちは、キトPです。
御作品を読ませていただいたので、感想を残したいと思います。

改稿する前の作品を読んだことがなく、今回が初めてだったのですが、なかなかに丁寧で、完成度の高い作品なのではないかと思いました。文体も読みにくいところは無く、スムーズに話を読むことができてよかったです。花言葉のくだりは良かったですね。予想はしていましたが……。

不器用な彼の優しさも、読んでいて伝わってくるように思えました。あとは単調になりがちなストーリーの盛り上げがもう少しあれば、というところでしょうか。

あとはなかなか、まだ初心の私としては批評できるところがなかなか見つかりませんね。最後に細かいところだけ、何点か。

>そして、三年間飲まなかったミルクコーヒーを、飲む前に、彼に机の上のもう一つを進める。

「進める」ではなく「勧める」ですね。

>でも、私の生活の中で、彼とすごす日曜日は本当に大切なものだった。

えっと、月曜日でしたよね?

くらいですかね。それしか突っ込めないところが残念なのですが、それだけ高い完成度を持った作品だと思いました。

以上、また、次作が上がるのを楽しみにしております。
それでは失礼します。
9

pass
2011年08月07日(日)11時42分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
多加枝鋏見さま。

>ハナミズキ

私の思いを受けてください。公平にする。返礼。華やかな恋。     
と花言葉がありますが……、返礼ということなのでしょうか?

>どうも、grass horseさん、お久しぶりです。
>地獄の底から浮かび上がってきましたタカエダです。(誰?って言われても気にしない)
>改稿前の今作を読んだ身としては、まあ、書くべきだろうということでつらつらと述べます

大変お久しぶりです。
前作に引き続き、今回も、本当にありがとございました。
ずいぶんと長い間お会いしていませんでしたね。

>まず、悪かったところ。

しょっぱな、核心をついてきますね。
甘んじて受けましょう。

>前稿でも問題だなと思っていた、時間の流れ。これがまだ解決されていないように思いました。
>頻繁に時間軸が飛んだり入れ替わったりで、けっこう頑張らないと読めないのでは、と。いや、頑張って読めよっていわれそうですけど、
>>あの日から、私が続けていることがある。
>例えばここを、「彼と会ったあの日から」とか
>>彼は、毎週約束どおりの時間に、
>「それから彼は、毎週約束どおりに〜」とか
>まあ、些細な違いなんですけど、時間が切れているのか繋がっているのか明確にしたほうがいいかな、と。

ぐふっ!!
KOを奪われました。
前回から、ずいぶんと改稿したつもりでもそういった細かいところの癖が治っていなければ、どうしようもないですね。
「なんだよ、このやろう。(改)とかつけていながら、なにもかわってねぇじゃねぇか」と思われたことと思います。
すみません。
細かいところでの、時間のつながりを見せる。
了解いたしました。

>あとは、やはり彼の存在が謎過ぎる。シャイな人物がいきなり「就職浪人……」なんて呟くかといえば、納得しがたいところだと思います。

納得できないですか……。
できないですよね。
物語の発端から、そんな謎のやつが登場すれば、読者を置いて行ってしまいますね。
なにか、アクションを起こしたほうがよいのかもしれません。
なにやら、いろいろとある中で、不意に「彼」が破られた不採用通知を見てそう呟く、とか。
って、自分の作品でこんなことを言っても、いくらなんでも遅いですね。

>いや、たぶんただの恥ずかしがり屋ではないってことなんでょうけど。
>「良い人生」とかいて「浪人生」と読むのです。サンズイは汗と涙。

バサミさんも、大変な苦労をされたのでしょう……か?
将来、そう書かれた鉢巻を、頭に巻かなくて済むように、必死で勉強したいと思います。

>次によかったところ。

ピッチャーは、緩急を使い分けてきますね……。
まさに潰れようとしていたこのタイミングに、ありがとうございます。

>はじまりとオチは、わかりやすくなっていると思います。

ありがとうございます!!
多少でも改善点(もちろん、全体が改善されていないといけないはずなのですが)があったのであれば、うれしいです。

>名前を知る、というのは物語論的にも重要な要素ですし。
>愛しげに彼の名をつぶやく彼女の顔が浮かびます。

毎晩、布団に入る前に唱えていたり――!?
自分の作品ながら、妄想が広がりますね。
前回、「なぜ名前を知らないのか」について、言及された方がおられて、そこからなんとかしよう、と苦肉の策でした。

>……と、実は主人公である彼女の名前も謎なんですけどね。(まさか、わたしが見逃してるだけ?)

はい、不明です!
実は、登場人物は全員名前が不明なのです。
というのも、自分としては名前を付けると、どうしても作品のイメージがわかなくなるのです。
名前から浮かび上がるイメージに支配されるといいますか。
あとからつければいいだけの話なのですけども。
そのため、この作品で「名前」ということがいつのまにか一つのキーワードになっていたのは、そういう背景があります。

>締まりのないことを書き連ねましたが、まあ、要するに「読んだよ」と言ってみたかっただけです。

ありがとうございます。
読まれました!
大変ためになる感想をいただきました!

>できればお次は新作を拝みたいものです。

そうですね。
次回は、新作を投稿できたらと思います。
まだまだ未熟ですが、見守っていただければ、幸いです。

>それでは、失礼いたしました。

改めまして、感想を本当にありがとうございました!!
また、バサミさんの作品にお目にかかれることを楽しみに待っています。
これからもお互いに頑張りましょう!!

pass
2011年08月07日(日)11時25分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
mi-coさま。

>以前質問に答えさせてもらったことがあったので、もしかしてこの作品に関わることなのかなと、軽い気持ちで読ませていただきました。

その節は、本当にお世話になりました。
そして読んでいただいたうえ、

>折角なので感想を残しておきたいと思います。

感想まで、本当にありがとうございます!!

>確かgrass horseさんて、有川浩さんの作品が好きでしたよね。以前に掲示板で彼女の作品をお薦めしていたのを覚えています。意識されていたのかどうかはわかりませんが、作品の雰囲気がどこか匂わされました。何となくですけど。しかし残念ながら、似ているのは雰囲気だけでした。

はい、ファンです。
そしてこの作品は、有川浩さんの「植物図鑑」に大きな影響を受けています。
しかし、その影響が一番大きかったのは、第一稿で、第二稿からは少しずつ離れて行っています。
というのも、どうしても有川さんの二番煎じの域をでず「果たしてこれは自分の作品なのだろうか」と思ってしまったからです。(前作は、ほんとうに設定まで借りてきていましたので)
そこから、どうにか自分の作品にまで昇華できるように、改稿を繰り重ねてまいりましたが、おそらくそのような書き方をされるということは、中途半端だったということだと思います。
まだまだ、自分のオリジナリティーというものが、作り出せていませんね。
いえ、それ以前の段階なのかもしれませんが。

>私が思うに、この作品の一番の問題点は、主人公にあると思います。

ご指摘ありがとうございます。

>彼女は登場時、将来について悩んでいました。就職についてではなく、将来についてです。この違いはとても重要です。彼女は自分のやりたいことへのビジョンが定まっておらず、でもとりあえず就職しないとな、と半ば流されるような時期を送っていたはずです。

はい、その通りです。そのようなイメージで、彼女は作っていました。
自分の将来についてビジョンは固まっておらず、しかし、どこか周りに流されて就職することに違和感を感じている。でも、具体的に行動には出ていない。そんな、ちょっとへたれた感じを出そうとしていました。

>彼はそんな彼女に、こう言います。
>『働かなくてはいけない。それでも、ただ働くことに意義を見出せない。なら、色々と働いてみればいい。そして並行していろんな事をやってみればいい』
>この時点ではわかりませんが、最後まで読めば、彼のこの一言が如何に異彩を放っていたのがわかります。私がわかる位ですから、彼女なら彼と再会してしばらくした後にすぐ気付けたはずだと思うんですけどね。三年前とはいえ、印象に残っているはずですから。
>でも、この台詞が彼女の三年後には全然生かされていないんです。彼女はとりあえず就職はしたけれど、そのことについて作中ではほとんど語られていません。個人的にはすごくもったいないと思いました。

なるほどっ!!
確かに前半の大きなテーマとなる、この部分が、後半で完全に打ち捨てられていますね。
自分なりに、その原因を分析(いえ、思い出しているだけですが)してみます。

一つには、前作からの流れです。
もともとこの話は、「彼と私が再会」したところから「別れる」ところまでがメインでした。就職関連のことは、「そのようなことがあった」レベルにとどめ、昔のこともすべて回想でちゃっちゃと終わらせて、そのメインパートに突入していたのです。
しかし、前作に頂いた感想で、「出会いがあまりにも唐突すぎる」つまり、過去のことをさらりとはなされても、ご都合のようにしか聞こえない、というものがあり、そこを踏まえてこの前半パートを付け加えたのです。
そのため、あくまで前半は後半のための準備、といった意識が自分の中にはあり、そのなかで話を大きく膨らませておいて回収するということを、忘れてしまったようです。

また、もう一つ言えるのは「自分には就職経験」どころか「就活」を行った経験もない、ということです。そのため、あまり深くはかけないから、といつのまにか捨てていました。
これは、まさに自分の怠惰です。

ご指摘ありがとうございます。
 
>三年後の彼女には、生活環境における悩みというのが全く明かされていないということです。心残りは彼だけで、それもすぐに出会って解消されてしまう。ページ数にして1ページ位じゃないでしょうか。三年も経過したという印象はまったく受けません。また、三年たって彼女がどう成長したのかも伺えません。

削ったところですっ!!
長々と書いてあったのですが、先ほども書いた通り、前半が長すぎて後半にたどり着けないんじゃないか、前半はあくまで後半へのつなぎ、という意識の元「カットォォォオ」とざっぱり切り落としました。
しかし、そこが気になられたということで、問題はいかにちゃんと情報を詰め込みつつも、それを長く感じさせないか、ということだと思い知りました。
ほかの方々もおっしゃられる「設定」やそのほかの違和感は、すべて長いだろうと思って削った部分に含まれているものなのです。いえ、含まれているはずのものです。

違和感を感じさせないくらいに情報を入れ込みながらも、ちゃんとした雰囲気を演出できるよう、鍛練いたします。

>個人的には、彼との出会い方からして、職場での悩みなどを用意しておいたほうがよかったんじゃないかな、と思います。人間関係でも、仕事に対する意義でも何でもいいです。彼女はだいぶ参っていて、心身ともに疲弊している。そんな時に彼の言葉を思い出す。仕事の意義なんてまだ見付からないけれど、もう心が折れそうだよ、みたいな感じ。んで、彼が颯爽と登場し、風邪ひくぞ、みたいな感じで出会っちゃう。……すいません妄想してしまいました。

これも、すみません。
すべて同じですね。
就職したこともない学生が、リアルに就職の悩みを書くのはどうなのか……、と筆が乗らず、いつの間にか抜け落ちていた部分でした。
また、「私」は就職を楽しんでいる、という設定で、そのためあまり大きな愚痴などは考えなかったのですが、確かにそちらのほうが、再会のインパクトがありますよね。
 
>中盤も、二人でまったりするだけじゃなくて、彼女の悩みを彼と一緒に解決していく、あるいは彼によって励まされるような形で精神的に成長していく――そんな課程を描いていったほうが、物語としてもメリハリがあっていいと思うんですよね。

ふむふむ。
メモです。
それを書こうと思うと、おそらく長編になりますが、確かにそれを含めて一つの作品に仕上げるとよいかも知れません。
いろいろと頭にアイデアが浮かんできました。

>週に一回、彼と会うことによって心が癒されるというのも、職場の悩みなどがあったほうが、より説得力があるんじゃないかな、と思います。

はい。
その通りです。

>後半も妄想しましたが、自重します。これ以上はウザイですね。すいません……。

妄想結構!
どんどんと来てください。
自分でも気づいていなかった、ところからこの話が膨らむ可能性が生まれるのは、本当にうれしいことです。
とはいえ、強要してもなんなので。
前半、いろいろとありがとうございました。

>あと、ちょっとだけ気になった所を。

>>そこには大学生くらいの黒いパーカーを着た青年が、
>個人的には、
>『そこには黒いパーカーを着た大学生くらいの青年が、』
>と、黒いパーカーの情報を先に書いたほうが、イメージしやすいと思います。

細かいところをありがとうございます。
確かにその通りですね。
さっそく訂正させていただきます。

>それと、せっかく和菓子屋で働いているのですから、和菓子を作中で使ってほしいな、と思いました。最近では自分も作らせてもらっているみたいですから、それと絡めれば簡単に用意できたんじゃないかな、と思います。

和菓子!!
絡めよう、絡めよう、と思って、でもコーヒーと和菓子はどうにもなあ、と考えているうちに忘れてしまっていました。
いっそのこと野点にでも行かせましょうか。
いえ、冗談です。それはそれで面白そうな気もしますが。
しかし、コーヒーと絡めなくても、行けるような気がしますね。
いろいろとアイデアをありがとうございました。

>以上です。

ためになる感想を本当にありがとうござました!!
頭の中に「長編バージョン」が浮かんでおります。「花がひらくとき(改改)」……見苦しですね。
これからも機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

pass
2011年08月07日(日)11時11分 多加枝鋏見 Ciniu.yJFo +10点 EM111-188-5-62.pool.e-mobile.ne.jp
ハナミズキ。

どうも、grass horseさん、お久しぶりです。
地獄の底から浮かび上がってきましたタカエダです。(誰?って言われても気にしない)
改稿前の今作を読んだ身としては、まあ、書くべきだろうということでつらつらと述べます。

まず、悪かったところ。
前稿でも問題だなと思っていた、時間の流れ。これがまだ解決されていないように思いました。
頻繁に時間軸が飛んだり入れ替わったりで、けっこう頑張らないと読めないのでは、と。いや、頑張って読めよっていわれそうですけど、
>あの日から、私が続けていることがある。
例えばここを、「彼と会ったあの日から」とか
>彼は、毎週約束どおりの時間に、
「それから彼は、毎週約束どおりに〜」とか
まあ、些細な違いなんですけど、時間が切れているのか繋がっているのか明確にしたほうがいいかな、と。

あとは、やはり彼の存在が謎過ぎる。シャイな人物がいきなり「就職浪人……」なんて呟くかといえば、納得しがたいところだと思います。
いや、たぶんただの恥ずかしがり屋ではないってことなんでょうけど。
「良い人生」とかいて「浪人生」と読むのです。サンズイは汗と涙。

次によかったところ。
はじまりとオチは、わかりやすくなっていると思います。
名前を知る、というのは物語論的にも重要な要素ですし。
愛しげに彼の名をつぶやく彼女の顔が浮かびます。
……と、実は主人公である彼女の名前も謎なんですけどね。(まさか、わたしが見逃してるだけ?)

締まりのないことを書き連ねましたが、まあ、要するに「読んだよ」と言ってみたかっただけです。
できればお次は新作を拝みたいものです。
それでは、失礼いたしました。
11

pass
2011年08月07日(日)10時55分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ハイさま。

>ども、おひさしぶりです。
>ハイです。

お久しぶりですっ!!
待っていましたよ……ふふふ。

>見つけたとき。お、grassさんの新作? と思ったんですけどちょっと読み初めてすぐに以前読んだ作品であることを思い出しました。……もっとイチャつかせろとか感想を書いた記憶も思いだし……いえ、なにも思い出してませんw

そう、それです!
思い出していただけましたか。
「もっとイチャつけおら!」という言葉は、自分の心の中に、響き渡りました。
そこからのこの改稿作なのです……あれ、前回よりも評価が低い!!

>今更ですが、私の小説家など目指していない時期の初期作品に似た作風だと気づきました。そして、同時にそこに含まれる欠点も。

ハイさんに、いつの時代であろうとも似ているといわれるのは、大変うれしいです。
同志?
違いますね。すみません。調子に乗りました。

>例えば、この話ではいきなり彼が声をかけてくるわけですがそんなことは彼の性格的に妙に合致しない行動ですし。他の方がおっしゃるように、主人公の内面もなんだかふわふわしています。そういう一貫性の欠如が自分の初期作品のように、その場その場でそれっぽい行動をしているように見えました。

ほかの方にも言われました……。
はい。
「その場で、それっぽい行為」ですか。
「彼」のあれとかこれとか、「私」のあれとかこれとかそれですね!!
うう。
決められたことに沿って、キャラクターが動いてしまっている、という感じでしょうか。

>また、恋愛物としてみた場合やはり地味。さらーっと終わっとります。

な、なんですとぉ!!
精一杯盛り上げたつもりが……が……悔しいです。

>もちろん、さらーっと終わる恋愛物なんて山ほどありますがこの作品の場合オチは良いけどそれ以外の部分が記憶にさほど残らないのです。インパクトがなくて。落ち着いた雰囲気の作品にインパクトなんて求めるな、と思われるかもしれませんけど。求めているのは、しっとりとしたインパクト。それが欲しいのです。

インパクト。
見返してみると、確かにないですね。
最後の最後まで、ほとんど進展しませんし……。
なにか、決定的にひとつ持ってきたほうがよかったのかもしれません。キスなりなんなり、させましょうか! ええ! させましょう。(←自暴自棄)
すみません。
取り乱しました。
肝に銘じます。

>あと、私的にはこの枚数でころころ場面が変わるところがちょっと読みにくかったかと。場所の移動もそうですが、時間は移動ももっと減らした方が読みやすくなるはずです。その分、出していけるエピソードは減りますけどそこは良いところだけを抽出して……自分に言ってるなぁ、これw

前回、も同じような指摘をうけ、ずいぶんとカットしたつもりでした。
でも……夢とか出してるなぁ……。
了解いたしました。できるかぎり、連続した時間と場所を描けるように、精進してまいります。

>……とまあ、あまり良い評価を下してあげられなかったんですけど。
>ただ、前回から見ると全体の雰囲気が統一されているのでその点は良かったと思います。たしか、前は冒頭で叫んでましたっけ、コメディチックに。

叫んでました。
自分も、今叫びたいくらいです。
「こんにゃろーっ!!」
と。
ええ、自分の実力に対してです。
前回から、雰囲気が統一されていたとのことで、意識していた部分ですので変わっていたのであればうれしいです。

>あ、それともう一つ。

どんどん来てください!

>後半の、別れ、をもうちょっと印象的になるように工夫して主人公の心情がもっと伝わってくるようにして欲しいかな、私としては。
現状だと描写は丁寧なんだけど、妙に冷静さを保とうとしている主人公なので感情の伝導率が悪いって感じなんですよね。

ふむふむ。もっと感情的になって、その心情を書きまくったほうが、クライマックスとして盛り上がりますね。その点では前作のほうが……。
「感情の伝導率」
執筆辞書のなかに、書き込ませていただきます。

>だから最後に残るのがオチだけ、っていう。その辺りは会話か、独白で気持ちを表して欲しいところですね。

オチしか残らない作品……。
全体的に書き込みまくっているくせに、一番重要なところで、それが薄いんですね。
演出の仕方を、もっと学びたいと思います。

>まあ、そんな感じで。

長いためになる感想を、本当にありがとうございました!

>私の感想は以上! それではまたどこかで。

はい。
またどこかで!!
ハイさまも、これからも頑張ってください!!

pass
2011年08月07日(日)10時39分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
田中敬介さま。

>grass horse様。はじめまして。田中敬介と申します。
>作品を拝読しましたので、感想を残させていただきます。

読んでいただいたばかりか、感想まで、本当にありがとうございます!!

>丁寧なんだけど、地味だなぁ……というのが全体的な印象でした。高得点という「絶対に面白いよコレ!」という箔がついていなければ途中で読むのをやめたかもしれません。

丁寧さが相まって、地味路線にいってしまいましたね。
確かに、地味です。
絶賛地味増産中です!!
なんだか、自分で言って悲しくなってきました。
読みにくい作品だったと思いますが、最後まで読んでいただいたことに、感謝いたします。

>それで……内容については、あんまり語ることはないですねぇ……。とにかく「丁寧」に描写されてあるのですが、それは心理描写についてのことで、設定とか、その場の状況については、むしろ置き去りで……ツッコミを入れようにも出来ないんですよね……土台がフワフワしすぎて、というか、なにもかもが無難にまとめすぎていて。昔の少女漫画みたいな……。

ノックダウンです。
そういわれると反論のしようもありません。
展開はご都合ですし、設定はあいまいですし、まさに雰囲気で押そうとしていたところでそれが地味となると、この作品に残るものは、ほとんどありません。
すべては、設定をしっかりとしたものにできない、自分の実力ですね。
「無難にまとめすぎている」とのことで、肝に銘じさせていただきます。
いつか、田中さんをうならせるような、そんな作品を投稿室にあげ……あげ、たいですね。
いえ、あげます。

>とにかく、評価が難しい作品ですねぇ……なんだか、「この本に綺麗な挿絵がついていればプラス50点だけど、逆に汚い挿絵がついていればマイナス30点!」みたいな、見る人に全てを委ねている感じがしますね。

作者の意図が見えにくい、ような感じでしょうか。
挿絵さん、よろしくお願いしますっ!!
ではなく、いまひとつ、この作品を支える基盤が弱かった、ということだと思います。

>「変な人たちの変な恋愛の話だよ」と言われたらそうともとれるし「ロマンチックな恋愛の話さ!」と言われてもそうともとれる。

おっしゃる通りです。
完全に読者にゆだねてしまっていますね。

>就職浪人ということで二人は出会ったのだから、「私」が就職したときのこと(または、実際に働いているところ)をもっと綿密に描写してみてはどうですかね? そうするとキャラクターももっと生き生きしてきて、感情移入もしやすくなると思うのですが……。や、しかし、そうなるとこの独特の雰囲気を壊す恐れがありますね……ううむ。

今回、就職関係のエピソードを書くにあたって、一番悩んだところでした。
それは、自分はまだ学生であり、まったくといっていいほど「就職」に関係する経験もなければ、知識もないからです。
いろいろと勝手に書くのはいいけれど、「なに甘いことほざいてんだよ、このやろ」といわれるようなものしか、現在の自分には書けません。
そのため、そもそも入れるかどうかすら迷った部分でした。
「そういったことがあった」くらいに終わらせておこうか、と。
しかし、そういった意見をお聞きしますと、この作品はまた数年後に書き直すのが良いのではないかという気がしてまいりました。
まさに、自分が就職活動に励むようになった時にこそ、ほんとうの「私」をかききることができるのかもしれません。

>ただ一つアドバイスするならば「オチを変えたら?」ぐらいしか思いつきません。あの、私の好きな小説に「百瀬、こっちを向いて。」というのがあって、それも最後に○ ○ ○ が出てきて、しかもそっちの方が使い方が上手(当たり前ですが)なのです。

オチですか……。
それが微妙ということですよね。
むむむ。
検討してみます。
「百瀬、こっちを向いて。」
つい昨日本屋で見かけたところです!!
機会があったら、ぜひ読ませていただきます。

>それにしても好感が持てる文章でした。もっと他の作品も読んでみたいです。

文章だけは、大丈夫そうだったということで、うれしいです。
いろいろと問題があった作品でしたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
ほかの作品に関しては、投稿が一年に二回ペースという壊滅的な遅さですので、今年中に投稿できるのかすらわかりません。
しかし、そのように言っていただけて、これからもがんばろうと思いました。

>それでは感想は以上です。執筆、頑張ってください!

長く、ためになる感想を、本当にありがとうございました!!
田中さまも、これからもがんばってください!!

pass
2011年08月07日(日)10時23分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
izumiさま

>えーと、お久しぶりです。

お久しぶりです!!
不思議な印象の作品に、目も当てられないような感想を書いたのが、最後だったように思います。

>いつぞやは私の作品に二度も感想を付けていただきありがとうございました。

こちらこそ、大変勉強させていただきました。

>そしてご投稿お待ちしておりました。
>感想レスなどではたびたびお名前を目にしていたのですが、まだ作品の方は未読だったので、grass horseさんとはどんな作品を書く方なのだろうと常々気になっておりまして。
早速拝読いたしましたので感想をば。

エラそうな感想を書く癖に、自分では全く実行できていない、といった感じの作品です……。しかし、前回投稿したのも半年以上前ですから、だれも覚えていなくて当然ですね。

>はー、完成度高いですねえ。
細かいところまで丁寧に作られていて、作者様の熱意の強さを感じられました。

う、うわっ!
褒められてる!
ありがとうございます。熱意だけはありました。未熟ではありますが、それをどれだけこの作品に注ぎ込めるかなぁ、と。

>とにかくバランスが絶妙ですね。
文章や構成に無駄がなく、必要なピースが必要な場所に必要な分量だけ納まっているような居心地の良さ。
読み始めてすぐ、これは最後まで安心して読むことができる作品だという確信のようなものを感じることができました。

自分では、削ったり足したり、そんなことを繰り返して、全体的に間延びした話になったんじゃないか、と危惧しておりました。
それが、なんとかバランスのよい方向へ行ったのであれば、幸いです。

>ミヤコワスレという花を軸とした構成で、最後も花言葉で締めるというのは意外性こそないものの、この作品の雰囲気には合っていたと思います。

何分、トリックやキャラクター、ギャグで見せる腕前がないもので、雰囲気でゴリ押しみたいな感じでした。
ミヤコワスレは、書いているうちにだんだんと愛着がわいてきた花です。
確かに意外性ないですね……。
雰囲気に合っていたということで、うれしいです。

>浪人君がいいですね。
>あまりやりすぎるとバランスが崩れてしまいそうですが、個人的にはもう少しデレて欲しかったかな。彼はいじればいじるだけ伸びる子だと思うので(笑)

「彼」が一番の不安要素だったのですが……、そういっていただけると、自分も無口になろうかと思います。いえ、冗談です。
さて、これでも、前作から比べればずいぶんとデレたんですっ!!
上にもいらっしゃるハイさんに「もっといちゃつけおら!」と指摘されまして、「はい、甘くします」と答えてしまい、これでも最大限に甘々にしたつもりだったのですが……。
これが、モテない人間の限界値、というものでしょうか。
とはいえ、

>とはいえ、主人公に近づいた理由をほのめかすくらいのことはしても良かったように思います。さすがにそこの動機まで謎だと悪い意味で気になります。私もだいたい入江ミトさんと同じようなことを想像しましたが……。

そこに関しては、たしかに謎が残りすぎていますね……。
反省です。

>主人公は浪人君とは別の意味で謎多き人物でした。
>あまり年頃の女の子らしくないというか、幼いのか老成しているのかはなんとも言えませんが、どこか年齢不詳な感じがしました。

まさに、純真で少しおかしな大学生を描いたつもりが……、年齢不詳。
学生ながらに老人とよばれる作者の特徴が出てしまったのかもしれません。

>浪人君に好意を抱いているわりには、彼の名前も、どこから来たのかも、何をやっている人なのかも知らないし知ろうともしない、彼に求めているものも、一緒にコーヒーを飲めればそれで満足という非常にささやかなものですよね。
>で、どこか達観したキャラなのかなと思えばそうでもなくて、自らの将来や働くことの意義について悩み、誰かに思いの丈を打ち明けたいと願う年相応の一面を覗かせたり、あまり親しいとは言えない彼を強引に家まで引っ張っていく無邪気な行動に出たり、普通に怒ったり、泣いたり、嫉妬心を湧き上がらせたりと感情の起伏も豊かなんですよね。
>現実の人間って驚くほど多面的ですし、彼女はそういう人物だと言えばそれまでなんですが、この作品ではどこか分裂した印象を受けてしまったのも確かです。

うっ……、はい、そうです。
彼女のキャラが、分かりにくくなっていますね。
しかし、彼女のキャラは、作者と重ね合わせながら作っていて……つまり作者自身もキャラがぶれているということに!
なりませんね。
すみません。
きっちり反省点として心に刻んでおきます。

>まだまだ語りたいことはあるのですが、今回はこの辺で失礼いたします。それでは。

ここまで語っていただき、本当にありがとうございました!!
また、いつかの機会にお会いしましょう。
これからも、izumiさまもがんばってください!!



pass
2011年08月07日(日)10時03分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
二十兎 流助さま
感想をいただき、本当にありがとうございます!!

>初めまして二十兎 流助と申します。
>作品拝読させて頂きました。

初めまして、ありがとうございます。

>あの何と言いますか
>>なんだか格の違いの違いを見せ付けられているようで、腹がたった
>こんな感じになりました。
>もちろん腹がたった訳ではないのですが、レベルの違いを見せ付けられた感じです。

わ、わわわ、なんと言えばいいのかわかりません。
ありがとうございます(!?)

>主人公の女性の心理描写がこれでもか! というくらい丁寧で、謎な彼の行動は同じ照れ屋として共感できる物がありました。

共感していただける部分が一か所でもあったのであれば、自分としては、次につながります。
主人公の描写は、前作から引き続き、ずいぶんと力を入れたところでしたので、そういっていただけると、大変うれしいです。

>しかしながら第五章の
>>でも、私の生活の中で、彼とすごす日曜日は本当に大切なものだった。
>の所は、恐らく誤字なのでしょう。

誤字です。
まだ残ってましたか……、本当にすみません。
混乱させたことと思います。

>些細にも思える誤字が、ここまで印象に残ってしまうのは、物語に深く引きずり込まれているからだと思います。

そういっていただけると、なんだか救われるようです。
とはいえ、楽しんでいただけたようで、幸いです。

>よく分からない感想だけになってしまいましたが、凄く良い作品だったと自分は感じております。

ありがとうございます。
一人でも多くの方に、そういった印象を届けられるようになりたいです。

>執筆お疲れ様でした!

改めまして、感想までいただき本当にありがとうございました!!
お互いに、これからも頑張っていきましょう!

pass
2011年08月07日(日)09時24分 mi-co  +10点 p18177-ipngn100201kyoto.kyoto.ocn.ne.jp
mi-coです。

 以前質問に答えさせてもらったことがあったので、もしかしてこの作品に関わることなのかなと、軽い気持ちで読ませていただきました。折角なので感想を残しておきたいと思います。

 確かgrass horseさんて、有川浩さんの作品が好きでしたよね。以前に掲示板で彼女の作品をお薦めしていたのを覚えています。意識されていたのかどうかはわかりませんが、作品の雰囲気がどこか匂わされました。何となくですけど。しかし残念ながら、似ているのは雰囲気だけでした。

 私が思うに、この作品の一番の問題点は、主人公にあると思います。
 彼女は登場時、将来について悩んでいました。就職についてではなく、将来についてです。この違いはとても重要です。彼女は自分のやりたいことへのビジョンが定まっておらず、でもとりあえず就職しないとな、と半ば流されるような時期を送っていたはずです。
 彼はそんな彼女に、こう言います。

『働かなくてはいけない。それでも、ただ働くことに意義を見出せない。なら、色々と働いてみればいい。そして並行していろんな事をやってみればいい』

 この時点ではわかりませんが、最後まで読めば、彼のこの一言が如何に異彩を放っていたのがわかります。私がわかる位ですから、彼女なら彼と再会してしばらくした後にすぐ気付けたはずだと思うんですけどね。三年前とはいえ、印象に残っているはずですから。

 でも、この台詞が彼女の三年後には全然生かされていないんです。彼女はとりあえず就職はしたけれど、そのことについて作中ではほとんど語られていません。個人的にはすごくもったいないと思いました。
 
 三年後の彼女には、生活環境における悩みというのが全く明かされていないということです。心残りは彼だけで、それもすぐに出会って解消されてしまう。ページ数にして1ページ位じゃないでしょうか。三年も経過したという印象はまったく受けません。また、三年たって彼女がどう成長したのかも伺えません。

 個人的には、彼との出会い方からして、職場での悩みなどを用意しておいたほうがよかったんじゃないかな、と思います。人間関係でも、仕事に対する意義でも何でもいいです。彼女はだいぶ参っていて、心身ともに疲弊している。そんな時に彼の言葉を思い出す。仕事の意義なんてまだ見付からないけれど、もう心が折れそうだよ、みたいな感じ。んで、彼が颯爽と登場し、風邪ひくぞ、みたいな感じで出会っちゃう。……すいません妄想してしまいました。
 
 中盤も、二人でまったりするだけじゃなくて、彼女の悩みを彼と一緒に解決していく、あるいは彼によって励まされるような形で精神的に成長していく――そんな課程を描いていったほうが、物語としてもメリハリがあっていいと思うんですよね。
 週に一回、彼と会うことによって心が癒されるというのも、職場の悩みなどがあったほうが、より説得力があるんじゃないかな、と思います。

 後半も妄想しましたが、自重します。これ以上はウザイですね。すいません……。

あと、ちょっとだけ気になった所を。

>そこには大学生くらいの黒いパーカーを着た青年が、
個人的には、
『そこには黒いパーカーを着た大学生くらいの青年が、』
と、黒いパーカーの情報を先に書いたほうが、イメージしやすいと思います。

それと、せっかく和菓子屋で働いているのですから、和菓子を作中で使ってほしいな、と思いました。最近では自分も作らせてもらっているみたいですから、それと絡めれば簡単に用意できたんじゃないかな、と思います。

以上です。
では、失礼しますね。
11

pass
2011年08月07日(日)06時26分 ハイ  +10点 softbank126107009054.bbtec.net
ども、おひさしぶりです。
ハイです。

見つけたとき。お、grassさんの新作? と思ったんですけどちょっと読み初めてすぐに以前読んだ作品であることを思い出しました。……もっとイチャつかせろとか感想を書いた記憶も思いだし……いえ、なにも思い出してませんw

さておき。
今更ですが、私の小説家など目指していない時期の初期作品に似た作風だと気づきました。そして、同時にそこに含まれる欠点も。
例えば、この話ではいきなり彼が声をかけてくるわけですがそんなことは彼の性格的に妙に合致しない行動ですし。他の方がおっしゃるように、主人公の内面もなんだかふわふわしています。そういう一貫性の欠如が自分の初期作品のように、その場その場でそれっぽい行動をしているように見えました。

また、恋愛物としてみた場合やはり地味。さらーっと終わっとります。
もちろん、さらーっと終わる恋愛物なんて山ほどありますがこの作品の場合オチは良いけどそれ以外の部分が記憶にさほど残らないのです。インパクトがなくて。落ち着いた雰囲気の作品にインパクトなんて求めるな、と思われるかもしれませんけど。求めているのは、しっとりとしたインパクト。それが欲しいのです。
あと、私的にはこの枚数でころころ場面が変わるところがちょっと読みにくかったかと。場所の移動もそうですが、時間は移動ももっと減らした方が読みやすくなるはずです。その分、出していけるエピソードは減りますけどそこは良いところだけを抽出して……自分に言ってるなぁ、これw

……とまあ、あまり良い評価を下してあげられなかったんですけど。
ただ、前回から見ると全体の雰囲気が統一されているのでその点は良かったと思います。たしか、前は冒頭で叫んでましたっけ、コメディチックに。

あ、それともう一つ。
後半の、別れ、をもうちょっと印象的になるように工夫して主人公の心情がもっと伝わってくるようにして欲しいかな、私としては。
現状だと描写は丁寧なんだけど、妙に冷静さを保とうとしている主人公なので感情の伝導率が悪いって感じなんですよね。だから最後に残るのがオチだけ、っていう。その辺りは会話か、独白で気持ちを表して欲しいところですね。

まあ、そんな感じで。
私の感想は以上! それではまたどこかで。
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pass
2011年08月07日(日)04時20分 田中敬介 .X2tbVW.LA +20点 i58-94-188-189.s11.a022.ap.plala.or.jp
 grass horse様。はじめまして。田中敬介と申します。
 作品を拝読しましたので、感想を残させていただきます。

 丁寧なんだけど、地味だなぁ……というのが全体的な印象でした。高得点という「絶対に面白いよコレ!」という箔がついていなければ途中で読むのをやめたかもしれません。
 それで……内容については、あんまり語ることはないですねぇ……。とにかく「丁寧」に描写されてあるのですが、それは心理描写についてのことで、設定とか、その場の状況については、むしろ置き去りで……ツッコミを入れようにも出来ないんですよね……土台がフワフワしすぎて、というか、なにもかもが無難にまとめすぎていて。昔の少女漫画みたいな……。

 とにかく、評価が難しい作品ですねぇ……なんだか、「この本に綺麗な挿絵がついていればプラス50点だけど、逆に汚い挿絵がついていればマイナス30点!」みたいな、見る人に全てを委ねている感じがしますね。
「変な人たちの変な恋愛の話だよ」と言われたらそうともとれるし「ロマンチックな恋愛の話さ!」と言われてもそうともとれる。
 就職浪人ということで二人は出会ったのだから、「私」が就職したときのこと(または、実際に働いているところ)をもっと綿密に描写してみてはどうですかね? そうするとキャラクターももっと生き生きしてきて、感情移入もしやすくなると思うのですが……。や、しかし、そうなるとこの独特の雰囲気を壊す恐れがありますね……ううむ。

 ただ一つアドバイスするならば「オチを変えたら?」ぐらいしか思いつきません。あの、私の好きな小説に「百瀬、こっちを向いて。」というのがあって、それも最後に○ ○ ○ が出てきて、しかもそっちの方が使い方が上手(当たり前ですが)なのです。

 それにしても好感が持てる文章でした。もっと他の作品も読んでみたいです。
 それでは感想は以上です。執筆、頑張ってください!
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pass
2011年08月07日(日)03時37分 izumi  +20点 p6044-ipbfp902kanazawa.ishikawa.ocn.ne.jp
えーと、お久しぶりです。
いつぞやは私の作品に二度も感想を付けていただきありがとうございました。
そしてご投稿お待ちしておりました。
感想レスなどではたびたびお名前を目にしていたのですが、まだ作品の方は未読だったので、grass horseさんとはどんな作品を書く方なのだろうと常々気になっておりまして。
早速拝読いたしましたので感想をば。

はー、完成度高いですねえ。
細かいところまで丁寧に作られていて、作者様の熱意の強さを感じられました。
とにかくバランスが絶妙ですね。
文章や構成に無駄がなく、必要なピースが必要な場所に必要な分量だけ納まっているような居心地の良さ。
読み始めてすぐ、これは最後まで安心して読むことができる作品だという確信のようなものを感じることができました。
ミヤコワスレという花を軸とした構成で、最後も花言葉で締めるというのは意外性こそないものの、この作品の雰囲気には合っていたと思います。
冒頭の『彼といると、外と切り離されているような気がするのだ。まるで、私たちのいるベランダと、外とが完全に別の世界――画面を隔てて二つに分かれてしまったように。時間の流れが違う』という文に集約されていますが、二人だけ位相のずれた世界を漂っているような独特の雰囲気が印象に残りました。

浪人君がいいですね。
普通ここまでバックグラウンドが謎に包まれているとあまりピンとこないものなのですが、ミステリアスな彼の存在が作品に不思議な幻想性を与えていたと思います。
無口で無愛想でぶっきらぼうなキャラクターなんですが、ちょっと母性をくすぐられるような可愛らしさもありました。
「――視……ないか……さ」とボソリと漏らしたりとか、別れの日に何を言われても頑として植木鉢を抱えたままでいる場面などは思わずクスリとしてしまいました。
あまりやりすぎるとバランスが崩れてしまいそうですが、個人的にはもう少しデレて欲しかったかな。彼はいじればいじるだけ伸びる子だと思うので(笑)
とはいえ、主人公に近づいた理由をほのめかすくらいのことはしても良かったように思います。さすがにそこの動機まで謎だと悪い意味で気になります。私もだいたい入江ミトさんと同じようなことを想像しましたが……。

主人公は浪人君とは別の意味で謎多き人物でした。
あまり年頃の女の子らしくないというか、幼いのか老成しているのかはなんとも言えませんが、どこか年齢不詳な感じがしました。
浪人君に好意を抱いているわりには、彼の名前も、どこから来たのかも、何をやっている人なのかも知らないし知ろうともしない、彼に求めているものも、一緒にコーヒーを飲めればそれで満足という非常にささやかなものですよね。
で、どこか達観したキャラなのかなと思えばそうでもなくて、自らの将来や働くことの意義について悩み、誰かに思いの丈を打ち明けたいと願う年相応の一面を覗かせたり、あまり親しいとは言えない彼を強引に家まで引っ張っていく無邪気な行動に出たり、普通に怒ったり、泣いたり、嫉妬心を湧き上がらせたりと感情の起伏も豊かなんですよね。
現実の人間って驚くほど多面的ですし、彼女はそういう人物だと言えばそれまでなんですが、この作品ではどこか分裂した印象を受けてしまったのも確かです。

まだまだ語りたいことはあるのですが、今回はこの辺で失礼いたします。それでは。
9

pass
2011年08月07日(日)03時08分 二十兎 流助  +40点 softbank221041022051.bbtec.net
初めまして二十兎 流助と申します。
作品拝読させて頂きました。

あの何と言いますか
>なんだか格の違いの違いを見せ付けられているようで、腹がたった
こんな感じになりました。
もちろん腹がたった訳ではないのですが、レベルの違いを見せ付けられた感じです。

主人公の女性の心理描写がこれでもか! というくらい丁寧で、謎な彼の行動は同じ照れ屋として共感できる物がありました。

自分の作るキャラとは格段に違うでぇ……。

しかしながら第五章の
>でも、私の生活の中で、彼とすごす日曜日は本当に大切なものだった。
の所は、恐らく誤字なのでしょう。

些細にも思える誤字が、ここまで印象に残ってしまうのは、物語に深く引きずり込まれているからだと思います。

よく分からない感想だけになってしまいましたが、凄く良い作品だったと自分は感じております。

執筆お疲れ様でした!
7

pass
2011年08月07日(日)01時22分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
入江ミト様。
目を通していただき、さらには感想まで、本当にありがとうございます!!

>grass horseさん発見!いつぞやは、いろいろとお世話になりました。

こちらこそ、色々と勉強させていただきました。

>拝読しました。自分の実力は考慮せず感じたままに書くのでご容赦ください。

こちらこそ、化けの皮がはがれたようで、怖いくらいです。
素直な意見、受け取らせていただきます。

>良いと思いました。
>なんだか不思議な雰囲気の恋愛小説ですね。浪人くんの存在がとことん謎なんですよねえ。ヒーローがこれほど謎な恋愛小説はなかなか無いんじゃないでしょうか。
そして、この謎の人物、浪人くんの存在が、この作品の何よりの魅力だと思います。
浪人くんは、無口だったり旅人だったり、本名じゃなく「浪人くん」と呼ばれることを受け入れていたり、不思議な属性をたくさん持っていて、なんだか幻想のような存在ですね。
その浪人くんによって、作品全体としても幻想的な雰囲気になって、読んでいると作品の世界に引きこまれます。

浪人君、がどのように機能するのかが、この作品の大きな要でした。
正体が謎、すべてが謎、であるがゆえに出せる魅力と、そこから生じるデメリットと。
彼は、何気に気に入っているキャラなのですが、そのように言っていただけて、本当にうれしいです。
「彼」の存在と、「私」の存在がまずあり、そこからこの物語は始まりました。
それだけに、愛着のあるキャラです。

>文章もうまいですね。読みやすいですし、描写が丁寧だと感じました。もちろん、その文章力が作品が幻想的な雰囲気になっている理由のひとつだと思います。

文章について、違和感がなく雰囲気を壊していなかったのであれば、良かったです。
丁寧すぎてしつこく感じる人もいるんじゃないか、もしかしてそれは自分以外の全員ではないのか、と怯えていたところ、そのように言っていただけると、オアシスが目の前に誕生したような気分です。
ありがとうございます。

>それから構成もいいです。ミヤコワスレという花から物語が始まって、そしてオチでしっかりと活きている。いやあ、このラストは本当にうまいですね。おもわずニヤリとしてしまいました。素晴らしいです。

ありがとうございます!!
あれ……さきほどからお礼しか言っていないような気がしますね……。
自分としては、こんな発想は百年に一度降りてこればよい方ですので、それがあたったのであれば、本当にうれしいです。
生きていてよかった……。
あ、いや、すみません。
幸せのあまり、失神しそうになりました(←ちょっと冗談です)。

>ただですね、うーん……。
>物語全体として、とてもいいと感じるだけに、いや、いいと感じれば感じるほど、どうしても気になる点があるんです。

すみません。
やっぱりありますよね。

>それは、主人公と浪人くんの出会いのシーンです。

>最後まで謎を貫いている浪人くんですけど、このシーンでは圧倒的に謎で、意味不明な感じがします。
>なんで浪人くんは主人公に話しかけたのでしょう。そしてなんで、チラシの束を持っていたのでしょう。
>想像するに、浪人くんはあの時期頻繁にあのカフェに通っていて、不採用のたびに通知を破>る主人公の姿をたびたび目撃しており、それで主人公が就職浪人であることを察し、いつし>か気にかけるようになっていた、とかそんな感じかなと思うのですが。
>浪人くんはその時点で主人公に対して好意を抱いていたから、そんなことをしたのでしょうか。
>あまりにも浪人くんの行動が唐突すぎて、そのあたりがいまいち見えないんですよね。

>ついでに、三年後の再開シーンも少々不自然に感じました。例のカフェで会ったならともか>く、道端でというのは偶然にしては出来過ぎてますし、有無を言わせず浪人くんの手を掴ん>で走る主人公の行動も、ちょっと強引すぎる感じがします。

これは、先ほど言っていた「彼」が謎であることから生じるデメリットの一つで、どうにか回避できないかと最後までもくろんでおりましたが、ついにできませんでした。
いろいろと、混乱されたと思います。
ひとえに、ここらを入れ込めなかった、自分の実力ゆえです。

というのも、入江様が疑問として挙げられたすべての場面は、彼の謎に関係しているからです。
しかし、それを記そうと思うと彼視点のパート、またはさらにこの先に再開してお互いに話すパートを作らなければならなくなります。
それをすれば、確かにすべては説明できます。ただ、枚数が倍近くに跳ね上がると思い、「そもそも、今の長さでも最後まで読み通せるほどの作品なのか?」という思いから、その先は書かずに投稿させていただきました。
また、書きすぎて余韻が消えてもいけない、ということもありました。
これも、現在の自分の実力の限界なのだと思います。
もっと、もっと練習をして、それらをすべて入れ込んだ作品に仕上げられるようになりたいです。

>結局なにが言いたいのかというと、この作品、二人が毎週出会う関係になってからの内容は素晴らしいと思うのですが、二人の関係が生まれる過程が強引な感じがして、そこが惜しいと思います。
現実の世界では男女が恋愛関係になるということは簡単なことではないと思いますし、ましてやこの作品の二人は、カフェで出会うまでは見知らぬ間柄だったわけですから、二人の関係の発生は、もう少し説得力を持たせてほしいと思いました。この点は、恋愛小説としてはすごく大事なところだと思うんです。

言葉もございません。
まさにその通りです。ただ、自分の実力のなさが情けないです。

>全体として完成度の高い作品だと思いますし、素直に面白いとも思ったのですが、上記の点がもう一歩だったかなというのが、私の率直な感想です。

まさに、自分の実力不足が現れましたね。
リベンジ燃えます。もう復活しました。
ええ、いつか絶対に入江様を楽しませて見せますとも!!(←根拠のない自信)
未熟な作品に、長い感想を寄せていただき、本当にありがとうございました。

>それでは、これからも頑張ってください。

はい、お互いに頑張りましょう!


pass
2011年08月07日(日)00時58分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
ひながたはずみ様。
こんな夜遅くに読んでいただき、本当にありがとうございます。

>普段は長編の間にいるのですが、ちょっと出張で遊びにきて、美味しそうな匂いに釣られて読んでしまいました。折角ですので感想など残させていただければと思います。

遠いところから、ありがとうございます。

>とても良かったです。面白いという表現よりは、そちらの方があうかなと。私の好みには完全にマッチしました。

ありがとうございます!
なにやら、楽しんでいただけたのであれば、作者冥利に尽きます。

>作品の雰囲気、文章、構成、どれをとってもハイレベルで作者様の思い入れというか、力の入れようが伝わってきます。時間をかけて改稿したものって愛着がわきますよね。

時間をかけたことや、すでにお二方に感想をいただけたことに、本当に感謝です。それだけで、計り知れないほどの愛着が湧いてしまいます。
今回、投稿するまでに悩んだ時間は計り知れず(単純にへたれだけですが)、あーでもないこーでもない、と投稿直前まで変更を繰り返していました。
その結果が、良い方向で伝わったのであれば、こんなにうれしいことはありません。

>特にコーヒーとミルクコーヒーのやり取りが私は好きでした。私もお子ちゃまなので……

こんなことを書きつつ、自分はまったくコーヒーが飲めません。
ミルクがいくら入っていようともだめです。
淹れるのは好きなのですが……、ちょっと作者の思いが混同しています、ここらへん。

>と褒めてばかりではいけないので気になった点を幾つか。重箱の隅をつつくようなすぐに直せる細かなことも含まれているかと思いますので、スルー推奨。

細かいところをありがとうございます。

>・彼が来るのが月曜日なのか日曜日なのかがわからなかったです。どちらも使われていた気がします。

すみませんっっ!!!
月曜日です。
「和菓子屋が日曜日に休んでたら商売にならないじゃん」と慌てて、昨日変更したところでした。確認したはずなのですが、まだ残っているとのこと、さっそく訂正させていただきます。
混乱させてしまい申し訳ありませんでした。

>それから時間も。夜の九時なのか朝の九時なのか私には掴めませんでした。そして夜の九時から夜中の三時だと仮定すると、何にもないというのは不自然な気がします。

それに関しては、まったく予想しておりませんでした。
確かに、朝とも夜とも書かれていませんね。
とりあえずは、再開の日だけ夜の九時。それ以外は朝の九時だったのですが、そもそも月曜日で混同しているうえにそれすら書いていなければ、混乱しますよね。
ご指摘ありがとうございます。
すぐに直させていただきます。

>・すいません、タイトルから、最後には花言葉が使われるんだろうなと想像してしまいました。そしてその通りでしたのでちょっとだけベタだと思ってしまいました。ですが、雰囲気で読ませる作品だとも思うので、これはあんまり気にしなくてもいいかなと思います。

これに関しては……ちょっと深くない理由がありまして。
実は、これは最初に作品のタイトルとお題を二つだして、そこから書いた作品なのです。
もはやお題はどこか遠くに消え去りましたが、タイトルだけはまだその名残として使わせていただいています。
しかし、確かにタイトルからなにか花が絡んできて、花が絡むと来れば花言葉だと、簡単に連想できてしまいますね。
これは、すみません。
今回は見送らせてください。

>・家はお母さんと同居ではないですよね、たぶん……途中お母さんのセリフがありましたし、経済的な話も出てたので、短大時代には同居してて、卒業して就職して、一人暮らしを始めた、という理解で合ってるのかな……? ここいら辺を書いていただけたら嬉しかったです。勝手に男連れ込んでたらお母さんびっくりすると思うので。

いつ来るかいつ来るか……と待っていたところです。
田吾作さんのところに書いた「彼」の正体が不明、という点以外にもう一つ作者として気になっていた部分でした。
はい、彼女は働き始めてからしばらくして、一軒家を借りています。
第一稿、第二稿には入っているのですが、文章のリズムと構成的に、どうしてもうまく入れ込めず、そのまま手放してみた部分でした。これを中に入れられないのも、自分の実力に違いない、と。
しかし、改めて感想を読ませていただき、何とか入れ込もうという気がむくむくと湧いてまいりました。
最初からそれをやれよ、と言われても仕方がありません。
「全力だぜ」宣言をしておきながら、どこかで手を抜いていた自分が恥ずかしいです。
さっそく書き直させていただきます。
見苦しいところをお見せしました。

>私からは以上です。とても良質なお話しを読ませていただきました。素敵な時間をありがとうございました。

そう言っていただけると、本当にうれしいです。
いろいろと問題のあったこの作品ですが、最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました。
これからも、切磋琢磨してゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ひながたはずみ様も、これからも頑張ってください!!


pass
2011年08月07日(日)00時57分 入江ミト  +20点 pc-202-55-219-245.cable.kumin.ne.jp
grass horseさん発見!いつぞやは、いろいろとお世話になりました。
拝読しました。自分の実力は考慮せず感じたままに書くのでご容赦ください。


良いと思いました。
なんだか不思議な雰囲気の恋愛小説ですね。浪人くんの存在がとことん謎なんですよねえ。ヒーローがこれほど謎な恋愛小説はなかなか無いんじゃないでしょうか。
そして、この謎の人物、浪人くんの存在が、この作品の何よりの魅力だと思います。
浪人くんは、無口だったり旅人だったり、本名じゃなく「浪人くん」と呼ばれることを受け入れていたり、不思議な属性をたくさん持っていて、なんだか幻想のような存在ですね。
その浪人くんによって、作品全体としても幻想的な雰囲気になって、読んでいると作品の世界に引きこまれます。

文章もうまいですね。読みやすいですし、描写が丁寧だと感じました。もちろん、その文章力が作品が幻想的な雰囲気になっている理由のひとつだと思います。

それから構成もいいです。ミヤコワスレという花から物語が始まって、そしてオチでしっかりと活きている。いやあ、このラストは本当にうまいですね。おもわずニヤリとしてしまいました。素晴らしいです。


ただですね、うーん……。
物語全体として、とてもいいと感じるだけに、いや、いいと感じれば感じるほど、どうしても気になる点があるんです。
それは、主人公と浪人くんの出会いのシーンです。

最後まで謎を貫いている浪人くんですけど、このシーンでは圧倒的に謎で、意味不明な感じがします。
なんで浪人くんは主人公に話しかけたのでしょう。そしてなんで、チラシの束を持っていたのでしょう。
想像するに、浪人くんはあの時期頻繁にあのカフェに通っていて、不採用のたびに通知を破る主人公の姿をたびたび目撃しており、それで主人公が就職浪人であることを察し、いつしか気にかけるようになっていた、とかそんな感じかなと思うのですが。
浪人くんはその時点で主人公に対して好意を抱いていたから、そんなことをしたのでしょうか。
あまりにも浪人くんの行動が唐突すぎて、そのあたりがいまいち見えないんですよね。

ついでに、三年後の再開シーンも少々不自然に感じました。例のカフェで会ったならともかく、道端でというのは偶然にしては出来過ぎてますし、有無を言わせず浪人くんの手を掴んで走る主人公の行動も、ちょっと強引すぎる感じがします。

結局なにが言いたいのかというと、この作品、二人が毎週出会う関係になってからの内容は素晴らしいと思うのですが、二人の関係が生まれる過程が強引な感じがして、そこが惜しいと思います。
現実の世界では男女が恋愛関係になるということは簡単なことではないと思いますし、ましてやこの作品の二人は、カフェで出会うまでは見知らぬ間柄だったわけですから、二人の関係の発生は、もう少し説得力を持たせてほしいと思いました。この点は、恋愛小説としてはすごく大事なところだと思うんです。


全体として完成度の高い作品だと思いますし、素直に面白いとも思ったのですが、上記の点がもう一歩だったかなというのが、私の率直な感想です。

それでは、これからも頑張ってください。
失礼します。
10

pass
2011年08月07日(日)00時27分 ひながたはずみ  +30点 123-48-39-243.nagoya1.commufa.jp
 はじめまして。ひながたはずみと申します。拝読させていただきました。普段は長編の間にいるのですが、ちょっと出張で遊びにきて、美味しそうな匂いに釣られて読んでしまいました。折角ですので感想など残させていただければと思います。

 とても良かったです。面白いという表現よりは、そちらの方があうかなと。私の好みには完全にマッチしました。

 作品の雰囲気、文章、構成、どれをとってもハイレベルで作者様の思い入れというか、力の入れようが伝わってきます。時間をかけて改稿したものって愛着がわきますよね。

 特にコーヒーとミルクコーヒーのやり取りが私は好きでした。私もお子ちゃまなので……

 と褒めてばかりではいけないので気になった点を幾つか。重箱の隅をつつくようなすぐに直せる細かなことも含まれているかと思いますので、スルー推奨。

・彼が来るのが月曜日なのか日曜日なのかがわからなかったです。どちらも使われていた気がします。それから時間も。夜の九時なのか朝の九時なのか私には掴めませんでした。そして夜の九時から夜中の三時だと仮定すると、何にもないというのは不自然な気がします。

・すいません、タイトルから、最後には花言葉が使われるんだろうなと想像してしまいました。そしてその通りでしたのでちょっとだけベタだと思ってしまいました。ですが、雰囲気で読ませる作品だとも思うので、これはあんまり気にしなくてもいいかなと思います。

・家はお母さんと同居ではないですよね、たぶん……途中お母さんのセリフがありましたし、経済的な話も出てたので、短大時代には同居してて、卒業して就職して、一人暮らしを始めた、という理解で合ってるのかな……? ここいら辺を書いていただけたら嬉しかったです。勝手に男連れ込んでたらお母さんびっくりすると思うので。

 私からは以上です。とても良質なお話しを読ませていただきました。素敵な時間をありがとうございました。

9

pass
2011年08月06日(土)22時57分 grass horse a.TkuxTCe. 作者レス ackyto001002.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
田吾作様。
さっそくの感想をありがとうございました。人生初の五十点で、舞い上がっております。手が震えてキーボードをまともに打てません。
掌編でどんどんとレベルを上げ、いつのまにか長篇、短編へと進出。
最初の方に偉そうに感想を書いたにもかかわらず、作品を投稿もできていない自分とくらべて、なんて生長の早い方なのだろうと、常日頃寂しさを味わっておりました。
遅筆の自分には、とうてい真似のできないことで、うらやましいです。
この度は作品を読んでいただき、本当にありがとうございました。

>自分はなんだかんだ言っても感想批評が苦手なので、この点数評価システムというものには良く助けられています。まぁそんな感じで。

分かります。
さて、これはどう評価したらいいのか、どのようにこの感じを作者に伝えればいいのか、というときに、神様のように助けてくれますよね。

細かい感想をありがとうございます。
以下にその返答を。

>こんなに「別れ」をしんみりと描写した作品はなかなか無かったものと思います。最初の「出会い」から割りと早い段階で「別れ」を読者にちらつかせておいて、「ミヤコワスレ」という道具を使ってちりちりとそれを近づけていく。本当にはらはらドキドキしますし、心の中がしんみりとして来ましたね。もうっ。この焦らし上手! しかしとにかく感心したのは、下手などんでん返しを使わないできっちり彼と別れさせて終わるという。これはなかなか効きましたね。

前作のときに、この後さらに出会うというところをちらつかせて書いたのですが、どうにも話がぶれてしまい、まとまりきらない結果となりました。できる限り、一連の流れを意識して書いていたので、それがうまく伝わっていたのであれば、嬉しいです。
自分は、この作品を通して別れの悲しさというよりは、それ以上のなにか希望のようなものを描きたかったのです。そこで、いろいろと思案した挙句に、花言葉を使用することを思いつき、そこから逆算でミヤコワスレへと至りました。
それまでは、名前すら知らなかったので、不思議な出会いです。

>でもそれで終わってしまったんじゃぁ物語とは言いがたい。さぁどんな風に締めるのか、ここは臭い台詞を連打して感動を与えてくれよ! と思っていたのですが、やって来たのはまさかの植物図鑑。そして見事に合致する二人の強い思いと絆。……やべぇ……やべぇよあんた……。

そういっていただけると嬉しいです。
自分の中でも、何回も書き直してのラストでしたので、本当にうれしいです。
なんだか、先ほどから嬉しいとしか書いていないような気がしますね。

>台詞の少ない文章が序盤から内容のおだやかさを演出しているんですね。終始安定してそれが続き、むらもなく非情に繊細で洗練された筆致です。おそらく時間をかけられたのでしょうね。アホみたいに書きまくってしまう私には不可能な芸当です。

これでも、文章としてはまだまだ納得のいかないところはあります。
そこを、何度もなんども書き直したりしました。しかし、いくら書き直しても、時間をおいても、良くならないんですよね。それで、そこが今の自分の限界なんだろうな、と思い、延ばし延ばしになっていた投稿をさせていただきました。
そんな文章ですが、そのように受け取っていただけたということは、多少気にしすぎなのかもしれません。あまりにも奥手なもので、感想は書けどもなかなか投稿できず、ということを繰り返していました。その点、どんどんと先へ進んでいく田吾作さんの姿はまぶしくもあります。早く書けないと、それは出来ませんから。

>「彼」という人物についての具体的な描写もほとんどなく、あくまでも正体不明を貫きましたが、それでもものすごく魅力的な人物になっているのは、無口キャラの強みといったところか。この小説の核である部分はまちがいなくこのキャラクターの魅力です。これがなきゃ、別れもオチも雰囲気もここまでは引き立たなかったでしょうね。

ありがとうございます!
ここが一番の悩みどころだっただけに、そう言っていただけると、このまま天に召されそうです。いえ、すみません。取り乱しました。
さて、そうです。
ここが一番の悩みでした。
果たして「彼」は謎のキャラのままでよいのか。
これに関しては、前作からずっと持ち続けているものです。
いえ、実は前作の時は、「彼」は作者にとっても謎の存在でした。しかし、そんな人をだして作品が成り立つのか、というところで甘さが出てしまったのが前回かと思います。
今回に関しては、「彼」の正体が、自分の頭の中でなんとか固まってきました。しかし、それを表に出すのか出さないのか。
これも、投稿が一週間くらい遅れた原因の一つです。

>良い感想を書く方だと思っていましたので、投稿されるや否や読ませていただきましたが。いやはや予想を遥に上回る内容でした。
>中でも一番感心すべきところは、作品に込められた思いの強さだと感じます。とにかく丁寧に自分の思いが紡がれていて、とても感動いたしました。

ありがとうございます!!
楽しんでいただけたのであれば、幸いです。

それでは、改めまして、感想をいただき本当にありがとうございました!!

>創作お疲れ様です。これからもがんばってください。

これからもいつになるかは分かりませんが、このサイトに投稿させていただく予定です。
切磋琢磨していきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、田吾作さんもがんばってください!!


pass
2011年08月06日(土)22時22分 田吾作  +50点 ZL165238.ppp.dion.ne.jp
 拝読させていただきました。
 自分はなんだかんだ言っても感想批評が苦手なので、この点数評価システムというものには良く助けられています。まぁそんな感じで。
 「これが自分の現在の実力だぜ!」とおっしゃいますが、返す言葉としましては「参りました」ってところですかね。それじゃあとりあえず、拙いながら、これからこの作品を褒めちぎりますのでどうかご拝読ください。
 こんなに「別れ」をしんみりと描写した作品はなかなか無かったものと思います。最初の「出会い」から割りと早い段階で「別れ」を読者にちらつかせておいて、「ミヤコワスレ」という道具を使ってちりちりとそれを近づけていく。本当にはらはらドキドキしますし、心の中がしんみりとして来ましたね。もうっ。この焦らし上手! しかしとにかく感心したのは、下手などんでん返しを使わないできっちり彼と別れさせて終わるという。これはなかなか効きましたね。
 でもそれで終わってしまったんじゃぁ物語とは言いがたい。さぁどんな風に締めるのか、ここは臭い台詞を連打して感動を与えてくれよ! と思っていたのですが、やって来たのはまさかの植物図鑑。そして見事に合致する二人の強い思いと絆。……やべぇ……やべぇよあんた……。
 台詞の少ない文章が序盤から内容のおだやかさを演出しているんですね。終始安定してそれが続き、むらもなく非情に繊細で洗練された筆致です。おそらく時間をかけられたのでしょうね。アホみたいに書きまくってしまう私には不可能な芸当です。
 「彼」という人物についての具体的な描写もほとんどなく、あくまでも正体不明を貫きましたが、それでもものすごく魅力的な人物になっているのは、無口キャラの強みといったところか。この小説の核である部分はまちがいなくこのキャラクターの魅力です。これがなきゃ、別れもオチも雰囲気もここまでは引き立たなかったでしょうね。
 良い感想を書く方だと思っていましたので、投稿されるや否や読ませていただきましたが。いやはや予想を遥に上回る内容でした。中でも一番感心すべきところは、作品に込められた思いの強さだと感じます。
 創作本当にお疲れ様です。これからもがんばってください。
8

pass
合計 26人 550点


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