医師や看護師らが医療関連の法律を学ぶシンポジウムが22日、盛岡市内で開かれ、約60人が参加した。
医療訴訟に詳しい元判事で中央大学法科大学院の稲葉一人教授が「医療従事者の法的責任と対応」などをテーマに講演した。稲葉教授は結果として医療事故に至ったとしても、患者の状態をしっかりと把握し、予想されるリスクを回避するよう努力することで刑事上の「過失」は生じないと指摘。また、民事責任を回避するためには患者のニーズをしっかり踏まえた上で「説明義務」を果たすことの大切さを訴えた。
主催した県立病院医師連合会の加藤博孝会長は「医療者はリスクの高い行為をしているのに、法律に無防備だと言われている。現場でより理解が深まれば」と話した。盛岡市内の消化器科の男性医師(59)は「法的リスクに対する漠然とした不安があったので、法律を知ることで萎縮することなく医療行為に励みたい」と話した。【金寿英】
毎日新聞 2011年10月23日 地方版