リビア:反体制派「50億ドル凍結解除を」 欧米に要請

2011年8月25日 12時46分 更新:8月25日 13時24分

24日、パリの仏大統領府で会談後、リビアの反体制派「国民評議会」のジブリル氏(左)の肩をたたくサルコジ仏大統領=ロイター
24日、パリの仏大統領府で会談後、リビアの反体制派「国民評議会」のジブリル氏(左)の肩をたたくサルコジ仏大統領=ロイター

 【カイロ樋口直樹、パリ福原直樹】リビアのカダフィ政権崩壊から一夜明けた24日、反体制派・国民評議会は本拠地を東部ベンガジから首都トリポリに移転させるなど、政権移行作業を加速させている。カタールで開かれた欧米・アラブ諸国との会合には代表団を送り、カダフィ政権時代の凍結資産のうち、少なくとも50億ドル(約4000億円)を解除して提供するよう要請。評議会の首相にあたるジブリル氏も24日、フランスのサルコジ大統領と会談し、新体制支援のための「拡大会議」を9月1日にパリで開くことを明らかにした。

 AP通信によると、評議会は公務員の給与や医療サービスの提供などに、少なくとも50億ドルの凍結解除が必要だと訴えている。当初は25億ドルと見積もっていたが、地雷除去や民兵の武装解除などの費用も盛り込み、必要総額が膨らんだ模様だ。

 一方、評議会ナンバー2のジブリル氏は24日、サルコジ仏大統領と会談。その後の記者会見で大統領とともに、カダフィ政権崩壊後の新体制支援のための拡大会議の開催を発表した。仏政府によると、拡大会議は仏英の発案。評議会と連携して軍事作戦を進めた北大西洋条約機構(NATO)諸国やアラブの国々など「連絡グループ」のほか、攻撃に批判的だった中国やロシアも参加。潘基文(バンキムン)国連事務総長も出席するという。

 会見で、ジブリル氏は逃亡中のカダフィ大佐の居場所について「分からない」と述べ、拘束されても「どこで裁くかは決まっておらずこれから(専門家の意見を聞いて)考える」とした。

 ジブリル氏によると、拡大会議が開かれる9月1日は、1969年にカダフィ大佐が将校団を率いて無血クーデターを起こし政権を樹立した日でもある。同じ日に会議を開くことで「新生リビア」の始動を印象づけたい思いがあると見られる。

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