5日死去した米アップルのスティーブ・ジョブズ会長の伝記「スティーブ・ジョブズ」が24日から、日米など世界18カ国・地域で同時発売される。日本語版は講談社が上下巻として出すほか、電子書籍としても配信する。タブレット端末やスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の急速な普及と相まって、電子書籍市場は今後の拡大が期待されている。ただし価格が海外に比べて割高なケースも多く、「ジョブズ伝」という有力コンテンツ(情報の内容)は日本の市場の本格的な立ち上がりに向けた試金石になりそうだ。
ジョブズ氏の死去で発売日が当初の11月21日から10月24日に約1カ月前倒しとなった。日本での翻訳・出版権を独占する講談社学芸局の渡瀬昌彦局長は「発売前に重版を決めた。翻訳本としてはきわめて異例」と話す。上下巻の新刊でそれぞれ初版10万部ずつ、計20万部を計画していたが、15万部を上乗せする。
伝記への注目が世界的に高まっているのは間違いない。米国では大手出版社サイモン・アンド・シュスター社が当初、初版125万部を計画していたが、いったん150万への増刷を決め、さらに170万部に上方修正した。発売前からミリオンセラーを確信しているようだ。
電子書籍 | ハードカバー | |
---|---|---|
米国 | 11.99ドル | 17.88ドル |
英国 | 12.99ポンド | 12.50ポンド |
ドイツ | 19.99ユーロ | 24.99ユーロ |
日本 | ハードカバーと ほぼ同額 | 1995円(上下各刊) |
※米・英・ドイツはアマゾンの各国サイトでの価格
※1ドル=約76円、1ポンド=約121円、1ユーロ=約105円
ジョブズ氏に関する電子書籍はすでに複数発売されているが、なぜ今回の伝記が特別話題を呼んでいるのか。それは、「唯一の公式評伝」だからだ。著者は、米TIME誌の編集長を経て、CNNの最高経営責任者(CEO)を務めた経歴を持つ、一級の伝記作家ウォルター・アイザックソン氏。
伝記の執筆に際してジョブズ氏は「原稿はあらかじめ見せなくてよい」など取材に特に制約を設けなかったという。夫人らへのインタビューも許可。取材時間は、本人と家族に2008年から50時間以上、アップル社の後任CEO、ティム・クック氏やマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏など関係者百数十人へのインタビューも盛り込み、約3年をかけて完成させた。
本人の性格や女性関係など、人間臭い部分だけでなく、「ジョブズ氏が死と向き合いどのようなことを考えていたのかが本人の口から語られている」(渡瀬氏)。
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