【マナマ(バーレーン)】サウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸のアラブ諸国はバーレーンの反政府デモの鎮静支援のため、軍隊を派遣した。昨年12月のチュニジアでの政情不安がアラブ諸国に飛び火して以来、アラブ諸国の国境を越えた軍隊派遣は初めて。
湾岸協力会議(GCC)のペルシャ湾岸6カ国による広範な支援の一環として、1000人を超えるサウジ軍部隊が14日、バーレーンに入国した。同国を支配するアール・ハリーファ王族に対する脅威が一段と高まっていることに対する強まる警戒の表れとみられる。軍隊の最終的な規模は明らかになっていないが、アラブ首長国連邦(UAE)も軍隊を派遣していることを明らかにした。
サウジの当局者一人によると、軍隊の派遣はバーレーンの石油と発電施設など主要施設の保護が目的だという。ただ、バーレーンのどの地域の護衛に当たっているかといった詳細は公表されていない。
バーレーンの国営テレビ局は、サウジアラビアのタンカーや装甲車の映像を放映するとともに、バーレーンの安全保障を揺るがし、罪のない市民や住民を恐怖に陥れている「バーレーン王国の悲惨な状況のために」、軍隊が到着したと報じた。
一方、イスラム教・スンニ派の王族に対し、ほとんどがシーア派の同国のデモ隊側は、国連の潘基文事務総長と国連安全保障理事会常任理事国に対して抗議の書簡を送付すると明らかにした。