2011年8月26日 21時11分 更新:8月26日 22時47分
菅直人首相は26日、退陣条件としていた再生可能エネルギー固定価格買い取り法と特例公債法が成立したことを受け、民主党両院議員総会で「本日で代表を辞任し、新代表選任後、内閣総辞職の段取りを取りたい」と正式に退陣表明した。首相はその後官邸で記者会見し「復旧・復興など内閣の仕事は着実に前進している。厳しい条件の中でやるべきことはやった。一定の達成感を感じている」と、約1年3カ月の在任期間を振り返った。
首相は「市民運動からスタートした私が首相の重責を担えたのは、利益誘導を求めず応援してくださった地元有権者のおかげだ」と強調。福島第1原発事故については「未然に防げず、力不足、準備不足を痛感した」と述べる一方、「国家存亡のリスクを考え、原発に依存しない社会を目指す結論を出した。首相辞職後も最大の努力を続けたい」と、今後も脱原発に取り組んでいく姿勢を示した。
「一定のめど」での退陣を表明した6月2日の民主党代議士会からの約3カ月が「政治空白」と批判されていることに対しては、「(その間)11年度2次補正予算が成立し、原子力安全・保安院を経済産業省から切り離すことも閣議決定され、大変実り多い政策実行の期間だった」と反論した。
また、小沢一郎元代表を巡る党内対立が続いていることについて「昨年9月の代表選で多くの支持で再選したにもかかわらず厳しい環境が続いた」と指摘。元代表の党員資格停止処分の解除を求める声が上がっていることには「手続きにのっとって議論を重ねて結論を出した」と、否定的な考えを明らかにした。
次期首相に望むこととしては「社会保障と財政の持続可能性確保はいかなる政権でも避けて通れない。与野党で協力して実現してほしい。難しい課題でも国民に理解を得ながら進める方がふさわしい」と述べたが、党代表選で誰を支持するかは明らかにしなかった。【田中成之】